2023年10月27日、Netflixにて公開された映画『ペイン・ハスラーズ』。
実際に起こった鎮痛薬の問題を題材にした、アメリカのヒューマンドラマ映画。
製薬会社を舞台に、無職のシングルマザーが奔走する物語です。
幼い子どもがいる親にとって、Netflixは最高の現実逃避世界。
本当にあった、鎮痛剤の怖い話。薬害についてはコロナの時も色々ありましたよね。
他人事とは思えないシリアスな内容ですが、コミカルに描かれているので観やすいですよ♪
この記事では、Netflix映画『ペイン・ハスラーズ』を鑑賞した筆者の、感想やあらすじ、ネタバレ解説をご紹介します!
『ペイン・ハスラーズ』を観る方法
『ペイン・ハスラーズ』の評価&感想
- 感動度
- 2
- 脳トレ度
- 3
- 再鑑賞度
- 2
- サプライズ度
- 2
- 話題性
- 4
無一文だが野心的なシングルマザーが就いたのは、製薬会社の営業職。手段を選ばず強力な鎮痛剤の新薬を売り込み、荒稼ぎをする営業チームの一員となった彼女は、一体どこまで突き進むのか?
筆者が個人的に大好きな女優さんである、エミリー・ブラントが主演。
彼女の美しさと演技力だけでも観る価値アリの作品ですが、クリス・エヴァンスの嫌な男っぷりもスゴイ!
素晴らしいアクターが集まっているので、話題性がある上物語に入り込みやすいですよ。
ストーリーは、アメリカで1990年代の後半から深刻化した「オピオイド危機」を原案としたもの。
「オピオイド危機」とは、オピオイド系処方鎮痛剤がもたらした薬害の事。
オピオイド系処方鎮痛剤は強い痛みを和らげるものの、モルヒネと比べ約50〜100倍の中毒性があり、全米で50万人以上の人が亡くなっており社会問題となっています。(記事作成時点)
そんなシリアスなテーマですが、本作は音楽を多用しコメディタッチな描写も入っているので、深刻になり過ぎず意外にもさらっと観ることが出来ます。
笑えるのか笑えないのか感動なのか、ちょっと分かりづらいカテゴリーになってしまった感は否めませんが、「実際に起きた事を知る」という点においては、理解しやすい仕上がりではないかな〜と思いました。
役職・役名 | キャスト・スタッフ名 |
監督 | デイヴィッド・イェーツ |
脚本 | ウェルズ・タワー |
主演:ライザ・ドレイク | エミリー・ブラント |
出演:ピート・ブレナー | クリス・エヴァンス |
出演:ジャック・ニール | アンディ・ガルシア |
出演:ジャッキー・ドレイク | キャサリン・オハラ |
以下より重要なネタバレを含みます。
『ペイン・ハスラーズ』のネタバレ
懸命に生きるシングルマザー・ライザ
ストリップクラブで働くライザは、てんかん持ちの娘(フィービー)を持つ学歴&職歴&家なしのシングルマザー。
クラブで製薬会社営業マンのピートと出会い、8000万ドルの負債を抱える崖っぷちの製薬会社「ザナ社」へ自分を売り込みに行く。
するとピートはライザの履歴書を詐称し入社させ、自社の鎮痛薬「ロナフェン」を医師達に売り込むよう指示した。
ライザの営業活動は全滅。しかも、娘・フィービーの脳に腫瘍が見付かる。開頭手術ではなくリスクの低い内視鏡手術を受けるには、保険適応外のため高額な医療費を捻出しなければならなくなった。
騒音の酷いモーテルを後にしたライザは、一度断られた太客のライデル医師の元へ再度赴く。丁度居合わせた癌患者にロナフェンを勧め、処方させる事に成功した。
そして彼女は、「セミナープログラム」と称した、製薬会社が医師に処方箋を書かせるために行う、過激な接待の存在を知る。
ライザの芯の強さに注目!母は強し…と言いますが、這いつくばってでも子どもの為に動くライザには感服。
プライドもかなぐり捨て突き進む姿がカッコイイ。(しかし、よくまぁペラペラと医師達への口説き文句が出て来るなぁ…)
前半はテンポよく進んで行くので、観ていて爽快です!
特に、足病医を逆ナンしてセミナーに呼び込むシーンは、自信たっぷりに美貌を生かしていて羨ましい&魅力がたっぷり味わえました。
ロナフェンの効果とザナ社の成功
ロナフェンの効き目は絶大で、次々と癌患者の痛みを緩和して行く。
ザナ社の業績はうなぎ登りとなり、ライザにもとんでもない額の報酬が振り込まれた。
ライザとピートはさらに売り上げを上げるため、様々な事情を抱える従業員を雇う。ハングリー精神のある新人達は、次々に医師を誘惑。セミナーの効果で、市場の86%を独占した。
しかしこの頃から、億万長者となったザナ社の投資家である、ジャック・ニールの奇行が目立つようになる。
彼は、従業員として働いていたライザの母・ジャッキーと一夜を共にするも解雇を言い渡し、ライザに、中毒性のあるロナフェンを癌患者以外にも処方するよう命令するのであった。
神のように崇められるライデル医師。笑顔の患者さん達を観ていると、ロナフェンの効果につい感心・期待してしまいますよね。
「痛み」という人間がもっとも弱い部分に付け込んだ、中々に悪どい商法だと思いました。
新入社員達が行うセミナーのシーンは、吐き気がするほど胸糞悪い。
このあたりは割とオシャレな演出が多く、コミカルに描かれていますが、やっぱり美談には出来ないです。
製薬会社&医師の悪行、ライザの自責の念
どんどん加速して行く処方数に、不安を持ち疑心暗鬼になったライザ。ロナフェンの中毒者が次々と死んでいる事に、自責の念を持つようになる。
モーテルで親交のあったシドニーも被害者となってしまい、家族のもとを訪れるも冷たくあしらわれてしまった。
そして意を決したライザは、ザナ社を告発をするために連邦検事局へ。
ジャッキーがジャックとやりとりをしたメールが証拠となり、ライデルは適応外処方の現場を抑えられ、ザナ者ではライザを含めた関与者が全員逮捕された。
また、開頭手術を受けたフィービーは、順調に回復に向かう。
そして服役し出所したライザは、ザナ者で雇っていた訳ありの社員達と共に、ジャッキーが開発した化粧品を売る事業を始めたのであった。
シドニーの家へ行って、妻にいけしゃあしゃあと「残念だったわね…」と泣いて抱き付くシーンには、どれだけ人の心がわからないんだ!?と恥ずかしくなりました。
ライザにとって「ロナフェンがもたらした最悪の薬害」というのは、このカットまで結局他人事のように思えていたのでしょう。
どこかで「ヤバイな…」と思っていても、お金に目が眩んでいたとしか思えません。
スッキリ爽快なストーリー!ではありませんでしたが、ラストにみんなまともに働いていて安心はしました。
手作り化粧品事業では、心から「その人のため」に提案をして行く事でしょうね。
Netflix映画『ペイン・ハスラーズ』で流れる19曲をシーンごと紹介!
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『ペイン・ハスラーズ』が好きな人へのオススメ映画
映画『ペイン・ハスラーズ』は、実際にあった事件を映画化した作品。
本作と同じく薬害について描いた作品と、実話をもとにした作品をご紹介します!
ペイン・キラー/死に至る薬
2023年8月から始まったNetflixドラマ。
オピオイド系処方鎮痛剤「オキシコンチン」がどのようにして全米に広がって行ったか、リアルに描かれています。
主人公が連邦検事局の捜査官なので、本作とはまた違った面白さがありますよ!
ファザーフッド
ほっこりしたい人向け!本当にあった、妻を亡くしたパパの子育て奮闘コメディ。ハンカチ用意してくださいね〜;
主演は『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』『ジュマンジ』などに出演したケヴィン・ハート。
自身も3人の子どもの父なので、実話ストーリーに厚みが出てあったか〜い気持ちになれますよ♪