2023年11月17日に公開された映画『OUT』は、井口達也とみずたまことのコミックを実写化した青春アクション映画。
少年院から出所した元暴走族の青年・達也が、更生を誓いながらも暴走族の抗争に巻き込まれるのが主なストーリーです。
監督と脚本は品川ヒロシが務め、出演は倉悠貴、醍醐虎汰朗らで、上映時間は129分。
どんな映画?おすすめポイントを紹介!
OUT
- 未体験
- 3
- 感情移入
- 4
- 再鑑賞
- 3
- 予測不可
- 3
- サウンド
- 3
暴走族どうしの過激な抗争・アクションが見もので、主人公たちを応援したくなる展開が熱い映画!
評価は年間100作品以上を鑑賞する執筆者こでぃもの実体験をもとにしています。
ストーリー
主人公の井口達也は「狛江の狂犬」としてケンカ上等!という日々を送っていたのに、それができなくなる生き方が大変そう…そんな物語の始まりから、「斬人(きりひと)」のメンバーと関わっていくことで成長していくのが見ものですね。
演出
映画の序盤は、マンガ絵をパラパラめくるような演出と共に登場人物の紹介やワンシーンが入りましたね。そうした演出がおもしろいなと思いつつ、細かく書き込まれたマンガの絵を見て原作も読みたくなりました!後半もこの演出がもっとあっても良かったなと思いましたね。
その作品ならではの切り口
ケンカ中心のアクションは今作ならではのおもしろさがありましたね!木刀やパイプ、ヌンチャクのような武器など、暴走族ならではのアイテムを使った戦いが見ものでした。一方で、柔道などの投げ技・寝技を駆使した戦いは技を感じさせるシーンが多くて目を見張ります!
おすすめポイント
実写の不良や暴走族が出演する映画と言えば『HiGH&LOW』シリーズなどがありますが、映画『OUT』は登場人物がまだたくさんはいないので覚えやすいかも!特徴的な男たちが多いですね。ただ、公式HPなどで名前や顔を見ておく方がわかりやすいかもしれませんよ。
アクション満載のド派手なケンカ映画!というほどでは無く、ヒューマンドラマも含めた物語を楽しみたい方に特にオススメで、原作を知らなくても見入ってしまうシーンが多いでしょう。
以下より重要なネタバレを含みます。
ネタバレありで解説!
達也と「斬人」
達也は暴走族になってケンカの日々を送っていましたが、警官相手に暴れたこともあって少年院へ…一度は出所したものの、すぐにケンカ騒ぎを起こしてしまい、追加で3ヶ月過ごします。
ようやく出所した達也は母の妹夫婦が営む千葉の焼肉屋「三塁」でお世話になることに…バイトをしつつ、警察の厄介にならないよう気を付けます。
ある日、コンビニでかっこいいバイクを見かけて近寄ると、暴走族「斬人」の副総長・安倍要(あべ かなめ)にからまれました。ケンカを売られた達也は「相撲で勝負だ!」と言って要と戦い、なんとか勝利。そこから要に気に入られ、集会所のボーリング店に連れてかれます。
堪え性の無い達也が鶴を折る少年院のシーンや、警察沙汰を起こさないよう相撲で勝負するシーンなど、彼の個性が良く伝わってくる映画の序盤!
要と意気投合したり、おじさんたちと心を通わせていくのが良いですね。
戦いと信頼
達也は他のメンバーに絡まれ、総長の敦司も彼を死刑にしようと言いますが…千紘がそれを止めに来ます。彼女は先代総長の妹で、抗争に巻き込まれて死んだ兄のこともあり、ケンカを嫌いました。
達也は「斬人」などの状況を知りつつ、半グレ集団「爆羅漢」との争いに巻き込まれていきます。「爆羅漢」は三兄弟によって70人近くで構成され、最近仲間を増やしたばかりとのこと。長男の一雅はドラッグや女を使って金を増やしており、「斬人」の縄張りが邪魔だと考えていた…そのため、非道な手を使って戦いを始めようとします。
達也はおじさんとおばさんの信頼を裏切らないよう、客にケンカを売られても堪えるようになっていました。店を訪ねていた敦司はそれを見て達也に海に行こうと誘います。バイクの後ろに乗せられた達也ですが「斬人」の一員になるとは言えず…幹部たちが焼肉屋を訪ねたある日、要は達也に「爆羅漢」とケンカをするなと釘を刺しましたが、達也はそれに納得はできませんでした。
達也はケンカをしたいという心持ちがある中、おじさんたちに信頼されていることから我慢をしていましたね。どんなにバカにされても踏みとどまる姿は、最初のシーンから想像ができません。
この後、要は達也を暴走族の世界に巻き込んでしまったことに悩む姿にも注目ですよ。
決戦
「爆羅漢」は「斬人」が集まる4か所に同時に奇襲を仕掛けたことで、「斬人」は苦戦。その結果、要は重症を負って病院に運ばれ、仲間想いの敦司は敵を討つと断言します。達也は責任を感じますが…千紘がさらわれたと知って決意を固めました。達也は敦司たちと敵のアジトに向かい、焼肉屋が襲われた恨みも晴らすべく大暴れ。
敦司や幹部は敵を倒し、最後は達也と賢三の戦いに…達也は要に教わったアッパーを繰り出して敵をノックアウトします。そこに一雅が銃を持って現れ、敦司と共に窮地に陥る達也…しかし、賢三が彼を不意討ちし、達也たちを逃がしました。
その後、焼肉屋で食事をしつつ、要の退院を喜ぶのでしたが…「斬人」に新たな知らせが入って物語は幕を閉じます。
金持ちの子だった一雅と次男は、父親の愛人の子である賢三にひどい仕打ちをしていたようでしたね。それでも賢三は忠実に動き、レンチをヌンチャクのように振り回して戦うのが凄かったです。最後は一雅を失神させるほどの攻撃を繰り出しましたが…これまでの恨みもあったのかもしれませんね。「斬人」を助ける方が無難だと考えたかもしれませんが、達也たちが無事で良かったです。
一雅と敦司の戦いも、寝技などのかわし方に驚くばかりでした!
こちらもオススメ!
若者たちの生き様や絆の大切さ、そして熱い闘いを描く映画は以下もオススメ!映画『OUT』も続いていくのか今から楽しみですね!
『HiGH&LOW』シリーズ
多様なギャンググループが繰り広げる縄張り争いを描く映画。1人1人の心情を感じさせる展開や、迫力あるバトルに注目です。
主な出演者はAKIRA、青柳翔、岩田剛典、鈴木伸之、登坂広臣など。
「SWORD」という5つのグループの特徴が際立ち、どのグループにも信念を感じさせるのが見もの!街を守るために時に協力する物語が描かれたりもして、ダイナミックなアクションやケンカ満載の演出が凄いですよ。
『クローズZERO』シリーズ
高橋ヒロシの人気漫画「クローズ」を原作とした映画で、不良高校生たちの抗争を描いた作品。鈴蘭男子高校を舞台に、学内の覇権を巡ってさまざまなグループが争う様子を描きます。
主な出演者には小栗旬、山田孝之、深水元基、高岡蒼甫などです。
学校内とは思えない拳のぶつけ合いが見ものとなる作品!青春の熱さ、彼らの苦悩も伝わってきますよ。不良たちの熱い友情や闘争心を小栗旬たちが演じていくのも見ものでした。