そんな思いを持っているあなたのために、
この記事では、『店舗・施設でBGMを流すメリット』と『どんな音楽を流したらいいのか?』について解説していきます。
お店や施設でBGMを流すなら知識がある方からのアドバイスが知りたいかと思います。
そこで、今回はNPO法人ミュージックソムリエ協会さんご協力の下、お店や施設のBGMについてインタビューしてきました!
この記事のインタビューにご協力頂いたのは、ミュージックソムリエ協会理事長の高安紗やかさんです。
お店や施設、オフィスなどBGMをかける時にどんなことを気をつけたらいいのか、
どんな音楽をBGMとしてかけたほうがいいのか、
音楽のソムリエにお話を聴いてきたので一緒に見ていきましょう!
BGMは目に見えないデザイン?!そもそも必要なのか?
デパート、レストラン、カフェ、バーなど飲食業、病院、クリニック、小売、工場、公共機関などあらゆる場所にBGMは適していると言えます。
他にも、例えばオフィスの中でBGMをかけるといってもBGMをかける部署とかけない部署があるなど、一つの場所でもBGMをかけるかけないやどの音楽をかけるのかなど違いが出てきます。
BGMは、その場、その環境、どのような人が利用するのか、どんな用途で利用するのかによって流す音楽は変わってきますが、BGMをかけるのはあらゆる場所で効果的に働きます。
BGMは目に見えないデザインです。
広告や絵、ポスター、その配置や組み合わせなど目に見えるものは力を入れやすいと思います。
しかし、逆に目に見えないものにはなかなか力を入れづらく、目に見えるものほど行き届かないところがあると思うんです。
でも、その空間を作っているのは目に見えるものと見えないものがあり、目に見えないところの空間づくりではBGMが果たす役割は非常に大きいと思います。
BGMがあるなしの違いとは?
無音の場にいると落ち着かないことってけっこうありませんか?
例えばカフェとかでBGMがかかってないと、カップを置く音とか雑音がすごい気になることがあると思うんですよね。他にも、会話をする時に無音だと少しためらってしまうとか。
BGMが流れていると、リラックスした気分でその場にいれたり、会話が弾んだり、集中できるなどその場やその環境によって色んな効果を発揮してくれます。
BGMがかかっている、かかってないが良い悪いということではなく、その場や環境、用途に合ったBGMをかけることで色んな効果が期待できます。
メリット・デメリット
マスキング効果は、BGMをかけるメリットの一つです。
例えば、歯医者さんで「キーーン」という音だけが響いていたら大抵の人は不安で怖くなると思うんですよね。
でも、そこでBGMで流れていることで「キーーン」という音が打ち消させるので不安や恐怖を感じないようにすることができます。
高速エレベーターなど機械音がする場でもBGMが流れていると気が紛れるので、不安や恐怖を感じづらくなるので効果的です。
これをマスキング効果といって、BGMをうまく利用することのメリットですね。
あとは、BGMを使うことでイメージアップやブランディングにも活用できます。
音楽をかけることで商品のイメージアップにつなげたり、会社の受付で流すことでセンスのいい企業だなと感じてもらったりもできますよね。
他にも、工場や事務など単調な作業をする場でBGMをかけると気分転換になり作業効率がよくなったり、
カフェやレストランでは、BGMがあれば気詰まりせず心地いい空間で過ごせて、会話が弾んだりする効果もあります。
BGMの効果はその場、その環境、その場にいる人にとって様々ありますが、効果的にBGMを流すことでメリットはとてもたくさんあります。
逆に、BGMをかけるデメリットもあります。
例えば、試験会場でBGMがかかっていたら集中できないですよね。
難解な論文を読み解いたり、英単語を必死になって思い出したり、考えながら文章を書くといった場ではBGMは効果的ではないかなと。無音が正解だと思います。
あとは逆に、同じ音楽を長時間ずーっと聞いていると音楽のお仕着せみたいになってしまうので過剰でないほうがいいですね。
他にも、大勢の人の意見を聞いて、比較して、考えたりするときにBGMが流れていると聴こえなかったり、考えづらかったりするので、BGMは適していないとも考えられます。
かけるBGMの選び方
音楽ジャンルの選び方
一概には言えないのですが、クラシックは「落ち着いた・
例えば、「銀行だからクラシック」と言っても1曲の中でも曲調が
店舗のメッセージ性とお客様への思いを考えながら選ぶとよいでし
ボーカルは必要?
日本語歌唱の楽曲は、同じ日本語の会話を妨害してしまうことがあります。
スタッフとお客様、またはお客様同士が会話するようなカフェ・サロンなどは日本語でない歌唱曲やボーカルのない音楽をオススメします
邦楽、洋楽で受ける印象は違う
邦楽だと歌詞がしっかりと理解できる曲が多いので、歌詞が気になってリラックスできない場合はありますよね。
なので、マッサージやエステなどリラックスしてもらう場にはあまり向かないかと思います。
しかし、邦楽でも歌詞がないインストゥルメンタルの音楽を流すと、クラシックや邦楽とは違った雰囲気作りもできるかと思います。
対して、洋楽は、日本人は英語が母国語ではないので、歌詞も含めて一つの音楽だと捉える方が多いです。
そのため雰囲気作りには合っていると思います。
メジャーとインディー
メジャーレーベルから出している音源は時にTVやCMでのタイアップ等、比較的一般に知られる大型メディアに出ていることが多い為に会話のきっかけになったり、聞いたお客様の思い出を想起させることができます。
お店の外で何かのメディアに触れ音楽を聞いた時に利用したお店を思い出してもらう、なんてこともあるでしょう。
当たり障りなく「無音が嫌だから」という理由ならばメジャーでない楽曲を選んでもいいかもしれません。
結論としてどちらも選べることが理想ですね。
音量はどう決める?
かけるBGMもそうですが、空間をどんな雰囲気にしたいのか、どんな人にどんな思いを持ってほしいのかによって適切な音量を気遣うとよいでしょう。
例えば、パチンコ店舗内は相当大きなボリュームでBGMがかかっていますが、関係ない人にはうるさい音楽でも中の人は遊戯に没頭できる効果があります。
一方で、ほとんどの空間では会話をすることが多いので音量は適度に抑える必要があります。
どんなBGMが向いているのか?
ヘアサロン、ネイルなど理美容店
お店によってどんな音楽がいいのかは変わってくると思うのですが、
例えば、若者がサクッとやってサクッと帰れるような短時間で終わるようなところであれば、ゆっくりな曲よりは、同世代向けの快活な曲がいいですよね。
逆に、お店でゆっくりと過ごし、凝ったネイルやヘアスタイルをするところであれば、非常にゆったりと上品な古典的なクラシックがいいかもしれないですね。
美容室やサロンなどは、きれいになって気分が上向きになるところだと思うんです。
なので、明るく、人にプラスのエネルギーを与えられるようなBGMが効果的だと思います。
飲食店
例えば、「焼き鳥屋」とだけ聞くと記念日やお祝い事に行くような場所ではないと思ってしまいますが、中には高級志向な記念日やお祝い事でも行ける焼き鳥屋があるんです。
なので、「焼き鳥屋」といっても一つにまとめることはできないんですね。
そのため、どんな雰囲気のお店にしたいのか、顧客はどんな人なのか、お客さんが居心地の良い空間はどんな空間なのかによって効果的なBGMは変わってきます。
あとは、時間によってBGMをかえるのも効果的です。
例えば、回転率をあげるようなお店では快活な音楽がいいですよね。回転率が高いお店なのにゆったりとしたBGMがかかっていたらお客さんもその空間に違和感を感じてしまいます。
逆に、滞在時間をあげてお客さんの単価を上げるようなお店では、ゆっくりとした居心地の良いBGMが良いと思います。
アパレルなどショップ
色んなショップがあるので、お客さんの滞在時間、年齢層、時間帯によって効果的なBGMは変わってきます。
どんな雰囲気のお店にしたいのか、どんなお客さんがどんな思いでその場にいてほしいかによってBGMは変わってくると思います。
邦楽、洋楽、クラシックなど様々ありますし、邦楽でもインストゥルメンタルを使うことでクラシックとは違った効果もあると思います。
オフィス(執務室)
オフィスでは、抑揚がない音楽が良いかと思います。
一概にクラシックといっても、いきなりテンポが変わったり、大きな音が出たりするのは向いていないと思います。
また、楽器の編成が徐々に増えていったりすると音楽に聞き入って集中できないので、編成が少ないクラシックというのもポイントですね。
クリニック
心配や緊張を持っている方が来るところなので、そういった不安要素を取り除く作用がある音楽がよいですね。
なのでクラシックの中でも、落ち着いたり、鎮静作用がある音楽がいいと思いますし、
クラシックだけでなく、アンビエントや演奏方法、アレンジの仕方、音色、楽器数、楽器の種類などからBGMを選ぶ事もできると思います。
工場など単純作業
一定的なテンポで進んでくような音楽が良いと思います。
工場だけでなく、単純な作業をする場所で共通するのですが、一定的なリズムで流れる音楽が適していると思います。
また、ゆっくりすぎても作業効率が落ちてしまう懸念もあるため、一定的なリズムで快活な音楽が良いと思います。
BGMの意外な選択肢も。
例えば「和」がコンセプトのお店があったとして、お琴のBGMがかかっているとします。
それはそれで違和感はないと思いますが、敢えて「アンビエント」という即興音楽のジャンルを使用するという事例があり、常識的なイメージにこだわらない選曲が新しい価値観を生みだすこともあります。
あくまで個別の空間に対する評価ですが、BGMは見えないデザインですから、追求していくとお店は更によくなる可能性を秘めているわけです。
BGMをかけるには?
お店、施設、オフィスなど商業的に音楽をかけるなら、BGMサービスがおすすめです。
著作権の許可を申請する必要がなく、定額で使えるため経費の計算もしやすいのがポイント!
スマホやタブレットのアプリ、パソコンからすぐに音楽を流すことができ、空間に最適な音楽を流せます。
BGMサービスは数より質で比較
BGMサービスはひと昔と比べて大きく変わりました。インターネットの革新の流れでBGMサービスを提供する会社も増えています。
「プレイリストが沢山あります」「使える曲が沢山あります」といっても、結局使うのはそのわずか一部です。
また、楽曲数やプレイリスト数が沢山あるように見えても、実際は「チャイム1」「チャイム2」「チャイム3」といった音源でも数に数えられているといったケースもあります。
なので、月額使用料も非常に気になる要素だとは思いますが、実際に使うBGM音源とそのプレイリストの内容が店舗に本当にあっているサービスを選択されるのがよいと思います。
【2024年版】おすすめ店舗BGMサービス11個を比較!料金や著作権も解説!
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NPO法人ミュージックソムリエ協会とは?
Q.NPO法人ミュージックソムリエ協会は、どんな思いを持って活動しているのですか?
音楽が作られたストーリーや思いを生活者の人に届けて感動を伝えたい。これを活動の指針、ミッションにしています。
それによって、音楽を聴いた人たちが幸せに感じる瞬間が少しでも増えるお手伝いができればいいなと思っています。
Q.具体的にどんな活動をしているのですか?
CDショップ店員さんが選ぶ「今年聴いてほしいアルバム」から賞を決めるCDショップ大賞の運営をしています。2020年3月に11回目が開催されました。
あとは、自分の好きな音楽を人に伝えるスキルを磨くためのミュージックソムリエの講座もやっています。
他にも、レコードストアデイの事務局、台湾文化クラブを立ち上げて日台音楽交流の歴史というオンライン講座、トークイベント、ライブイベント、インタビューなど色々やっています。
Q.今後の展望を教えて下さい
ジャンルを問わず、国や国境を超えて、国の歴史や背景を理解し、音楽を通じた文化交流を積極的に行っていきたいですね。
それと、音楽の魅力をたくさんの人に伝えられる人も増やしていきたいです。
インタビュー協力:ミュージックソムリエ協会