2025年8月28日にNetflixで公開された映画『木曜殺人クラブ』
老人施設で、未解決事件の謎解きを生き甲斐としている「木曜殺人クラブ」。
しかし、立ち退きの危機を迎えた施設で本当の殺人事件が起こってしまう。
木曜殺人クラブは真犯人を見つけ出す事は出来るのかー。
原作は、リチャード・オスマンのベストセラー「木曜殺人クラブ(The Thursday Murder Club)」
豪華キャスト陣が彩る、イギリスのミステリー・サスペンス・コメディ。

老後もボケ防止のために運動していたいbeersyです!
本作、筆者は原作を読んだ事がなかったのですが、おじいちゃんおばあちゃんが活躍する映画は大好物なので視聴。
ミステリーとしては少しパンチ弱めなものの、笑いあり緊張感ありで楽しめました!
この記事では、Netflix映画『木曜殺人クラブ』を鑑賞した筆者の感想やあらすじ、ネタバレ解説をご紹介いたします!
『木曜殺人クラブ』の評価&感想
- 感動度
- 3
- 脳トレ度
- 3
- 再鑑賞度
- 4
- サプライズ度
- 3
- 話題性
- 5
- エリザベス役:ヘレン・ミレン『RED/レッド』『ヒッチコック』『ワイルド・スピード』
- ロン役:ピアース・ブロスナン『007』『マンマ・ミーア!』『ブラックアダム』
- イブラヒム役:ベン・キングズレー『ガンジー』『シンドラーのリスト』『ヒューゴの不思議な発明』
- ジョイス役:セリア・イムリー『ブリジット・ジョーンズ』『マリーゴールド・ホテルで会いましょう』
錚々たる俳優陣が集結した本作は、老いを見せない、施設の老人達のお話。
おじぃ&おばぁが活躍する映画って、スカっとするものが多いので視聴しやすいですよね!
ミステリー好きとしては、もう少し事件解決への道のりが険しかったらな…などと思ったのですが、テンポ良く進むシナリオでダレる事なく楽しめました。
移民や男尊女卑など、社会問題のスパイスも効かせてあります。
ただ、主人公達が住むクーパーズ・チェイスは高級老人施設なので、皆さん小綺麗だしあまり現実味はありません。笑
どのキャラも生き生きとしていて、年を重ねるって良いな〜と思わせてくれる作品です!(そしてあわよくばこういう施設に入りたい)
以下より重要なネタバレを含みます。
『木曜殺人クラブ』のネタバレ
老人達の推理と事件
イギリス・ケント州にある高級シニア施設「クーパーズ・チェイス」。
中には様々な娯楽施設が設けられているが、ジグソーパズル部屋では、エリザベス、元労働組合リーダーのロン、元精神科医のイブラヒムが集まり、何やら遺体の写真を観ながら推理をしている。
彼らは木曜日だけ「木曜殺人クラブ(TMC)」を立ち上げており、未解決事件を解くという探偵ごとをしていた。
創設者のペニーは敏腕刑事だったが、現在寝たきりで意識がなく、代わりにエリザベスが取り仕切っている。
今エリザベス達は、1973年に起きたロンドンの未解決の「白をまとった女性事件」を調べていた。
アンジェラ・ヒューズという女性が何者かに殺され、恋人で第一発見者のピーター・マーサーが失踪し迷宮入りとなったのだ。
エリザベスは「医療知識を持った人が必要」と考え、施設に入居したばかりの元看護師・ジョイスを加入させる。
これにより、死体の状況などから推測出来る幅が広がって、ますます盛り上がった。
また木曜殺人クラブは、防犯の話をしに来ただけの新人警官、ドナ・デ・フレイタス巡査に事件の事を質問し、困らせていた。
ーー
そんな中、イアン・ヴェンサムというクーパーズ・チェイスの経営者が、施設や墓地、教会を取り壊して高級ホテルを作ろうと画策。
しかし、共同経営者であるトニー・カランは、入居者のおばを大切にしており、頑として首を縦に振らない。
イアンは強引に工事を進めるため、認知症で療養中の母を持つボグダンに金をちらつかせ、トニーや老人達の了承を得る前に墓地を掘り起こしてしまえと命じた。
すると数日後、トニーが何者かに撲殺されてしまう。
木曜殺人クラブは犯人を突き止めるため、様々な手を使いフレイタスを捜査本部へ移動させ、情報を得るなどして、実際の事件の解決に向けて動き出した。

エリザベスの過去はまだ語られていませんが、只者出ない事は伝わって来ますね!
ヘレン・ミレンはワイスピのクイーニー・ショウ役がドンハマりでしたし、歳を重ねてから好きになった役者さんです。
繋がる事件
木曜殺人クラブは少々強引に、そして年の功でイアンの財務記録を手に入れており、施設にはもう一人匿名の共同経営者がいた事、トニーが死ぬとイアンに多額の金が入る事などを掴む。
さらにフレイタスの上司を言いくるめ、死亡推定時刻までも聞き出す事に成功した。
しかし、1番の容疑者はイアンだったが、時間的に難しく不可能だと判明。
悩んでいると、現場に残された写真に、凶悪な犯罪者で現在行方不明のボビー・タナーが映っているのを発見した。
警察とエリザベス達は、死亡したと見せかけ、姿を眩ませているボビーの行方を追った。
ーー
後日、強引に墓を掘り起こそうとしているイアンに対し、老人達はロンを筆頭に元気よく抗議デモを行う。
イアンは面倒くさそうに悪態をついていたが、皆んなの前で突然倒れ、なんとそのまま死亡した。
彼の死因はフェンタニルの過剰摂取。
木曜殺人クラブは、抗議デモの最中、何者かがフェンタニルを注射したのだろうと考えるが、イアンは多くの人に恨まれていたので探し出すのは難しかった。
そんな中エリザベスは、イアンに命じられるまま墓を掘っていたボグダンと接触。
彼は、エリザベスの夫で認知症を患っているスティーブンと、チェスをする仲になってエリザベスを信用し、掘った墓の中の棺の上に、別人の骨が乗っていた事を伝える。
通報を受けた警察が調べると、その骨は「白をまとった女性事件」で失踪したピーター・マーサーのものだった。

昔の未解決事件と繋がるとは、驚きの展開です!
デモの最中に注射出来る強者、すぐに見つけられそうですが…。
洞察力や機転をきかす方法など、じじばばを見習って冷静に判断出来るような人間になりたいです!
木曜殺人クラブが明かした真実
フレイタスに「私、元MI6(イギリスの秘密情報部)なのよ」と明かした精鋭のエリザベスは、独自に調査してボビーを見つける事に成功。
今は花屋として働く彼は、 トニーと共に入国して来た外国人を騙してパスポートを取り上げ、不法に労働させていた事を明かした。
その頃、いつになく冴え渡っているスティーブンが、ボグダンに「君がトニーを殺したのかい?」と聞いていた。
実はボグダンもトニーにパスポートを取られており、取り返そうとした際に誤って死なせてしまった、と自供する。
スティーブンはその話をすぐに忘れてしまったが、日頃からチェスの声を録音していたため証拠が残っており、ボグダンはフレイタス達に逮捕された。
ーー
エリザベスは、部屋の奥から「白をまとった女性事件」の捜査ファイルを発見し、その中にあった写真を見る。
すると、鋭い目つきでピーター・マーサーを睨んでいる若き日のペニーを見つけ、ピーター・マーサーを殺したのがペニーだと気付いた。
木曜殺人クラブは、資料を持ってペニーが眠る部屋に行き、彼女の夫であるジョンに推理を説明し、真相を聞く。
ーー
1970年代当時は男尊女卑があり、権力を持った犯罪者が多く無罪放免となっていた。
実直なペニーは、アンジェラを殺したピーターが、他の男性犯罪者のように野放しになる事がどうしても許せなくて、彼を葬った。
ピーターの遺体はジョンが埋めたのだが、イアンが墓地を掘り起こすと事件の真相が明るみに出てしまうため、元獣医師のジョンが注射器を使用しイアンを殺害。
眠りについているペニーの名誉を守ろうとしたのだった。
ーー
エリザベスが、フェンタニルが入っているであろう注射器を引き出しから見つけると、ジョンは観念し「夫婦二人だけにしてくれないか」と懇願する。
彼が何をしようとしているのかを察した木曜殺人クラブは、やりきれない想いを胸に仕舞い込み、ペニーに別れを告げて部屋を出て行った。
ジョンとペニーは愛し合ったまま、空へと旅立つ。
ーー
昔の未解決事件を解決したものの、その代償は大きく、悲しみに暮れていた木曜殺人クラブ。
しかし前を向いて、ペニーが付けていたTMCのネックレスをジョイスに渡し、正式に迎え入れる。
また、ジョイスの娘がクーパーズ・チェイスを買い取る事になったため、クーパーズ・チェイスは難を逃れた。
木曜殺人クラブは穏やかな日常を取り戻し、幸せに過ごすのだった。

ジョンの想いを汲んだ木曜殺人クラブ。
老人同士の尊厳が守られたような気がして、激動の時代を生きて来た人達ならではの「連帯感」を感じました。
切ない幕切れではありましたが、最後は綺麗な終わり方でとてもスッキリ!
続編も作れそうなので、期待して待っていようと思います。
『木曜殺人クラブ』が好きな人にオススメの映画
映画『木曜殺人クラブ』が好きな人にオススメの映画をピックアップ!
マンジャーレ! ~ノンナのレストランへようこそ~
こちらはミステリーではありませんが、観れば絶対にお腹が空く美味しい映画です!
おばあちゃん達の心のこもったお料理の数々。実際に存在するレストランのお話です。
元気が欲しい時にぜひ視聴してみてください!