2025年4月30日にNetflixで公開された映画『エクステリトリアル』
ドイツのアクション・スリラー映画。
アメリカ領事館で少し目を離した隙に、いなくなってしまった息子。
母は必死で捜し訴えるが、「あなたは1人だった」と言われてしまう。
己を信じ、息子を見つける事は出来るのか?
- 主演:ジャンヌ・グルソー(『パックス・マッシリア:抗争の街』)
- 監督:クリスティアン・ツバート(『コリーニ事件』脚本)

目を離したわずか2秒で子供が消え、ヒヤっとした事があるbeersyです!
本当に子供って一瞬でいなくなるんですよね…。
本作は他人事とは思えず、特に親にとってはドキドキしっぱなしの作品です。
この記事では、Netflix映画『エクステリトリアル』を鑑賞した筆者の感想やあらすじ、ネタバレ解説をご紹介いたします!
『エクステリトリアル』の評価&感想
- 感動度
- 3
- 脳トレ度
- 2
- 再鑑賞度
- 3
- サプライズ度
- 3
- 話題性
- 4
特殊部隊の元兵士である母・サラが、息子を捜して大奮闘。
アクション映画ではありますが、銃撃戦は無く腕っぷしで戦って行く姿がとにかくカッコイイ!
ただ護衛が弱過ぎて、少々リアリティに欠けており主人公の無双状態に。
そこに関しては賛否両論ありそうですが、筆者はサラが素敵過ぎてスカっとしました。
演じているのは、ドイツの俳優ジャンヌ・グルソー。
筆者はあまり存じ上げませんでしたが、ガチムチボディから繰り出される格闘技に惚れました!
本作の舞台はなんとドイツ・フランクフルトのアメリカ領事館。
こんな監視カメラだらけの所で誘拐事件が起こる訳が…と、親が一瞬思ってしまうのもちょっと頷けます。(それでもやっぱり6歳の1人遊びはまだ危険ですね)
ストーリーは展開が読めてしまいますが、サラが「妄想だ」と言われて混乱する場面では、これはどっちの展開なんだ?とヒヤヒヤ。
ラストにかけて、パズルが嵌って行くスピード感は爽快でした。
109分と短い映画なので、サクっと観たい日にオススメです!
以下より重要なネタバレを含みます。
『エクステリトリアル』のネタバレ
息子の失踪
元特殊部隊の兵士・サラ(ジャンヌ・グルソー)。
6歳の息子・ジョシュ(ヒクソン・ガイ・ダ・シルバ)と遊んでいると、ヘリコプターの音でパニックを起こす。
彼女はアフガニスタンでの任務中、目の前で仲間達と最愛の夫を亡くしPTSDを患っていた。
そんな毎日の中、サラはアメリカからホワイトな警備会社の仕事をもらい、ジョシュと共に移住権を取得するためアメリカ領事館に行く。
新幹線を降りると、ある記者から「アフガニスタンでの出来事について、情報があります」と連絡が入る。
サラは添付された動画を見るが、ジョシュを見失いそうになりスマホを閉じた。
ーー
領事館で2人分の受付を済ませたが、3時間以上待たされジョシュが飽きてしまったため、館内にあるプレイルームへ行く。
ジョシュは喜んで遊び始めたが、サラがコーヒーを買いに行っているわずかの間にいなくなってしまった。
サラは血相を変えて領事館内を捜すが見つからず、警備責任者のキンチ(ダグレイ・スコット)やドノヴァン軍曹(カヨデ・アキニエミ)などに閉まっている部屋を見て欲しいと泣きつく。
しかし彼らは「受付の者も誰もジョシュを見ていない。あなたは1人でここへ来た」と言って、サラの名前だけが書いてある受付記録を見せた。
そこでサラはドイツ警察に電話をかけ事情を話すが、アメリカ領事館内は地外法権の空間であり、ドイツ警察は手出しが出来ないと言われてしまう。
サラは、何かの理由でジョシュが誘拐されたと思い1人で捜索を始めた。
ーー
特殊部隊の有能な隊員だったサラは、壁をつたい勘を働かせ、さらには監視カメラや建物の構造を把握し死角をついて、ある機密エリアへと辿り着いた。
そこには部屋が数室設置されていて、ある部屋に入るとイリーナ(レラ・アボヴァ)という女性がおり事情を説明する。
すると彼女は「私は政治難民よ。ここに監禁されている」と明かした。
そして2ヶ月前から建物内を知っており、情報科学に長けている彼女は「ジョシュ捜しを手伝うので、脱走の手助けをして欲しい」と頼む。
サラはその取引きを受け、ジョシュを捜し始めた。
しかし、イリーナが男2人にUSBごと拉致されそうになり、サラが部屋を出るとドノヴァンがいたため「女性が監禁されている。助けて」と訴える。
するとドノヴァンはサラに銃を向け、キンチが鎮静剤を打って気絶させた。
ーー
サラが目覚めると総領事のデボラ(アナベル・マンデン)とキンチがいて、事情を説明したが「イリーナという女性はいない。あなたはPTSDを患っている。調べた所、幻想や妄想の症状もありますね」と言った。
そしてサラは、防犯カメラに映った1人でいる自分を見せられ愕然とする。
自分の頭は、おかしくなってしまったのか?ジョシュは一体どこに…?
サラは朦朧とし、また目を閉じる。

こちらまでパニックになりそうな展開に。
ジョシュを捜し回るシーンでは、サラの気持ちが痛いほど伝わって来ました。
血の気が引くとはこういう事です…。
そして明らかに何者かが操作している展開へ。
キラとジョシュの行方は?
仕組まれた罠
サラが目覚めると、イリーナがサラの拘束を解いて「何かがおかしい。彼らは隠蔽しようとしてる」と話す。
サラが事情を聞くと、彼女はこう説明した。
- 本当の名前はキラ・ウォルコワで、ベラルーシの裕福な一族の娘。
- マネーロンダリングをして権力を持った犯罪者の父は、野党に加わると殺された。
- キラはアメリカ大使館に逃げて生きながらえ、父はUSBに証拠を残していた。
- CIAの協力で出国しアメリカに行くはずが、ここで足止めされて拉致されそうになった。
- 野党の仲間達がいるボストンに行き、証拠を使って他の仲間達を助けたい。
サラも自身の事を打ち明け、キラと改めて手を取り合いジョシュの捜索を始める。
ーー
2人がドノヴァンのオフィスに侵入し彼のPCを探ると、サラの情報が就職予定の警備会社に送られていた。
サラは領事館に来る前に記者から送られて来た動画にキンチが映っていた事を思い出し、送り主の記者に電話をかける。
すると、キンチが元軍人で怪我をして辞めたが、汚職事件を起こしては毎回不問になっている事、サラと夫達が奇襲された事件に関与している事を聞かされた。
そして動画に映っているキンチが話している相手の顔を見てみると、敵の兵士だった事を思い出す。
アフガニスタンでの奇襲、今回領事館に来た事、ジョシュの誘拐など全てが彼によって仕組まれており、ドノヴァンも協力していると判明した。

キラとの友情が芽生え始めましたが、恐ろしい事実が判明しました。
キンチは金の亡者であり、ドイツの司法が入れない領事館という閉鎖的な場所で、悪事の限りを尽くしていた…。
サラを誘き寄せる段階から計画しており、かなり大掛かりな罠でしたね!
だいたい結果は見えて来ましたが、ハラハラしっぱなしです。
犯人の自白
あまりにも危険だと察したサラは、自身が囮となってキラを脱走させる。
その後キンチの愛娘であるアイリーン(ラダ・レイ)を誘拐し、セーフルーム(緊急時の避難部屋)に立てこもった。
サラは空気供給を切り、駆けつけたキンチに「ジョシュを返して。そして自白しなさい」と伝える。
その場には総領事や他の護衛もいたが、キンチは「君には何の罪もない子供を殺す事は出来ない」と強気。
結局サラは苦しそうにし始めたアイリーンを解放し、キンチだけを中に招き入れた。
そこでキンチは外部へのマイクを切って、真実を語り始める。
ーー
彼は成績優秀で卒業した軍人だったが、事故で怪我を負うとデスクワークに飛ばされてしまい、出世の道を絶たれた。
アフガニスタンの敵兵に金をもらって情報を渡し、結果的にサラの夫達が死亡。(情報は無益だと思っていた、サラには悪い事をしたと語る)
さらにキラの誘拐を企てている者達からも金をもらい、館内に侵入させる手引きをした。
ただキラがいなくなれば自身の責任が問われてしまうため、PTSDを患ったサラを利用。
彼女が領事館に来るように仕向けてジョシュを誘拐し、母親は息子のためなら何でもするだろうから警備の目を逸らせる事が出来る…と目論んだ。
そして正気を失った元特殊部隊の軍人は危険だとし、どさくさ紛れで唯一の証人であるサラを殺す事も可能であるー。
キンチは「でも私は君を見くびっていたよ。優秀な動きをされて計画は失敗した。だから君も消す」と話すと銃を出して、サラの腹と自分の足を撃つ。
銃を奪われて襲われたと見せかけ、サラを葬ろうとした。
しかしサラは、アイリーンの録音機能付きのおもちゃを隠し持っており、這いつくばって部屋のマイクのボタンを押し、今のキンチの音声を流す。
その場は一瞬凍りついたが、護衛達はキンチに銃を向け、ドノヴァンは逃走した。
サラは気を失ったが、救護を受けて目を覚まし、無事にジョシュと再会する。
ーー
8週間後。
キンチはアメリカで拘束されており、サラは自宅で穏やかに過ごしていた。
そして無事にアメリカの就労ビザと永住権を取得し、ジョシュと共にキラが待つアメリカへ行く準備をする。
すると上空にヘリコプターが…。
それでもサラは発作を起こす事なく、笑顔で車に乗り込むのだった。

PTSDを乗り越え、新たな地で再出発をするサラ。母は強し!!
キラとの友情が芽生えており、2人とも幸せそうで安心しました。
派手な銃撃戦などは無かったですが、特殊部隊の華麗な動きが見られたので、アクション好きの筆者も大満足でした。
『エクステリトリアル』が好きな人にオススメの映画
映画『エクステリトリアル』が好きな人にオススメの映画をピックアップ!
ザ・マザー
製作・主演ジェニファー・ロペス。彼女の魅力がたっぷりと詰まっています!
凄腕の暗殺者が、娘を誘拐され鼓舞奮闘。
銃撃戦やカーアクション、ナイフを使った戦いも堪能出来ますよ。
エミリー・ザ・クリミナル
「生きる」という気持ちが強い、負けない、芯のブレない女性といえばこちらのエミリー。
彼女は母ではなく、転売屋にハマってしまった女性の行く末…というクライム・サスペンスですが、妙にクセになる映画でした。