2024年11月8日からNetflixで放送された韓国ドラマ『Mr.プランクトン』。
由緒正しき家柄の男性と婚約したのに、絶望の淵に立たされたジェミ。
しかしそんな彼女を、かつて愛した俺様男・ヘジョが拉致してしまう!
彼は強引に旅に出るが、それには深い訳があった。
- ヘジョ役:ウ・ドファン(『ザ・キング:永遠の君主』『ブラッドハウンド』)
- チョ・ジェミ役:イ・ユミ(『イカゲーム』『力の強い女 カン・ナムスン』)
- 監督:ホン・ジョンチャン(『未成年裁判』『ディア・マイ・フレンズ』)
- 脚本:チョ・ヨン(『サイコだけど大丈夫』)
またしてもイケメンを見つけてウキウキのbeersyです!
ウ・ドファンの作品を初めて観ましたが、その美しい身体と危うく妖艶な雰囲気、時折見せる無邪気な表情にハマりました。
2024年の最後、ベストドラマが爆誕したと話題になった作品です!
この記事では、Netflix韓国ドラマ『Mr.プランクトン』を鑑賞した筆者が、1話ごとに感想とネタバレ解説をご紹介します。(途中まではネタバレ無しなのでご安心を♪)
『Mr.プランクトン』の評価&感想
- 感動度
- 5
- 脳トレ度
- 4
- 再鑑賞度
- 4
- サプライズ度
- 4
- 話題性
- 4
評価は良いものの、すぐにネトフリランキング圏外になっていてどうしようかと思いましたが、『イカゲーム』ジヨン役のイ・ユミ主演という事、『サイコだけど大丈夫』の脚本家とオ・ジョンセが出演しているという点が気になり、視聴しました。
イ・ユミももちろん可愛いのですが、ウ・ドファンがセクシー過ぎてもう…!
前半ただの強引なクズ男なのですが、徐々に甘えたがりのイケメン俺様男と思えるようになり、その魅力にハマりました。
しかし!本作の魅力は主人公2人だけではない。御曹司のオ・フン(オ・ジョンセ)も欠かせないキャラの1人。
『サイコだけど大丈夫』では知的障がいを持った兄を演じましたが、今回も素晴らしい演技を魅せています。
また、『太陽の末裔』に出演していたキム・ミンソクも、チンピラ役ですが良い役どころ。相変わらずキレイで可愛い!
『マイ・デーモン』『力の強い女カン・ナムスン』『京城クリーチャー』など、ネトフリ作品でお馴染みキム・ヘスクもパンチの効いた役で活躍していますよ。
ストーリーは分かりやすく、ロードムービーのようでラブコメあり、ヒューマンドラマ要素あり、そして悲しみや嬉しさで泣けるストーリーが盛り込まれていてお腹いっぱい。
韓国ドラマとしては短い全10話ながら、見応えたっぷりでした!
以下より重要なネタバレを含みます。
『Mr.プランクトン』の主要キャラ
※役名/俳優(役の説明)
- ヘジョ/ウ・ドファン(「ヘジョ便利家」を営む勝手気ままな男。ある問題を抱えており、元カノのジェミを巻き込もうとする)
- チョ・ジェミ/イ・ユミ(こちらもある問題を抱えながら、結婚式をしようとしている女性)
- オ・フン/オ・ジョンセ(由緒正しきオ家の時期当主。気弱で心優しい。ジェミの婚約者)
- ユ・ギホ/キム・ミンソク(ヘジョ便利家の社員。パシリと呼ばれているが、ヘジョを慕っている)
- ボンスク/イエル(ヘジョ便利家の大家。麻雀店やキャバクラを営んでいる敏腕女社長。ヘジョの恩人)
- ポム・ホジャ/キム・ヘスク(オ家の17代当主の妻で、フンの母。韓国料理界の重鎮で、人間文化財)
その他(ネタバレあり)
- ワン・チルソン/オ・テファン(暴力団ワンジャ組の組長。ヘジョに結婚式をぶち壊され、執拗に追う)
- チェ・ヨンジョ/イ・ヘヨン(ヘジョの育ての父親)
- ジョン・ナ/アレックス・ランディ(ホジャが海外から呼んだ謎の部下)
- ポム・ガルジャ/キム・スジン(オ家の17代当主の2番目の妻。ホジャの義妹だが優しく、周りを気遣う)
『Mr.プランクトン』のネタバレ解説
第1話
「ヘジョ便利家」を経営しているヘジョは、いつも無気力で面白い案件にしか手を出さない。
部下のユ・ギホは、手軽な人探しをしてもっと稼ごうと提案するが「うちは何でも屋じゃない」と言われ、社長に逆らえずにいた。
ヘジョ便利家のある場所は再開発予定地区で、大家のボンスクに立ち退きを命じられているがヘジョは逃げ回っている。
ボンスクとは一夜を共にした仲であり、ギホに「彼女は俺にとっての親友、母親、恋人、大家、金ヅル…かな?」と言って微笑んだ。
そんなある日、ノ・ヤンヒ(演/イ・ダヒ)という女性が部下を連れてヘジョのもとに押しかけ、結婚披露宴をするから自分を拉致して欲しいと依頼する。
彼女のお相手は暴力団「ワンジャ組」の組長ワン・チルソン。
ギホはヤバイ依頼だと止めるが、ヘジョは「面白い」と言って引き受ける事にした。
ーー
そして結婚式当日、盛り上がっている中に突然ヘジョの乗ったバイクが乱入。
ヘジョがヤンヒに向かって「行くな。君を諦められない」と迫真の演技をし、チルソンをヘルメットで殴った。
周りは余興だと思い笑っていたが、チルソンは鼻血を出し白目をむいている。
大騒ぎになり「捕まえろ!」と追いかけられたが、ヘジョはヤンヒを後ろに乗せバイクを走らせた。
すると突然、めまいが起き過去の記憶が蘇る。
それは、幼いヘジョが両親に「お前は他人だ」と言われ、置き去りにされるシーンだった。
バイクは横転し病院へ運ばれたが、幸い2人とも軽傷で、ヤンヒは部下に盗ませたチルソンの金で海外へ逃亡。
目を覚ましたヘジョも帰ろうとしたが、医師に止められ「脳内に遺伝性の血管奇形があり、このままだと血流障害で脳に酸素が行かず、脳圧が上昇して破裂してしまう」と言われる。
珍しい疾患のため手術はできず「余命は3ヶ月」と申告され、ヘジョは「親はいないのに、爆弾は遺伝したのか。理不尽だろ…」と呟いて失笑した。
ーー
28歳のチョ·ジェミは、500年も続く宗家の息子と3日後に結婚式を挙げる予定で、お腹に8週目の赤ちゃんがいる。
しかしそれは、身分の違うジェミと結婚するために彼が提案した嘘であり、検診を受けると医師から妊娠どころか「早期閉経」を言い渡された。
これから妊娠する事は、ほぼ不可能に近い。
ジェミが葬儀場で号泣していると、子供が7人いると言う母親に慰められ「子供を1人ください。閉経するなんて、宗家の嫁が1人も産めないなんておかしい!」と言って取り乱し、号泣した。
その現場をヘジョが目撃し、雨の中を歩く彼女に傘を手渡し去って行く。
実はヘジョは、かつてジェミと恋人同士だったが、子供を持つ事に対しての考えの相違があり破局している。
互いに親がおらず親の愛を知らないが、「子供を産んで愛情いっぱいに育てたい」と言うジェミと、「親の愛を知らない人間は、子供に恨みを教えてしまうから、子供は持てない」と考えるヘジョは、激しく衝突してしまったのだ。
ヘジョは家に帰り、ジェミの事を考え「崖っぷちだな…」と呟いた。
ーー
ジェミの義母となる、韓国の伝統料理の匠で、オ家の17代当主の妻 ポム・ホジャ女史。
彼女は料理下手なジェミを叱責しながらも、ジェミとお腹の赤ちゃんを大事にしている。
人間文化財でもあり、オ家を牛耳っているホジャに事実がバレる夢を見たジェミは、夜中に逃げ出そうとしたが、何者かに腕を掴まれて失敗した。
そして婚礼の日、ジェミが着飾って準備を終えると、突然ヘジョが現れ「俺が悪者になるから逃げ出そう」と言う。
戸惑ったジェミが断ると、ヘジョは「閉経して妊娠出来ないんだろ?これは結婚詐欺だ。相手にバラすぞ」と脅した。
するとそこへ、夫となるフンが現れ鉢合わせしてしまった。
大それた嘘を付いてしまい、欲しかった赤ちゃんも産めなくなったジェミと、余命宣告をされた元カレのヘジョ。
2人はここからどう向き合って行くのか?
そして、ジェミの腕を掴んだのは何者だったのか?
「サイコだけど大丈夫」のように、過去にトラウマがありそうな2人でハラハラします!
第2話
1991年。
裕福な夫婦がいたが、夫に精巣ガンが見つかる。
子供が欲しかった2人は、抗がん剤治療を始める前に精子の凍結を行った。
無事にガン治療を終え2年経った頃、凍結した精子で人工授精をし、念願だった息子が産まれた。
夫婦は息子を深く愛し幸せに暮らしていたが、8年経ったある日病院から驚愕の事実を聞かされる。
実は病院側のミスで、夫婦の人工授精をする際に、夫が凍結した「139番」の精子ではなく、他人の「137番」の精子を使ってしまったという最悪の報告だった。
それを知った母親は取り乱し、父親は息子を無視するようになり、息子は大混乱に陥って家出をするのだった。
ーー
…ヘジョは、「子供愛不妊クリニック」の患者達に、自身の出生について語っていた。
そして「誤って人を殺した者は過失致死罪となるが、誤って人を誕生させた者は処罰されない。ミスをした病院は廃業させるべき。その病院は、まさにここです」と言い放ち、病院長の元に殴り込みへ。
院長が「もう君の両親に償いはした」と言うが、ヘジョは「137番ドナーの情報を教えろ。親にではなく、誤って誕生させた俺に償え!俺は余命が少ないからあとは死ぬだけだ、一緒に死のうか?」と脅し、死ぬ前に本当の父親を探す事を決意する。
その後、病院で見かけたジェミが気になり、結婚式場へ向かったのだった。
ーー
ヘジョがフンに「同じ施設で育った兄のようなものです」と嘘を付くと、フンは信じ切って「ようこそ!」と歓迎する。
彼は気の優しい男で、心からジェミを愛している様子だった。
とりあえずヘジョを連れ出したジェミは、「私はあの人を愛してるし、あの人も愛してくれてる。詐欺を働いてでも一緒にいたいと言ってくれた。絶対に結婚するの!」と言ってヘジョを拒絶する。
しかしそれでもヘジョは強引にジェミを担ぎ、拉致した。
暴れたジェミは頭を打ちつけ気絶してしまい、ヘジョそのまま車を走らせる。
その後、式の直前にジェミがいなくなった事で、オ家は大騒動に。
ホジャの義妹であるガルジャが「ジェミが攫われたのを見た」と証言したため、フンは愕然としホジャは「嫁と孫を連れ去られた!許さない!!」と激怒した。
ーー
目を覚ましたジェミは、何度も逃げようとするが失敗し、言われるがままヘジョの行きたい場所へ行かされる。
道中、隙を見て洋服屋の店員にスマホを借り、フンのスマホに「私は南原へ向かってます。私をどこまでも追いかけてくれるんでしょ?待ってるから…愛してる」とメッセージを残す事に成功した。
実は、ジェミが結婚式前夜に逃げ出そうとした際、腕を掴んだのはフンだった。
ジェミが咄嗟に「緊張しているの!」と誤魔化すと、彼は「結婚前に渡したかった」と言って、可愛らしい花嫁衣装にピッタリの靴をプレゼントしてくれた。
それを丁寧に履かせてくれ、優しい笑顔を見せるフンに感動するジェミ。
しかし「子供をたくさん作って、ギネスに挑戦しようね」と言われ、騙している事に胸が痛むのだった。
ーー
ヘジョは、父親候補の1人目である全羅道・南原に住むオ・マンス(演/アン・ソクファン)という、68歳の男性が営む飲食店へ入った。
妻を亡くしている彼は脳卒中で倒れたのだが、息子が3人帰って来て店を切り盛りしてくれているんだ、と嬉しそうに話す。
ヘジョは彼を言いくるめ、その夜店に泊まらせてもらった。
ジェミはヘジョがぐっすり眠っているのを確認し、逃げようとする。
しかし彼が涙を流しながら「行かないで…」と寝言を言っているのを聞き、躊躇した。
ーー
ジェミ探しをホジャに制止されていたフンは、スマホのメッセージに気付き立ち上がる。
ホジャに叱られる事を一瞬怖く思ったが、車に乗り込み勇んでアクセルを踏んだ。
一方、ワンジャ組は血眼になってヘジョの事を探していた。
ギホが捕まってボコボコにされてしまい、チルソンにヘジョを探すよう命じられる。
彼らは、ヘジョがジェミではなくヤンヒを攫ったと勘違いしていた。
フン、ものっすごいイケメンじゃないか!!
御曹司だからダメ男なのかと思いきや…ホジャも根は優しそうだし、人間文化財となるだけあってしっかりとした子育てをしたのでしょうね。見習いたい。
一方で、ここまで観た感じヘジョの魅力は見た目だけなんですが、どう描かれて行くのだろうか?
第3話
数年前ー。
土砂降りの雨の中、ヘジョが便利家の仕事でバイクを走らせていると、車と衝突してしまう。
するとその車から、育ての父親・ヨンジョが降りて来て互いに凍りついた。
車の中からは、ヨンジョの新しい妻が「娘が怪我をしたわ。その人と名刺交換しておいて!」と怒りながら叫ぶ。
ヨンジョが「アイ・アム・ユア・ファーザー 代表理事」と書かれた名刺を差し出すと、ヘジョは「あなたの父親…」と呟き失笑した。
車が去ったあとヘジョが立ち尽くしていると、誰かが傘を差し出して「血が出ていますよ、病院はあそこです」とハンカチで手当をしながら声をかける。
その女性がジェミであり、その後2人は恋人同士になるのだった。
ーー
結局、ジェミはヘジョの涙を見て逃げる事が出来なかった。
翌日ヘジョは、手に入れたマンスの髪の毛を闇業者に渡し、DNA鑑定を依頼する。
その後ヘジョとジェミは言い合いになり、ジェミが「愛の力を信じてる」と言ったため、ヘジョが「人の気持ちなんて変わるもの。お前も知ってるだろ」と返して行く。
しかし、実はあの時互いに誤解があり、2人は「自分は別れたくなかったのに、相手にフラれた」と思っていたのだと分かって、驚きと共に恥ずかしくなった。
その後ヘジョは、マンスの息子達が勝手に店を売却して山分けし、父を老人ホームに入れようと画策している事を知る。
ーー
翌日ヘジョは、フンからプレゼントされたジェミの靴を、片方屋根の上に投げ隠し、マンスからサンダルを借りた。
ジェミは「靴を隠したのあんたでしょ!?」とご立腹だが、ヘジョは知らんぷりをする。
2人が食事をしていると、マンスの店に不動産屋が来て、マンスの息子達は取り分を巡り口論を始めた。
ヘジョもそれに乗っかり「俺はお宅の父親が外で種まきをして出来た子供だ。だから俺にも取り分がある。ここを売って、親父は老人ホームに入れるんだよな?」と大きい声で叫ぶ。
息子達がヘジョに殴りかかり乱闘が起きてしまうが、マンスがヘジョを攻撃。
ジェミと共に追い出されたヘジョは「騙されていますよ」と忠告するが、マンスは「息子達の魂胆を知らないとでも?聞こえないふり、知らないふりをしてやってるんだ。他人の家の事に口を出すな!」と言い放った。
するとヘジョに闇業者からのメールが入り、マンスとの血縁関係は無いと知って気が抜けた。
ーー
フンは南原派出所で警官に相談した後、ジェミの写真と「探しています」と記載されたチラシを配りまくっていた。
そしてついにジェミを発見するが、ヘジョはまたしても車で逃走。
直後、ワンジャ組も店に到着しヘジョを探すが、中にはマンス達しかいなかったため「あの男を出せ!」と言って暴れようとした。
そこへさらにタイミング良く派出所の警官達が、乱闘騒ぎの通報を受けて到着。
フンはパトカーを勝手に借りて、ヘジョの車を追いかけた。
そしてやっとヘジョを追い詰めたのだが、警察のショックガンを誤って自分に打ってしまい気絶する。
それを見たジェミが取り乱し、ヘジョに「あんたなんか早く死ね!」と喚くと、ヘジョは目眩が起き鼻血を出して倒れてしまった。
ーー
ワンジャ組は捕まって派出所の檻の中に入れられ、隣にはなぜかフンの姿があったが、フンはオ家の次期当主という事で釈放される。
フンは目の前にいたジェミを助けられなかった…と落ち込んだ。
一方、ヘジョが目を覚ますとジェミが離れたところに座っていた。
彼女は結局、フンの元へ行かずヘジョを隠してあげたらしいが「元にいた場所に帰る」と言って歩き出す。
ヘジョが「行くな」と腕を掴んで止めると、ジェミは「なら殺して。それかあんたを殺す。どっちかが死ねば、二度と関わらずに済む。私を解放せず殺せないなら、幸せにしてよ!それか、あんたが先に死んで!」と泣き叫び始めた。
するとヘジョは「わかった、そうしよう。幸せになれ。俺が死ぬ。だけど、死ぬまでは離さない…俺のものだ。」と言って、ジェミを真っ直ぐに見つめた。
ヘジョの事はあまり良い男だと思えずにいましたが、ラストの「俺のものだ」についほだされてしまいました…。
こんなイケメンにこんな事言われたら惚れてまうやろ!!
第4話
ジェミはフンを想い、身を引こうと考える。
フンは一途に自分を愛してくれているが、彼の幸せを壊す火種になりたくはなかった。
ーー
ヘジョは、次の父親候補に会いにジェミを連れて釜山へ。
道中、この旅の目的をジェミに伝えたが、自分の病気の事は話さなかった。
しかしジェミは、具合が悪くなったヘジョがトイレにこもった際、薬が散らかっていたのを目撃した。
その後ヘジョは、蚤の市でジェミが選んだ古靴を買ってあげる。
それを履いてはしゃぐ彼女を見て、「ダサイけど、可愛い子」と呟いて微笑んだ。
一方フンは、派出所で「あの男の指名手配をしてくれないと帰らない!」と言い張っていたが、ホジャが呼び寄せたジョン・ナという屈強な男性に連れて行かれる。
そしてヘジョ(本名はチェ・スンヒョク)の調査報告書を見せられ、同じ施設で育ったというのは嘘だと知った。
しかし「ジェミが自らこの男の元へ行ったなんて、そんなはずはない」と気持ちを奮い立たせ、ジョンを説得し家には帰らず、捜索を続ける。
するとジョンのスマホに「ヘジョとジェミが釜山へ行った」との情報が入り、急いで向かう事にした。
ーー
元ウンプン製薬会社の社員だったコ・ジェグン(演/チョ・ハンチョル)は、九徳山の奥で三僧のように暮らしている。
ヘジョとジェミが訪ねて訳を話すと、ジェグンは「金目当てで精子を提供した過去がある」と明かした。
ジェグンは気さくで話しやすく、ジェミはすぐに打ち解ける。
彼は「俺も結果が気になるし、鑑定結果が明日なら泊まればいい」と言ってくれた。
夜、ジェミが「さっき野菜を洗っていたら、子供を付けたじゃがいもがあったの。私はじゃがいも以下ね」と言って笑っていると、ヘジョは「泣いてもいい。無理に笑うな」と優しく囁く。
するとジェミは布団にくるまりながら号泣し、それをヘジョはトントンと叩いて慰めた。
しかし彼は、ジェミに悟られないように頭痛と目眩に耐えていた。確実に容体は悪化している。
ーー
その頃、ギホはヘジョのスマホの留守電に「ワンジャ組が社長を狙ってます。この電話を聞いたら逃げて」と忠告していたのがバレて、チルソン達に殺されそうになる。
そして四方に連絡をとり、ヘジョの居場所を見つけ出そうとしていた。
『ヴィンチェンツォ』『京城クリーチャー』『となりのMr.パーフェクト』など多くのネトフリドラマに出演している、チョ・ハンチョルが本作にもコ・ジェグン役で登場!
やっぱり良きパパのイメージ。
ヘジョと口調が似ており、脳の手術をしたという病歴があるため、かなり父親像に近いですが…果たして!?
第5話
夜中、ヘジョが酷い頭痛を起こし薬を探し回っていると、ジェグンが現れ「床に転がってたぞ」と言って薬を差し出す。
ヘジョはそれを奪い慌てて飲むと、彼の様子を見ていたジェグンが「ちょっと遊びに行こうぜ」と言って魚市場に連れて行った。
ジェグンは実の息子のように、ヘジョの手を握り明るく笑って魚を買い付ける。
そしてラーメンを食べていると、ジェグンは「今まで厳しい人生を独りで生きて来たんだな。大変だったな。よく頑張ったな…」と言ってヘジョの背中をさすった。
ヘジョは、幼い頃ヨンジョと手を繋いでいた事を思い出し、つい涙を流してしまった。
するとジェグンは「オピオイド…末期の癌患者が飲む麻薬性鎮痛剤だろう。余命はどのくらいなんだ?ジェミに言ってないのか?」と聞く。
ヘジョは「他人なんだから関係ない」と突っぱねるが、ジェグンは「もし親子ならどうする?もし俺の脳疾患だけでなく運の悪さまで遺伝していたら…お前の事が気になって仕方がないんだ」と言って、ヘジョを抱きしめた。
そして翌日、日雇いの仕事に行く前ジェミに「鑑定結果がどうであろうと、ヘジョを息子だと思うことにしたよ。あと何日か父親でいたいから、もう少しいるようにあいつを説得してくれ」と頼む。
ヘジョはジェミに、嬉しそうにジェグンとの事を話していた。
ーー
フンは、ヘジョが乗っていた車がギホの名義だと知り、ギホに電話をかけ「チェ・スンヒョクはどこだ!?花嫁を返せ」と問い詰める。
ギホはヘジョの本名を知らなかったため最初は何の事か分からなかったが、攫われた花嫁の名前が「ジェミ」だと聞き、さらにジェミがヘジョの知り合いだった事を思い出し、チルソン達は無駄足を踏んでいる事に気付いた。
それを聞いたチルソン達は、それでも「ヤンヒと手を組んで結婚式をぶち壊し、金を盗んだのは事実だ」と言ってヘジョを追いかける事はやめない。
そして、フンはギホに協力を仰ぎ、ギホはチルソンに内緒で、フンにジェグンの住所を教えた。
ーー
ついに、山菜を採っていたジェミがチルソン達に見つかってしまい、慌てて逃げる。
ジェグンの家で寝ていたヘジョを起こし、金を持って逃げようとしたが、ヘジョの大金は全て無くなっていた。
ヘジョとジェミは、それがジェグンの仕業だと気付き愕然とするも、とりあえず急いで逃げ出す。
一方、フン&ジョンとチルソン達は、ジェグンの家の前で遭遇し一触即発となったが、ジョンがもの凄い強さを見て事なきを得る。
そしてフンはジェミを探すも、すでに姿は無かった。
ーー
ヘジョは、ジェグンのカレンダーや債権書を見て、彼が大金を持って向かったとされる埠頭のコンテナ場へ。
あるコンテナに入ると中で賭博が行われており、ヘジョに殴られそうになったジェグンは「盗んだわけじゃない、子供のために増やそうとしたんだ…」と言って泣き、悪あがきをする。
しかしヘジョがそれを嘘だと見抜き問い詰めると、ジェグンは本性を出し「みなしご野郎!この数日俺が父親をやってあげたおかげで楽しかったんだろ!?だから金をもらう権利があるんだ」と吐き捨てた。
我慢ならなくなったヘジョは、ジェグンをボコボコに殴り、止めに入ったジェミと共に号泣する。
その後ヘジョに、鑑定結果のメールが届いた。
ーー
埠頭で落ち込んでいたヘジョに、ジェミは「なんとなく、お金を分けておいたの」と言って、自分のバッグに隠しておいたお金を見せる。
そして鑑定の結果は、ジェグンのDNAは一致しないというものだった。
ジェミは明るく笑い「あんなやつが父親じゃなくて良かった!次に行こう」と励ましたが、ヘジョは「もう面白くなくなった。お前は元の場所に戻れ」と冷たく言い放つ。
面食らったジェミは号泣しながら、「あんたが一緒に行こうと無理やり連れ出したくせに!私は戻らないから、父親を探し出してなぜあんたみたいなバカを誕生させたのって聞く!」と叫んだ。
するとヘジョは、ジェミの口を塞ぐようにキスをする。
しかしその光景を、探しに来ていたフンとジョンが目撃してしまうのだった。
ぬあー!!!!
チョ・ハンチョルは今までの作品が良い人ばかりだったから、ジェグンを信用してしまったー!コロっと騙されたー!!!
こちらがこれだけショックを受けたのだから、ヘジョは相当辛いだろうな…。
そしてフンも辛い…そしてジョンは一体何者なんだ…?
第6話
フンは、ジェミを好きになった時の事を思い出していた。
ジェミがホジャの料理教室で叱られ、落ち込んでいる彼女を慰めたのがきっかけだった。
フンは母が怖くて怖くて従順な犬のように生きて来たが、「ジェミを守りたい」と思い、虎のように強くなろうと決心したのだ。
ーー
キスをかわすヘジョとジェミの前に行き、フンは思い切りヘジョを殴る。
ジェミは「私なんかのために、どうして来たの?」と言うが、フンは「そんな事言うな!君は僕の珍宝なんだ」と言って抱きしめた。
するとヘジョが「逃げろ!」と叫ぶのでそちらを見ると、ワンジャ組が追いかけて来ている。
ジョンがものすごい強さで助けに入り、3人は間一髪ボートに乗り込み脱出したが、フンが海へ落ちてしまった。
ーー
船が転覆し、3人は無人島に流れ着いていた。
ヘジョが2人を引っ張りここまで救い出していたのだ。
ひと足先にジェミとフンが目を覚ましたため、ヘジョを置いてその場を離れる。
しかしジェミはフンの手を離し、自分が早期閉経で子供を産めない身体である事を告白。
フンはてっきり、彼女がヘジョの事を好きになってしまったのだと思い込んでいたため、「そんな事で悩んでいたのか!そんなの、僕が無精子症という事にすればいいさ。2人の絆が大切だから、母も家も捨てて2人で暮らそう!」と喜んだ。
そして、ジェミの靴が片方無くなっている事に気付き脱がせて投げ捨て、自分の靴を履かせた。
しかしそこへ目覚めたヘジョが現れ、「ここは無人島で電波も通じないから、3人で暮らす事になるな」と言って笑う。
フンは発狂し、走り出してどこかへ行ってしまった。
一方、ギホがこっそり通報していたため、ワンジャ組は全員逮捕される。
しかしチルソンだけは逃走し、漁師の包丁を盗んでギホを捕まえ、殺そうとしていた。
ーー
奇妙な3人の無人島生活が始まった。
ヘジョは、真っ直ぐに愛を伝えるフンに優しく微笑むジェミが羨ましく、フンは、口喧嘩をしながら笑い合うヘジョとジェミが羨ましかった。
そんな中、ジェミがいない時にヘジョが発作を起こし、鼻血を出して倒れてしまう。
その場に居合わせた韓医の資格を持つフンは、持っていた鍼で治療をし、身体をさすって必死に助けた。
目を覚ましたヘジョは、汗だくになって自分を助けてくれたフンを見て微笑みながら、余命3ヶ月を宣告されたと明かす。
フンは「なんでそんな事…」と号泣し、「死ぬと分かっててジェミを連れ出したのか!?お前が目の前で死んだら、彼女は心に傷を負う。そしたら僕は彼女が悲しむ姿を、隣で見なければならない!無責任なヤツめ!!」と言って激怒した。
ヘジョは彼の懐の深さ、温かさを感じ「これからは兄貴と呼ぶ。父親探しをしたいから、あと2日だけジェミを貸してくれ」と懇願したが、フンはプンプンしながらその場を去った。
ーー
その後、ヘジョはフンのスマホを盗み、ジェミを連れて逃げようとする。
しかしジェミは拒み、ヘジョが独りで島を出ようとすると、チルソンが現れ揉み合いになった。
そこへフンが来て、格闘の末チルソンを倒したが、ジェミのお腹にチルソンが持っていた包丁が刺さってしまう。
フンは号泣しヘジョが呆然としていると、海の向こうから救助船が現れた。
フンの温かさに触れ、ヘジョも心を開きました。
彼ならジェミを任せられる…というか、視聴者はジェミがフンのもとへ戻る事を望んでいる人も多いのでは!?
ヘジョも確かに不憫ですが。本当に治らず死んでしまうのかな…。
第7話
救助船に助けられ病院に運ばれたジェミは、一命を取り留める。
フンは、病院に現れたホジャに妊娠は嘘だったと打ち明け謝罪したが、縁を切られる事を恐れていた彼女は意外にもあっさりと許してくれた。
しかし、ジェミとは赤の他人となったのだから、家に帰れと命じた。
フンはそれを拒絶し「ジェミさんが目覚めるまでここにいる!」と言いながら、防犯カメラの前で下半身を出そうとしたため、ホジャは世間体を考え仕方なく退院したジェミを自宅の離れに移す。
その部屋の前には部下達とジョンを配置し、フンが入れないように命じた。
フンはあの手この手で部屋に入ろうとし、最後はガルジャのスカートに隠れながら侵入を試みて、ジョンが気付かないふりをして入れてあげる。
そしてやっと会えたジェミに、自分で煎じた漢方薬を飲ませ看病していた。
ーー
一方ヘジョは、ボンスクの家に身を寄せていたが、何も食べず、海岸で拾ったジェミの靴を抱きしめて布団にうずくまっている。
実は、靴を見つけてもう片方も探したのだが、ジェミはすでにフンの靴を履いていたため、渡せずに持っていたのだ。
その姿を見たボンスクは、ため息を吐きながら彼を拾った時の事を思い出していた。
…ヘジョは中学の時に家を出て、雪の舞い散る街を放浪しゴミを漁り生きていた。
それをボンスクが見つけ保護し、自分のキャバクラ店で働かせる。
従業員に「これをして(ヘジョ)、あれをして(ヘジョ)」と言われているのを見て、「ヘジョ」と名付けたのだった。
ボンスクは、いつまでも塞ぎ込んでいる彼を外に連れ出し「食事に行こう」とタクシーに乗せる。
まだ靴を抱いているヘジョは、その古靴を買った際にジェミが「捨てられたものが売られている蚤の市に来ると心が傷む。お互いに捨てられたからかな。だから、慈しんであげたいの」と言って靴を磨いていた事を思い出していた。
そして運転手に「完州(ワンジュ)に行ってください」と勝手に告げる。
ーー
ジェミは、浜辺でフンが投げ捨てた靴を探し、見つけてはしゃいでいた。
その時の事を夢に見て目覚めると、ホジャがおり「今日中に静かに去りなさい」と言われる。
ジェミは謝罪し、自分が早期閉経である事も打ち明ける。
別れる事も承諾したが、「私が去るのは閉経だからではなく、素晴らしい息子さんに私が釣り合わないからです。どうか彼を尊重し、優しくしてあげてください。お願いします」と頭を下げた。
フンも、彼女がいなくなってホジャに詰め寄ると「なぜダメなんだ。子を産めないのは、僕がまだ子供で父親になれないからだ。ジェミさんは悪くない…なぜ僕はダメなんだ」と言って自分を責め、号泣する。
2人の想い合う気持ちを知ったホジャは、複雑な気持ちになりながら「…生意気だけど、憎めない子だったな」と呟き酒をあおった。
その後、ジェミはフンの前に姿を見せ別れを告げようとする。
ーー
ヘジョは途中、ボンスクをタクシーから降ろし、オ家へ向かう。
外でタバコを吸おうとしていたフンを見つけ、まずは助けてくれた事を感謝した。
そしておもむろに手を握り「兄貴は温かいな。でも、俺と関わると害が及ぶと思って怖かった…。母親の事とか、大丈夫?」と言って涙を浮かべる。
いつになく気弱なヘジョを見たフンは「大丈夫だ。ジェミさんも無事だよ」と告げ、去ろうとした。
するとヘジョはパッと笑顔になり「良かった。お願いがある、これをジェミに渡してくれ。大切にしていたから」と言って、持っていた靴を渡して去って行く。
実はフンは、ジェミの手術が成功した際、医師から「この靴が服に入っていたおかげで、助かったんですよ」と古靴を渡されていた。
その靴が包丁から身体を守ったらしく、底裏には生々しいキズが入っている。
そしてジェミがまだ目覚める前、「靴を履いてあんたの所へ行きたかった…」と寝言で呟いているのを聞いていた。
フンはそれを思い出して全てを悟り、ジェミのいる部屋の前に両方揃った靴を置いて、声を殺して泣いていた。
ーー
翌朝、ジェミは揃えられた靴を履きオ家を出る。フンはもういなかった。
その後ボンスクの部屋を訪ねると、キャミソール姿の彼女とパンツだけを履いたヘジョの姿が。
ジェミはツカツカと中に入り、ヘジョに抱きついて顔を寄せキスをする…。
と思いきや、鼻に思いっきり噛みついた。
フンの心の強さよ優しさよ!!!全宇宙のパワーを借りて幸せになって欲しい!!!
それでも強いヘジョとジェミの絆ですが、感動というよりは切なくて胸が締め付けられる思いでした。
ヘジョはいつ病気の事を打ち明けるのか…。
第8話
落ち着きを取り戻したジェミをヘジョは外に連れ出し、「なぜここに来たんだ」と聞いた。
ジェミは「あんたを好きで一緒にいたいから」と答えるが、ヘジョは「あの靴はお前が大事にしてたから持って行っただけ。ただの好意を愛と勘違いするな。お前といると不幸がうつる」と冷たく突き放す。
残されたジェミはショックを受け、号泣していた。
帰って来たヘジョはボンスクに甘え「愛してるのに別れる」という辛い気持ちを知ったと呟く。
しかしその後、大雨が降り心配になったヘジョは、ジェミを探しに外へ。
するとジェミは、今や廃墟となった「ヘジョ便利家」にいて「ここにいたら探しに来てくれると思った」と震えながら言った。
ヘジョは頭を抱えたが、ジェミに微笑まれキスをし、そのまま肌を重ね合わせる。
そして、昔2人で付けていたペアリングを見つけ、ジェミは「もう離れないで」と言った。
ーー
ジェミを失ったフンは、涙も枯れ果て茫然自失の状態に。
そんな息子を見てやきもきしていたホジェは、彼の精神状態にお構いなしに無理やり祭祀を行う。
しかしフンは、家の事も恋愛の事についても自信を失って、置き手紙を書き家出してしまった。
ーー
ヘジョは「パシリのギホに借りを返す。お前はボンスクの部屋にいろ」と言って、ジェミを置いて出て行く。
今ギホは「パシリ便利家」を始めており、ジェミにヘジョの居場所を教えたのも彼だった。
ギホは、しつこく人探しを依頼してくる小学生「チェ・スンア」という子を黙らせてくれとヘジョに頼み、ヘジョは指定された水族館へ。
するとスンアは、「私のお兄ちゃん、チェ・スンヒョクを探して」と言う。
実はスンアは、ヨンジョの実の娘ー。いわゆる「139番の精子」で出来た子だった。
ヘジョの事情をジェミから聞いたギホが、わざと2人を引き合わせたのだ。
スンアは、両親が離婚する事になり、母に付いてイギリスへ行くので、残された父が心配だから、兄にいて欲しいと思ったと言う。
そしてヨンジョの引き出しにあった「ヘジョ便利家」の名刺を見て連絡し、兄を探してもらおうと考えたらしい。
ヨンジョは事故の時にヘジョにもらった名刺を、今まで大事にとっていた…。
しかしヘジョは、スンアに帰るように促す。そして「パパが好き?」と聞くとスンアは「うん。命をもらったし。楽しいから、産まれて来て良かった」と言って、バスに乗り帰って行った。
妹が放った言葉が、深く心に突き刺さる。
ーー
ヘジョとギホは酒を飲みながら、次の父親候補の話をしている。
ギホの調査によると、次の候補はウンプン製薬の会長で、大金持ちのシン・ミョンス(演/キム・ジョンホ)。
そこで、ヘジョが「大金持ちの息子になったら、成功報酬を10億やるよ」と言ったので、ギホも盛り上がった。
すると突然、ヘジョの手が動かなくなる。視界も歪み、酷い発作が起きてしまったようだ。
酔っ払ったと思ったギホは、タクシーに乗せて送ろうとしたが拒否され、見送ったあと「嫌な予感がする…」と呟く。
なんとかボンスクの部屋に戻ったヘジョは、ジェミとボンスクにシン・ミョンスの話をし、ここでも盛り上がった。
ーー
ジェミとヘジョは、DNA検査に必要な髪を奪いに「バイオ研究開発センター」の竣工式へ。
しかしヘジョは、テープカットの後に鳴った音で発作を起こしてしまう。
フラフラになりながらジェミを連れて帰ろうとしたが、ノリノリのジェミは「行ってくる!」と言って、壇上にいるミョンス目がけて走って行き、髪の毛を引っ張った。
すると彼はカツラで、ずり落ちてしまい会場は大パニックとなった。
ジェミが逃げようとすると、後方も「人が倒れたぞ!」と騒がしくなっている。
よく見ると、ヘジョが倒れて痙攣していた。
家がゴタゴタしていても、綺麗な心を持ったスンア。
ヘジョも一気に優しいお兄ちゃんの表情になりました。
妹が乗るバスを見送りましたが、もう2度と会う事はないのでしょうか…。
第9話
ヘジョは、夢の中でスンアと話している。
そして「水の中にいるプランクトンは、太陽の光を浴びて光り輝いている。魚の餌になり、取るに足らない存在なのに、空気を作り出している。そのおかげで地球や俺達は生きているんだ。俺はプランクトンに生まれ変わりたい」と言った。
ーー
ジェミとボンスク、そしてギホは、病院でヘジョの病状と余命を知った。
ジェミはこれまで彼に言って来た暴言を悔やみ、彼が「残した宿題だ」と言っていた父親探しを「私がやるからね」と言って、病院を出てなんとしてでもミョンスの髪の毛を手に入れようとする。
しかしその間にヘジョの心臓は止まり、ボンスクは泣き叫びギホはジェミに電話をかけまくった。
ミョンスが乗る車を襲撃し、なんとか唾液を手に入れたジェミは、着信を見て急いで病院に行くと、ヘジョは特別室に入れられており、ボンスクに「死んだら望みを叶えても意味がない。こんな時にそばにいないなんて…」と激怒される。
特別室に入るには入室証が必要で、法定身元引受人のボンスクはそれを持っていたが、ジェミは入らせなかった。
ーー
ジェミが廊下に座っていると、ギホが内緒で入室証をジェミに渡す。
ジェミはヘジョの寝顔を見ながら、彼が以前「死ぬ時は、まばゆいばかりの青い空を見ていたい」と言った事を思い出していた。
そして突然思い立ち、ヘジョを担いで病院から抜け出すが、タクシーを呼んでも不気味がられて乗せてもらえず、途方に暮れる。
さらにスマホを見ると、ボンスクから鬼電と鬼メールが。
そこへタイミングよくフンからの着信があり「このタイミングはずるいよ…」と頼りそうになったが、ヘジョが意識を取り戻した。
家で仕事をしていたギホの元へ行き、4番目の父親候補の情報を聞いて車を借りる。
ギホはヘジョを抱きしめ「必ず戻って来いよ。戻ったら、一生俺がお前のパシリをやる!」と言った。
ヘジョは涙ぐんでいる事を悟られないよう前を向き、「わかったよ。ボンスクに愛してると伝えてくれ」と言って去って行く。
ギホは「俺も愛してるぞ、チェ・スンヒョク!」と叫び、泣きながら見送った。
ーー
一方、フンはジェミの写真データを全て消し、服装を変えてクラブへ行く。
そこで乱闘を起こしてしまい、はずみでガルジャからの電話に出てしまった。
電話口で暴れている声を聞いたホジャは、いてもたってもいられずジョンを呼び、車を出す。
ーー
ヘジョとジェミは道中寄り道して、綺麗な服を買い写真を撮りまくる。
ジェミを撮り続けるヘジョの目からは、涙がこぼれ落ちそうだった。
そして4人目候補の家に着き、ヘジョはジェミにインターホンを押させる。
するとドアから女性が出て来たが、ジェミとその女性は直感的に親子である事を感じた。
それを見届けたヘジョは車を急発進させ、ジェミを置いて去って行く。
だいぶ過ぎたところで停車し泣き崩れていると、フンが車に乗り込んで来て「バカだなぁ。お前がジェミさんを捨てたのになんで泣くんだ」と言った。
ヘジョは「兄貴…ずっと一緒にいようって言ったのに、またジェミを置いて来てしまった」と言って号泣する。
フンはヘジョに飴を食べさせハンカチで顔を拭き、落ち着かせたところで車を発進させた。
フンはどこまでお人よしなんだ…。
韓医でもあるからこそ、ヘジョを見捨てる事は出来ないのでしょうね。
そしてヘジョとの別れの時が近づいています。辛くなって来ました…。
第10話(最終話)
ホジャは、先日「フンさんを助けたんです」と金の無心に来たギホに会いに行く。
威圧感のあるホジャに逆らえなかったギホは、ジェミに電話し「タクシーでソウルに帰って来て」と伝えた。
ジェミは、ヘジョがギホのもとに戻ったのだと思い急いでタクシーに乗る。
するとボンスクも部下を連れて登場し「うちの子はどこ!?」と、ギホを問い詰めた。
その様子を見たホジャは「あんたも息子を攫われたのかい?同志だよ!」と言って、ボンスクの手を握った。
ーー
ヘジョは、フンに「ジェミを捨てたから来てくれ」と電話をかけていた。
そして、とつとつと過去の事を話し始める。
8歳の時、ヘジョは母に「弟が欲しい」とねだった。
そして母が子供愛不妊クリニックに電話し、凍結してある精子で弟が作れるか尋ねた際、取り違えが発覚。
母は一生黙っていようと思ったが、結局ヨンジョも知ってしまい、両親の仲は最悪になり母は運転した車で事故死してしまった。
ヘジョはヨンジョに「パパがいればいい。もう弟はいらない」と言って手を握るが、ヨンジョは無視をし始める。
そして中学校の卒業式の日、ヨンジョに「0時まで待ってるから校庭に来て」と伝えたが現れず、チェ・スンヒョクが残した全てのものを捨て、家出したのだった。
それを聞いたフンは「俺は今回初めて家出をしたが、どこに行けば良いのか何をしたら楽しめるのかも分からない。決められた道を歩いて来ただけだから、君の事はかっこよくさえ思えるな」と言い、2人はさらに打ち解け合う。
ヘジョにフンが鍼治療をし、お菓子を食べじゃれ合って、楽しくドライブをしながらソウルのボンスクの家に戻って行った。
ーー
ジェミがボンスクの麻雀店に戻ると、ギホだけでなく、ボンスクとホジャの姿があり固まってしまう。
しかしジェミはホジャに丁寧に接し「私の事が嫌いなのになぜ親切にするんだ」と言われたので、「あなたは子供を捨てず食べさせ、立派に育て上げた。立派な母親です」と言った。
ホジャは、屈託のない笑顔を浮かべるジェミを見て「あんたのような娘が欲しかった」と呟く。
そしてジェミは、ボンスク、ホジャ、ギホに何があったのかと詰め寄られ、「ヘジョに、一度も会った事のない母親のもとに置いて行かれたんです。施設に捨てられた日が誕生日だなんて悲しいから、本当の誕生日を探してくれたようです。でも、やっぱり捨てられた日が誕生日でした」と明かした。
3人は「子供を捨てるなんて!」と言って憤慨し始めたので、ジェミは「最強の後ろ盾があって心強い!」と言って笑った。
するとそこへ、ヘジョとフンがおちゃらけて登場する。
全員集合した状況になり、皆んな呆気に取られてしまった。
ーー
ボンスクはヘジョに病院を抜け出した事などを怒り、ヘジョは冷たく突き放すが「強がらないでいい。死ぬのは誰だって怖いわ」と言って抱きしめる。
ヘジョは「何の罰なのかな。間違って産まれて、捨てられて、彷徨って…廃棄処分って。なんで俺なのかな?」と言いながら泣き出した。
その言葉を聞いたボンスクは、声を押し殺して泣き彼をさらにきつく抱きしめ、それを部屋の外で聞いていたジェミも涙を流した。
ーー
ホジャはフンを車に乗せ、スマホを奪い電源を入れる。
フンは怯えていたが、彼を降ろすと突然去って行き、電話で「気が済むまで遊んで、私のご飯が恋しくなったら帰っておいで」と言った。
電話を切ったあと、ジョンに「アメリカに帰らず韓国にいたら?私の子になりなさいよ」と言う。
寡黙だったジョンは「YES、お母さん」と言って微笑み、ホジャも嬉しそうに笑った。
ーー
ヘジョ、ジェミ、フン、ギホ、ボンスクの5人は、酒を飲みながらゲームをして盛り上がる。
孤独に生きて来たヘジョにとって、それは幸せなひとときだった。
しかしその夜皆んなが寝静まった頃、またしてもヘジョを激しい発作が襲い、彼はフラフラと外に出てしまう。
異変に気付いたジェミが助けると、彼は焦点の合わない目で「時間がない…探さなきゃ…」と呟いている。
ジェミは、ヘジョが4番目の父親候補を探そうとしているのだと思い、車を持って来ると言って一度店に戻りキーを取った。
騒ぎに気付いたフンと共に外へ行くが、すでにヘジョはタクシーで移動していた。
ーー
ヘジョが来たのは、ヨンジョの家…自分が生まれ育った実家だった。
するとちょうどヨンジョが帰宅し、ヘジョは駆け寄って抱きつく。
8歳の時のように抱きつかれたヨンジョは驚くが、「スンヒョク…」と呟き、涙を流しながら抱きしめた。
ヘジョが家に入ると、自分の成長を撮ったテープや、校庭に捨てて来た中学の卒業証書を見つけ、感極まる。
「そのままにしてあるぞ」と言われた自室に向かい、久しぶりにベッドに寝転んだが…なんだかしっくり来ない。
すると突然、部屋の窓にジェミが現れ「ギホさんが夜逃げ屋も知ってたの。本当のお父さんに会えてよかったね!お義父さんに挨拶しなきゃ」と言って笑う。
しかしヘジョは「うちの父さんは会社社長だから、手切れ金を渡されるぞ」と言ってニヤリとした。
ジェミがどうしようと慌てていると、ヘジョは「俺を拉致してくれ。なんだかしっくり来ないんだ」と言って微笑む。
翌朝、ヨンジョはヘジョの机の上に自分の会社「アイ・アム・ユア・ファーザー」の名刺がある事に気付く。
そこには、「アイ・アム・ユア・マイ・サン!チェ・スンヒョク」と書かれており、ヨンジョは涙を浮かべながら笑った。
ーー
今度は、ヘジョを拉致したジェミ。2人は車で寝泊まりし、毎日楽しく遊んで暮らした。
ホジャはテレビの料理番組に、ジョンと共に出ている。
フンは登山家として、動画配信者になっていた。
ギホは新しく事務所を契約しようとしている。大家はやっぱりボンスクで、なんだか相性が良さそうだ。
ーー
雪山に来たヘジョとジェミは、はしゃぎながら四葉のクローバーを探し始める。
運の悪い2人だが、ジェミが見つけたら「ホテル行き」ヘジョが見つけたら「一生放浪暮らし」と賭けをする事に。
しばらく探していると、ヘジョが四葉のクローバーを見つけ、嬉しそうに「ジェミー!」と声をかけ歩き始めた。
しかし、ポタポタと鼻血が垂れて来る。
ついに頭の中の爆弾が爆発してしまったようだ。
「クソッ…」と言いながら倒れ込むヘジョのもとに、ジェミが泣きながら「死んだら許さない!」と言って走って来る。
「生きたい…」「ジェミを抱きしめたい。ジェミをずっと愛していたい…」ヘジョの目からは涙がこぼれ落ちた。
昔、最期に見るのは青い空が良いと言っていたが、目の前にはジェミがいる。
「最期の景色はお前だったか。だったら、俺の人生もまずまずだったな…いや、とても楽しかった。…愛してる」
そう思ったヘジョは、ジェミの頬に手をあてながら笑みを浮かべた。
ジェミも泣きながら笑い「愛してる」と声をかける。
最愛の人の顔を見ながら、ヘジョの瞳は閉じて行った。
ヨンジョのもとに戻って眠れるんだね、良かったね!と思いきや、「しっくり来ない」というのがなんだかリアルでした。
長年会っていなければ、こうなる事もあるのでしょうね。
最期の満足げな表情…美しいけれど辛かった〜。
かなり切ないサッドエンドでしたが、美しい雪原と青い空、そしてジェミとのコントラストが綺麗で、胸にグっと来ました!