2023年5月19日に公開された映画『最後まで行く』
2014年に韓国で制作された作品のリメイク版。
死亡事故を起こしてしまい隠蔽しようとした刑事を、謎の監察官が追うクライム・ストーリー。
- 主演:刑事・工藤/岡田准一
- 監察官・矢崎/綾野剛
- 監督:藤井道人
昔バイト先で岡田さんに会った事のあるbeersyです!(後光が見えたよ)
実力派俳優のお二人がほぼW主演と言っても過言では無い、見応えのある作品。
日本のみならず、フランスや中国でもリメイクされていますよ。
この記事では、映画『最後まで行く』を鑑賞した筆者の感想やあらすじ、ネタバレ解説をご紹介します!
『最後まで行く』を観る方法
『最後まで行く』の評価&感想
- 感動度
- 3
- 脳トレ度
- 4
- 再鑑賞度
- 3
- サプライズ度
- 4
- 話題性
- 5
本作の1番の特徴は、一本通して終始ドキドキさせられる緊張感。
開始三分、主演の岡田さん扮する刑事・工藤がいきなり人を轢いてしまいます。
そこからはもう、焦りまくりの主人公をヒヤヒヤしながら見続けるだけ!
しかも工藤は刑事にも関わらずかなりのダメ男なので、「そんなのバレるに決まってるじゃん!」という事をしてしまうんですね。(けれど何故か憎み切れない不思議なキャラクター)
広末涼子さん演じる離婚調停中の妻・美沙子がサジを投げるのも納得です。
そして、そんな工藤よりも圧倒的な存在感を放っているのが、綾野剛さん演じる監察官・矢崎。
いつも無表情で、時に優しく時に冷酷に見える彼が、どのように物語に絡んでくるのか?と、この存在にもハラハラさせられますよ。
さらに、ヤクザ「仙葉組」の組長を演じる柄本明さんの演技も圧巻!!
非常に重要なキーマンとなって来るので、初見の方は彼の動向や発言をよ〜く注意して観てくださいね。
他にも、工藤の上司役には杉本哲太さん、同僚役には駿河太郎さん…といった豪華なキャスト陣が出演していて、話題性もアリ♪
2022年の大ヒット映画(興行収入30億円超を記録)『余命10年』を手がけた藤井道人監督渾身の、手に汗握るクライム・ムービーです!
以下より重要なネタバレを含みます。
『最後まで行く』のネタバレ
人を轢いてしまった工藤の隠蔽工作
12月29日。
離婚寸前の妻・美沙子から、実母の危篤の電話を受けた刑事・工藤は、妻に悪態をつきながら車を走らせていた。
電話の途中で、上司の埃原警察署・淡島課長からも着信があり「埃原警察署が、暴力団の仙葉組から裏金を受け取っている」という記事が週刊誌に出ると言われた。
課長もそれに加担しているにも関わらず、全てをなすりつけられる工藤。しかも、電話を切った直後に母は亡くなってしまった。
追い詰められた工藤は取り乱すが、そこへ突然女性が飛び出して来て間一髪避ける。しかし安堵した直後、今度は男性がいて思い切り轢いてしまった。
フロントガラスにはヒビが入り、男性は死亡している。巡回中のパトカーを見て焦った工藤は、トランクに遺体を隠し逃走。
飲酒もしていた彼は、途中検問に合いピンチに陥るも、そこへ「監察官の矢崎」と名乗る人物が登場し現場を執りなしたため、工藤は助かる。
12月30日。
埃原警察署に矢崎が来て、工藤は裏金について聞かれたが、もみ消してやると言われて安堵した。しかし、他に隠している事は無いか?と疑われて焦るが、何も無いと答えた。
そして、男の遺体を母の棺へ入れて隠したのだった。
妻や葬儀担当者に「一晩母といたい」と言い訳し棺を見張っていると、そこへ仙葉組組長が香典を持って現れる。
組長は、母の治療費などで借金のある工藤に、砂漠から一生出られない惨めなトカゲの話をする。
そして、「とある寺に裏金が大量に隠されていて、その秘密を握っているのは寺の金を持ち逃げした金庫番の尾田だ。俺はそいつの行方を知っているから、尾田と寺院をパクれ。そうすればその寺領は俺が受け継ぐ。お前は砂漠から出たくないのか…?」と協力を仰いで来た。
岡田さんが出演している近年の作品では、いつもカッコ良くてクールな感じのキャラが多いので、久しぶりにヘタレっぽいキャラで新鮮味がありました!
『木更津キャッツアイ』とか『タイガー&ドラゴン』、いまだに大好きです…。(本作はそこまでギャグではありませんが)
矢崎は一体何者なのか?何がしたいのか?轢いてしまった男の、直前に出て来た女性はなんだったのか?
OPは豪雨でよくわからなかったので、疑問だらけの前半戦でした!
矢崎の正体
12月31日。
工藤が署にいると、大麻の密売で逮捕された過去のある男に対して、ガサ入れの許可が出る。その顔写真を見ると、なんと工藤が轢いてしまった男で、組長が言っていた「尾田」だったのだ。
なんとか同僚達の目をそらす事に成功し、母の葬儀が執り行われる。
しかし突然スマホに「お前は人殺しだ」というメールが来て狼狽えていると、非通知の電話が掛かって来た。
その電話口の人物は矢崎で、茶化した工藤に腹を立て激しい暴行を加える。
金庫を開けるには尾田の指紋が必要なため、矢崎は17時までに貯水池に尾田の遺体を持って来るよう良い残し、工藤の娘を誘拐した。
実は矢崎は監察課の本部長の娘と結婚しており、キャリアと引き換えに様々な悪事に加担していた。
本部長の裏金はある金庫に隠してあり、矢崎は手下として尾田を利用していたが、尾田が金庫の鍵を持って逃走。
大金で仙葉組を雇い、尾田を見付けて銃撃したが、倒れる直前に工藤が轢いて持ち去ってしまったのだった。
そして本部長には、娘と離婚し、将来は無くなったと思えと言われる。逆上した矢崎は、本部長を殴打し殺してしまった。
矢崎のサイコパスっぷりが露見されました。本部長を殴るシーンの目、ヤバさが光っています!!
『クローズ ZERO II』の漆原凌を彷彿とさせる、ミステリアスな役柄がハマっていますね〜。(クローズは綾野さんの出世作だそうです)
警察官という立場でありながら、どんどん罪を重ねて行く矢崎の行末は、工藤の行い以上にドキドキさせられます!
衝撃のラスト
工藤は、娘を救うため火葬直前に尾田の遺体を取り出した。
しかし、防犯カメラから車のナンバーが警察にバレてしまい、工藤は同僚の久我山に全てを話した。
久我山は、尾田の遺体に銃創がある事に気付き、矢崎が殺したのではないかと言って工藤に協力し始める。
しかし直後、それを知った矢崎に殺害されてしまった。工藤は遺体の指を切り落とし、爆弾を仕込んで娘の救出に向かう。
矢崎は工藤を殺そうとするが、工藤は「俺が死んだらマスコミにリークするよう仙葉に頼んだ。もう一切関わりたくねぇ」と言い、娘を救出し後を去ろうとする。
銃を仕舞った矢崎が車に戻ると、爆弾が爆発し矢崎は巻き込まれるのであった。
後日、工藤は大金が眠る金庫へ行く。切り落とした尾田の指で中に入り、お金を持ち去ろうとすると死んだはずの矢崎が来た。
激しく揉み合ったのち、新年の幕開けと共に工藤が勝利。しかしそこへ、仙葉が登場して工藤を眠らせ大金を横取りして行く。
週刊誌へのリークや、矢崎・工藤をそそのかした黒幕は、仙葉だったのだ。
ーー
年が明け、目が覚めた工藤は矢崎が動かない事を確認し、美沙子に「やり直さないか」と電話で伝えた。
自身も重傷を負っているが、車で家へ帰ろうとしたその時、後ろから何者かに追突される。
振り返ると、同じく重傷を負った矢崎の姿があった。
死んだと思ってもとことん追いかけてくる矢崎を見て笑いながら、工藤は車を急発進させる。
2台はぶつかり合いながら、道路をどこまでも…。共に、最後まで行くのだった。
エンドロールのおまけ映像では、仙葉組長が実は尾田をも操っていた事が判明します。
1番怖いの組長だったじゃん!!
そして不死身の矢崎。最後に工藤が笑ったのは、もう恐ろしさを通り越してしまったのでしょうね。
双方かなりの重傷を負っていたので、あの後どこかで相打ちし死んでしまったのか…。
でも、ラストにも出たタイトルは「最後まで行く」と進行形なので、なんだかずっとわちゃわちゃしながら生きていそうな気もします。
どちらにしろ、2人はたくさんの罪を犯したので(特に矢崎は)後が無いのは明白ですね。
最初から最後まで、緊張感ばかりの作品でした!
『最後まで行く』が好きな人にオススメの映画
映画『最後まで行く』同様、ハラハラするクライム・サスペンス映画をピックアップしました!
22年目の告白 ―私が殺人犯です―
藤原竜也さん、伊藤英明さんがW主演を務めた『22年目の告白 ―私が殺人犯です―』。斬新な題名で、当時話題になりました。
ラストのどんでん返しに驚く事間違い無し!駆け引きがたくさんあって、頭も使って、ドキドキさせられるストーリーです。
『22年目の告白 ‐私が殺人犯です‐』を観る方法
ゴールデンスランバー
逃亡モノといったらこの作品!作家・伊坂幸太郎さん原作の『ゴールデンスランバー』。
堺雅人さんが主演、竹内直子さんがヒロインの映画でしたが、公式Youtubeが無かったので、リメイクされた韓国版を貼らせて頂きました。
筆者は小説から入りましたが、謎の組織から追われる崖っぷちの逃走劇が本当〜に面白いですよ!