2025年8月29日公開の映画『8番出口』は、川村元気監督・脚本による実写作品です。主演の二宮和也が「迷う男」を演じ、「歩く男」を河内大和、「少年」を浅沼成が演じます。主人公は出口にたどり着けない無限ループの地下通路で、「異変を見つけたら引き返す」「異変を見逃したら進む」というルールに従いながら、8番出口からの脱出を目指します。
8番出口
- 未体験
- 5
- 感情移入
- 4
- 再鑑賞
- 2
- 予測不可
- 4
- サウンド
- 5
ゲームの場面の再現がスゴイ!二宮和也演じる男の苦悩が伝わってきた!
評価は年間100作品以上を鑑賞する執筆者こでぃもの実体験をもとにしています。
『8番出口』は人気?どんな人が観ている?
川崎の映画館の8番シアターで、金曜の夜に『8番出口』を見に行きました。年齢層はさまざまで、男女の割合は男の人が少し多いかなという印象です。昼の回だと学生も多いのかもしれません。
今作は異変を見抜くという体験・参加型の緊張を映画館で味わいたい人におすすめ!他にも、恐怖を間近で感じたい方や、原作のゲームをプレイしたり、実況動画を見たりした人でも楽しめることでしょう。口コミが広がると、怖いもの見たさもあって人気となりそうです…!

以下より重要なネタバレを含みます。
『8番出口』をネタバレありで解説!
迷う男
とある朝、男は地下鉄に乗り、派遣先へ向かっていました。車内で会社員が泣いていた赤ん坊の母親に対し暴言を吐いている場に遭遇する中、男はイヤホンを付けて見知らぬフリをします。
男は駅から地上への階段を上がっていく際に、元恋人からの電話に出ました。病院にいた彼女は妊娠したとのこと…「別れたのに」と言われる男は動揺しながら歩き続け、ふとしたタイミングで通話が切れました。
男は出口へ歩いて直進しますが…同じ道を歩き続けてると気付きます。「ご案内」を確認した男は異変を見つけながら進まないと、8番出口にたどり着けないと認識するのでした。

ゲームの『8番出口』では通路の行き来が主体。そのため、映画の始まりはどうなるのかと思っていましたが…男が大きな悩みを抱えて迷い込むとは驚きましたね。
喘息なのか、吸入器を使う場面もあって二宮和也演じる男の苦しさがひしひしと伝わってきました。ずっと同じ通路から出られず、スマホのカメラ機能も使えず…おじさん(歩く男)が真後ろでニッコリしてきたりする異変は、心をすり減らすのに十分だなと思いました。血のような液体が天井から降ってくることで異変に気付いていく展開はホラーっぽさも感じましたね。
少年
男は通路にあるポスターやドアを確認しながら進み、異変があったら引き返しました。逆に異変がなかったら進むことで、8番出口に近づけるようでしたが…異変に気付けず0番に戻された際に発狂してしまいます。それでも歩き始める男の前に少年が現れました。
少年は「歩く男」と行動を共にしていましたが、「歩く男」が偽の8番出口を上がっていった際に人ではなくなってしまったようでした。
少年は次に会った男と行動を共にし始め、男は少年が異変に気づいてくれるおかげで順調に進みます。

0→1→2…と、順調に進んでいった男ですが、彼女からの電話に出て会話をしましたね。その際に自分は子供を持つ資格があるのかと悩んでいましたが…男はそのまま進んでしまったため、0番に戻されてしまいます。
ここから出ることを決意した矢先に戻されるのはつらいでしょうね。黄色がかった光の通路に異変を感じつつ、もう出られないのではと思った男が倒れる姿は見てられない程でした。心を揺さぶすシーンでの音楽の使い方や男を映す際のカメラワークや緩急のある感じが見どころとも言えます。
そうした中、少年との出会いから少しずつ立ち直ってく男を見守りたくなりました。
出口
少年はドアノブや「8」の字が逆になっている異変に気づき、男もしっかり確認を続けます。
そうしてあと少しまで進んだ際に警報が鳴り響き、大量の濁流が男と少年を襲いました。男は波際で彼女と息子がいる夢を見たようで、目覚めた際には少年はおらず…男は最後の通路を進み、8番出口にたどり着きます。
地下への階段を進むと人々が行き交っていました。男は彼女に電話し、病院に向かうと告げて地下鉄へ。その際に朝と同じ用に会社員が怒鳴ってるのに遭遇します。男は会社員側に振り向いた瞬間、エンディングとなりました。

「歩く男」はずっと同じ道を、同じリズムで、同じように歩くだけのおじさん…と思っていたら、少年と出口を目指して歩いていた経緯があったとは驚きでした。「歩く男」が少年の手を引き、必死に平静を保とうとしていたのが印象に残ります。少年が彼に頑張って意思を伝えようとしていたシーンは応援したくなりました。
そうして少年が男と会い、2人が親子に見えてくるようなシーンもありましたが…個人的には今のままの男だと、少年のような子の人生を歩むことになるのかなと思いました。男は今回の体験を経て、良い父親の道を歩ことを祈りたくなるラストです。
永遠に続くような音楽『ボレロ』と合わせてエンドロールを見ながら映画館を後にしました。
『8番出口』に関連する作品ならこちらもオススメ!
『8番出口』や二宮和也に関連する以下の2作品もおすすめ!
TANG タング
二宮和也が演じる春日井健は、夢も仕事もあきらめ気味のまま停滞している人物。ある日、庭に記憶を失った小さなロボット“タング”が迷い込み、健はタングと共に旅に出るのが物語の序盤。
原作は英国小説『A ROBOT IN THE GARDEN』で、監督は三木孝浩。、妻・絵美を満島ひかりが演じます。実写とCGを組み合わせた、再生と友情を描くロードムービーです。

『8番出口』での張り詰めた表情とは対照的に、二宮和也さんの“ふっと力が抜ける可笑しさ”や、タングに心を開いていく繊細な表情の変化が魅力ですよ。無力に見える中、少しずつ前を向いていく過程を、穏やかなユーモアと温かさで見せています。
旅先での出会いや、タングの仕草にも注目ですね。家族や自分の足元を見つめ直したい方におすすめです。二宮和也の演技を別な角度からもお楽しみください。
ビバリウム
新居探しをしていた男女が不動産屋に案内された家で暮らし始めるのが物語の始まり。しかし、この住宅地からは出られないとわかって大変なことに…空は同じ色で、家は同じ形。どの道を進んでも元の家に戻ってしまうのでした。
玄関に「この子を育てれば解放する」と書かれた箱が届き、二人は見知らぬ赤ん坊の養育を強いられることになるのにも注目です。
監督はロルカン・フィネガンさん、主演はイモージェン・プーツさんとジェシー・アイゼンバーグさんです。出口のない郊外を舞台にした心理スリラーです。

延々と続く同じ家、人工的な空の色、静けさの中で増幅する不安など、“住まい”のはずの場所が実験場へと変わる不気味さがヒシヒシ伝わってくる映画!映画『8番出口』で味わった恐怖と似たものを洋画でも味わいたい人におすすめですね。
予想外の出来事が日常を少しずつ壊し、二人の心が削られていく過程を、映像や音の違和感を通してじわじわと体験できますよ。緊張感と余白を楽しみたい方にもおすすめです。