2024年9月13日に公開された、Netflix映画『アグリーズ』
世界から戦争や差別をなくすため、ある外科医が作り出したのは、美しい完璧な肉体を持った「プリティ」に生まれ変わらせる転換手術。
しかしその計画の裏には、恐ろしい陰謀が隠されていた。
未来の終末後のディストピア社会を描く、アメリカのSF映画。
主演:ジョーイ・キング(『キスから始まるものがたり』シリーズ、『ブレット・トレイン』)
監督:マックG(『チャーリーズ・エンジェル』シリーズ、『ターミネーター4』)
原作:スコット・ウェスターフェルドの小説『アグリーズ』
未来でドラえもんに会いたいと願っているbeersyです!
「美」があれば世界は平和になるのか…?
ルッキズムを取り入れたとんでもない設定のストーリーで、いささか驚きつつ楽しみました!
この記事では、Netflix映画『アグリーズ』を鑑賞した筆者の感想やあらすじ、ネタバレ解説をご紹介します!
『アグリーズ』の評価&感想
- 感動度
- 3
- 脳トレ度
- 3
- 再鑑賞度
- 3
- サプライズ度
- 3
- 話題性
- 4
最近ではネトフリ映画『ファミリー・アフェア』でそのキュートさを全開にしていた、ジョーイ・キングのSFムービー。
大画面いっぱいに映っても可愛い…顔何センチ?
そんなキュートなジョーイに見惚れるだけではなく、迫力と疾走感が楽しめる映像も魅力的なポイント。
『アバター』などに比べると流石に劣りますが、大画面で観たらもっと面白いだろうなぁ。
ストーリーは理解しやすい展開。悪く言えば浅い。
「え、なんで?」という箇所が多くあり、深く考えてはいけない…。
ヤングアダルト映画として楽しむ分には良いのかもしれません。
続編ありきのラストだったので、次回作に期待!
以下より重要なネタバレを含みます。
『アグリーズ』の主要キャスト
- タリー・ヤングブラッド/ジョーイ・キング(「寄り目」がコンプレックス。早くプリティになって、煌びやかな街に行きたいと願うもうすぐ16歳の女の子)
- シェイ/ブリアンヌ・チュー(タリーと仲良くなるが、転換手術には反対している)
- デヴィット/キース・パワーズ(「スモーク」の住人。優しく統率力がある)
- ペリス/チェイス・ストークス(タリーの親友。「でかっ鼻」がコンプレックス)
- ドクター・ケーブル/ラバーン・コックス(プリティを開発した科学者・整形外科医)
- マディ/チャーミー・リー(デヴィットの母。元整形外科医)
- アズ/ジェイ・デヴォン・ジョンソン(デヴィットの父。元整形外科医)
『アグリーズ』のネタバレ
差別のない世界
数百年前、「ラスティ」と呼ばれる人間達は化石燃料に依存し、地球の限りある天然資源を使い尽くしただけではなく、戦争を始めた。
科学者達は残された文明の保持を命じられ、再生可能なエネルギーを持つランの花「ホワイト・タイガー・オーキッド」を開発。
しかしそれでも人間達は、常に階級や国境を作り不和を続ける。
その解決策として、子供達を12歳で寮に住まわせ、16歳になったら転換手術を受け完璧な人間「プリティ」に生まれ変わって、妬みや嫉みから来る争いをせず平等に生きられるようにした。
プリティになった人々の肉体は衰える事が無く、監視下にある街で暮らす事になる。
その一方で、転換手術を受ける前の人間は「アグリーズ(醜い人)」と呼ばれた。
ーー
タリー・ヤングブラッドは寄り目を気にしている女の子だが、転換手術をする誕生日まであと3ヶ月と少し。
でかっ鼻の男友達のペリスは、一足先に転換手術を受ける事になったため、1ヶ月後に再会する約束をして別れた。
二人は掌に同じ傷を作った大切な親友。タリーは再会を待ち侘びた。
そして1ヶ月後、タリーは寮を抜け出し、ペリスと待ち合わせた場所である橋の下へ行った。
しかし彼はそこにおらず、タリーは上から落ちて来た仮装用の仮面を付けて、橋の上の街に忍び込む。
そして生まれ変わったペリス を見つけ、仮面を取って声を掛けたが、彼はタリーの事を「親友」とは呼ばず「僕は変わった。君もプリティになったら分かるよ」と冷たく突き放した。
さらに、掌にあった傷も残すと言っていたのに、綺麗に消されている。
タリーがショックを受けていると、顔がスキャンされ「侵入者」として監視員に追われる事に。
するとそこに寮仲間のシェイが現れ、空中に浮かぶボードを見事に乗りこなし、タリーを救い出した。
ーー
二人は偶然同じ誕生日だという事もあって意気投合し、共に授業をサボってはボードに乗って遊んだ。
しかしシェイは、「ありのままの容姿で自由に暮らせる〝スモーク〟という場所に行きたいの」と打ち明ける。
「成長が止まるのが怖い。一緒に行こう」とタリーを誘ったが、タリーはどうしても「プリティになりたい」と言ってその誘いを拒んだ。
突然の別れに抱き合って号泣する二人。
それでもシェイは、スモークまでの道を暗号化した地図をタリーに渡し、ボードに乗ってスモークへと旅立った。
「プリティ」という言葉をシリアスに使うもんだから、ちょっと失笑してしまいました;
他に何か言い方は無かったもんか?
ほぼCGの世界、指先一つで色々なものを操作出来る世界、AIのように美しい人間。
便利なのだけれど、そしたらもう人間はいらないのでは?とも思います。
というか、タリーは整形いらないよ…。
スモークでの暮らし
タリーは16歳になった。
待ち侘びていた転換手術の日が来たが、なぜか受けさせてもらえず街中心部の「スペシャルズ管理局」に連行されてしまう。
統率者のドクター・ケーブルは、「デヴィットという者がシェイや他の者を洗脳し、意に反して拘束している」「スモークの人間は武器を作って、こちら側を攻撃しようとしている」と打ち明けた。
そしてタリーに、手術と引き換えにスモークに行って、武器とシェイを見つけて来て欲しいと命じる。
タリーはシェイを裏切る事に抵抗があったが、寮に忍び込んで来たペリスに説得され協力する事を決意。
後日、ドクター・ケーブルに「助けを要請出来るネックレス」を付けられ、シェイに貰った地図を頼りにスモークへと向かった。
しかし実は、ペリスが来たのはドクター・ケーブルによる策略であり、その見返りとして、ペリスは更なる転換手術を受ける事になった。
ーー
タリーは険しい道のりを乗り越え、スモークの手前のキャンプ地でデヴィットに会い、シェイとも無事再会した。
デヴィットは発信機を見つけてタリーを調べたが、ネックレスには気付いていない。
再会を喜ぶ一方で、タリーが自分を連れ戻しに来たと知ったシェイは「スモークの人々の事を知って欲しい」と言った。
そこでタリーは、実は「ホワイト・タイガー・オーキッド」が有害なもので、土を荒野にしてしまうという事、デヴィット達は地球を守るためにそのランの花を焼き払っている事を知って驚く。
一方ドクター・ケーブルは、タリーの発信機が途絶えた場所に「スペシャル」と呼ばれる偵察隊を2名派遣し、ヘリコプターに乗ったデヴィット達を攻撃した。
その際シェイがヘリから落ちてしまい、タリーが危険を顧みずに助け偵察隊から逃げ出したが、デヴィットの仲間・クロイはタリーを疑う。
それでもデヴィットは「彼女は俺達の仲間であるシェイを助けるために、ヘリから飛び降りたんだ。信じよう」と言って、スモークに連れて行く事を決意した。
ーー
スモークでは、老若男女皆んなが働いて自給自足をし、物を分け合い助け合いながら生活をしている。
ラスティ時代に残された線路を使い、様々なものを作っていたが、武器を作っている様子は皆無だった。
デヴィットはここにいる者達を洗脳しているわけでは無く、「ドクター・ケーブル達は、我々から考える事・読書する事・夢を見る事・未来を選ぶ権利も奪っている。ありのままでいるために、スモークを守り抜くんだ」と言う。
タリーは徐々にその自由さに惹かれ、またデヴィットにも惹かれて行った。
デヴィットもまたタリーに惹かれて行き、慣れない野外での活動で、手に水膨れが出来た彼女のためにグローブをプレゼント。
しかしシェイは、「彼はあなたの事が好きなのね。でもどっちつかずの態度は良くない。ここに残るか、帰るのか、決断するべきよ」とタリーに苦言を呈した。
ーー
揺れ動くタリーは、デヴィットに「あなた達は武器を作っていて、私達を滅ぼそうとしていると聞いた」と打ち明ける。
そこでデヴィットは、タリーを自分の両親(父・アズ、母・マディ)のところへ連れて行き、話を聞かせた。
二人は以前美容整形外科医として働いており、ある日「形態規格委員会」に任命されたと言う。
しかしアズは、転換手術を受けた人間が、毎年数人命を落としていたので不審に思い、カルテなどの情報から調査をした。
すると、術後の人間の前頭葉に損傷があり、偽りの幸福で満足し注意力や思考力を低下させていた事が分かった。
また、再手術で非情な兵士「スペシャル」にされる者もいるらしい。
実はケーブルはアズとマディの同僚だったが、人間をプリティにし思考を奪って、世界を支配しようとしていた。
その現実を見てアズとマディは反発し、自分の老いに抗わず生きて行こうと決めたのだ。
それから二人は20年もの間、前頭葉の損傷の治療薬を作っていたが「ナノ物質」が手に入らず、まずは血清を作った。
血清とナノ物質の二つが合わされば、ケーブルに対抗出来る薬が出来上がるが、そのためには街の中心部に行きナノ物質を手に入れなければならない。
完成したら希望者を募って、副作用があるかもしれないが治療を開始する予定だ。
デヴィットの両親の話を聞いたタリーは、ネックレスを火で燃やし、デヴィットに協力しようと決意する。
「何も知らずに、私は悪い事をして来た。本当に醜いんだわ」と思い悩む彼女に、デヴィットは「君の行動や考えが、君を美しくするんだ」と言ってキスをした。
シェイがデヴィットの事好きなんだと思ってた…タリーはそっちに行くのね。
コロっと反勢力を好きになったのは、タリーの見て来た世界が狭かったのも理由のひとつでしょう。
しかしケーブルは相当手強そうです。
対決、そしてタリーの決断
翌日、突然多くの偵察隊がやって来てスモークを攻撃する。
ケーブルはアズとマディに「あなた達の息子は反逆者よ。どこにいるの?」と聞くが、二人は答えない。
するとペリスが現れ、いとも簡単にアズを殺害した。
タリーは泣きながら「人を傷つけるなんて聞いてない」とケーブルを睨むが「あなたはよくやったわ。手術の準備はしてあるわよ」と言ってニヤリと笑う。
スモークの住人達はタリーが裏切り者だったと知り、絶望して非難したが、偵察隊に捕らわれ連行されてしまった。
かろうじて逃げたデヴィットは、残ったタリーを殺そうとするが「ネックレスを壊したら居場所を知られてしまったの。プリティになる代償が心を失う事だなんて知らなかった。本当にごめんなさい。ここが大好きなの。手術をするくらいなら死ぬわ」と言って、謝罪する。
デヴィットは信じる事が出来ないものの、タリーと共に住人を救出するため街に向かう。
ーー
タリーは、寮の中でスモークに憧れている生徒に協力を仰ぎ、スペシャルズ管理局に忍び込む。
マディ達を救出したが、すでにシェイの手術は終わり、彼女はプリティになってしまっていた。
そこにケーブルとペリスが現れ、タリー、デヴィット、マディを手術マシーンに入れる。
すると身を潜めていたクロイ達が現れ、外から手術室に向けて火を放ち、マシーンから脱出したマディは、急いで目の前に保管されていたナノ物質を取り出した。
爆発が起き、タリー達が逃げようとすると、爆風で軽傷を負ったペリスが立ちはだかる。
タリーは、ペリスの掌に新しく出来た傷を見ながら「寄り目とでかっ鼻は、ずっと親友よね」と言って説得しようと試みたが、父の死を思い出したデヴィットとペリスが揉み合いになり、最終的にペリスが転落死してしまう。
彼は落ちる瞬間、タリーを見て「寄り目…」と呟いた。
ーー
タリー達はシェイを連れて逃げ切り、マディが血清とナノ物質を合わせてシェイを治療しようとするが、プリティになってしまった彼女は思考を失っているため、「このままのほうが良いわ」と言って受けようとしない。
マディは「安全性が保証出来ないから、同意の無い治療はさせられない」と諦めるが、タリーが「私が手術を受けてプリティになるから、救い出して治療して。治療薬の実験台になるわ」と申し出た。
マディは「リスクが大き過ぎる」と心配するが、タリーは「私は強い、プリティになっても心を奪われたりしないから大丈夫。あなたに治療して欲しい」と強い意思を以って返事をする。
さらにデヴィットが「でも、術後の君が正気なのかをどう見分ける?」と聞くと、タリーは「サインを残すわ。これが世界を救うチャンスよ」と言った。
そして、デヴィット達に別れを告げたタリーはシェイと共に、追って来たケーブルの元へ行く。
ーー
ーー
手術を受けたタリーは、以前の自分が希望していた美しいプリティになっていた。
AIに「術後の経過は順調よ。新しい自分に満足してるし、プリティな自分が好き」と言いながら、掌に残っている傷を撫でた。
あっけなくペリスが死んでしまった。でも次回で生き返るのかな。
なんてったって「スペシャル」だもの…。(いちいち名前が気になる)
もうちょっとキャラ同士の関わりを深く描いて、街の説明とかもしてもらいたかった。
まさか続くとは思わず驚きましたが、三部作になるかも?という噂もあるので、続報を待とうと思います!
『アグリーズ』が好きな人にオススメの映画
映画『アグリーズ』のような、迫力のあるSF映画はこちら!
ブレードランナー
ハリソン・フォード主演の、ディストピア・SFムービー。
本作よりももっと壮大でストーリーが練られているので、見応えがありますよ!