2023年10月20日劇場公開の『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』は、実話ベースの西部劇サスペンス。
1920年代、オクラホマ州オーセージ郡で石油の発掘による富を手に入れたオーセージ族が、白人たちによる脅迫と殺人に遭う事件を描きます。
マーティン・スコセッシ監督が、レオナルド・ディカプリオ、ロバート・デ・ニーロ、ジェシー・プレモンス、リリー・グラッドストーンらの豪華キャストを迎えた映画で、上映時間は206分。
どんな映画?『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』のおすすめポイント
キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン
- 未体験
- 4
- 感情移入
- 4
- 再鑑賞
- 3
- 予測不可
- 5
- サウンド
- 4
当時の状況がリアルに描かれ、引き込まれる映画!主人公と妻、暗躍する者たちの動向が気になる中、予測できない展開に引き込まれます!
評価は年間100作品以上を鑑賞する執筆者こでぃもの実体験をもとにしています。
ストーリー
1920年代にインディアンの一部の人たちが石油を発掘して裕福な生活を送る…そんな彼らに対し、白人たちがどういった動向を示したのかをリアルに描くストーリーに引き込まれました!
演出
リアルな演出ももちろんですが、レオナルド・ディカプリオ演じるアーネストが動揺したり、ロバート・デ・ニーロ演じるキングの人の良さそうな雰囲気などの演出もとても良かった…どちらの演技も引き込まれたのが印象的です。
衝撃度
「こんな話が本当にあったなんて…」と思わずにいられない作品!事実は小説より奇なりとは良く言ったものです。
思わず目を背けたくなるような内容もある中、様々な演出や登場人物の演技を踏まえて今作ならではの描き方をしていたと思いました!
おすすめポイント
1920年代にオイルマネーを巡る情景を詳しく知りたい人は満足!レオナルド・ディカプリオ、ロバート・デニーロたちの演技をしっかり見たい人にもおすすめです!
予告にあるような爆破などの派手なシーンをたくさん見たい人、重厚なストーリーが苦手な人は「ちょっとちがったな」と思うかもしれないので注意してくださいね。
以下より重要なネタバレを含みます。
『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』をネタバレありで解説!
アーネストとおじのキング
アーネストはおじを訪ね、車の運転をして仕事に務めていました。その際にモリーという女性を乗せるようになり、おじのキングから恋仲になると良いと言われます。モリーと仲を深めたアーネストは結婚して子供ももうけますが…モリーの姉妹やオーセージ族が脅威にさらされていきました。
石油発掘によるオイルマネーの影響で一部のインディアンに富裕層が多く、原因不明の死に至ることが多かった…裏でキングが働きかけ、モリーの姉妹も狙われることになります。
オイルマネーによって豊かに暮らす人たちと、受益権を狙って結婚する白人男性たち…そうした情景をリアルに描いていたのが印象的ですね!当時の映像や、それに近い演出などを交えて物語を描くのもすごかったです。
アーネストとモリーの恋愛物語かと思いきや、キングの思惑が絡んで金目的のやりとりが繰り広げられるのに冷や冷やさせられますね。
死
モリーの姉のアナは酔ったり、男と関係を持ったりしていた…そうした動向を経て彼女が亡くなったと知らせが入りました。アナの葬儀が執り行われつつもモリーは妹のことが心配になります。
そうした中、モリーは糖尿病により身体が弱っていき、キングは彼女のためにインスリン注射を用意。アーネストが注射を打つようになりますが…途中からキングに言われた薬を混ぜるようになってからさらに病状が悪化します。
モリーの妹は家ごと爆破され、雇っていた探偵も殺される中、事態が大きく変わっていくのでした。
アナは事故死かと思われましたが、映画のラストで撃たれたシーンも描かれましたね。キングの差し金でしたが、医師が銃弾の証拠隠滅を計って頭の解剖をしていたシーンがあったと思うと衝撃です。
アーネストは保険金詐欺のためにインディアンの男を自殺に見せかけて殺そうと企てるのもこのパートの驚きのシーンとなりました。
捜査
政府の捜査官が不審な死が相次ぐ件を調べにやってきます。アーネストは不安になりつつ、キングは過去に殺しを依頼した者たちに連絡。逃がすフリをし、殺されるよう仕向けました。アーネストは殺人の容疑で捜査官から取り調べを受け、ジョンやブラッキーと話す機会も得ますが…モリーに会うため、キングの暗躍を証言しようと考えます。
裁判でキングの弁護士はアーネストに証言させないようにし、アーネストは考えを改めて証言を止めました。しかし、娘が病死したことをキッカケに家に帰りたいと切に思い、再び証言を決意。裁判の結果、キングは終身刑となりました。
モリーは捜査官のおかげで身体の調子を取り戻し、アーネストと再会。その際に糖尿病のために打っていた注射は何かと聞き、アーネストは「インスリン」と答えてしましたが…モリーはアーネストの元を去り、彼は刑務所送りへ。モリーは再婚して余生を送ったという説明と共に物語は幕を閉じます。
キングはとても親身にブラッキーやケイシーに「今は街から逃げた方が良い」と言っていましたね。その際に、「最後に良い稼ぎになる」と言いつつ、銀行など襲う先を提案…一方で、彼らが殺されるように仕向けるのもさすがでした。
ケイシーは盗みをを働こうとして殺され、ブラッキーは捕まる…キングはブラッキーを脱獄させようと考えていましたが、アーネストの証言により思惑が外れたようでしたね。
そうしてアーネストはモリーや家族のために証言をしましたが、キングに言われるがままモリーを殺しかけた…インスリン注射の件をモリーに問われて嘘をつき、モリーが去ったように見えましたね。登場人物の心情をしっかりと見ていきたくなる作品でした。
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J・エドガー
2012年公開で、FBIの初代長官ジョン・エドガー・フーヴァーの半生を描いた作品。クリント・イーストウッド監督とレオナルド・ディカプリオが初タッグです。
1924年にFBIの前身である捜査局BOIの長官に任命されたJ・エドガーは、1972年に他界するまで長官の地位にあった…そんなエドガーはカルビン・クーリッジからリチャード・ニクソンまで8人の大統領に仕え、FBIを犯罪撲滅のための強力な組織へと成長させました。謎に包まれた彼の半生が
アメリカの政治・社会背景のリアルな描写、歴史に興味がある人におすすめ! イーストウッド監督の独特の手法とディカプリオの熱演にも注目ですよ。
ギャング・オブ・ニューヨーク
2002年公開で、この映画の脚本は3人によって共同で執筆されました。1927年にハーバート・アズベリーによって書かれた『The Gangs of New York』という著書を元にしています。
映画は、19世紀の半ばにニューヨーク市のファイブ・ポイント地区という名高いエリアが舞台。白人アングロサクソン「ネイティブ」とアイルランドからの移民との間の闘争が描かれます。社会の法と秩序が試されるこの時代は、新旧の文化の伝統が衝突した混沌とした背景もあり、個人の野望と集団の力闘が交錯しますよ。
アメリカの歴史と多文化社会の成長を描いていたり、個人の復讐と社会的な変化を探求を見たい人におすすめ! マーティン・スコセッシ監督の独特な視点とディカプリオの力強い演技が見どころですよ。