2024年2月9日、全8話が一挙公開されたNetflixドラマ『殺人者のパラドックス』
韓国の、Kkomabiによるウェブ漫画を原作としたクライム・サスペンス。
意図せず殺人を犯してしまった平凡な青年・タンが、様々な事件に巻き込まれ殺人を犯して行く。
ナンガム刑事はタンを追い詰めようとするが、連続する事件に隠された重大な真実とは…?
- 主役/イ・タン役:チェ・ウシク(『パラサイト 半地下の家族』)
- 主役/チャン・ナンガム役:ソン・ソック(『私の解放日誌』)
- 監督:イ・チャンヒ(『死体が消えた夜』)
最近どっぷり韓国ドラマにハマっているbeersyです!
本作は、言ってしまえば「ダークヒーロー」もの。
ですが、そう簡単には説明出来ない(そんな簡単なモノじゃない)独特な面白さや、心に訴えるモノがありました!!
この記事では、ドラマ『殺人者のパラドックス』を鑑賞した筆者が、1話ごとに感想とネタバレ解説をご紹介します。(途中まではネタバレ無しなのでご安心を♪)
『殺人者のパラドックス』の評価&感想
- 感動度
- 3
- 脳トレ度
- 4
- 再鑑賞度
- 5
- サプライズ度
- 5
- 話題性
- 4
人気俳優のチェ・ウシクと、遅咲きと言われている渋いイケオジ俳優、ソン・ソックの共演とあって、話題性は◎
チェ・ウシクの風貌がどんどん変わって行く演出、ソン・ソックの不気味な刑事っぷり、本当にハマりました。
しかしですね、この物語、この2人だけを中心に展開して行くストーリーではありません。
ここに詳しくは書けませんが(早く言いたい〜)、のちに出て来る人物達が、とにかく重大なキーマンとなって行くんです…!!
そのため、前半で観るのを止めちゃうのは…止めてください!!!観れば観るほど味が出て来ますよ。
そしてついついイッキ見してしまいました。全8話というのもちょうど良い長さだと思います♪
私的に、クライム・サスペンスとしてはかなり高評価!!ハラハラしつつも見どころがたくさんあって、挿入曲などもピッタリでした。
また、カメラワークも演出も独特で飽きが来ませんでした。
全編通してたくさんの伏線が用意されていたので、もう一度鑑賞しようと思います!!
以下より重要なネタバレを含みます。
『殺人者のパラドックス』のネタバレ解説
エピソード1
イ・タンは、平凡に生きる大学生。
一人暮らしをしているが、家族からは煙たがられ、今の所はワーキングホリデーでカナダに行く事を目標としている。
日々カナダへの憧れの気持ちが高まり、風景画を購入。早速飾ろうとしたが、壁に釘を打ち付けるハンマーが無く、絵は床に置いていた。
ーー
ある夜の事、タンはコンビニのバイトに入り暇を持て余していた。
すると、酔っ払いの初老の男性が絡んで来る。それを連れの中年男性が窘め、タンに丁寧に侘び酒とツマミを買って行った。
しかし、タンは彼らが散らかしたテーブルを見て、辟易していた。
その後、店長が到着。シフトの交代の時間だ。
タンは、家にある絵画を飾るのに使おうと、店長に「ハンマーを借りても良いですか?」と頼んだが、聞こえていないのか無視される。
「まぁいいか」と思ってハンマーをバッグに入れ、コンビニをあとにした。
ーー
人通りの少ない道を歩いていると、先ほどの初老の男性が路上で寝ているのを発見する。
面倒だなと思いながら通り過ぎると、連れの中年男性が歩いていたので「お友達が寝ちゃっていますよ」と声をかけた。
しかしその男性は、先ほどの低姿勢とは打って変わって「帰れ」と強い口調で言い放ち、歩いて行ってしまう。
腹を立てたタンは、後ろからフィグ・サインをした。
しかし、男性の前には鏡があったためそれを見られてしまう。
その瞬間、男性がタンに殴りかかって来た。
タンはボコボコに殴られながら、昔イジメに遭い同じように殴られた事を思い出す。
すると何故か妙な勇気が湧いて来て、バッグの中からハンマーを取り出し男性を殴った。
男性はよろめき壁に頭を打ちつけ、死んでしまう。
我に帰ったタンがたじろいでいると、盲導犬を連れた女性が歩いて来た。
その犬が男性の死体のほうに歩いて行き、においを嗅ぐ。女性は「どうしたの?もう行こう」と言って死体には気付かず、去って行った。
ーー
夜11時。逃げ帰って来たタンの家へ、高校時代からの友人・ギョンファンが酔っ払いながら「泊めてくれ」と言って寝に来た。
タンはベッドに横になりながら、自分がこれまで何かちょっとした悪事(浮気や盗み)を働いた時、何故がいつも運良くバレなかった事を思い返す。
だから今回もバレないのでは…?と淡い期待を抱きながら、ギョンファンに「お前が来たのは10時だよな?」とアリバイ工作をしようとするが、酩酊しながらも意外に記憶がしっかりしていたギョンファンは、「いや、11時だ」と言って寝てしまった。
しかも、現場に凶器のハンマーを置いて来てしまった事を思い出したタンは、顔面蒼白となる。
ーー
朝、チャン・ナンガム刑事が、初老男性(イ・グァンフン)と中年男性(キム・ミョンジン)の遺体が見つかった現場を捜査している。付近に防犯カメラはない。
ナンガムは、キムがコンビニの袋を持っていたのを見つけ、店へ行って防犯カメラを見る。
現場の状況から2人の相打ちだと思われていたが、タンがイに絡まれている映像を見たナンガムは、タンを怪しんだ。
出勤したタンは、ナンガムに話を聞かせて欲しいと言われ緊張するが、他の刑事が「目撃者がいました。イが、キムをブロックで殴ったのを見ていて、ブロックから出た指紋も一致しました。やはり相打ちです」と報告しに来たため、バレずに済んで安堵する。
しかしナンガムは、防犯カメラに虫が止まって一部見えない映像に、タンが何かを持ち去っているシーンがあったため、やはりタンの関与を疑う。大学に行って友人達にタンのアリバイを聞いて回った。
そして、キムの事もどこかで見覚えがあったので、キムの身元も調べ始めた。
ーー
後日、事件は急展開。
なんとキムは、昔起こった連続殺人犯の真犯人、ヨ・ブイルだった。
それを知ったタンは罪の意識が薄れ、むしろ悪党を退治してやったのだと思い始める。
一方、盲導犬を連れて現場を通っていた盲目の女性。
彼女は何故か、本当の凶器であるハンマーを持ち帰っていた。
偶然が重なり運が味方をしているタン。一体何が憑いているのでしょうか?
盲目の女性は何故ハンマーを持ち帰ったのか。実は目が見えているという事ですよね!
初回からこの面白さ!!イッキ見したくなる事必至です。
そして、韓国の大人気俳優ソン・ソックのイケオジっぷりがイイ…。
エピソード2
ナンガムには、入院中の父親・ガプスがいる。ナンガムと同じく警察官だったが、今は植物状態であり意思疎通が出来ない。
彼は2004年に起きた「警察官殴打事件」により、このような状態となってしまったのだ。
ナンガムは、父親を襲った逃亡中の警察官を追い続けている。
ーー
タンがいつものようにバイトをしていると、殺人現場を通った視覚障害者の女性が現れる。
そして、タンに「私、全盲ではなく少しは見えるの。明日までに200万ウォンをちょうだい。意味わかるよね?」と言いゆすって来た。
中間試験の事を忘れ、タンは慌ててお金をかき集める。店長に頼み込んでバイト代の前借りをし、母が貯めていた積立貯金も解約した。
翌日、視覚障害者の女性はタンを自宅に招き入れ、200万ウォンを手に入れると、毎月同じ額をよこせと言い出した。
散々脅されどうにもならなくなったタンは、女性が持っていたハンマーを奪い取り、殴り殺してしまう。
正当防衛でもなんでもなく、ただの殺人を犯してしまったタンは、罪の意識に苛まれていた。
しかし後日、またしても事件が急展開。
死んだ視覚障害者の女性、ソン・ヨオクの家から、二体の白骨死体が発見された。なんと、彼女も殺人犯だったのだ。
さらに、彼女の盲導犬が、タンの触った箇所を全てを舐めとっていたため、証拠も見つかっていない。
タンはまたしても運良く逃げられたのだ。
しかし、ナンガムの同僚のパク・チュンジンは、現場のコーヒーポットや紙コップなどから、もう1人誰かがいたのではないかと疑っていた。
ーー
パクが盲導犬の安楽死を頼まれて夜道を歩いていると、彼に恨みを持った不良2人が現れる。
1人がパクを刺して逃走し、盲導犬も逃げて行った。
そして、たまたま近くをタンが通ろうとした時、その不良達に絡まれてしまう。
その瞬間タンに鳥肌が立ち、目が覚めると血だらけで寝ていた。
足元には「助けが必要なら連絡を」と書かれた紙が落ちている。
その頃、ある空き地には、不良2人の遺体が転がっていた。
今回の女性もとんでもない犯罪者でしたね。しかしこれはファンタジーなのか?本当に不思議なストーリーです。
でも、タンのピンチを何かの力が助けてくれるので、観ていてハラハラしますがなんだか痛快でもある!
不良2人の殺害には誰かが関わっている様子なので、さらに面白くなって来ました。
エピソード3
ヨオクは、自分の叔父叔母に多額の保険金を掛け、殺して埋めていた事が判明した。
ナンガムは、ヨオクのいとこに会って話を聞く。なんと彼女は、ヨオクに熱湯をかけられ殺されそうになったらしい。
そのため、ヨオクの事を心から恨んでおり「もう関係ない」と話した。
ーー
タンは、自分が不良達も殺したのだと思い震える。
でも誰かに家まで運んでもらった記憶があったので、試しに、落ちていた紙に記載されたシークレットチャット「Only For HEROES」に入ってみる。
匿名でログインしたのに、すぐに「ようこそ、イ・タンさん」と書かれ、恐ろしくなって閉じてしまった。
犯してしまった連続殺人、そしてコンビニの店長からは前借りしたお金の件で告訴されており、もう精神の限界が来ている。
やっと自首をしようと思って警察署に電話をかけると、相手は告訴の件だと勘違いをしていたが、証拠品の数々を持って警察署に向かった。
ーー
パク刑事は、命に別状はなく無事に退院。しかし刑事を辞める事になった。
襲った不良2人の遺体も見つかり、葬儀が執り行われる。
実は、彼らは昔、カン・ヨンソという女子高生を乱暴し、自殺に追い込んだ過去を持っていた。
しかしその罪は軽く処罰され、その後も多くの犯罪を犯していた。母親がモンスターペアレントで、息子の悪事をもみ消していたのだ。
それをナンガムから聞いた後輩のヨンジェはカン家へ行き、父親のカン・サンムクから話を聞こうとする。
するとサンムクが、「娘を襲った2人を殺した」と言い出した。
突然の自白により緊急逮捕となったサンムクだが、ナンガムは様々な状況証拠からそれが嘘であると勘づく。
そして釈放されたが、署を出た瞬間に不良の母親が車でサンムクを轢いた。
しかしサンムクは一命を取り留めて、病院に入院する事となった。
ーー
タンは自首する前に、母の口座へ勝手に解約したお金を振り込み、またコンビニの店長用に、横領した分のお金を用意した。
しかし銀行を出た瞬間、ひったくりに遭い腕を負傷。
証拠品の数々とコンビニ用のお金が入ったバッグを盗られてしまった。
そのひったくり犯は、バッグからお金だけ抜き取って、他は全て川の中に投げ込んだ。証拠品は全て水の中に沈んで行く。
ーー
タンは病院で手当てを受けていたが、その姿を偶然同じ病院にいたサンムクが見つける。
実は不良が殺された事件の日、サンムクは娘の仇を打つために、包丁を持ってあの場所にいた。
そして、タンが彼らを殺害するのを見ており、自らも怪我を負って倒れたタンを、謎の男と協力して家まで運んだのだ。
その男は、サンムクに「不良達を殺す方法」を教えた人物で、タンが一瞬開いたチャットで指示を出している。
サンムクはタンに、「警察がいるので逃げてください」と伝える。
突然の事に驚くタンだったが、彼が「チャットを見れば教えてもらえます」と言ったので、あの日自分を家まで運んでくれたのはこの人で、やはりチャットが何かに関係しているのだと気づいた。
サンムクは、逃げようとするタンに「感謝しています」と伝え、大量の薬を飲み自殺を図った。
ついに、自然現象ではない「誰か」の関与、人物が浮上しました。
でもサンムクはとても気の毒でしたね。
彼が死に、呆然とするナンガムはこれからどう捜査して行くのか…!!
エピソード4
事件から四ヶ月後。
失踪したタンが横領したお金は、全て家族が支払いを済ませ、店長は訴えを取り下げた。
そして世間では、引き続き凶悪犯が殺される事件が相次いでいる。
警察は特別捜査班を立ち上げるも、証拠や関連性が見つからず苦戦していた。
ナンガムはある男の元へ行き、最近起きている事件が連続殺人犯の仕業であるかどうかなど相談する。
その男、ノ・ビンは天才的なハッカーであり、以前殺人犯の協力者という罪で、ナンガムが逮捕した事があった。
何かを知っていそうだと勘が働いたナンガムは、検察庁のサーバーに侵入したという罪でビンを連行する。
しかし特に大きな収穫は得られず、ビンは釈放される。
また、最近チという検事が殺されたが、実は彼が多くの犯罪を犯していたという秘密が明らかになりつつあり、ナンガムの上司である課長は「これが連続殺人だったら警察も面倒な事に巻き込まれる。署長に怒られたくない」と、事件解決に意欲的ではなかった。
それでもナンガムは、引き続きビンを怪しんで張り込みを続ける。
そして、頻繁に配達に来る中華屋の配達員が何かの共犯者であると勘付いたナンガムは、慌ててヨンジェに配達員の跡を追わせ、自分はビンの部屋へ突入した。
しかしとぼけるビンの態度にイラつき、「証拠を消したな!白状しろ!」と暴れて彼を暴行してしまう。
その時ナンガムのスマホが鳴り、課長から「ネットに暴行している様子が流れている」と言われる。
慌ててビンのパソコンを見ると、部屋の中がライブ配信されており、ナンガムが暴れている姿が全て流されていた。
悔しくてビンに殴りかかろうとするナンガムを、ヨンジェや駆け付けた警官が取り押さえる。
しかし実は、ビンと繋がっている配達員はタンだった。
ーー
四ヶ月前、タンは家族宛てに「カナダへ行き一から出直します」と手紙を残し、家を出た。
しかしお金が無く、当てもないまま電車に乗っていると、ビンが「Only For HEROESです。イ・タンさんの手助けをします」と話しかけて来る。
そのまま2人はビンの自宅へ行き、ビンは「タンには犯罪者を見分ける能力があって、悪を成敗する事が出来るから、一緒に世直しをしよう」と誘った。
半信半疑のタンだったが、ものすごい量の情報を得ているビンの言っている事は、本当なんじゃないかと思い始める。
そしてビンが隠し部屋に集めた武器を手に、街へ繰り出し「犯罪者を見つける勘」が働くのを待った。
すると、ある男性とぶつかった時に鳥肌が立った。その男は、一緒にいる人に「検事」と呼ばれている。
そしてタンは、代行運転者を装って検事を誘拐。するとビンが現れ、検事がどんな悪事を働いたのかを、彼のスマホを調べて暴き始めた。
そして、ビンは女性を殺そうとしている動画を発見し、タンへ見せる。
犯罪の証拠を見たタンは、情けなく命乞いをする検事をためらいなく刺し殺し、川へと遺棄した。
それからというもの、タンは身体を鍛えながら「Only For HEROES」として、ビンと共に犯罪者の殺人を繰り返して行く。
タンが、バットマンさながらのダークヒーローとして覚醒しました。
後半、冴えない大学生だった頃を忘れるほど、どんどんイケメンになって行く様にドキドキしっぱなし!
でもやっぱり何かどんでん返しがありそうで怖い…。
「罪は裁かれるもの」とは思うのですが、果たしてタンの行いは善なのか悪なのか。
本作の根底にあるテーマが、明らかになったような気がします!
エピソード5
ビンは、タンが犯す殺人を「純粋な善意からであり、絶対的な正義なのだ」と崇め協力を続ける。
タンはイ・ギョンスという住民登録証を偽造し、釜山でバイトをしながら殺人を繰り返していた。
しかし最近は、鏡の中の自分を見ると鳥肌が立つようになっていた。
ーー
ナンガムは、上司と共に懲戒処分を下された。辞職は免れ停職中ではあるが、謎の犯罪者連続殺人の捜査を続けている。
家にはソン・ヨオクが飼っていた盲導犬がいた。彼は街中で犬を見付け、一時的に保護したようだ。
そんなナンガムの家に、パクとヨンジェが来た。3人で、迷宮入りとなりつつある事件の真犯人を捕まえようと団結する。
そして、タンが釜山にいる事を掴み、タンの家族に捜査協力を依頼しに行く。
家族は、タンが置き手紙の内容通りカナダへ行ったと思っていたが、犯罪に関わっているかもしれないという事情を聞いて、協力し始めた。
そしてナンガムとヨンジェは、釜山の警察署にも出向き、殺人や変死事件の情報共有をお願いした。
ーー
タンの職場の同僚、チェ・インソンは、過去に自身のセンシティブな動画が拡散されてしまった。
そのため整形をし、チェ・ギョンアと改名して人目を避けて暮らしている。
ギョンアは、偶然出会った小学校の時の同級生ハ・サンミンに「同じようにネット被害に遭い、結婚が破談になった」という事を聞いて同情する。
そして2人の距離が縮まり、付き合い始めた。
しかしサンミンの言った事は真っ赤な嘘で、婚約中の彼女とも別れていない。実は、ギョンアの動画を見て興奮し、身体目当てで近づいたのだった。
ある日、それを知ったギョンアはサンミンを糾弾し「全部バラしてやる!」と激昂する。
2人は揉み合い、サンミンはギョンアの首を絞めて殺害。さらに、部屋には火をつけて逃走した。
ーー
ナンガム達は、この事件にもタンが絡んでいるのではと思い、タンが働いているスーパーへ行く。
その頃タンは、自分を見つめる妙な男に気が付く。その男は、タンを探し回っているソン・チョン刑事だった。
タンが嫌な予感を感じて逃げようとすると、入り口からナンガムが入って来た。
2人に追いかけられ、焦って倉庫に逃げ込むと、ソンが待ち伏せしており足を掛けられて転ぶ。思わず彼を見上げると、鳥肌が立った。
ソンは「2人で話そうや」と不気味な笑顔を浮かべる。
その直後、ナンガムが倉庫に入ると、2人ともいなくなっていた。
ーー
サンミンは淋病に罹っていた。それを交際相手に伝えようとすると、実は彼女も浮気をしており、先にその事実を明かされる。
サンミンはこれ幸いと、彼女に別れを告げ自宅へ戻った。
するとドアの前にソンが座っており、ギョンアの事を尋ねて来る。
ソンは「殺していない」というサンミンを「つまらない」と吐き捨て、暴行し拘束。
「俺は元・刑事だ」と言って、自白文を書かせて殺害した。
さらに、コンロにガズボンベを設置し、爆発するよう細工を施した。
ソン刑事は、タンと同じ「犯罪者を見分ける能力」を持っているのか?
でもタンと違うのは、自分で証拠隠滅を図ろうとしている…。
サンミンのおかげで胸糞回でしたが、重要な人物の登場で物語は大きく動き出しました!
エピソード6
タンはビンに電話し「嫌な予感がする」と言って逃げていた。
ビンは、とりあえず何とかするから身を隠せと助言する。
その頃、ナンガムがタンの部屋に突入すると、消化器が噴射され部屋のものが全てダメになっていた。
消化器を撒いた犯人はタンと同じマンションの住人で、挨拶をしないタンに腹を立て嫌がらせをしただけだった。
またしても、タンは偶然が生んだ状況に味方される。
サンミンの部屋は、ソンの細工により爆発。突入しようとしていたヨンジェは、怪我を負ってしまった。
ヨンジェは病院で、ナンガムに電話をかけ「先輩が探している元刑事(ソン)を見かけました」と伝える。
彼は、ナンガムが長年追い続けている警察官の事が気になり、独自に調べていたのだ。
しかしナンガムは「俺が捕まえるからお前は寝てろ」と言う。それでもヨンジェは我慢出来ずに、病院を抜け出した。
ーー
ビンは、タンを探すが見つからない。そして自宅へ戻ると、ソンがいた。
実は昔、ビンはソンが悪人を成敗しているところを見かけ「ヒーロー」だと思い込み、相棒として世直しをしていたが、酷く横暴だったのでコンビを解消していたらしい。
ソンに「タンに会わせろ」としつこく言われ、身の危険を感じたビンは、彼を殺そうとするも失敗。逆に攻撃されてしまった。
同じ頃、ヨンジェがビンの家に到着し、ビンの部屋から出て来たソンと揉み合う。
ソンの力は凄まじく、ヨンジェはマンションから落とされ、今度は大怪我を負ってしまった。
その後、ビンはナンガムの元へ行き、ソンがヨンジェを暴行した事、サンミンを殺した事を伝える。
しかしナンガムは「信じるわけがない」と言って取り合わなかった。
ーー
ソンは、道端で人に迷惑行為をしている学生カップルを「世直し」として殺す。
しかし、実はその女学生は、大企業「プヨン建設」会長の孫娘であり、警察署内に「ソンを捕まえた者は特別昇進をさせる」という内示が来た。
新しく配属されたムン課長は「私を昇進させてください」と言って、ナンガムの謹慎を解き、ソンを逮捕するよう命じた。
一方ナンガムに信じてもらえなかったビンは、プヨン建設に行き、ソンの情報を売る。
同時にタンと連絡が付き、ソンの事を正直に教えると「会わせてくれ」と言われた。
そしてビンは、プヨン建設の護衛達(暴力団)を連れて、ソンが指定したタンとの密会場所(とあるルの2階)に行く。
ーー
ついに、殺人を繰り返しているソンとタンが対面。
実はソンは、「誰が犯罪者でどんな犯罪を犯したのか」がわからないらしい。
そして「ビンは一度でもミスをしたら裏切る。だから俺と手を組め」とタンを仲間に誘った。
直後、タンは隙を見てソンにナイフを向ける。
しかしソンの方が上手で、あえなく倒されてしまった。
すると、プヨン建設の暴力団が到着。武器を持ち、ソンを殺そうとする。
それを見たタンは逃げ出した。
ソンがメイン級のキャラクターとなって来ました。
謎だらけですが、本作のキーマンである事は間違い無さそうですね。
タンとの、同じ能力同士の対峙もですが、ナンガムとも確執があるので、ソンから目が離せません!
エピソード7
ソンは、驚きの強さで暴力団達を葬った。
そして、先日殺した女学生が「プヨン建設会長、ヒョン・ジョングク」の孫だと知り、団員を脅して会長の居場所を聞き出す。
会長は、プライベートで使っている隠れ家にいた。これまで会長には誰も逆らえず、彼は権力を振りかざして悪行の限りを尽くしていたのだ。
そんな会長をソンが殺そうとすると、ナンガム達が到着。
突入すると、すでにソンは会長の頸動脈に栓抜きを突き刺していた。
「抜けば噴水ショーだぞ」と悪態を吐くが、自分に銃口を向けているのが自分の元上司(ガプス)の息子、ナンガムだと気付く。
ナンガムは、長年追い求めていた男に銃口を向けながら、幼少期の事を思い出していた。
ソンは、ナンガムの母と不倫をしており、それをガプスに咎められ、殴打して植物状態にしたのだ。
そんな深い恨みを抱えていたが、ナンガムはソンを殺すのをなんとかこらえ、生きて捕らえる事に成功した。
しかし、会長の命は助からなかった。
ーー
一方、タンとビンは南を目指して逃走する。
ビンは、タンになぜこのような事をしているのかと聞かれ、自身の両親が強盗に殺害されたが、自分に力がなく復讐が出来なかった事が理由だと話した。
2人が定食屋に入ると、テレビで「ソンが捕まったが、護送中に警察官を殺し逃走した」とのニュースが流れている。
驚きつつ見ていると、ソンの共犯者としてタンとビンの名前、写真が映し出されていた。彼らは指名手配されてしまったのだ。
タンは「俺はバカだ!」と取り乱すが、ビンは依然として「新しい計画をいくつも立ててある。大丈夫だ」と励ます。
そして密航で海外に逃亡する事を提案し、手配を始めた。
その頃ソンは、ビンの居場所を突き止めていた。そしてビンに電話し「集まろうじゃないか。オサン工場に来い」と伝える。
ビンはその事をタンに隠し、「密航する港へ行け、あとで必ず会おう」と言って離れる。
タンは彼の様子がおかしいと気付き、こっそりビンのスマホのGPSを、自分のスマホに連動させた。
ーー
ビンは、ナンガムの元へ行き「ソンの居場所を教えるから、協力して欲しい」と言う。
しかしナンガムが難色を示していると、一本の電話がかかって来る。
そして、入院中の父親がソンに殺された事を知った。
ついに物語もクライマックスへ!
ビンが死ぬフラグが立ちまくっていて、心配でたまりません。彼の過去も壮絶なものでしたね。
ソンの不死身さ、強さ、鋼の精神力にも何か秘密があるような気がします。
ナンガムの父とソンとの間に、何があったのかがポイントですね!
エピソード8
ビンはタンに手紙を残していた。
そこには「俺は一緒に行けない。お前には能力があるから1人でも大丈夫、直感を信じて行け」とある。
ビンは、自らが覚醒させてしまったソンを止めるつもりだった。
しかしタンは、迷う事なく港を出て行く。
GPSを起動し、先ほど乗り捨てた車でビンの元へ向かった。
ーー
ナンガムは、亡骸となった父の姿を見て、ビンに協力する事を決意。
銃を持ったまま、ビンと病院をあとにした。
ーー
ビンとナンガムは、オサン工場に到着し、ついにソンと対峙する。
ナンガムがソンに「殺しに来た」と言って銃口を向けると、反対側にタンが立っていた。
4人が集まったところで、激しい銃撃戦が始まった。
激しい攻防戦の末、タンがソンを刺すも、ビンが撃たれてしまう。
タンは泣きながら傷口を押さえるが、ビンは息を引き取った。
重傷を負ったソンは、ナンガムに「お前は真実を知らない。本当の事を話そうか」と言って、語り始める。
ーー
若かりし頃のソンは、親が犯罪者だったがガプスに救われ警察官になり、人一倍身体を鍛え勉強をする、一生懸命な人物だった。
もちろん、ガプスは恩人であり尊敬をしている。
しかしある時、ガプスが一般人を利用し、事件で押収した麻薬の横流しをしている事を知ってしまう。
それを問いただすと、ガプスはしらばっくれるばかりか、ソンに暴行を働いた。
しかも実は、裏でソンの昇級を阻んでおり「犯罪者の息子が警察署にいるのがおかしいのだ」と馬鹿にした。
ソンは初めて反抗し、ガプスを殴打して植物人間にしたのだった。
ーー
ガプスの本当の顔をナンガムに教えたソンは、母親の不倫相手も自分ではなく、ガプスの同僚の警察官だったのだと言い、お前は何も知らずに俺を恨んでいたんだ!と吐き捨てた。
全てを聞いたナンガムは、パニックになりながらもソンに銃口を向ける。
ソンは最期の悪あがきで襲いかかって来たが、ついにナンガムが射殺した。
2人は全てを終えたが、タンは自分で幕を引くと言って、ナンガムの銃で自殺しようとする。
しかし、そこでも運が味方をし、弾切れで死ぬ事は叶わなかった。
その後タンは、ビンが用意してくれた偽造パスポートなどを使い、フィリピンに移住した。
ーー
ある日、タンは不法滞在で現地の警察に捕まってしまう。
逃亡生活もここまでか…と思ったが、そこで自分に前科が無いという事を知った。
ーー
実は、タンは犯罪者の連続殺人を犯す中で、たったひとつだけ証拠を残していた。
それは、ビン教授という「不倫相手の学生を殺して埋めた殺人犯」を殺した時に食べていた果実。(エピソード5)
雨でDNAは採取出来なかったが、タンの歯形が付いている。
しかしビンは、とある歯医者をハッキングし、数々の悪事を見つけて脅して、自分の歯形をタンの歯形に変えていた。
ビンが生前、自分の死を予想して用意していた、ありとあらゆる「計画」のおかげもあり、タンが関与したという証拠は一切出なかった。
また、ナンガムもビンの想いを汲み、タンの事を伏せていた。
そして警察署では、ビンが一連の事件(犯罪者の連続殺人)の真犯人として処理されたのだ。
全てを悟ったタンは、韓国へ戻る事を決意し空港へ向かう。
ーー
ナンガムは刑事を辞め、結局引き取ったヨオクの盲導犬と共にゆっくりと暮らしていた。
しかしある日、テレビで「先日見つかった変死体が、実は数年前の犯罪者だった」というニュースを見る。
その瞬間、穏やかだったナンガムの顔つきが刑事に戻った。
ーー
タンは、韓国の街中を歩いている。
そしてある男性とぶつかって何かを感じ、振り向いた。
最後は鳥肌立ちっぱなし!ビンの歯医者を使った「計画」は本当に分からなかったしお見事でした。
このために歯医者をハッキングし、弱みを握っていたのか…?というのは考え過ぎでしょうか。
両親が亡くなってからの彼の頭の中には、ここまでの8話分のシナリオが、完璧に用意されていたのだと思えてなりません!
(ずっと、計画がいくつもあるって言ってましたしね)
いや〜本当に面白かった。続編もありそうなラストだったので、まだまだ観たい、楽しみたいです!!
『殺人者のパラドックス』が好きな人へのオススメNetflixドラマ
「殺人者のパラドックス」と同じように、ハラハラドキドキのサスペンスを楽しめるドラマをピックアップ!
ブラッドハウンド
「ザ・キング:永遠の君主」のウ・ドファン、「マイデーモン」のイ・サンイが共演した、ブラックヒーロー的なドラマ。
スリリングな内容と、拳で悪党を倒す快感がたまらない!ですが、筋肉美にも癒される一作です。