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映画『ヴェートーベン捏造』のネタバレを劇場鑑賞者が解説!映画館で聴く「第九」は最高!

2025-10-10 こでぃも

映画『ヴェートーベン捏造』のネタバレを劇場鑑賞者が解説!映画館で聴く「第九」は最高!

https://youtu.be/_nkkKQe85nQ



2025年9月12日公開の映画『ヴェートーベン捏造』は、関和亮監督、脚本バカリズムによる音楽史サスペンス作品。山田裕貴が秘書シンドラーを演じ、古田新太がベートーヴェンを演じます。シンドラーがベートーヴェン出会い、秘書を務め、そして敬愛する彼を世に残すために伝記作りへと没頭するという流れが描かれます。

 

ヴェートーベン捏造

  • 未体験
    4
  • 感情移入
    3
  • 再鑑賞
    4
  • 予測不可
    5
  • サウンド
    5

偉大な作曲家の真実と虚像…その狭間で揺れる人間ドラマを描く、歴史エンタメ映画でした!第九を映画館で聞けて良かった

評価は年間100作品以上を鑑賞する執筆者こでぃもの実体験をもとにしています。

『ヴェートーベン捏造』は人気?どんな人が観ている?

ヴェートーベン捏造の映画館ポスター

週末に映画館に足を運ぶと、席数の埋まり具合は多くはありませんでしたね。年齢層も高めで、男女の割合は半々かなという感じでした。

ベートーヴェンの曲が好きな人や音楽ファンに人気かもしれませんね。また「歴史に埋もれた事実をユーモラスかつスリリングに描いた作品」として話題を呼んでいるようです。クラシック音楽に親しむ中高年層はもちろん、バカリズムによる脚本と演出が気になる人にもおすすめですね。

以下より重要なネタバレを含みます。

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『ヴェートーベン捏造』をネタバレありで解説!

シンドラーとベートーヴェン

ある日、音楽教師は生徒に対し、ベートーヴェンとシンドラーについて語り始めます。シンドラーはベートーヴェンと出会ってすぐに秘書となり、身の回りの世話や音楽に関わる契約関係の管理などを務めました。しかし、ベートーヴェンは彼に感謝を示すことが少なく、弟のヨハンもシンドラーを疎んでいた…それでもシンドラーはベートーヴェンを敬愛し続けます。

ベートーヴェンは「第九(交響曲第9番)」の初演を控え、シンドラーは劇場の下見へ。そこで「ベートーヴェンに指揮をしてもらいたい」と言われて考えました。ベートーヴェンの人気を再燃させるため、シンドラーはベートーヴェンを説得します。その結果、演奏会は大成功を収め、観客から熱狂的な拍手が送られます。

演奏は大きな利益にはなりませんでしたがシンドラーは成功を自負。しかし、ベートーヴェンは「シンドラーが金銭面で不正をしている」と疑い、ヨハンたちのいる前で彼を罵ります。シンドラーは何も言わずベートーヴェンの元を去り、音楽家としてヴァイオリンを弾いて暮らし始めます。

こでぃも
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音楽教師が音楽室でベートーヴェンの曲をピアノで弾いたり、レコードを書けたりする物語の冒頭。ベートーヴェンの曲が惜しみなく使われていくのが見どころとなりましたね。

「第九(交響曲第9番)」の初演では、古田新太演じるベートーヴェンの指揮も良かった!懸命さが伝わり、耳が不自由とは本当に思えないと感じましたね。なにより、映画館の音響で聞けて満足です!

 

最期

ある日、ベートーヴェンの甥カールが自殺未遂をしたと聞き、再びベートーヴェンのもとに戻るシンドラー。カールは一命を取り留めたものの、伯父との関係は修復できず…カールは軍隊に入る道を選びました。

ベートーヴェンの秘書だったホルツが結婚を理由に辞め、シンドラーは再び秘書として仕えるようになります。シンドラーは病に伏せた晩年のベートーヴェンに寄り添い、以前よりも感謝されるようになったのです。ベートーヴェンが亡くなると、多くの民が葬儀に集まります。

シンドラーはベートーヴェンの伝記執筆に力を注ぎます。ホルツらも伝記制作を進めているとのことで、シンドラーはベートーヴェンの旧友・ヴェーゲラーに協力を得ました。ベートーヴェンの弟子と共に共同執筆を進めますが…シンドラーはベートーヴェンを深く知る者が亡くなるのを待ちます。そして、シンドラーは会話帳の改ざんし、不都合な会話帳を焼却。ついに伝記を完成させたのです。

こでぃも
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ベートーヴェンの甥のカールは、伯父の束縛に疲弊していた…それが悪化して銃で自殺未遂をするという展開は驚きでした。ホルツも秘書を務めていた期間がある中、ベートーヴェンを最期まで看取ったのはシンドラーだった…物語としてもドラマティックですね。

伝記執筆が始まった際に、ベートーヴェンの弟子役を井ノ原快彦が演じていてビックリでしたね。ベートーヴェンの曲をピアノでメドレーのように弾いていく弟子の姿が印象的です。

 

セイヤー

第一版出版後、シンドラーは会話帳を王立図書館に提出。その後も読者を増やすため英語版を出版したりします。ホルツはシンドラーの伝記は嘘だらけと噂し、新聞では彼らの論争が続いた…そうして長年の対立の結果、ホルツが亡くなったことを機に、シンドラーは第三版を刊行します。

すると、アメリカから音楽ジャーナリストのセイヤーが訪ねてきました。彼は前にも一度、シンドラーを訪ねていましたが…今回はシンドラーが会話帳を改ざんしたのではと問いに来たのです。シンドラーは動じることなく、偉大なベートーヴェン像を壊すのかと言いました…

ーここまでの話を教師は生徒に語ったのです。真実か想像か分からない点もある中、生徒は先生の話を秘密にすると約束して音楽室を去りました。

こでぃも
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セイヤーはアメリカでベートーヴェンに関する伝記を読めて感激していましたね。英訳の執筆に勤しみたいという思いがあったようですが…会話帳の件からシンドラーを疑うという物語にハラハラしました。

ベートーヴェンを敬愛するシンドラーだからこそ、長く生きて目的を遂げられたのだなと改めて思います。

 

『ヴェートーベン捏造』に関連する作品ならこちらもオススメ!

『ヴェートーベン捏造』に関連する以下の2作品もおすすめ!

ボレロ 永遠の旋律

映画『ボレロ 永遠の旋律』本予告_8月9日(金)全国順次公開

アンヌ・フォンテーヌ監督による『ボレロ 永遠の旋律』は、作曲家モーリス・ラヴェルの代表曲「ボレロ」誕生の背景を描いたフランス映画です。

主演はラファエル・ペルソナ。物語は1920年代のフランスを舞台に、第一次世界大戦後の疲弊した時代に新たな音楽表現を模索するラヴェルが中心となります。前例のない反復構造を持つ楽曲を生み出そうと奮闘し、保守的な音楽界からの反発などと向き合いながら作品を残そうとする姿が描かれます。

こでぃも
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パリの劇場など多彩な空間で展開する場面は、当時の芸術界の熱気をリアルに感じさせますよ。主人公のラヴェルは繊細でありながら強い意志を持ち、芸術にすべてを捧げる姿が印象的。音楽が形になる瞬間を、映像として表すのが凄いです。

音楽の創造過程をドラマチックに描く点は、芸術家や作品像をプロデュースする姿を描いた『ベートーヴェン捏造』とも響き合い、共通するなと思えることでしょう。

アリー スター誕生

映画『アリー/ スター誕生』本予告【HD】2018年12月21日(金)公開

ブラッドリー・クーパー監督・主演による『アリー スター誕生』は、無名の女性歌手がスターダムへ駆け上がる姿を描いた音楽ドラマです。

レディー・ガガがヒロインのアリーを演じ、デイヴ・シャペルらが脇を固めます。物語は、落ち目のカントリー歌手ジャクソンが偶然出会ったアリーの才能を見いだし、ステージへと導くことから始まります。

彼はプロデューサーとして彼女を支えますが、自身のキャリアや依存の問題に苦しむことも…音楽業界の光と影、そしてアーティストを育てることの重みが描かれます。

こでぃも
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ライブハウスでの小さな歌唱シーンから、大規模フェスのステージに至るまで、観客を巻き込む音楽の高揚感を感じさせる作品!ツアー先での舞台裏など、華やかさと孤独が同居する空間描写も印象的です。

レディー・ガガは歌手としての実力を存分に発揮し、観客の前で新曲を披露するシーンも圧巻。無名の才能が育てられ、世に出る瞬間を描く点は、人物の虚像や理想像を形作る過程を映し出す『ベートーヴェン捏造』とも重なるかもしれません。

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年100本以上の洋画を見て海外ドラマもついつい見続けてしまう こでぃもです。新作公開映画は年に20本観るので時間が欲しくてしょうがないです(笑)マーベル、DC、ディズニーを見たり、ネットフリックスのオリジナル作品も凄いなと思う今日この頃。アクション映画の迫力、ファンタジーの魅力などなど、皆さんにも映画のおもしろさを伝えつつ、楽しんでいければと思いますのでよろしくお願いします!