2023年5月4日に公開されたNetflixドラマ『サンクチュアリ -聖域-』
人生崖っぷちの男が、相撲で大金持ちになるという野望を持つ。
しかし、礼儀も何も無い彼にそんな大きな夢は叶えられるのかー。
公開された途端ネトフリランキング1位をキープしていた、大ヒットドラマ。
最近、相撲部屋のYouTubeにハマっているbeersyです!
こんな部屋が本当にあったら大問題だなぁと思いつつ…。
ネトフリだからこそ描ける「あり得ないけどリアルな相撲」を楽しめます!
この記事では、ドラマ『サンクチュアリ -聖域-』を鑑賞した筆者が、1話ごとに感想とネタバレ解説をご紹介します。(途中まではネタバレ無しなのでご安心を♪)
『サンクチュアリ -聖域-』の評価&感想
- 感動度
- 4
- 脳トレ度
- 3
- 再鑑賞度
- 4
- サプライズ度
- 5
- 話題性
- 5
オーディションで大抜擢された、主演の一ノ瀬ワタルさんを始め、相撲取りを演じる全てのキャストが、専門家の指示のもと肉体改造を行ったという本作。
力士特有の筋肉の付き方がリアルで、並々ならぬトレーニングを積んだのだろうな…と胸が熱くなりました!
そんなお相撲さん達の周りを、ピエール瀧さん、小雪さん、岸谷五朗さん、中尾彬さん、余貴美子さん、きたろうさん、 田口トモロヲさん、染谷将太さん、忽那汐里さんなど、錚々たる俳優陣が固めているのも印象的。
皆さんそれぞれの役がドンハマりで、これほど配役がピッタリな作品も中々無いのでは?と思いました。
ストーリーは、主人公・小瀬清が本当に不憫で教養が無くてどうしようもなくて、彼の見るに耐えない半生が事細かに描かれています。
「あ〜もうバカだなぁ…」と思うけれど、でも何故だか憎めない。
そこには葛藤しつつも垣間見える「父親への愛情」があるからだと思いました。
また、彼と対峙する事となる「静内」の壮絶な半生にも注目です。
目を背けたくなるほどどん底に落ちた彼の、ガムシャラな相撲をぜひ堪能していただきたい!
以下は、猿谷役の澤田さんの公式Xの投稿です。圧巻の肉体改造!今は入院されているので、元気になってまたアツい勇姿を見せていただきたいです。
猿谷ビフォーアフター
左オーディション前
右クランクイン後
35kg増量#サンクチュアリ #サンクチュアリ聖域#Sanctuary #sumo#猿谷 #澤田賢澄#ビフォーアフター pic.twitter.com/sHOrrP6hWd— 澤田賢澄/元力士俳優 (@chiyonoshin_999) May 27, 2023
以下より重要なネタバレを含みます。
『サンクチュアリ -聖域-』の主要キャスト
(四股名(本名)/演者/役の内容)
猿将部屋
猿桜-えんおう-(小瀬清)/一ノ瀬ワタル(粗暴な不良。恵まれた体格を持ち、金のために相撲を始める)
猿将親方-えんしょうおやかた-(猿将寛一)/ピエール瀧(元大関。現役時代の名前は猿風。清をスカウトしたが、手を焼いている。凄むと怖い)
花/小雪(猿将部屋の女将。奥ゆかしい女性だが、実は…)
猿谷-えんや-(服部忍)/澤田賢澄(猿将部屋トップ。真面目な相撲取りだが、怪我に悩まされる)
清水正喜-しみずまさき-/染谷翔太(相撲が大好きだが、体格に恵まれず苦労している)
小瀬清の関係者
小瀬浩二/きたろう(清の父。息子想いで優しい性格だが、経営していた寿司屋が倒産して借金を背負い、昼夜問わず働く)
小瀬早苗/余貴美子(清の別居中の母。寿司屋倒産後から性格が変わってしまい、男を作ったり金の無心をするトンデモ母)
七海/寺本莉緒(「club 凱旋門」のキャバ嬢。巨乳で清をメロメロにする)
村田拓真/金子大地(IT企業「Coin Bitters」代表取締役。若くして財を成しており、清のタニマチとなる)
他の相撲関係者
犬嶋親方-いぬしまおやかた-/松尾スズキ(元大関・犬牙洋平。現役時代からのライバル・猿将親方を恨んでおり、清の事も嫌っている)
馬山親方-うまやまおやかた-/おむすび(犬嶋親方のパシリ。共に猿将部屋に嫌がらせをする)
静内-しずうち-(静内国彦)/住洋樹(虎空部屋所属。顔に大きな火傷の跡があり、「化け物のような強さ」と言われる新進力士)
龍谷親方-りゅうこくおやかた-/岸谷五朗(元横綱・龍舞英貴。厳格な性格で息子の事は一切褒めない)
龍貴-りゅうき-/佳久創(龍谷部屋所属、龍谷の息子。イケメンで強く「角界のプリンス」ともてはやされているが、父親からかなりのプレッシャーをかけられており、よく吐いている)
熊田/中尾彬(日本大相撲協会の理事長。相撲界で1番の権力を持つ)
報道関係者
時津敬一郎/田口トモロヲ(関東新聞社の大相撲記者。定年間近で、国嶋の教育係となる)
国嶋飛鳥/忽那汐里(大相撲記者だが、帰国子女で生意気。政治部から飛ばされて大相撲記者になった)
『サンクチュアリ -聖域-』のネタバレ解説
エピソード1
福岡・北九州市門司。
高校生の小瀬清は、寿司屋を営む両親の元で育ち、恵まれた体格を活かし柔道で名を馳せていた。
しかし、多額の借金を抱え寿司屋が倒産。
母・早苗は家を出て行き、男の元をフラフラして借金を作っているが、父・浩二は「俺が悪いんだ」と言って、足が悪いにも関わらず夜間の交通整理などで働いていた。
そんな崩壊した家庭に嫌気が差していた清は、その強さでカツアゲなどをして微々たる金を集め、800万円の貯金を目標にし店を取り戻そうとしている。
ーー
ある日、小瀬家に猿将という相撲部屋親方が来て、「関取になったら月100万、横綱になったら億。土俵には金、地位、名誉、女全てが詰まってるよ」と甘い言葉を投げかけ、清をスカウトする。
猿将部屋は経営難に陥っており、柔道でオリンピックを目指せる実力を持っていた清に目を付けたのだ。
単純な清はその口車に乗り、猿将部屋に入門する事となった。
見送りに来た浩二にもらった、しわくちゃの五千円を握り締め…新幹線で東京へ向かう。
ーー
自分が強いと信じて疑わず、また相撲の事を馬鹿にしている清は、兄弟子達(特に猿河)から壮絶な嫌がらせを受ける。
残飯のような食事、度を過ぎたかわいがり、そして便の始末まで…。
親方の竹刀でのシゴキも激しかったが、それでも金のためと我慢していた。
そんな猿将部屋に、関東新聞社の時津敬一郎、国嶋飛鳥が取材をしにやって来る。
帰国子女で若い飛鳥は気が強く、その生意気さが災いして政治部から飛ばされて来たのだが、時津に叱られ渋々取材を引き受けた。
そして時津は、「小結まで上り詰めたものの怪我に苦しみ、次の場所で十両昇進を目指す再起の力士・猿谷」の記事を書くよう命じたが、飛鳥は猿将部屋の時代錯誤で暴力的な稽古に疑問を持つ。
ーー
相撲協会では、理事長の熊田、犬嶋親方、馬島親方が、龍谷部屋の龍貴が連勝している事を受け、大関昇進の話し合いをしている。
一方序の口で優勝した清については、犬嶋が彼の無作法なふるまいや柔道のような闘い方を熊田に見せ、「解雇処分が妥当」と提案。
しかし熊田は「今回は厳重処分で良いだろう。君は現役時代猿風(猿将の現役時代の四股名)に勝てず横綱になれなかった事で、猿将部屋を目の敵にしているのではないか?」と、逆に苦言を呈した。
ーー
猿将部屋の給料日。
下っ端の清は少額しかもらえず「話が違う!」と激怒するが、猿将は「月100万てのは、関取になったらの話だ」と言って突き放す。
耐えられなくなった清は、その夜荷物をまとめて部屋を出て行った。
しかし、それを追って来た小柄な兄弟弟子・清水が、「自分は相撲が好きで好きでこの世界に入ったけれど、ここにはいられない人間だった。君は土俵に立つべき人間だ。辞めないで。君の相撲を見ていたいんだ」と必死に止める。
彼もまた清のように兄弟子から嫌がらせを受けていたが、それよりも身体が大きくならない事に思い悩んでいたのだ。
清水は「逃げるのは僕だけでいい。絶対に戻ってよ!」と言って、去って行く。
ーー
朝になると、猿将部屋の兄弟子達は、清水と清がいない事に気付き「逃げたか」と嘲笑している。
しかし猿谷が土俵へ行くと、そこには四股を踏む清の姿があった。
清の散々な生活がリアルに描かれていましたね。
早苗はいくら店が潰れたとはいえ、清のためにもここまで落ちぶれなくても良かったのに…。
柔道を続けていたら、だいぶ違った生活が出来ていたはずです。
清には、浩二や清水くんの想いをきちんと受け止めて欲しい!
エピソード2
龍貴は大関昇進が決まり、囲み取材を受ける。
戦いたい相手は?と聞かれ、デビューから14連勝をし序二段優勝を果たした、静内の名前を挙げた。
また、飛鳥から「相撲界のこの古い体質は変わらないのか?」という問いには、「個人的には、世界が変わっているように、角界も変わらなければならないかと思います」とうまい切り返しをした。
堂々たる振る舞いに報道陣からは感嘆の声が上がったが、父の龍谷は「お前が角界を語るな!慎め!」と厳しく指導される。
実は龍貴は、その父からのプレッシャーに押しつぶされており、裏ではトイレに籠って吐くほど追い詰められていた。
ーー
清が公園にいると、桜の木を見上げている大柄な力士を見つける。
彼こそが、龍貴が話していた「静内」という力士であったが、何も知らない清は彼の顔の火傷痕を嘲笑いつつ、缶コーヒーを渡して去って行った。
その後清は、稽古中後一歩のところで猿河に勝てず悔しがっていると、猿谷に「四股を踏んでいないからだ」と助言される。
真面目な猿谷は清の素質を見抜き、厳しく指導しながら目をかけているようだった。
また、飛鳥も型破りな相撲をとる清の事が気になり、稽古を見ながら応援するようになる。
ーー
清は、猿将部屋の後援会会長・小川と猿河に連れて行かされたキャバクラで、巨乳のキャバ嬢・七海と出会う。
屈託のない笑顔を見せる彼女は、清と同じ福岡県出身という事で意気投合し、連絡先を交換した。
そして後日デートを楽しみ、清は七海にハマって行く。
しかしその夜猿将部屋に、「浩二が交通整理中にひき逃げに遭った」との一報が入る。
翌日清が急いで病院へ行くと、目は開いているものの意識のない父の姿が…。
早苗から「脊髄やられてもう動けんかもって。この人ついちょらんわ。入院費は知らんけんね、あんたが相撲で稼ぎな」と言われ愕然とした。
ーー
その夜東京に戻った清は、いつもの公園で自分の稽古中の動画を凝視し、ガムシャラに四股を踏み始める。
足がおぼつかなくなって来たところに静内が現れ、缶コーヒーを渡された。
それを一気飲みした清はニヤリと笑って、フラつきながら公園を出て行く。
静内は咲き乱れる桜を見上げて、過去を思い出していた。
それは、桜の木の下で血を流しながら倒れている小さい弟と、同じく血だらけで、涙を流しながらこちらを見ている母親。
返り血を浴びた幼い静内の顔にはすでに火傷痕があり、ナイフを手に冷たい目で2人の事を見下ろしていた。
!?!?
1話でもチラっと流れましたが、静内は母と弟を殺した…?
非常に闇深い展開となって来ました。
そして、良い事があると絶対に悪い事が起きる清。
浩二に至っては気の毒過ぎて何も言えない…。
エピソード3
虎空部屋の静内は、親方が「兄弟子に怪我をさせたくないため、利き手である左手を使わずに稽古をさせている。あいつはバケモノだ」と恐れるほど、不気味な強さを持っている。
彼は全く喋らない無口な性格だが、いつもの公園で清と会う事が多くなり、少しずつ打ち解けているようだった。
ーー
清は早苗からの電話で、浩二の入院費50万円を早急に用意しなければならなくなった。
そんな時、兄弟子のイケメン・猿岳に熱烈な男性ファンがいる事を知り、際どい盗撮をしてその男性に売りつけ、大金を手に入れた。
しかし、そのお金を結局七海に使おうとしてしまう。
羽振りよく高級寿司を奢ったが、デートの最後にはなんと七海に財布を盗まれてしまった。
清は財布が無い事に気付いて慌てるが、七海が盗ったとは微塵も思わず悔しがった。
また、猿将には猿岳の盗撮がバレて怒られ、踏んだり蹴ったりで嘆く。
(しかし猿岳は、盗撮写真がSNSに出回って自分がバズり、清を非難するのではなく「もっとカッコ良く撮れや!」とだけ言った)
清はとりあえず、今まで貯めて来たなけなしの25万を浩二宛に振り込んだ。
ーー
散々な目に遭い心を入れ替えた清は、猿谷の稽古を見つめながら自分なりに研究し、夜な夜な公園で四股を踏み始める。
努力を重ねた結果、ついに清は天敵の猿河を倒した。
その相撲に、猿将、猿谷も頷きながら頬を緩める。
飛鳥はつい拍手をしていて、どんどん相撲の世界にハマっているようだった。
少しずつ変わって行く清に、猿将は「猿桜」という四股名を付ける。
ーー
五月場所が始まり、清達が両国国技館へ行くと、力士を辞めた清水が現れる。
彼は実家へ帰っていたが、猿将部屋の女将・花が訪問し「相撲が好きなんでしょ?だったら、呼び出しをやってみたら?」と提案され、「呼出の正喜」として猿将部屋に関わる事になったらしい。
「ここから横綱への道が始まるんでしょ?」と笑う清水に、清もニヤリと微笑んだ。
序二段として土俵に上がった清…猿桜は、苦戦しつつも白星を上げるが、相変わらずの無作法な振る舞いで観客からも怒号が飛ぶ。
流石の猿将も清を殴り「やっていい事と悪い事があるだろうが!」と叱責した。
そんな中、三段目となった静内が土俵に上り、圧倒的な強さを見せ、流石の清も彼を避けるほどの威圧感を醸し出していた。
ーー
その夜、犬嶋が馬山と共に猿将部屋に行き「引退届」と突きつける。
そして「今日中に遠桜を辞めさせろ」と言って猿将を睨んだ。
静内の相撲は圧倒的ですが、とにかく無口なところが不気味さを増していますよね。
彼は本当に親を殺した男なのか…?
桜を見上げる静内はどことなく寂しそうで、優しい目つきをしていると思います。
あと七海が結構な悪女でドン引きしました。
エピソード4
清が犬嶋の前に出て、「ごめんやてぇ〜」といつもの調子で小馬鹿にしながら謝る。
犬嶋は激怒したが、花が現れ「若気の至りなので、許してやってください。犬嶋親方も昔稽古で色々あった時に、熊田理事長が収めてくださいましたよね?」と牽制した。
実は花は熊田の隠し子であり、溺愛されているらしい。
犬嶋は何も言えなくなり、そのまま帰って行った。
ーー
猿将は、竹刀で清を叩きながら今回の件を激怒し、流石の清も大人しくなった。
しかし、その後も連勝する清を見て怒りが収まらない犬嶋は、馬山に「あのガキを潰せ」と命令する。
目を光らせていた猿将はそれを見抜き、清に「逆に仕掛けろ」と耳打ちした。
手を折られそうになった清は、頭突きをして相手をひるませ馬山に向かってダイブ!
嫌がらせを跳ね除け見事に全勝し、序二段優勝を決めた。
猿将はその行いに爆笑し、久しぶりに心が沸くのを感じた。
ーー
猿谷も見事十両復帰を果たしたが、無理が祟って膝を痛めてしまう。
その猿谷を敬愛してやまない猿空は、気にかけてもらっている清を逆恨みし、SNSで「猿桜しねしね…」と誹謗中傷をし始めた。
ーー
一方静内も、変わらぬ強さで三段目の全勝優勝を決める。
しかし彼は、あの日の悪夢にうなされる日々を送っていた。
そんな静内の地元にライターの安井が行き、親子が殺された現場近くの神社の宮司に「親殺しの件でお話を伺えませんか」と言って、静内の写真を差し出した。
馬山にダイブからの一連の流れ、面白くてスカっとしました!
また、手伝いのいない静内の回しを巻いてあげる清からは、温かさが感じられます。
ほんとはきっと優しい子なのよ…。
静内も、清の事は嫌がりませんが「おめでとう」と肩を叩こうとする龍貴には、あからさまな敵意を剥き出しにしました。
彼の過去は、安井の手によって暴かれて行くのでしょうか?
エピソード5
序二段で強さを見せ調子に乗った清は、部屋での横柄な態度が益々酷くなって行く。
猿将は腹を立てていたが、小川に「でもアイツ強いからな…」と言われ、頭を抱えた。
そんな中、清は店で会ったIT企業の代表取締役社長・村田拓真に呼ばれ、高級マンションへ行くと「タニマチになりたい」と言われる。
彼は「相撲取り従えてんのカッコイイじゃん。ちょこちょこお金渡せばいいんでしょ?」と見下した態度を取り、清は少しイラついたが、浩二の事を想い「ありがたいっす」と金のために承諾した。
ーー
一方で、十両に復帰した猿谷はまたしても膝の怪我が悪化し、幕下に逆戻りとなってしまった。
そしてついに、長男や2人目を妊娠している妻を見つめ、次の場所での引退を決意し、猿将と花に報告する。
翌日から一層稽古に励む猿谷は、清の強さを見抜いて何度も稽古相手に指名。
相変わらず清の誹謗中傷の投稿を続けている猿空は、猿谷の引退の話を聞いてしまって「なんで猿桜なんですか…」と、稽古後の猿谷に泣きながら聞いた。
すると猿谷は「アイツはお前より強い。ただそれだけだ。それと、お前吐き出す場所間違ってるぞ」と、見透かしたように諭す。
猿空は、誹謗中傷の事を知られていたんだと気付き、その場で泣き崩れた。
ーー
犬嶋の策略により、猿谷の対戦相手が無双状態の静内となる。
猿将部屋に不穏な空気が漂っている中、猿谷は清との稽古で膝をさらに悪化させてしまった。
それでも猿谷は清に「気にするな」と声をかけ、担当医師には「やらせてください!」と頭を下げる。
流石の清も責任を感じていたが、無情にも九月場所が始まった。
猿谷は最善を尽くすが、やはり静内には歯が立たず負けてしまう。
しかしその気迫は凄まじく、観客席、そして清の心を奪っていた。
ーー
次の取組は、またしても犬嶋の嫌がらせで、猿桜の相手に静内が選ばれる。
清はプレッシャーを感じていたが、静内とすれ違う際には「殺すけぇの」と虚勢を張った。
その静内の元を、安井というフリーライターが訪ねて来る。
彼は「少年X、母と弟を惨殺か!?」という昔の週刊誌の記事を見せながら「これを世間に出すとかではないんですけど…。明日、猿桜に負けてもらえません?」と気味の悪い提案をした。
そして翌日、猿桜と静内の取組が始まる際、静内は安井の言葉を思い出し、ニヤリと不気味な笑みを浮かべた。
静内こわっ!本当のサイコパスなの?
清もその笑顔にビビっていましたし、何か嫌な予感がするラストでした。
猿谷は最後まで素晴らしい力士でしたね。
家族もいる事ですし、今後も相撲界に携わり良い力士を育てて欲しいです。
場所中は酒を飲まなかった真面目な猿谷と、「酒飲みすぎた…」とあくびをする清の対比が、観ていて辛かった…。
エピソード6
猿桜と静内の取組が始まったが、静内の最初の一発で猿桜の意識が飛び、そして血だらけになる。
間髪入れずに連続して壮絶な張り手を食らい、猿桜の歯は吹っ飛び、そして最終的には耳がちぎれてしまった。
猿桜は病院に搬送され、耳は縫合してもらったが顔中が腫れ上がり、包帯だらけに。
一方静内は、なぜかその取組を最後に休場する事を発表し、故郷である北海道へと向かった。
ーー
相変わらず父から厳しい指導を受けている龍貴の前に、安井が現れる。
そして、「静内の休場で連勝記録が破られなくて良かったですね。実は先日、知らない人から『静内に八百長をしかけろ』というメールが来て、金が振り込まれていたので動いてみたんですが、ダメでした」と明かした。
どうやら、そのメールの主が龍貴、もしくは龍谷部屋の関係者ではないかと疑っているようだ。
龍貴はうまくかわしたが、龍谷がその様子を見ていた。
その後、安井は週刊誌の出版社に「龍谷部屋八百長疑惑」の記事を持って行き売ろうとしたが、龍谷部屋のタニマチである伊東が突然現れ、安井を車に乗せる。
伊東は自分こそがメールの送信者だと明かし、「私は龍谷部屋のタニマチなんです。お察しください」と話して不気味に笑った。
そして、安井はある場所に降ろされたが、そこが別居中の妻と娘が住むマンションだと知り、脅しに屈して記事を出すのを断念した。
ーー
清は稽古に復帰したが、静内との取組がトラウマになってしまい、怖がって相撲が出来なくなる。
飛鳥が励ましの言葉をかけたが、どうしてもあの時の恐怖が襲いかかって来るのだ。
また、自分の事をおもちゃにする村田に対しても苛立ち、ブチ切れて失禁させるほど殴ってしまった。
さらにその後、犬嶋の命令で馬山部屋の力士達が出稽古に来て、猿将部屋の力士達はこっぴどくやられる。
清はその中の1人に煽られ、桶で殴り出血させて暴れてしまった。
ーー
龍谷部屋の女将・弥生が、伊東を接待しながら「私が変な事をお願いしたばかりに、お手を煩わせましたね。私だけは、あの子(龍貴)の味方でいたいのです」と囁く。
伊東はニコリと笑って、弥生の手を舐めながら夜をも誘った。
耳が吹っ飛ぶグロ映像…もう観ていられませんでした。
あんな血だらけの一戦、リアルでは絶対に無いですよね。一瞬、デスマッチプロレスを観ているのかと!!
そして伊東さんも怖いよ!演じておられるのが笹野高史さんなので、何かあるとは思いましたが…。
このドラマ、まともな人がとても少ない。笑
猿将をとんでもない人だと思っていましたが、だんだん人間味のあるキャラに思えて来ました。
エピソード7
乱闘の事を知った犬嶋はこれ幸いと、「大騒ぎになりますよ。部屋を畳みたくなければ、猿桜を解雇するように」と熊田の前で猿将に命じる。
今回ばかりは熊田も動けそうにないと悟った花は、龍谷に電話をかけ「私があなたから離れる時にした約束、覚えていますか?」と話した。
すると龍谷は犬嶋を家に呼び、猿桜の解雇を取り消すよう伝え「あなたの横綱昇進がかかった取組を、いつも阻んだのが猿風でしたね。しかし、もう目の敵にするのは辞めた方が良い。昔譲った星の恩を返していただきたい」と言って凄む。
龍谷は昔、犬嶋に頼まれ八百長に加担していたようだ。
それで犬嶋は何も言い返せなくなり、翌日相撲協会から猿将部屋に「解雇撤回」の連絡が入った。
一方で龍谷は、弥生に「伊東さんからお前が仕掛けた八百長の事を聞いた。お前はここに相応しく無い。出て行け!」と叱って追い出す。
龍貴は泣きじゃくりながら母を追いかけたが、弥生は涙を浮かべ、深く一礼して去って行った。
実は伊東は宗教団体の教祖であり、龍谷を洗脳し傾倒させていたのだった。
ーー
清が村田に「謝りたい」と言われマンションに行くと、そこには裸でベッドにいる村田と七海の姿が。
ショックを受けたが、もう何も言わずにその場を去った。
そして解雇を撤回されたと知っても、何もする気の起きない清は荷物をまとめる。
しかし、猿将からの電話で事情を知った早苗が、突然部屋に乗り込んで来て「あんたが父ちゃんの治療費稼ぐんやろ?潰した店取り戻すんやろうが!!」とハッパをかけた。
母に殴られまくった清は、つい押し倒し拳を振り上げて睨むが、早苗は怯む事なく「良いツラ構えや」と言って部屋から出て行く。
その後人目を憚らず号泣した清は、自分を守るために付けていた包帯を取り、心を入れ替えた。
翌日から清は、坂を走り込み大きな声を出して、真面目に稽古に励み出す。
猿谷や清水の助言を素直に聞き、猿将の現役時代の「立ち上がりの低さ」を習得しようと考え始めた。
そして猿将にも頭を深く下げ「どうやったら強くなれるか教えてください!!」と懇願した。
ーー
静内は、相撲をしていた子供の頃の事…本名の「国彦」だった日々を思い出す。
1人で幼い兄弟を育てていた母親は優しかったが、借金地獄に陥ると情緒不安定になり、喜怒哀楽が激しかった。
最終的に、陰湿な取り立てをされ続け追い詰められた母親は、桜の木の下で国彦の弟を手にかけてしまう。
そして、国彦の目の前で自分の首をも切り自殺した。
いつも母から「辛い時は、無理してでも笑うの」と言われていた国彦は、返り血を浴びながら笑みを浮かべていた。
そんな悲劇を目の当たりにした国彦の事は、近くの神社の宮司が今でも気にかけている。
ーー
清は、猿谷に「小指は力の源だ。ちぎれるまで鍛えろ」と助言され、夜な夜な小指の強化を始める。
タバコも辞め、朝から晩までトレーニングをする姿に感化された他の兄弟子達も、一緒になってトレーニングを始めた。
部屋の中は活気付き、ついには1番犬猿の仲だった猿河も仲間入り。
そこに飛鳥も加わって、笑顔も見られる中で共に成長して行った。
ーー
懲りない犬嶋は、またしても馬山に銘じて猿将部屋に出稽古に行かせる。
しかし、すでに猿将部屋の力士達は相当な実力を付けており、馬山部屋の力士達は全く歯が立たなくなっていた。
逆境を跳ね除け、「静内復活」という記事を飲み込み、髷を結った逞しい清の姿を見た飛鳥は、涙を浮かべた。
全員でトレーニングをして、最後にちゃっかり猿河がはしゃいでるのを見てほっこり♪
早苗ママのハッパはやっぱり美談には出来ないですが、良いきっかけとなりました。
静内の国彦時代は、本当に不憫で…。
しかし、火傷痕については触れられなかったので、まだ謎が残っていますね。父親がやったのか?
龍谷の宗教洗脳も闇深い…。花さんは龍谷の恋人だったのか…?
エピソード8(最終話)
ついに、猿谷の断髪式が行われる。
猿谷の家族や弟子達が、感謝を述べながらハサミを入れて行き、最後に猿将によって大銀杏が切り落とされた時、土俵内には拍手の音と涙が流れた。
1人の力士が土俵を去る。
猿桜も真っ直ぐ前を見据えており、稽古後には必ず土俵に向かって一礼をしていた。
ーー
一月場所。
またしても犬嶋の仕業で、猿桜の初日の相手には静内が選ばれていた。
記者席にいる飛鳥は「きっと勝ちますよ」と時津に力強く断言し、土俵を見つめる。
客席には、七海の姿もあった。
ーー
猿桜が会場に入る前、兄弟子達が見送りに来て、背中に気合を入れた。
犬嶋がふざけて耳を飛ばす仕草をしたが、猿桜の目には入らないほど集中している。
一方静内は、客席に母と弟が来ているように見えて、母が「国彦が相撲で勝った時が、1番幸せ」と言っていたのを思い出していた。
猿桜も、病床にいる浩二の事や、寿司屋で過ごし幸せだった頃を思い出す。
様々な想いが錯綜する中、2人はついに立合い、激しくぶつかり合うのであった。
開口一番、えぇ!?ここで終わり!?と叫んでしまいました。笑
ですが、暗い過去を持つ2人の戦いに、簡単に決着を付けるのも無粋という事でしょうか。
確かに、清だけではなく静内の過去も明かされたため、ライバルとして物語に深みが出たような気がします。
あれくらいの事(大怪我)がなきゃ、清は変わらなかっただろうな…とも思ったり。
その時静内が笑ったのは、安井に屈する事なく「友達」を本気で潰さなければならない…そんな辛い気持ちがあったからなのかな。
とにかくまだまだ消化不良な点があるので、シーズン2熱望です!!
猿谷さん(澤田さん)、どうか元気になりますように…。