2025年6月6日にNetflixで公開された映画『K.O.』
リング禍で対戦相手を亡くしてしまった、元総合格闘家の男。
数年後、相手の息子が行方不明になったと知り、危険な事件に巻き込まれて行くー。
フランスのアクション・サスペンス。

3度の飯よりガチムチマッチョが好きなbeersyです!
フランスの総合格闘家、シリル・ガーヌ主演。
「リング禍」というストーリーの入り方は珍しいのですが、期待した通り肉弾アクションを楽しむ事が出来ました!
この記事では、Netflix映画『K.O.』を鑑賞した筆者の感想やあらすじ、ネタバレ解説をご紹介いたします。
『K.O.』の評価&感想
- 感動度
- 3
- 脳トレ度
- 2
- 再鑑賞度
- 4
- サプライズ度
- 4
- 話題性
- 3
主演に抜擢されたMMA(総合格闘技)の選手、シリル・ガーヌは、元UFC世界ヘビー級暫定王者、そしてUFC世界ヘビー級ランキング2位(2025年6月現在)という輝かしい功績を持つファイターです。
正直、演技力には期待していなかったのですが、自身と同じ総合格闘家の役という事でバッチリでした。
お子さんもいるので、特に子供が絡むストーリーにはマッチしていたようですね。
しかも、リング禍(主にボクシングやプロレスなど格闘技の試合で、重大な事故が起こる事)で対戦相手を亡くしてしまうという、選手にとって恐ろしいシーンを演じています。
筆者は多くの格闘技が好きでリング禍も観た事があるので、とても心が苦しくなりました。
ストーリーは予想のつく展開でさほど驚きはないですが、少しゴア描写がありグロ耐性のない人は要注意かもしれません。
でも肉弾アクションは見応え有り!
銃撃戦ではなく、身体を張った戦闘シーンが好きな方には特にオススメです。
シリル・ガーヌ、次世代のロック様になるのでは…!?
以下より重要なネタバレを含みます。
『K.O.』のネタバレ
元総合格闘家の苦悩
総合格闘家のバスティアンは2年前、試合中に相手選手のエンゾが亡くなってしまい、毎晩夢を見てうなされていた。
事故後は引退し、日雇いの肉体労働をして慎ましく生活している。
エンゾの妻・エマと息子のレオ(マローム・パキン)は、試合中の不幸とはいえ家族を失い、バスティアンの事を激しく憎んでいた。
しかしある日、エマがバスティアンの前に現れ「レオを捜して欲しい」と言う。
レオは薬物売買に手を出しており、何かの事件に巻き込まれて失踪したが、警察は末端の売人の事件には動かない。
エマは、戸惑うバスティアンに「今がレオに償う時よ!必ず連れて来て」と泣きながら頼んだ。
ーー
フォカイアの町で、アンダルーという麻薬の売人のリーダーが失踪し、側近達が首を切られて死んでいるのが発見された。
捜索介入部隊のケンザ警部(アリス・ベライディ)は、それがずっと追い続けている「マンシュール兄弟」の仕業だと睨む。
すると、顔馴染みのレオから連絡が入り、2人きりで会うと「殺人現場を目撃してしまった。それがバレたので殺される」と明かされた。
ケンザが詳しく話を聞こうとすると警官達が駆けつけ、レオはそれを見てなぜか逃走してしまった。
ーー
バスティアンは、レオが身を寄せているという、レオの従兄弟のユーゴの家へ。
そこに2人の姿は無かったが、室内が荒らされていた。
すると突然ケンザが現れ、バスティアンに銃を突きつける。
バスティアンが「母親に捜してくれと言われて来ただけだ」と説明すると銃を下ろした。
部屋に血痕を見つけたため同じマンションの住人に話を聞くと、ユーゴが何者かに襲われ病院に入院したらしい。
ケンザはバスティアンに「これは警察の仕事だから帰りなさい」と言ったが、バスティアンは病院に付いて行き「俺はレオの父親を殺したんだ。だから捜している。一緒に病室に入れて欲しい」と頼んだ。
驚いたケンザはバスティアンと共に病院に入り、ベッドに横たわるユーゴに話を聞いて、レオは恋人のイナヤに匿われていると推測。
ユーゴはイナヤ居場所は知らないが、彼女の姉・ファトゥが「ポップ・クラブ」で働いていると教えた。
ーー
病院を出ると、バスティアンはユーゴが酷い暴行を受けた事に心を痛め、ケンザに「誰の仕業だ?」と聞いてマンシュール兄弟の仕業だと知る。
病院を出ると、目の前にマンシュール兄弟の手下達がいて、ケンザに「ここはマルセイユだ。殺気だって何をするか分からないから、気をつけな」と言って脅した。
彼女は怯む事なく「脅し?私は屈しないわ」と返すが、手下達は離れながら「彼女からはまだ灯油の臭いがするな。兄貴によろしく!」と言って笑う。
それを聞いたケンザは我を忘れ、手下の少年達をムチで殴りまくった。
バスティアンが止めに入ったものの、ケンザは停職処分を受けてしまう。

男勝りなケンザ!執拗にマンシュール兄弟を追うのには、理由があるようで。
でも周りはあまり関与したくない雰囲気。それだけこの兄弟は危険だという事が、ひしひしと伝わって来ますね。
リング禍においては、悪夢にうなされるのは当然の事だと思います。
メンタルケアなども必要だと思う…。
レオの居場所
マンシュール兄弟に拷問されているアンダルーは、家族にも危害を加えられ、自身が持つ大量の薬物の在処を吐かされていた。
さらに兄弟は、レオのビラをマルセイユ中に配りまくり血眼になって捜している。
レオはイナヤの家にいたが、多くのギャング達が集まっているのを見て怯えていた。
ーー
バスティアンとケンザはファトゥがいるというクラブへ行ったが、怯えたファトゥが護衛達を呼び、バスティアンは外に連れ出されボコボコに殴られてしまう。
しかし直後にバスティアンの目の色が変わり、彼はクラブに戻って無双状態で護衛達を蹴散らした。
そしてケンザがファトゥに事情を説明し、やっとイナヤの家を聞き出したが、そこは警察も介入出来ないほどの危険な地域だった。
ケンザは怪我を負ったバスティアンを自宅に呼び、手当をして明朝イナヤの家に向かう事に。
そこでケンザは、なぜマンシュール兄弟を追う事になったのかという、自分の過去を明かす。
- 自分と兄はマンシュール兄弟と同じ地域に住んでいた。
- 兄は若者の支援活動をしていたが、闇の仕事を始めたマンシュール兄弟が激怒し、兄を焼き殺しその動画をケンザに送り付けた。
- 1年前まで姿を消していたが、最近になってまた悪事を働いている。
- サイコパスで賢い彼らは、警察を欺き、他のギャンググループとも手を組みマルセイユを牛耳っている。
死を覚悟したケンザは、バスティアンとベッドを共にした。
ーー
一方マンシュール兄弟はアンダルーを殺害。
さらに縄張りを広め、大量の薬物を手に入れつつレオを捜す。

バスティアンとケンザのアチアチシーン、いるかな?笑
でも目の前にあんな肉体美があったら、やはり感嘆の声をあげてしまいそうです!
アンダルー殺害シーンはエグかった…。薄目で観てました。
贖罪と未来
ケンザとバスティアンはレオとイナヤのマンションへ行き、逃がそうとするが、警察内部の者がマンシュール兄弟に密告しており、武器を持った大量の手下達が現れ襲いかかる。
バスティアンは1人残って3人を逃し、身体ひとつで奮闘。
逃げていると警察達が駆けつけ、全員無事に保護された。
ーー
警察署。
レオはバスティアンに「あんたは身を挺して俺を守ってくれたが、それでも許す事は出来ない。怒りが消えない」と訴える。
バスティアンは「君の気持ちはわかる」と言って、自分も同じ頃父親を亡くしており、怒りに任せグレた事を明かして謝罪した。
そして「俺は人に恵まれて、消えない怒りが形を変え、平穏に生きてこられた」と伝える。
レオは「怒りとの付き合い方を教えて」と言って少し平静を取り戻し、取調室であの日に目撃した事を話し始めた。
ーー
レオはアンダルーの部下と仲良くなり彼の下で働いていたが、アンダルーが大きな取引をすると知って気になり、その現場へ忍び込んだ。
するとマンシュール兄弟が部下達を連れて現れ、アンダルーの部下達を殺し始める。
直後、レオは物音を立てて見つかってしまい、追われる事になった。
アンダルーは仲介人に騙されたらしいが、その仲介人の事を「サツ」と呼んでいたと言う。
ケンザはぎょっとして「警察に内通者が?」と言って周りを見回した。
すると、取調室にいた刑事のヴァスールが、隣にいた同僚の首にナイフを刺して殺害。
「こうしないと、俺が殺される」と言ってケンザに襲いかかるが、ケンザは銃で撃ち殺した。
ーー
マンシュール兄弟はレオが警察の手に渡り焦っていたが、マルセイユ中のギャング達に呼びかけ所々で発砲騒ぎを起こし、警察署内の人員を手薄にする。
そして、ケンザ含む残り少ない刑事達がいる署内に押し入り、銃撃戦が繰り広げられた。
残っていた刑事達が次々と倒れ、バスティアンとケンザは大怪我を負いながらも必死に応戦。
そしてついに2人はそれぞれ兄弟を倒し、レオを守り切るのだった。
ーー
レオは無事にエマのもとへ帰り、イナヤと3人で再会を喜び合う。
ケンザがバスティアンに「これからどうするの?」と聞くと、彼は「ここら辺で再出発しようかな」と言って微笑んだ。

アクションシーン、とにかく見応えがありましたね。
ラストには、バスティアンの表情が生き生きとしていて、また優しい表情になったのが印象的でした。
シリル・ガーヌ、演技が本当にお上手!!次回作も期待大です。
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タイムリミットは60分。総合格闘家が、娘のためにベルリン中を駆け抜ける!
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