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Netflix映画『ハウス・オブ・ダイナマイト』をネタバレ解説!核ミサイルの脅威が迫る時、政府や軍はどう国民を守るのか。大統領の苦渋の決断!

2025-11-22 beersy

Netflix映画『ハウス・オブ・ダイナマイト』をネタバレ解説!核ミサイルの脅威が迫る時、政府や軍はどう国民を守るのか。大統領の苦渋の決断!

https://youtu.be/RGd_emHtaSA



2025年10月24日にNetflixで公開された映画『ハウス・オブ・ダイナマイト』

(2025年10月3日にイギリス、10月10日にアメリカ、日本で劇場限定公開)

たったひとつの出所不明のミサイルが、アメリカの軍事施設を混乱させる。

着弾まで時間が無い中、軍や政府高官達が出来る事とは…?

アメリカのパニック・スリラー映画。

beersy
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幼い頃戦争が怖くて眠れなかったbeersyです!

本作は戦争が始まる直前、その裏側が描かれる恐怖の映画。

ジワジワと最悪な方向へ進む展開に、時間が経つのも忘れ食い入って観てしまいますよ!

この記事では、Netflix映画『ハウス・オブ・ダイナマイト』を鑑賞した筆者の感想やあらすじ、ネタバレ解説をご紹介いたします!

『ハウス・オブ・ダイナマイト』の評価&感想

『ハウス・オブ・ダイナマイト』予告編 - Netflix

  • 感動度
    3
  • 脳トレ度
    4
  • 再鑑賞度
    4
  • サプライズ度
    4
  • 話題性
    5

「冷戦の終結後、列強のリーダーは核軍縮の必要性を唱えたが、その時代は終わりを迎える」

オープニングから不協和音が鳴り、このメッセージが出て鳥肌が立ちました。

映画『ジョーズ』のような重低音が、不気味な幕開けから終わりまでを演出しています。

「出所不明の核ミサイル」という得体の知れない恐怖が迫り来る中、政府や軍内部はどうなっているのかー。

本作は、大統領や危機管理室、国防庁などそれぞれの視点から、多くの政府・軍関係者の動きがドキュメンタリー調で描かれています。

時間軸が戻ったり進んだりするので、何度も同じシーンが別角度で流れるのですが、何度もハラハラしてしまう不思議!

さらに、実際に配備されている施設や軍、設備、迎撃ミサイルなどが出てくるので、頭を使いますがとても興味をそそられました。建物や戦闘機が本当にカッコイイ。

キャストは、イドリス・エルバ『刑事ジョン・ルーサー』『アベンジャーズ』シリーズ、レベッカ・ファーガソン『ミッション:インポッシブル』シリーズ、ジャレッド・ハリス『モービウス』など、錚々たる俳優陣。

それぞれ表情の移り変わりが秀逸で、緊迫した演技が光っていました!

ラストに関しては賛否両論があるみたいですが、この終わり方だからこそ、オープニングから感じていた恐怖が完成されたのだと思います。

また、カタルシスを求める方には向いていませんが、非常にクオリティの高い作品なので、ぜひとも終末映画が好きな方には観ていただきたい。

確かに我々人類は、いつ爆発してもおかしくない〝ダイナマイト〟を各国で持っている…。

観終えたあとは、なんとも言えないじっとりとした絶望感、焦燥感が襲って来ました。

もし、本当にこうなったら…。

以下より重要なネタバレを含みます。

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『ハウス・オブ・ダイナマイト』のネタバレ

1:傾斜が水平に/シチュエーションルーム

ホワイトハウスのシチュエーションルーム(危機管理室)に勤務しているオリヴィア・ウォーカー海軍大佐は、発熱している息子を夫に預け、明け方に出勤した。

隣では部下のウィリアム・デイビス海軍先任上等兵曹が、今日はプロポーズ用の指輪を受け取るんだとニコニコしている。

一方、アラスカ州に位置する、ミサイル迎撃拠点の一つ「フォートグリーリー基地・第49ミサイル防衛大隊」では、ダニエル・ゴンザレス少佐が妻と離婚話で揉めており、お菓子を食べ散らかす部下にあたるなどするが、穏やかな朝を迎えようとしていた。

すると、突然警報音が鳴り響き、一同に緊張が走る。

レーダーが太平洋上を通過する大陸間弾道ミサイル(ICBM)を検知したが、衛星が見失ったため発射地点は不明だった。

それでもフォートグリーリーでは特に焦る事もなく、これを頻繁に起きる北朝鮮のミサイル発射実験だと考える。

シチュエーションルームでも「毎度の事だ。また日本海に落ちて終わるだろう」とリラックスしたムード。

緊急安全招集電話ミーティングが行われたが、雑談も飛び交っていた。

ーー

しかし、フォートグリーリーではミサイルの弾道の傾斜が水平になった事を確認。

アメリカ本土へミサイルが落ちる確率が高くなり、一同に緊張が走る。

着弾まで19分。

戦略軍の情報によると、被害地域は低確率でルイビス、セントルイス。中確率でシカゴ、インディアナポリス。高確率でクリーブランドとコロンバス。

オリヴィア達は血相を変え、外出中の大統領や各国、国連に連絡を入れるなどして慌ただしく動き回るが、どの国も連絡を取ろうとしているのか中々繋がらず、発射地点は不明のままだった。

ーー

着弾まで16分。

デフコン(防衛準備態勢)が2に引き上げられ、フォートグリーリーのGBI(地上配備型迎撃ミサイル)の発射許可が出された。

皆んなが見守る中、二発の迎撃ミサイルが発射されたがどちらも失敗。

フォートグリーリーだけでなく、ホワイトハウスにも絶望的な雰囲気が漂う。

着弾まで8分を切り、出された最新の情報は「100%の確率で、核爆弾がシカゴに落ちる」という事。

連邦緊急事態管理庁(FEMA)、政府存続計画担当官のキャシー・ロジャースは「シカゴに核が落ちた場合の想定被害は、初めに1100万人」と推察。

シカゴに住む1000万近くの人々が全滅すると考えられた。

ーー

ダニエルは多くの死者が出るという現実に打ちのめされ、具合が悪くなり外に出て嘔吐。

オリヴィアは、夫に電話をし「西へ逃げて。愛してる。さようなら」と伝える。

混乱を招くため詳細は話せないが、他の者達も各々大切な人に電話をして最期の声を聞いた。

シカゴに核が落とされた場合、アメリカは報復攻撃に出るか否かの決断をする事になる。

核を使っての報復となれば、死者が出るのはシカゴだけではなく、さらに多くの犠牲者が出る。

すると「政府存続計画(COOP)」が発令され、キャシー含む政府高官達が核シェルター・緊急司令本部「レイブン・ロック」へ避難させられた。

そしてオリヴィアは、被害に備えて死者(自分達含む)のリストを作成するよう命じられる。

ホワイトハウスが攻撃を受けたら、自分達も無事ではいられないが、涙をこらえ職務にあたった。

beersy
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第一章で描かれていたのは、ミサイル確認後の政府・軍内部の動き。

オリヴィアの気丈な振る舞い、同じく子を持つ親としては心に来ました。

こういう職務にあたる方って、国民のために家族を見返る暇もないのでしょうね。本当に頭が下がります。

スタートからずっと、不気味な重低音が流れていてゾワゾワ…。

シンプルな挿入曲だからこそ、じっとりとした恐ろしさが襲って来ました。

 

2:弾丸で弾丸を撃つ/戦略軍、大統領

ネブラスカ州のアメリカ戦略軍指揮統制施設・核戦略本部(C2F)。

ICBMの発射で緊急召集をかけられた、アンソニー・ブレイディ戦略軍司令官もまた、昨日観た野球の話をしてリラックスしていた。

しかし、ミサイルがシカゴに着弾すると発表されると、状況は一転。

ただちにデフコン2へ移行され、部下のスティーブン・カイル空軍少将が「発射地点不明のたった一つのミサイルが混沌をもたらし、敵が攻め入る隙を作っています。北朝鮮やロシア、中国…」と言うと、アンソニーは「全世界に隙をあたえる事になる。もうフォートグリーリーの連中に懸けるしかない」と呟いた。

ーー

中国か、はたまた北朝鮮の仕業か…様々な憶測が飛び交う。

国家安全保障問題担当大統領副補佐官のジェイク・バリントンが、国家安全保障局(NSA)の北朝鮮問題専門家であるアナ・パクに見解を求めると、彼女は「北朝鮮にも、弾道ミサイル搭載原子力潜水艦がある」と提言。

ジェイクは大統領に、報復措置は取らないほうが良いと伝えた。

しかし色々な意見が出て大統領が苛立つと、ついに迎撃ミサイルの分離が始まる。

成功率は、コイントスとほぼ同じ確立の61%…。

全員が息を呑んで見守っていたが、あえなく失敗に終わってしまった。

ーー

アメリカが迎撃ミサイルを撃った事で、北朝鮮、ロシア、中国、パキスタン、イランといった国が警戒体制に入った。

特にロシアの船にはICBM(大陸間弾道ミサイル)が積まれており、予断を許さない。

この状況からついにデフコン1に移行するが、大統領やジェイクが「落ち着こう」「他に手立てが」と煮え切らない言葉を発するため、アンソニーは「考えている時間はない、現実はこうです。あと数分で我が国はシカゴを失う。今のうちに敵国を無効化しないと、永遠にその機会を失うでしょう。先制攻撃をするか、ICBM100発が飛んで来るリスクを背負うか。着弾まであと6分です」と冷静に、かつ力強く断言した。

言葉を失った大統領のそばには、「核のフットボール(大統領が出先でも核攻撃の許可を出せる品々が入ったケース)」を持った、報復戦略顧問•大統領軍事顧問のロバート・リーブス海軍少佐がスタンバイしている。

そんな中、ロシアの外相と電話が繋がり、ジェイクが電話に出る事に。

外相は「ロシアは今回のミサイルに関与していない。アメリカは厳戒態勢を緩和し、ロシアに手出しはしないと約束しろ」と話す。

ジェイクは必死で関係を悪化させないように「もちろんです。なので、ロシアは兵器の警戒体制を解いてください」と説得。

しかし、仮にこれが中国の仕業でアメリカが報復措置を取るとするなら、アメリカからのミサイルはロシアの領空を通過せねばならない。

「信じてください。ロシアには攻撃をしないし、ミサイルを落としません」と言うジェイクの言葉を聞いた外相は、失笑して姿勢を崩さず「大統領に伝える」とだけ返答し、電話を切ってしまった。

ーー

上空では、B2爆撃機が待機中。

ロシアの了承を得られぬまま、大統領は決断を迫られた。

報復計画…すなわち核戦争を始めるか、1000万人の命を捨て降参かー。

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第二章で描かれたのは、懸念すべき国の動きとデフコン1の対処方法。

筆者は「迎撃ミサイルは最強の防衛」と思っていましたが、現代の技術を以てしてもここまで難しいものだとは!

「えっこれがダメならもう作戦ないの!?」と驚きましたし、意外と何も出来ないものなんだ…と考えさせられました。

 

3:爆薬が詰まった家/大統領

正体不明のミサイルが飛んだ時ー。

大統領はバスケットボールの会場にいたが、 一報を受け避難していた。

今までにない緊急事態に息を切らし苛立つが、無情にも迎撃ミサイルが失敗、事態はデフコン1へ移行。

ロバートは冷静に、有事の際の手順を大統領に説明した。

ーー

33年間連れ添った妻に先立たれた、国防総省の国防長官リード・ベイカー。

その日はゴルフをするなど、なんでもない1日を過ごしていたが、電話会議でミサイルの報告を受け血相を変える。

高確率で着弾するとされるシカゴには、最愛の娘がいるからだ。

彼はなんとかして娘を救おうとするが、十数分で出来る事もなく電話をかける。

「恋人が出来たの」と言う声に「そうか…」と頬を緩ませ、涙をこらえて電話を切った。

そして他の高官達同様、避難しなければならなかったが、絶望した彼は避難用のヘリコプターを通り過ぎ、ペンタゴンの上から身を投げるのだった。

ーー

大統領はヘリコプターに乗り、その中でロバートが持っていた黒いファイルを読む。

攻撃の規模が小・中・大と分かれており、ロバートは「最低な例えですが、レア・ミディアム・ウェルダン…という事です」と分かりやすく説明した。

大統領は「常に攻撃計画書を持って、準備が出来ているからこそ核戦争の抑止力になると思っていた。ありえない事態だ」

「あるポッドキャストで聞いた。人類は爆薬が詰まった家を建てているようなもので、爆弾を作り計画を立て、いつ爆発してもおかしくない中で暮らしている…と」と呟く。

ロバートは「…もし報復攻撃を選ぶなら、MAO7かMAO9なら一気に叩ける。決着がつきます」と助言した。

ーー

アンソニーからは「ご決断を」と迫られ、ジェイクからは「報復か、自滅か、どちらかです」と言われた大統領。

最愛の妻・アリソンはアフリカにいて、なんとか話をしようとするが無線が途切れてしまう。

悩んだ末、大統領が下した決断はーー。

ーー

レイブンロック・マウンテン複合施設には、多くの高官達が避難を開始していた。

吐いていたダニエルは口をぬぐい、空を仰ぐのだった。

beersy
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様々な部署の人々が出て来て、その名称も長くて難しい言葉だらけなのですが、こんなにも優秀な人達がいるのに「何も出来ない」虚弱な体制に恐怖を感じました。

我々民間人は、きっとどこかで「上がなんとかしてくれる」と思いがちですが、そんな事はなく彼らも普通の人間。

神のように戦争を無くす事なんて出来ないのかもしれません。

大統領が言っていた「戦争を起こさないための抑止力」の大切さを痛感しました…。

果たして大統領は報復を決断したのでしょうか。

筆者は本当に怯えたので、ミサイルは不発に終わったと思いたいです…。

 

『ハウス・オブ・ダイナマイト』が好きな人にオススメのドラマ

映画『ハウス・オブ・ダイナマイト』が好きな人にオススメの作品をピックアップ!

THE DAYS

『THE DAYS』本予告 - Netflix

あの日、日本中の人々の生活が一変しました。

関東住みの筆者ですら、未だ津波の映像を観ると震えが止まりません。

この作品は「現実」であり、その裏で誰がどんな危険な事をして、国民を守ろうと尽力していたか。

ショッキングなドラマですが、心に余裕がある時に観ていただきたい一作です!

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Netflix作品を中心に漁っている、ビール党のアラフォーで二児の母beersy(ビアシィ)。子ども就寝後、夜な夜なテレビを付けては夫婦で動画視聴。仕事や家事から意識を飛ばすのが得意技。アクション好きだが、雑食性で何でも鑑賞するタイプ。しかしその実態はただの筋肉好き。いつかシルヴェスター・スタローンに会うのが夢であり、それゆえ筋トレを欠かさない(嘘)