2010年10月9日公開の映画『ナイト&デイ』
トム・クルーズとキャメロン・ディアスが『バニラ・スカイ』(2001)ぶりに共演を果たしたアクションコメディ映画です。音楽はジョン・パウエルが担当しました。
インドでは、リティク・ローシャンとカトリーナ・カイフにより『バンバン!』の題名でリメイクされ大ヒットを記録し、日本でも2023年に公開され話題となりました。
この記事では、映画『ナイト&デイ』で流れた音楽12曲をご紹介します。
『ナイト&デイ』を観る方法
『ナイト&デイ』で流れた曲とは?
ロイの携帯電話の着信音がなるシーン
The Kingsmen - Louie Louie
ロイの携帯電話の着信音がなるシーンで流れた曲は、The Kingsmenの『Louie Louie』です。
CIA所属のスパイ、ロイ・ミラーの携帯電話の着信音です。
ここで使われた『Louie Louie』は、1959年に米・オレゴン州ポートランドで結成されたガレージ・グル-プ、キングスメンが、1963年にリリースした彼らの代表作といえる作品です。
この曲は、R&B歌手リチャード・ベリーが1957年にリリースしたものがオリジナルです。キングスメンがカバーしたバージョンは、6週間全米ヒットチャートで2位を獲得したことで、『Louie Louie』は、1960年ガレージロックの代表作の一つとなりました。
ジューンが飛行機のトイレで身だしなみを整えているシーン
Gotan Project - Santa Maria
ジューンが飛行機のトイレで身だしなみを整えているシーンで流れた曲は、Gotan Projectの『Santa Maria』です。
1999年に結成されたゴタン・プロジェクト(Gotan Project)は、パリを拠点に活動する音楽グループで、アルゼンチンタンゴをベースにしたエレクトロ・タンゴの草分け的存在として世界中に知られています。
ここで流れている『Santa Maria』は、ゴタン・プロジェクトのデビュー アルバム『La Revancha del Tango』(2001)の収録曲で、2002年にはシングルカット盤が発売されました。日本映画をリメイクした『Shall We Dance?』(2004)ではジェニファー・ロペスとリチャード・ギアとのダンスシーンで使われるなど、人気の曲です。
飛行機での乱闘シーン
Gotan Project - Santa Maria (Pepe Braddock Remix)
飛行機での乱闘シーンで流れた曲は、Gotan Projectの『Santa Maria (Pepe Braddock Remix)』です。
ジューンがトイレに入ると、機内の様子は一変!乗客ばかりか乗務員までもが次々ロイに襲いかかってきます。
乱闘のシーンでは『Santa Maria』のリミックスヴァージョンが使われています。この曲は、ゴタン・プロジェクトが2004年にリリースしたリミックス・アルバム『Inspiración Espiración』に収録されています。
2001年にリリースされたゴタン・プロジェクトのデビューアルバムは、世界中で100万枚以上のアルバムが販売され、大きな国際的成功を収めました。 特にクラブ・ミュージックシーンで熱狂的に支持されたとか!
トラックの中でかかっている曲
Scorpions - Rock You Like a Hurricane
トラックの中でかかっている曲は、Scorpionsの『Rock You Like a Hurricane』です。
ロイが、墜落寸前の飛行機を立て直し、無事に不時着させるシーンです。
1965年結成、1972年にデビューしたスコーピオンズは、ドイツ出身ハードロック・ヘヴィメタル・バンドとしてアメリカ進出にも成功した、世界的に有名なロックバンドです。
1984年にリリースされたシングル『ハリケーン(原題:Rock You Like a Hurricane)』は、スコーピオンズのアメリカ進出のきっかけを作ったとされるヒット曲で、9枚目のスタジオアルバム 『禁断の刺青(原題:Love at First Sting)』に収録されています。
ロイがジューンを人質にして逃亡するシーン
Gotan Project - Diferente
ロイがジューンを人質にして逃亡するシーンで流れた曲は、Gotan Projectの『Diferente』です。
ジューンが消防士ロドニーと会っているレストランにロイが突然現れます。ロイはジューンに手錠をかけ、ロドニーの足に発砲して傷を負わせます。
『Diferente(邦題:すれ違い)』は、ゴタン・プロジェクトが2006年にリリースしたセカンドアルバム『Lunático』に収録されている曲で、シングルカットされ発売されました。
アルバムタイトルは、伝説のタンゴマスター、カルロス・ガルデルの競走馬の名前にちなんで『ルナティコ』とされたそうです。また、彼らのグループ名のゴタンは、「タンゴ」の音節をひっくり返した造語だそうです!
サイモン不在の隠れ家で流れている曲
Hall & Oates - Private Eyes
サイモン不在の隠れ家で流れている曲は、Hall & Oatesの『Private Eyes』です。
ブルックリンのガレージに置かれたコンテナには、隙間なく数式が書かれていましたね!曲名『Private Eyes』は「私立探偵」を意味する言葉だそうです…。
この曲は、ダリル・ホール&ジョン・オーツ(略称:ホール&オーツ)が1981年にリリースし全米チャート1位を記録した曲で、10枚目のアルバム『Private Eyes』(1981)のタイトルトラックです。
1972年にデビューした米・ペンシルヴァニア州出身の男性デュオ、ホール&オーツは80年代を代表するポップデュオで、2001年にこの曲がSONYのCMに使われると、再び注目を集めました!
ロイが撃たれて川に落ちるシーン
Harry Gregson-Williams - An Ass Model Named Lavitka
ロイが撃たれて川に落ちるシーンで流れた曲は、Harry Gregson-Williamsの『An Ass Model Named Lavitka』です。
川に落ちたロイは行方不明になり、サイモンは確保されます。
ハリー・グレッグソン=ウィリアムズが、デンゼル・ワシントン&ジョン・トラボルタ主演の米・アクションスリラー映画『サブウェイ123 激突』(2009)のために作った曲が使われています。
ハリー・グレッグソン=ウィリアムズは、ゲーム音楽作品でも知られている作曲家ですが、1990年代から数々の映画音楽を担当し、「ナルニア国物語」シリーズの音楽で注目されるようになりました。最近では『ハウス・オブ・グッチ』(2021)の音楽を手掛けたりと人気の作曲家です。
修理工場で流れている曲
The Sonics - Shot Down
修理工場で流れている曲は、The Sonicsの『Shot Down』です。
ジューンは妹エイプリルの結婚式に無事出席を果たすことができました。その後訪れた自動車修理工場で流れている1曲目が『Shot Down』です。そして2曲目にロイの携帯電話の着信音『Louie Louie』が流れ、ジューンは名車「ポンティアック GTO」で謎の場所に向かうことになるのです!
『Shot Down』は、1960年にワシントン州タコマで結成された米国のロックバンド、ザ・ソニックスが、1965年にリリースした曲で、2ndアルバム『Boom』(1966)に収録されています。
サン・フェルミン祭で演奏されている曲
Traditional - Uno de enero
サン・フェルミン祭で演奏されている曲は、『Uno de enero』です。
拘束されたジューンを乗せた車が、祭りで賑わう街の中に入っていくシーンです。
スペイン三大祭りのひとつとされているサン・フェルミン祭は、毎年7月、一週間にわたり開催され、牛追いが有名なため「牛追い祭り」とも言われています。早朝から深夜までダンスや音楽、大道芸などイベントが尽きることなく行われ、毎年約100万人の観光客を集めています。このイベントで歌われるのが『Uno de enero』です。ナバラ地方の民謡が元になっています。
ロイをのせたジューンの車で流れている曲
Christopher Cross - Ride Like the Wind
ロイをのせたジューンの車で流れている曲は、Christopher Crossの『Ride Like the Wind』です。
ジューンはCIAからロイを奪還するため、病院に忍び込み、ロイを眠らせたままビーチに連れて行きます。
この曲は、米・シンガーソングライター、クリストファー・クロスのデビューシングルで、1980年にリリースされました。グラミー賞を受賞したデビューアルバム『 Christopher Cross(邦題:南から来た男)』(1979)に収録されています。
1981年のグラミー賞では、デビュー当時、素顔を公開していなかったクリストファー・クロスが、最優秀アルバム賞、最優秀レコード賞、最優秀楽曲賞、最優秀新人賞の主要4部門を含む5部門受賞の快挙を成し遂げ、話題となりました!
ビーチに停めた車の中で、ロイとジューンが話すシーン
José Reyes y Los Reyes - L’amour d’un jour
ビーチに停めた車の中で、ロイとジューンが話すシーンで流れた曲は、José Reyes y Los Reyesの『L’amour d’un jour』です。
ジューンの問いに対して、ロイが笑顔で「With You(君といたい)」とこたえるシーンです。
ホセ・レイエス&ロス・レイエスは、1975年にフラメンコ歌手のホセ・レイエスが家族と共に結成した、南フランス出身の音楽グループです。『L’amour d’un jour』は、1878年にリリースされたアルバム『L'amour d'un jour』に収録されています。タイトルは「ある日の恋」を意味するフランス語です!
ジューンとロイが車でケープ・ホーンに向けて走り去るシーン
The Black Eyed Peas - Someday
ジューンとロイが車でケープ・ホーンに向けて走り去るシーンで流れた曲は、The Black Eyed Peasの『Someday』です。
ブラック・アイド・ピーズは、1995年に米・ロサンゼルスで結成された3人組ヒップホップ・グループです。2002年にオーディションで選ばれたファーギーが加わり、ヒット曲が次々生まれ、売上新記録を樹立するなど大活躍していました。2011年に無期限活動休止を発表しましたが、現在は、ファーギーを除く3人で活動を再開しています。
エンドロールで流れる、映画の主題歌にも起用された『Someday』は、6枚目のスタジオ・アルバム『The Beginning』(2010)の収録曲です。このアルバムが4人で活動した期間に出した最後のアルバムとなっています。