2025年4月25日にNetflixで公開された映画『宝石泥棒 ハイスト・ビギンズ』
インドのクライム・スリラームービー。
プロの詐欺師が凶悪な男から脅され、市場価格50億ルピー以上のダイヤモンドを狙う。
しかしそれを、執念深い刑事が追って来る。
何が嘘で何が本当なのか？詐欺師の巧妙な罠に嵌って行くー。
主演：サイーフ・アリー・カーン（『Kal Ho Naa Ho』『Omkara』）
監督：クッキー・グラティ、クッキー・グラティ
インドムービーの歌とダンスから目が離せないbeersyです！（in近所のカレー屋）
ボリウッドといえば唐突なミュージカルが魅力的。
しかし本作は、一切歌がなくて驚き…！
なんだか癖になるダンスは、エンディング曲で披露されていました。
この記事では、Netflix映画『宝石泥棒 ハイスト・ビギンズ』を鑑賞した筆者の感想やあらすじ、ネタバレ解説をご紹介いたします！
『宝石泥棒 ハイスト・ビギンズ』の評価＆感想
- 感動度
- 3
- 脳トレ度
- 4
- 再鑑賞度
- 4
- サプライズ度
- 5
- 話題性
- 3
映画が観客の心にどれだけ響くか、感動の深さや涙の数を評価する。
物語の複雑さや、観客が考えるきっかけを与えるか、推理や考察が必要かなどを評価。
何度も見返したくなる魅力があるか、2回目以降に新しい発見や解釈ができるかを評価。
期待を裏切る展開、驚きのエンディング、斬新な演出など、映画全体のサプライズ要素を評価。
人々の間でどれだけ話題になるか、SNSでのシェアや友人・家族との会話のタネになるかを評価。
冒頭に書きましたが、近所のカレー屋さんで観るインド映画に釘付けになってしまう筆者です。
時折り流れるダンス、キレッキレなのに踊りやすくて覚えやすいんですよね。
終始カラフルでコントラストが効いていて、美しい俳優さん達がたくさん出て来るのも魅力的です。
近年注目され続けているインド映画ですが、本作はちょっとひと味違ったテイスト。
歌もダンスもエンディングまでありません！
（『ガンジー』『マーダー・ムバラク』など、割とシリアスな映画は無いのですが）
そこまでシリアスではなく、多少コミカルな描写もあって気軽に観られる作品です。
116分という短さもちょうど良い！
詐欺師とマフィアのような冷酷な男、そして執念深い刑事と、三つ巴の頭脳戦・騙し合いが面白い。
アクションシーンはそこまで期待しないでいただきたいのですが、ロマンスもあって見応えたっぷり。
スカっと爽快な結末が待っていますよ。
続編があるようにも思えましたが、果たして…？
以下より重要なネタバレを含みます。
『宝石泥棒 ハイスト・ビギンズ』のネタバレ
難易度の高い泥棒計画
美術品収集家のラジャン・アウラク（ジャイディープ・アラワット）は、冷酷な人物。
悪どい手で絵画を収集していたが、裏家業から足を洗おうとする。
しかしそんな時に、彼の海外口座が警察にバレて凍結され、20億を失った。
自分の絵画を売り捌くほど財政難に陥っていた彼は、王族が所有するアフリカの最も希少なダイヤ「レッド・サン」（市場価格50億以上）が美術館に展示されると聞き、盗む事を思い付く。
現在、所有者のガムヌ王子がダイヤと共に世界中を回っており、来週にはムンバイのフォートクレスト美術館に展示する予定だ。
かなり高難易度の盗みであるため、一流の詐欺師・泥棒であるレハン・ロイ（サイーフ・アリー・カーン）に盗らせようと画策する。
ーー
その頃レハンは、犯罪人引渡し条約の無いハンガリーのブダペストに逃亡していた。
安全な環境で暮らしていたが、突然、疎遠になっていた弟が現れる。
彼は兄に、レハンの父親（クルブーシャン・カルバンダー）がラジャンに嵌められてしまったと泣きついた。
医師である父は慈善病院を経営していたが、ラジャンに多額の寄付をもらってサインをした。
しかしその金は裏ルートで用意されたものであり、弟は「ラジャンから、警察に告発しない代わりにレハンを呼び出せと脅された。力を貸して欲しい」と明かす。
その昔レハンは、最愛の母親が亡くなったのは父親のせいだと思い込み、さらに詐欺がバレて勘当されていたが、悩んだ末にやはり父を救おうと決意。
執拗に追って来るSTF（インドの特別警察部隊）隊長であるヴィクラム・パテル（クナル・カプール）の目を欺いて、インドへと帰国する。
そしてラジャンと会い、レッド・サンを盗む代わりに父親を自由にするようにと約束させたが、レハンはラジャンの家の敷地内に住む事になった。
ーー
その夜、ラジャンの妻であるファラーが、夫から暴力を受けているのを見てしまう。
レハンは美しきファラーに同情し、気になり始める。
そしてラジャンの目を盗んでは彼女に近付き、「レッド・サンも、君の心も盗んでやる」と言ってキスを交わした。
ラジャンがわんこを葬るシーン、本当に辛かった…。
これでラジャンという男はどうなってもいいや！と思えました。
レハンは過去一難しい盗みと、ファラーまでも奪おうと考えているようですが、どう計画するのか？
作戦決行日
フォートクレスト美術は最新の警備システムを導入しており、レッド・サンの入手は困難だ。
夜には部屋中に光線が張り巡らされ、触れるとショックを受けて気を失い、警報器が鳴り響くようになっている。
しかし中にいる4人の警備員の事は、生体情報とDNAを読み取って人物を特定し、区別していると言う。
そこでレハンは、システムをリセットしてアメリカ時間にし、光線が出る前の6分以内に盗むという計画を立てた。
ーー
ラジャンは、危険な犯罪王のムーサに大きな借りがあり、彼にレッド・サンを売ろうとしている。
話を聞いたムーサは「前回は金が支払われず満足出来なかった、あの時はお前の背中に傷を作っただけだったが、今回も失敗したらどうなるか分かるだろうな？」と脅した。
一方、ヴィクラムも目撃情報などから、レハンがレッド・サンを盗もうとしている事に気付く。
その後レハンは美術館に侵入したが、計画が警察にバレている事に気付き作戦を中止した。
怒ったラジャンは、今度はレハンの父親の命と引き換えにして、レッド・サンを必ず盗み出すように命じる。
ボコボコに殴られたレハンは、「さらなる計画がある。それには信頼出来る女性…ファラーが必要だ」と言った。
ーー
ラジャンはレハンの指示のもと、ムーサに協力を依頼すると「トルコ・イスタンブールに来い。それからお前をどうするか決める」と言われてしまう。
レハン、ファラー、ラジャンは部下1人を連れてパスポートを偽造し、飛行機に乗り込む。
ーー
ガムヌ王子は、レッド・サンが危険にさらされた事に激怒し、美術館から引き上げてロンドンに行こうとしていた。
王子が自家用機の故障のため、民間の飛行機に乗ると聞いたヴィクラムは、そこで初めて全てがレハンの計画だった事に気付いた。
レハンは、フォートクレスト美術館からレッド・サンを盗む事は不可能だと考え、わざと失敗。
王子の自家用機に細工をし、民間機に乗るように仕向けていたのだ。
なぜなら、上空にいる民間機にまでは、警備の手が届かないからー。
ヴィクラムは唇を噛みながら空港へと急いだが、すでに王子一行とレハン達を乗せた民間機は飛び立っていた。
しかしヴィクラムはすぐさま富豪の兄に電話をかけ、自家用機を手配し民間機を追跡する。
機内にも連絡を入れ、CAがレハンを探し始めた。
レハンの冴え渡っている計画の種明かしが、なんとも爽快！
これはエンディングまで騙されまくる予感です。とことん嵌まりましょう。
そして突然のヴィクラム大金持ち説？弟だけなのかな？
1番いらない設定な気がしました。笑
レッド・サンのゆくえ
レッド・サンは、機内の金庫で厳重に保管され、ロンドンでMI5（イギリスの保安局）が引き取る事になっている。
レハンはファラーが育てていた毒花を利用し、王子を苦しませ、さらに機長の家族を人質にとって飛行機をイスタンブールに着陸させる事に成功。
その間にレッド・サンを見事に回収し、ヴィクラムはまたしてもレハンを取り逃してしまった。
ーー
無事ムーサにレッド・サンを渡したラジャンは、用済みとなったレハンを消そうとする。
しかしレハンはラジャンの護衛を毒で殺し、今までの事を訥々と語り始めた。
レハンはラジャンが仕事後に自分を消す事を予想しており、最初にラジャンがレッド・サンをムーサに売ろうとするように仕向けたのも彼だった。
もちろん、今回ムーサに売ったレッド・サンはすり替えておいた偽物であり、それを知って激怒したムーサはラジャンを殺しに来るだろう。
全て仕組まれた事だと知ったラジャンはレハンに襲いかかるが、攻防の末ラジャンが拘束される。
レハンは彼の前にタバコを置いて、去って行った。
ーー
しばらくすると、予想通りムーサが護衛を連れて現れる。
しかしラジャンは、奥にあるガス管が壊されガスが漏れている事に気付く。
ニヤリと笑い、タバコを吸わせてくれと言って火を付けさせた。
ふーっと煙を吐いた後、ムーサに「あの世で会おう」と言って、火の付いたタバコをガス管のほうに投げる。
その瞬間大爆発が起こり、ラジャンはムーサと共に散るのだった。
ーー
全ての話を、レハンから聞いたファラーは驚く。
レハンは「言ったろ？ダイヤだけでなく、君の心も盗むって」と言いながら笑った。
2人が良い雰囲気でシャンパンを飲んでいると、ヴィクラムが客に紛れてこちらを見ている。
レハンはそれに気付き、ニヤリと笑いながらグラスを傾けた。
ヴィクラムもついに逮捕出来ると自信たっぷりに微笑み、グラスを掲げる。
しかし次の瞬間、レハンとファラーは消えており、ヴィクラムは開いた口が塞がらなかった。
レハンの泥棒は、まだ続いて行く…。
このカタルシス感、たまらないですね！
ヴィクラムも割と勘の良い刑事だと思うのですが、ちょっと抜けている所が可愛い。
ラジャンは最期の瞬間、自分でケリを付けました。
レハンも彼の性格を分かっていて、タバコを置いたのでしょうね。
ちょっとラジャンが良い死に方をしましたが、わんこの恨みは忘れないぞ…。
そしてエンディングではお待ちかね、たっぷりと歌とダンスを楽しめました！
賛否両論あるみたいですが、私は続編があったら嬉しいです。
『宝石泥棒 ハイスト・ビギンズ』が好きな人にオススメの映画
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サーホー
カタルシスを感じたいアナタに！インド映画を堪能したいアナタに！！ぜひ観ていただきたいこちらの作品。
『バーフバリ』のプラバース主演、こんなのアリ？というシーンの連続！
二転三転するストーリーに、翻弄される事間違いなしです。
