2019年10月4日公開の映画『ジョーカー』。
孤独で社会から疎外されたアーサー・フレックがジョーカーとして変貌していく過程を描く物語。アーサーの心理的な変化とゴッサムシティのカオスな状況などに注目です。主演はホアキン・フェニックス、監督はトッド・フィリップス。
この記事では、映画『ジョーカー』のネタバレ解説をご紹介していきます。
映画『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』のネタバレを劇場鑑賞者が解説!アーサーの心情と歌を感想と共に紹介
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どんな映画?おすすめポイントを紹介!
ジョーカー
- 未体験
- 5
- 感情移入
- 4
- 再鑑賞
- 3
- 予測不可
- 5
- サウンド
- 5
見ていて苦しく思える部分がありながら、アーサーの感情に納得できる映画です。
評価は年間100作品以上を鑑賞する執筆者こでぃもの実体験をもとにしています。
ストーリー
暗い雰囲気のゴッサムシティで育った、アーサー・フレック…。母を介護しながら過ごしているのですが、貧困や精神疾患などが関わっていくのが重いですね。
だからこそ、アーサーがエスカレートしていく様子に引き込まれるのがストーリーの見どころだと言えるでしょう。
演出
アーサーの笑い方を中心に、表情や感情をあらわにする演出が際立ちますね。荒廃したゴッサムシティや、劇場の様子などにもこだわりを感じさせます。
悲劇のように感じさせる演出から、だんだん変化していくのが見ものでしょう。
その作品ならではの切り口
暗く重苦しい雰囲気と、アーサーの痛みや苦悩がひしひしと伝わるってくるのは今作ならではですね。アーサーの行動と彼に関することがわかっていく展開は見逃せません。
ジョーカーになっていく様をじっくり描いていき、音楽などの使い方も凄いと思える映画です。
おすすめポイント
アーサーの人生をしっかり見届ける準備がある人におすすめしたい作品。どうしてジョーカーが誕生したのかというテーマを描き、続編の公開が控えている映画としても見てみて欲しいです。
重く、暗い展開も多いので人を選ぶ作品かもしれませんが、アカデミー賞などでも話題になった映画としてもおすすめしたいですね。
以下より重要なネタバレを含みます。
ネタバレありで解説!
アーサー
アーサー・フレックは心臓の悪い母と2人暮らし。ゴミにまみれたスラム街「ゴッサム」でピエロの格好をして看板をアピールする仕事に就いていました。アーサーは精神科医にも定期的に通院しており、コントロールできない突発的な笑いの発作を抱えながら、コメディアンとしてのキャリアを夢見ていたのです。
ある日、仕事中に不良たちに看板を壊される事件が発生し、仕事の評価が一層厳しいものになります。その後、小児病棟に派遣されたアーサー。ピエロの格好で道化らしい動きをしていると、同僚のランドルからもらった銃を落としてしまったのです。
アーサーは上司に呼ばれ、解雇されることに…失意の中、地下鉄に乗車し、そこでビジネスマン3人に絡まれる女性を目撃。笑いの発作が止まらず、アーサーは暴行を受け続けたことで男2人を射殺。残る1人も電車を降りた先で殺しました。
アーサー・フレックがどれほど社会から疎外され、精神的に不安定な状況にあるかを描く映画の序盤。アーサーが仕事でピエロ(道化師)の格好をして街角で看板を振っている際に若者たちに襲われますが…アーサーの孤独感と周囲からの理解を得られない苦悩が伝わってきますね。
アーサーが自宅で母と過ごす日常も、親子の複雑な関係が明かされていく展開と合わせて見守ってください。
ニュースや新聞で「殺人ピエロ」という報道が広まっていましたね。それを見た市民たちは市への抗議をする際にピエロのお面を付けた者が増加…恐ろしい光景が広がりつつあったのが印象的でした。
母
アーサーはコメディアンとして小さなお店のステージに立った夜、隣人の女性と一緒に帰宅。2人はキスをする仲のようでした。
一方で、アーサーの母・ペニーは富豪のトーマス・ウェインに手紙を送り続けており、アーサーは投函前に手紙の内容を見てしまいます。アーサーはトーマスの息子だという内容を見て彼の屋敷へ。しかし、警備の者に「ペニーはイカれた女」と言われ、追い返されました。
アーサーが自宅に戻ると、母が救急車で搬送されそうになっており一緒に病院へ。治療を受ける母を心配しつつも、アーサーはトーマス・ウェインに会いに劇場に向かいます。すると、トーマスは「ペニーは養子をもらい、その後州立病院に容れられた」と説明したのです。
トーマスの屋敷にはまだ幼いブルース・ウェインもいましたね。この後のデモのシーンで、やはりブルースの両親は殺されてしまいましたが…バットマンとの関連はまだなさそうです。
アーサーと隣人の関係は、彼の妄想の内だとわかっていく映画の後半…母との真相も合わせてもう一度、映画を見直したくなることでしょう。
ジョーカー
アーサーはその病院へ行き、30年前の母の書類を見せてもらう際に奪うように持ち去ります。母は妄想性などの障害だけでなく、当時の恋人の暴力問題、そして養子縁組について書かれていてショックを受けました。
マレーのテレビ番組でアーサーが取り上げられ、反響があったため出演のオファーを受けるアーサー。出演日当日、ランドルが「警察の事情聴取を受けた」と言って家を訪ねてきます。口裏を合わせたいと言うランドルに対し、アーサーは彼を刺殺。刑事に鉢合わせたため電車に乗り、ピエロの仮面をつけたデモの人たち紛れ込みました。
テレビ番組に出演したアーサーは「ジョーカー」と名乗り、スタジオでマレーに自分が起こした殺人について語りました。マレーはアーサーを批判すると、アーサーは彼を射殺。警察に逮捕され、病院に容れられました。
アーサーは病院で母を窒息死させ、マレーを銃殺…かなりの罪を重ねましたね。まさかテレビの生放送中に銃を取り出すほどとは…いや、これまでのアーサーを見ていたら納得の行動だったかもしれません。
ジョーカーになるまでの変貌、そして市民の暴動など多くのことがゴッサムシティで起きましたが、続編の展開が待ちきれませんね。
暗さを感じるならこちら映画もオススメ!
他のジョーカー登場作品と、恐ろしさを感じさせる映画を2つ紹介します!
ダークナイト
2008年に公開されたDCコミック「バットマン」の物語。クリストファー・ノーランが監督を務め、ヒース・レジャー演じるジョーカーの印象的な演技が高く評価されました。ゴッサムシティでのバットマン(ブルース・ウェイン)とジョーカーの対決を描きます。
ジョーカーのカオスと破壊の計画によって市は極限の危機に瀕するバットマン!バットマンを応援したくなる一方で、ジョーカーのカリスマ性や予測不能な行動から目が離せませんよ。
ヒース・レジャーの演技は忘れられませんね。
ナイトクローラー
2015年に公開されたダン・ギルロイが監督、ジェイク・ギレンホール主演の映画。ロサンゼルスを舞台に、ルイ・ブルームが事件や事故の現場を撮影し、映像を報道機関に売るナイトクローラー(夜間活動するフリーランスのカメラマン)としてキャリアを追求する様子を描きます。
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