2023年11月10日に公開された、Netflixオリジナル映画『ザ・キラー』 アメリカのアクション・スリラー映画。
アンドリュー・ケヴィン・ウォーカーが脚本を執筆し、デヴィッド・フィンチャーが監督を務めた。
原作は、アレクシス・ノラン&Luc Jacamon/フランスのグラフィックノベルシリーズ『The Killer』
- 主演:殺し屋(キラー※名前は明かされていない)/マイケル・ファスベンダー(『スティーブ・ジョブズ』)
- 出演:女殺し屋/ティルダ・スウィントン(『ドクター・ストレンジ』)
- 監督:デヴィッド・フィンチャー(『セブン』『ファイト・クラブ』)
この記事では、Netflix映画『ザ・キラー』で流れる音楽16曲をご紹介します。 ※以下ネタバレ有り
『ザ・キラー』を観る方法
『ザ・キラー』で流れる曲とは?
オープニング
オープニングで流れた曲は、The Smithsの『Well I Wonder』です。
ザ・スミスは、イギリスのロックバンド。1980年代の英国ロック界を牽引しました。
キラーがヨガをしながら外を監視するシーン。静かな語り口調で引き込む演出は、まさにフィンチャー作品ならでは。
本作の主人公・キラーは、ザ・スミスに並々ならぬ想いがあるキャラクターで、至るところ(特に心拍数が上がるところ)で彼らの曲を聴くことが出来ますよ!
ちなみに、音楽を担当したトレント・レズナー&アッティカス・ロスは、多くのフィンチャー作品に携わっている常連です♪
キラーが標的を狙うシーン
キラーが標的を狙うシーンで流れた曲は、The Smithsの『How Soon Is Now』です。
とても爽やかなロックを聴きながら、標的に集中するシーン。
OPからずっとカッコイイ事を語っていたので、どんな完璧な殺しを魅せてくれるのかと思いきや…まさかの大失敗をします!
というか、こんなアップテンポの曲を聴いていたら集中出来ないのでは?と思ってしまいました。笑
外科医が手術中に音楽を聴くのと、同じ原理なのでしょうかね;
キラーが飛行機で音楽を聴く〜ドミニカ共和国に入国するシーン
キラーが飛行機で音楽を聴く〜ドミニカ共和国に入国するシーンで流れた曲は、The Smithsの『Hand In Glove』です。
証拠を隠滅し警察犬に怯え、飛行機に乗ってやっとひと息つくシーン。
目を閉じるキラーの顔には、束の間、安堵の表情が見てとれます。
ここまで、殺し屋にとっての「失敗」がいかに大変なものであるか、十分に伝わって来ましたね!
キラーが自宅に突入するシーン
キラーが自宅に突入するシーンで流れた曲は、Portisheadの『Glory Box』です。
ポーティスヘッドは、イギリスのエクスペリメンタル、エレクトロニカ・バンド。この曲は、映画やリーバイスのCMにも起用され有名になりました。
隠れ家へ到着したものの、何者かによって室内が荒らされているシーン。血溜まりもあって、キラーが取り乱している様子。
室内で流れているしっとりとした有名曲が、自宅の様子とミスマッチ…。突然の出来事だったという事を物語っていますね。
最悪の展開が待ち受けているのかと、緊張感が走ります!!
キラーがタクシー会社で乗車履歴を調べるシーン
キラーがタクシー会社で乗車履歴を調べるシーンで流れた曲は、Qbanitoの『Fiesta Latina』です。
Qbanitoは、キューバのラッパー、ミュージシャン。ヒップホップ、フレンチ ポップ、ラテン、R&Bなど多くのジャンルを融合させた音楽をリリースしています。
タクシー会社の社員を手荒く拘束し、パソコンに張り付くシーン。
失敗はしたものの、このあたりはさすが手慣れた殺し屋といったところですね!
ここでは独特なリズムとメロディの、ラテン調のラップが流れています。
キラーがニューオーリンズへ向かうシーン
キラーがニューオーリンズへ向かうシーンで流れた曲は、The Smithsの『Bigmouth Strikes Again』です。
なんの罪もないタクシーの新米運転手・レオを殺し、今回の殺しの仲介人である弁護士・ホッジスがいる、ニューオーリンズへ向かうシーン。
本作きっての胸糞シーン!冷徹な暗殺者として淡々と仕事をするキラーが、恐ろしくなりました。
もうちょっと慈悲の心を…!と思いましたが、並大抵の精神力ではやっていけない職業ですよね。
キラーが貸し倉庫へ向かうシーン
キラーが貸し倉庫へ向かうシーンで流れた曲は、The Smithsの『Heaven Knows I'm Miserable』です。
銃や武器、偽装用の色々が詰まった貸し倉庫で、殺しの準備をするシーン。
鍵は二つ、ナンバープレートまで常備していますが、本当に安全なのでしょうかね??
この時点で、彼の頭の中には何かのプランがあって、粛々と準備をする姿がとてつもなくカッコ良く見えます!
キラーがゴミ箱などを買い揃えるシーン
キラーがゴミ箱などを買い揃えるシーンで流れた曲は、The Smithsの『Girlfriend In A Coma』です。
ホームセンターのようなお店に立ち寄り、ゴミ箱や清掃用具を買い揃えるシーン。
車まで運んでくれた店員さんにチップを渡し、クールに振る舞います。(それとも代金かしら??)
キラーが何をしようとしているのか、どんな殺しになるのか、ドキドキというよりは楽しみのほうが大きくて、ワクワクさせられました!
キラーがドロレスを監視するシーン
キラーがドロレスを監視するシーンで流れた曲は、The Smithsの『Shoplifters of The World Unite』です。
清掃員に扮したキラーが、車の中でバナナを頬張りながらホッジスの秘書・ドロレスを監視するシーン。
「時代遅れのセキュリティ」「ドロレス、来たよ」など、少々不気味なナレーションが流れます。
ここで流れる「世界中の万引き犯達よ、団結して世界征服するんだ」といった内容の曲が、まさに人を攻撃しようとしているキラーにマッチしていますね!
キラーがドロレスを殺し、貸し倉庫へ戻るシーン
キラーがドロレスを殺し、貸し倉庫へ戻るシーンで流れた曲は、The Smithsの『Unhappy Birthday』です。
「子どもに保険金を残すため、殺すなら不審死などではなく事故死に見えるようにして欲しい」と懇願するドロレスを、事故死に見せかけて殺すシーン。
キラーのちょっとした人情が見えた瞬間です。
が、直後にホッジスの遺体を消すための色々を準備しており、その残忍さにはゾワっとしました。ノコギリとか超怖い!
いちいち爽やかな曲が流れるのですが、逆に不気味な演出だなと思いました;
キラーがフェリーに乗るシーン
キラーがフェリーに乗るシーンで流れた曲は、The Smithsの『This Charming Man』です。
「ホッジスであったモノ」を、フェリーから海へ投げ込むシーン。
痕跡を一切残さない、見事な?完全犯罪。そんなエグいシーン(描写はありません)では、美男子が魅力的な男性と出会い援助を受けていく…という、なんとも面白い曲を流しています。
人間味があったり、突然無表情になったりと、とにかく不思議な殺し屋・キラー。
ここまでしっかり出来るのに、なぜOPで失敗してしまったのか?猿も木から落ちる的な?…ナゾです。
キラーが、マグダラを襲った犯人を監視するシーン
キラーが、マグダラを襲った犯人を監視するシーンで流れた曲は、ORLANDO ANGELOの『CHOPSTICK』です。
レオが言っていた「怖そうな男」を監視するシーン。
ムキムキマッチョでピットブルを飼っている大男。愛犬には優しい顔をしていますが、キラーにとっては憎き仇です。
ORLANDO ANGELOはイギリスのラッパーで、まだあまり有名ではないみたいですが、ダークなヒップホップがマッチしていますね!
犯人の男が自宅へ戻って来るシーン
犯人の男が自宅へ戻って来るシーンで流れた曲は、Avalanche the Architectの『Pop Pop』です。
Avalanche the Architectは、アメリカのラッパー。わんこに薬を盛って、男を待ち伏せするシーン。
どうやらキラーは犬嫌い?苦手の様子ですね。空港でも口輪をしたわんこにビビっていました。
そういった細かいキャラ設定に、なんだか心を掴まれています。ビビりな部分と冷徹な部分の塩梅が良き!
キラーが女殺し屋とレストランで話すシーン
キラーが女殺し屋とレストランで話すシーンで流れた曲は、Gretchen Parlatoの『Better Than』です。
グレッチェン・パーラートはアメリカのジャズ歌手。グラミー賞に3回ノミネートされています。
ついに登場しました。個性的な美しさが魅力的な女優さん、ティルダ・スウィントン!
キラーを知っている殺し屋という事で、もっと絡むのかと思いきや、意外とアッサリめの出演でちょっと残念。
それでも圧倒的な存在感で、本作の良いスパイスになっていました。
キラーがホテルのタブレットで受付をするシーン
キラーがホテルのタブレットで受付をするシーンで流れた曲は、nok nok · Tkettleの『Can't Help Myself (feat. Clara Jo)』です。
アーティストの情報が見当たりませんでした;
ついに物語はクライマックスへ。失敗した暗殺の依頼人、クレイボーンの元へと向かうシーン。
キラーの逃亡しながらの復讐劇が、そろそろ終わりを告げようとしています。
最後のほうはスマホを駆使しての潜入で、実際に一般人でも出来てしまいそうなので、少々ヒヤリとしました;
エンドロール
エンドロールで流れた曲は、The Smithsの『There Is A Light That Never Goes Out』です。
エンディングでは、怪我が回復して来た恋人・マグダラとゆっくり過ごすシーンが流れてほっこり。
痛々しい傷跡が残るものの幸せそうなマグダラ、幸せになって欲しいですね。
ちなみに彼女を演じているのはドイツ生まれ、ブラジル育ちのソフィー・シャーロット。ただひたすらにキラーを想う女性を、見事に演じていました!
本作は、アクション少なめコメディ少々、ヒューマンドラマ、クライムストーリーと、色々な角度から楽しめる作品でした。(もっと怖いのかと思っていました;)
美しい景色やオシャレな演出を始め、マイケル・ファスベンダーの独特な演技も魅力的ですよ♪
サウンドトラック
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