1998年11月14日公開の映画『トゥルーマン・ショー』。平凡な男トゥルーマン(ジム・キャリー)は、自分の生活が巨大なスタジオで撮影されたリアリティ番組だと気づいていく映画です。全てが作り物の世界で真実を探る彼の姿が描かれます。監督はピーター・ウィアー。巧みなストーリー展開と社会風刺が話題となり、多くの賞を受賞した感動作として人気です。
この記事では、映画『トゥルーマン・ショー』で流れた音楽13曲をご紹介します。※この記事はネタバレを含みます
『トゥルーマン・ショー』で流れた曲とは?
トゥルーマンが新聞を買うシーン
Wilhelm Kempff, Piano - Piano Sonata No.11 In A Major (K.331), Third Movement: Alla Turca
トゥルーマンが新聞を買うシーンで流れた曲は、Wilhelm Kempff, Pianoの『Piano Sonata No.11 In A Major (K.331), Third Movement: Alla Turca』です。
トゥルーマンが家を出て出社していく際に、ラジオからクラシック音楽が流れます。軽快な音は彼の足取りにピッタリ!「いつもの新聞」を買って保険会社に出社するのですが…見ていて「変わったカメラアングルやワンシーンだな?」と思いますよね。
この曲は日が変わって朝出社する前に新聞を買いに行く時に流れ、映画のラストの方でいつも通りの日々を取り戻して出社する時にも流れます。
※上記の動画は他の演奏者によるものです
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トゥルーマンが父を追うシーン
Philip Glass - The Beginning
トゥルーマンが父を追うシーンで流れた曲は、Philip Glassの『The Beginning』です。
いつも通り雑誌を買ったトゥルーマン…ホームレスの姿をした、父らしき姿を見かけて声をかけ、追いかける際に深刻な雰囲気の音楽が流れましたね。
自転車やバスに阻まれ、父の元にはたどり着けなかったトゥルーマンの姿は印象に残ります。
この曲は病院に潜入し、手術室へ向かう際にも流れました。彼が真実に気付きそうになる展開はハラハラします!
メリルに誘われてダンスするシーン
The Big Six - Twentieth Century Boy
メリルに誘われてダンスするシーンで流れた曲は、The Big Sixの『Twentieth Century Boy』です。
トゥルーマンは美女に見惚れつつ、メリルと出会ってパーティーへ!低音のリズムでノリの良い曲と男性ヴォーカルの歌が流れる中、ダンスをしました。
美女に目線を送りつつ、男たちに奥に連れていかれるという流れが気になりましたね。ローレンとの出会いに注目です。
「20th Century Boy」はエネルギッシュなギターリフと力強いボーカルが特徴で、当時の音楽シーンに大きな影響を与えました。
ローレンとの出会いと別れが描かれるシーン
Artur Rubinstein - Piano Concerto No.1 In E Minor, Opus 11: Second Movement: Romance – Larghetto
ローレンとの出会いと別れが描かれるシーンで流れた曲は、Artur Rubinsteinの『Piano Concerto No.1 In E Minor, Opus 11: Second Movement: Romance – Larghetto』です。
試験前の図書館にてローレンを見かけて声をかけるトゥルーマン。今からなら一緒に出掛けられるという流れが気になりつつ、穏やかなクラシック音楽が流れます。彼女の似顔絵を切り貼りしていく時まで切なさを覚える曲となりました。
ショパンの「Piano Concerto No.1 In E Minor, Opus 11: Second Movement: Romance – Larghetto(ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 Op.11第2楽章「ロマンス – ラルゲット」)は、詩情豊かな美しさが際立つ楽章。静かで瞑想的なメロディがピアノで奏でられ、弦楽器の柔らかい伴奏が優雅さを添えます。
※上記の動画は他の演奏者によるものです
トゥルーマンが周囲を疑いながら歩くシーン
Philip Glass - Anthem – Part 2
トゥルーマンが周囲を疑いながら歩くシーンで流れた曲は、Philip Glassの『Anthem – Part 2』です。
トゥルーマンが会社に向かって歩く際に不穏さと壮大さを兼ねたような音楽が流れます。周りをよく見るようにゆっくり歩き、車道を渡っていきますが…いつもの笑顔は無く、何かを疑うような眼をしていたのが印象的です。
堂々と車を止め、ビルに入っていってセットの裏側を目の当たりにしてしまう際の動揺も良く伝わってきました。マーロンの店に入るまで曲が流れていきますよ。
トゥルーマンが一人でアルバムを見返すシーン
Philharmonia Baroque Orchestra, Nicholas McGegan, Lowell Greer - Horn Concerto No.1 In D Major (K412), First Movement: Allegro
トゥルーマンが一人でアルバムを見返すシーンで流れた曲は、Philharmonia Baroque Orchestra, Nicholas McGegan, Lowell Greerの『Horn Concerto No.1 In D Major (K412), First Movement: Allegro』です。
トゥルーマンがアルバムを見て山に行った際の写真を見て背景が小さいように見えますが母親に気のせいだと言われてしまいましたね。
一人になってテレビを見ながらアルバムを見返すと…穏やかさと軽快さを兼ねた音楽が流れます。優雅なホルンの旋律が印象的な曲ですが、このシーンでは弦楽器ベースで音楽が流れました。
メリルが神に懺悔をする指のサインをしていたのを見て疑いを強めていくのに注目ですね。
※上記の動画は他の演奏者によるものです
トゥルーマンがフィジーに行こうとするシーン
Jackie Davis - Love Is Just Around The Corner
トゥルーマンがフィジーに行こうとするシーンで流れた曲は、Jackie Davisの『Love Is Just Around The Corner』です。
トゥルーマンは病院を後にし、フィジー行きの便を予約しに向かいます。旅行店では楽しそうな音楽がリズミカルに流れていましたが、飛行機の事故を示唆するようなポスターが不穏ですね。
フィジー行きは1か月先まで予約が一杯と分かり、シカゴ行きのバスに乗りますが…バスの故障と言われて呆然としているように見えました。
マーロウと2人で会話するシーン
Philip Glass - Living Waters
マーロウと2人で会話するシーンで流れた曲は、Philip Glassの『Living Waters』です。
マーロウが家に来てトゥルーマンは外で話をしました。その際にしっとりとしたような、ちょっと切なくなるような音楽が流れます。昔話をして笑えるようになって良かったなと思いつつ、2人の関係は深いものだなと実感できるワンシーンです。
トゥルーマンが涙を流し、マーロウは「お前のためならどんなことでもする」と言った後、ウソもつかないと言いますが…この後の展開も含めて見逃せませんね。
クリストフがトゥルーマンについて話すシーン
Wiegenlied (Lullaby)
クリストフがトゥルーマンについて話すシーンで流れた曲は、『Wiegenlied (Lullaby)』です。
クリストフはトゥルーマンが予定より2週間早く生まれてきたという過去を話します。その際にオルゴールのような音色が流れていましたね。会社に養子縁組としてトゥルーマンが引き取られたという経緯や、番組中の役者や商品について話すのに注目ですね。
「Wiegenlied(子守唄)」は、ヨハネス・ブラームスが作曲した「子守歌」として広く知られる楽曲です。
トゥルーマンが眠りにつくシーン
Philip Glass - Opening
トゥルーマンが眠りにつくシーンで流れた曲は、Philip Glassの『Opening』です。
シルヴィアはクリストフに意見を伝えますが、トゥルーマンショーは続いていく…彼が眠りにつく頃、多くの視聴者も眠っていることがわかるワンシーンで音楽が流れていました。
シンプルで反復的なピアノのフレーズは、繊細かつ瞑想的な雰囲気を醸し出していましたね。徐々に低音になっていくのが特徴的です。 トゥルーマンは元の生活を取り戻したようですが…驚きの結末に向かっていきますよ。
消えたトゥルーマンをスタッフたちが探すシーン
Philip Glass - Anthem – Part 1
消えたトゥルーマンをスタッフたちが探すシーンで流れた曲は、Philip Glassの『Anthem – Part 1』です。
トゥルーマンが地下で寝ているかと思いきや、マーロウが確認しに行くといない!?出演者やスタッフ総出で探す際に不穏な音楽が流れていきました。
不気味さを際立たせるような感じと、 クリストフは太陽を出すよう指示したり、カメラで海を見たり…!ハラハラする展開をこの番組を見ている人と同じ気持ちで見守ることになりますよ。
トゥルーマンが壁を叩くシーン
Orchestre Philharmonique National de Pologne, Kazimierz Kord - Father Kolbe’s
トゥルーマンが壁を叩くシーンで流れた曲は、Orchestre Philharmonique National de Pologne, Kazimierz Kordの『Father Kolbe’s』です。
ウェザープログラムが操作され、大嵐がトゥルーマンを襲う!彼は死を覚悟してボートで海(のような作られた地)を進み、壁にぶつかりました。
そこから無音のまま穏やかな音楽が流れ、感動的な展開を思わせましたね。諦めないトゥルーマンが壁を叩き、階段を上がってドアを開けた…クリストフがトゥルーマンに声をかけ、最後にトゥルーマンが挨拶と共にお辞儀をして終わるという展開は熱いです。
エンディング
Burkhard Dallwitz - Underground
エンディングで流れた曲は、Burkhard Dallwitzの『Underground』です。
トゥルーマンが扉から出ていくと視聴者は感動的なラストを見たかのように歓喜!クリストフは24時間、毎日生中継をしていたテレビを切るよう言うと、番組を見ていた警備員たちは番組表を探し始めました。
視聴者にとっての「番組」はこういうものかもなと思いつつ、エンディングへ。重さを感じさせるリズミカルな音楽が流れる中、スタッフロールが映し出されます。 一連の流れから、風刺的な一面を感じさせたのが印象的な映画でした。