2023年12月22日にNetflixで公開された韓国ドラマ『京城クリーチャー』。
舞台は1945年の京城(けいじょう/現・ソウル)。
旧日本軍が制圧している植民地時代に行われた「生体実験」により生み出された怪物と、若き男女が対峙する。
夢を持てない暗い世の中で、朝鮮人達が必死になって生きて行く物語。
- チャン・テサン役:パク・ソジュン(『梨泰院クラス』)
- ユン・チェオク役:ハン・ソヒ(『わかっていても』)
反日ドラマではないか、と賛否両論のあるドラマ。
あまりそういう事は考えたくないので、純粋にひとつのホラー・スリラー作品として鑑賞しました!
この記事では、Netflix韓国ドラマ『京城クリーチャー』を鑑賞した筆者が、1話ごとに感想とネタバレ解説をご紹介します。(途中まではネタバレ無しなのでご安心を♪)
Netflix韓国ドラマ『京城クリーチャー シーズン2』のネタバレ・感想をご紹介!ホジェは何者?京城時代のメンバーが遺したものとは?
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『京城クリーチャー』の評価&感想
- 感動度
- 4
- 脳トレ度
- 3
- 再鑑賞度
- 3
- サプライズ度
- 4
- 話題性
- 5
映画『エイリアン』のような話?と思いながら観ましたが、ストーリーが練られていて意外性も有り、そしてキャラクターも個性があって、ホラー・サスペンス要素だけではない見応え十分な作品でした。
この作品が「反日ドラマ」と言われているのも知っていましたが…。
確かに、日本人がこれでもかと酷い人種として描かれています。というか旧日本軍は私も怖いです。
でも韓国の俳優さんがカタコトで日本語を喋っている点や、ストーリー的にあまり現実味がない点(怪物いませんし)で、私は気にせず観続ける事が出来ました。
ちなみにカタコトの日本語が気になる人は、吹き替えで観る方が良さそうです。(でも皆さんペラペラで驚きました!)
私は本作を観て、戦争の知らなかった部分、日本人としては目を背けたかった部分を少し学べたような気もします。
とはいえやっぱり自分達が悪く言われている…などと、気になる人は鑑賞を避けた方が良いかもしれません。本当に、本作の日本人はエグいし酷いですよ!!
ストーリーは予想しやすくありがちな展開ですが、終盤に近付くにつれどんどん面白くなって行きます。
ラストも衝撃的で、シーズン2がとにかく待ち遠しい!!(2024年に公開予定だそうです)
パク・ソジュン&ハン・ソヒといった人気俳優以外にも、見た事のある有名な俳優さん達が出ているのも高ポイント。
『イカゲーム』ジュノ刑事役のウィ・ハジュン、『マイ・デーモン』チュ役&国民のお母さんと呼ばれるキム・ヘスクなど、他にも「あ!」と思う方が多いですよ。
さらに本作は、映像や音楽も魅力的!
驚いたのが怪物で、リアルな質感や俊敏な動きにはゾっとさせられますし、表情もなんとなくこちらに伝わって来ます。
アクションシーンや爆破シーンなどもあって、迫力もスゴイ!
拷問シーンや怪物の捕食シーンなど、エグい描写も多くあるのですが、グロ耐性の弱い筆者でも観る事が出来たので、エイリアン好きだけではなく、韓流ドラマやアクション好きな人にもオススメです。
『京城クリーチャー』を観る方法
以下より重要なネタバレを含みます。
『京城クリーチャー』のネタバレ解説
第1話/納人(ナジン)
日本軍に支配されている街の地下では、何やら怪しい実験が行われていた。
全てを焼却するようにと命令された加藤中佐は、何かの血清を持って実験場を後にする。
ーー
1945年。
京城にある質屋「金鈺堂」の社長チャン・テサンは、一代で財を成した資産家。
ありとあらゆるものを手に入れる事の出来る、京城一の情報通だ。
そんなテサンはある日、日本軍の石川警務官から、彼の妻・前田由紀子との不倫を疑われ拷問を受ける。
しかし石川の本当の狙いは、自分の愛人である「明子」を探し出せ、というものであり「桜が降るまでに見付けられなければ、お前の全ての資産を奪い戦地に送り込んでやる」と脅された。
その頃世間では、多くの女性の失踪が話題となっており、妓生(ギーセン・奴隷身分の女性)の明子もそれに巻き込まれたのではないか…と推測する。
ーー
日本軍は、甕城(オンソン)病院の地下にある実験施設に多くの女性を閉じ込めていた。そこには明子の姿もある。
恐怖に怯える女性たちの中から2人が選ばれ、連れて行かれた。
すると2人に大福が与えられ、空腹だった女性達はそれをむさぼり食う。
その後、女性の1人は狂い出したが、1人は落ち着いていたため血清を投与される事となった。
ーー
ユン・チェオクは、10年前に失踪した母親チェ・ソンシムを探し出すため、父親で失踪人を探す専門家(トドゥクン)であるジュンウォンと共に、満州から京城にやって来た。
手掛かりとなる人物で日本人の画家「幸本」を探し出そうとしていると、テサンと出会う。
最悪の出会い方だったが、その後チェオクとジュンウォンは明子を、テサンは幸本を探すという約束で協力し合う事になった。
ーー
画家の幸本は、日本軍の研究施設の一室に呼ばれた。
そこは2人の女性が閉じ込められている牢獄で、1人は血だらけになり死んでいる。
そしてもう1人を見ようとすると、そこには怪物が潜んでいた。
ここで出て来る加藤中佐が所属している部隊は、第二次世界大戦期の大日本帝国陸軍に実在した「731部隊」という研究機関がモデルだそうです。
徹底的に証拠隠滅をしたため、未だ謎の多い機関らしいですが…。加藤中佐のイっちゃってる無表情が怖い!!
そしていきなりパク・ソジュンの拷問シーンが出て来て、驚きました。石川警務官も怖いし、幸本さんだけ優しそうだよ…。
第2話/惺沁(セイシン)
幸本は、美大卒で実力のある画家。
大金をもらえる…とオンソン病院での仕事を志願したが、それは生きている人間の解剖など、残酷なものを描くための任務であった。
想像以上に酷い仕事に怯えていると、1人の捕らわれている女性が「そのうち慣れるわ」と話しかける。
彼女は花のようなモチーフのネックレスをしていた。
…幸本が今回描く事になったのは、その女性が怪物に変貌してしまった姿なのであった。
ーー
ジュンウォンの捜索により、何故か明子が前田由紀子に呼ばれ、人力車でオンソン病院に運ばれた事が判明。
オンソン病院は軍や警察、総督府などしか入れない軍事病院なのに、何故ギーセンの明子が入れたのか…。
怪しいと思ったテサンは、親友で愛国軍に所属している富豪の息子・クォン・ジュンテクに身分証を借りる。
そして、チェオク・ジュンウォン・ガッピョン(金鈺堂の所長)と共に、変装して潜入する事に成功。
中で調査し、病院の地下に何かがあると突き止めた。
ーー
一方、地下実験施設では、怪物が兵士達を惨殺している。銃弾をもろともせず、兵士を喰っているようにも見える。
加藤中佐は恍惚とした表情で「女神の誕生だ…」と傍観していた。
そして彼の「レベル4」に切り替えろという指示で、窒素が注入され怪物は眠りにつく。どこかへ運び込むようだ。
しかし、怪物の身体からは絶えず胞子が出ており、牢獄中に舞い落ちる…。
そして表向きは「伝染病にて無期限閉鎖」という事にして、オンソン病院は封鎖された。
中にはまだ、チェオク・ジュンウォンがいる。
テサンは、2人を救出すべく奔走する事となった。
イヤァ〜!!怪物から胞子が出まくってるよ…。悪い予感しかしません。
今回で怪物の全貌が明らかになりましたね。元々人間だったとは、本当にあったら恐ろしい話です。
だいぶ脚色されているんでしょうけれど、旧日本軍がやって来た事って、これと似たような事もあったんでしょうね…。
テサンの正義感が強いため「善」と「悪」が分かりやすく、物語にすっと入れました。
第3話/信号
窒素が切れた途端怪物が暴れ出し、兵隊達を次々に殺して行く。
そして牢獄では、胞子に触れた朝鮮人達が大勢死んで行った。
怪物をやっとの思いで別の部屋に移すと、加藤中佐は一路院長に渡し、手懐ける事が出来るかどうかを画策。
生物兵器として、戦争に使用するつもりのようだ。
ーー
チェオクは、1人の兵士チェ・ヨングァンを助ける。
彼は朝鮮人でありながら日本軍にいて、過酷な状況を苦に自殺しようとしていた。
彼と、オンソン病院の清掃員で愛国軍の男と協力し合う事になったユン親子は、病院の地下に生体実験場がある事、そこに明子がいて「石川警務官」の名を出していた事を知る。
そして愛国軍の男の手引きによって、テサンとコンタクトを取り明子を連れて脱出する事を計画した。
チェオクは地下へ潜り込むと、子ども達が捕らわれているのを発見。危険を犯して救出しようと試みる。
ーー
その頃、テサンは幸本と会い、ジュンテクと共にオンソン病院に潜り込む事に成功。
ユン親子と共に見事兵士達を倒し、チェオクから明子を引き渡してもらおうとするが、子ども達しか救えていなかった。
愕然とするテサンにチェオクは、「子ども達を助けたあとに明子を連れて来る」と言った。
ーー
加藤中佐は一路院長に呼ばれ、怪物がいる部屋へとやって来る。
すると院長は生きた人間を怪物のエサにしており、食事の時間を覚えさせ自分に懐かせると豪語した。
一路院長コワッ!!!マッドサイエンティストっぷりがスゴイ。俳優のヒョン・ボンシクさん、どハマりですね。
次々と人が苦しみながら死んで行く様子には、目を背けてしまいました。
何人か味方が現れましたが、明子を無事救う事が出来るのか?緊張感が走ります。
第4話/刻印
救出した子ども達やチェオクの話を聞き、明子が危険だと知ったテサンは、子ども達より明子を優先しようとする。
しかし子ども達がされて来た生生しい実験の跡を見て、「かくれんぼをしよう」と提案して逃す事を決意した。
幸本の協力もあって、子ども達は人力車を使い病院を脱出。金鈺堂に行き、テサンの執事であるナウォル夫人に匿ってもらう。
ーー
チェオクは幸本に、持っていた母の絵を見せて居場所を聞くが、恐ろしい事実を知っている幸本は「知らない」と真実を話せなかった。
やっと掴んだ手掛かりが空振りに終わって、ショックを隠せないチェオクだったが、愛国軍の男や幸本と別れたあと、引き続きテサンと共に明子の行方を追う。
一方、由紀子は一路院長に「明子が子どもを産むまでは守るように」と命令する。そのため、明子は別の場所へ投獄された。
しかしその近くで、兵士達が怪物に殺されて行く。
ーー
怪物は、一路院長の餌付けが成功したのか、徐々に知恵を付けていた。
ついに、エレベーターを操作する事を覚えてしまう。
病院内を移動し、次々と兵士達を喰い散らかして行くのだった。
そして、テサンとチェオクの目の前へ…。
テサンは空いた口が塞がらないまま、怪物を前に立ち尽くしていた。
ハラハラドキドキしっぱなし!緊張感の続く前半戦です。
由紀子も美しいけれど不気味ですよね。明子を病院へやったのは、夫への嫌がらせなのか子どもが目当てなのか…。
子どもを自分の子にしようとでも思っているのでしょうか?謎多き美女…すき…。
演じているキム・スヒョンさん、京言葉がピッタリで素晴らしいですね!
第5話/死闘
ジュンテクは反日・愛国軍を集め、「半月後に日本軍などが集まる資金調達のパーティがあり、そこでインヒョク(愛国軍の1人)が隠し持っているダイナマイトを爆破させる」と計画を話した。
しかしその後、ジュンテク以外のメンバーが日本軍に捕まってしまう。
彼らの行き先がオンソン病院と知ったジュンテクは、インヒョクが持つ爆弾の隠し場所を聞き出すために病院へ向かった。
しかしメンバーと話しているうちに兵士が現れ、ジュンテクも拘束されてしまう。
その頃、テサンとチェオクは怪物と対峙していた。銃を撃っても中々効かず、鉄扉のある部屋に逃げ込む。
その姿を見たジュンウォンが、持っていた火薬と油で怪物を怯ませる事に成功した。しかし怪物からの攻撃で、肩に怪我を負ってしまった。
テサンとチェオクは、怪物からは逃れられたものの兵士に捕まってしまう。
ーー
ジュンテクを捕まえた院長は、資金調達のために御曹司の彼を利用しようと思い付く。
さらに、協力したメンバーの名前を吐くようにと、拷問部屋に連れて行く。
そしてジュンテクの父は院長の思惑通り、一人息子を救うために大金を渡しに来るのであった。
テサンは相馬軍曹に連れて行かれ、何故か縄を解かれる。
実は相馬は、大空襲を受けた東京に戻りくなくて、家族全員で京城に住む事を希望していた。そこで京城一の資産家であるテサンに「現金と家、店をくれるなら逃してやる」と交渉して来た。
それを聞いたテサンは「明子とチェオクの居場所を教えなければ協力しない」と逆に交渉。相馬を使ってナウォル執事に連絡を取り、脱出する手配を行った。
ーー
加藤中佐は、殴る蹴るの拷問を受けているチェオクを引き取り、話をする。そこでチェオクが、10年前に生き別れた母を探している事を知った。
もしやと思い名前を聞くと、チェオクは「チェ・ソンシム。セイシン。」と言う。
それは、今まさに怪物と化した女性が、人間でいる時に名乗った名前であった。
そこで加藤は、試験管の中身「ナジン」を湯呑みに入れ、水と偽ってチェオクに渡すのであった。
ーー
その後、牢獄に戻されたチェオクは、壁に血の文字で「チェオクに会いたい。私の娘」と書かれているのを見付け、涙する。
テサンが救出に来たが「10年探した母がここにいる。一緒には行けない」と言ってテサンを抱きしめる。2人は別れる事となった。
チェオクは再び加藤の元へ行き、銃を向けて母をどこへやったと問い詰める。
一方テサンは、またしても怪物と対峙する事となってしまう。
そしてジュンテクは、拷問され続けてテサンやチェオクの名前を紙に書いてしまっていた。
切ない!切な過ぎる!!お母さんは、ずっとチェオクの事を想っていたのですね。
そして湯呑みのナジン…。加藤は本当にろくでも無い事ばっかり思いつきますね!!怒
チェオクは怪しんで飲んでいないと思いますが…。中盤になって、また面白くなって来ました。
第6話/混沌
1925年。
テサンの母は、地下にテサンを隠すと「自分だけを信じて、生きるのよ」と伝える。
その直後、警察が突撃して「キム・シヨン」はどこだと母に聞き、「知らない」と言うと壮絶な暴行を始めた。
ーー
加藤が持ち上げた湯呑みにはまだ水が入っている。チェオクは水を飲まなかったようだ。
そしてチェオクは、加藤から怪物が母である事を聞かされる。
驚くチェオクを見た加藤は満足そうに、「ナジンが人間の体内に入り、脳を支配し変異を起こす」という話もした。
その頃怪物は、逃げたジュンテクの仲間達や囚人、それを捉えようとする兵士達の前に現れた。
兵士達が次々と殺されて行く中、テサンが到着し銃で怪物に対抗する。
窒素ガスを見付けたテサンは、怪物に発射して眠らせる事に成功した。
ーー
ナウォル執事に息子を救う方法を聞いたジュンテクの父は、石川警務官の元へ行き「オンソン病院が女性失踪事件に関わっている」と告発。
断ろうとする石川警務官に「テサンが明子を見付けたようです」と話して、巻き込まれた息子を助けて欲しいと捜査を依頼した。
ナウォルはその後も、多くの仲間を使って根回しをして行く。
その頃ジュンテクは、テサン達だけではなく愛国軍のメンバーの名前も書かされていた。
石川警務官は、オンソン病院の捜査を始めようとする。
それを聞いた院長は激怒し、牢獄の管理をしていた相馬を暴行。「お前の家族の内臓を生きたまま取り出してやる」と脅した。
ーー
テサンが囚人達と部屋にいたところ、ジュンウォンが現れ合流する。
そこにチェオクがいない事にショックを受けるジュンウォン。しかしテサンの事を信頼しており、謝る彼を責める事は無かった。
テサンは皆んなで安全な部屋に移動する事を提案。しかし自分は、「チェオクを見付けて来ます」と言ってその場を後にした。
ーー
結局捕まってしまったチェオクは、怪物がいた牢獄の中に鎖で繋がれていた。加藤はそこへ怪物を追い込み、娘を喰う様子を見物しようと企む。
そしてついに怪物が現れ、チェオクに襲いかかる。しかし、チェオクが涙しながら「お母さん!」と叫ぶと、怪物の動きが止まった。
怪物…チェオクの母・ソンシムは、チェオクにネックレスをプレゼントしてもらった時の記憶を思い起こしていた。
そこへ加藤が銃撃許可を出すと、怪物はチェオクの盾となり攻撃を受ける。
かなりの重傷を負ったであろう怪物だが、最後までチェオクを守り抜き、窒素ガスで眠らされた。
そこへテサンが駆け付ける。
「怪物は母だったんです」と取り乱すチェオクを抱きしめ、その牢獄を脱出した。
加藤は怪物の中の母性が勝った事に興味を示しながらも、チェオク達を「生かしておくな」と命令するのであった。
ーー
テサンとチェオクは兵士の服を奪って逃走し、ジュンウォン達と合流する。
そこへ、相馬と明子も登場。相馬が「俺達も連れて行ってくれ」と頼んで来た。
テサンは脱出に関して、「与えられた時間は10分間。脱出するのは6時丁度です」と説明する。
その頃、兵士達は「狩りの始まりだ!」と奮起していた。
ソンシムは、怪物になっても愛娘の事を覚えていました。それほどに母親の愛というものは、深いのですね。
集中砲撃を受けながらもチェオクを守る姿に、胸を打たれました。
怖いんだけど涙も出て来る、切ないホラー・サスペンスになって来ましたね!
第7話/鬼
テサンの計画は、手製の縄を使って部屋から降りて行き、ガッピョンが運転する警察のトラックに乗って、石川警務官達に紛れて脱出する…というもの。
時間が足りない中、女性を優先した。
しかしそこへ兵士の一人がやって来てしまい、ヨングァンが咄嗟に銃で殺害。その音に他の兵士達が気付き、計画は崩れようとしていた。
来る兵士達に備え、机などでバリケードを作ったテサン、チェオク、ヨングァン。たどり着いた兵士達に集中砲火を浴びせられるが、静まったところをふい撃ちして相手のほとんどを葬った。
しかし、その際にヨングァンが腹を撃たれてしまう。
彼はチェオクに鑑札の付いたネックレスを託し、「母に会いたいと伝えてくれ」と言って息絶えた。
向こうの生き残った兵士達が怯んでいる間に、最後まで残っていたチェオクと愛国軍の1人が部屋を脱出したが、テサンは敵を引きつけると言って部屋に残ってしまう。
チェオクは後ろ髪を引かれる思いで、病院を後にした。
ーー
目隠しをされたジュンテクが、父の目の前に届けられる。ナウォルは父親に会釈をして、その場を去った。
その後、石川警務官の前には明子が降ろされ、2人は再会した。
一方病院では、相馬が朝鮮人達の脱出の手引きをした事が判明し、院長が激怒している。
しかし加藤は空になった湯呑みを見付け、誰がこの中身を飲んだのだ?と兵士達に聞いていた。
テサン・チェオク・明子・相馬の中の誰かが、ナジンを摂取したのだ…。
ーー
京城では、祭りが開催されて車が通れなくなっていた。
そのどさくさに紛れて、脱出した朝鮮人達は各々散って行く。
ナウォルはテサンが脱出しなかったという事を聞くが、「チャン社長は、そういうお方です」と言い気丈に振る舞った。
その後警察官達が警棒を持って市民を弾圧。計画されていた祭りは終わった。
ーー
由紀子は明子が脱出し、旦那と再び逢瀬している事実を知った。
平謝りする院長に「どんな支援も惜しまずやって来たのに…。今行っている実験から、手を引きなはれ!」と言い激怒している。
しかし院長は食い下がり、由紀子に実験の成果を見せる。
そこには、怪物の絵とソンシムの身分が記載された書類があった。
院長は「随分前に、前田様から特別な管理をお願いされていた朝鮮人の女です」と伝えた。
ーー
加藤は、依然解決しない湯呑みのナジンの事を考えていた。
「誰だ。誰がこれを飲んだんだ…?」
その頃、石川警務官と明子はゆっくりと床についていた。
明子の頬の内部に何かが這っている。それは脳に侵入しようとしていた。
ここでの脱出劇、ワクワクしました!たくさんの人々の手を借りていて、テサンの人望の厚さが見て取れましたね。
最初は行けすかないヤツでしたが、今では男気もあるし最高の人柄です。
予想はしていたけれど、ヨングァンは可哀想でした…。このあと、お母さんにネックレスが届けられて悲しいけれどホっとしました。
そして驚いたのは由紀子。ソンシムの事まで知っていた?2人の間に一体何があったのでしょうか。
さらに!湯呑みにいたナジンの行方は明子だったという事が判明しましたね。
石川警務官は大ピンチですが、明子に殺されてしまうのでしょうか…!?(別にいいけど…)
第8話/自覚
明子はナジンを摂取してしまったため、人々を喰い始めていた。
彼女は、由紀子に「赤ちゃんのため」と騙されて、オンソン病院に閉じ込められていたのだ。
その由紀子は、院長の生体実験を見るために病院を訪れる。怪物を見て「まだ生きてたのですね、ソンシム先生」と呼んだ瞬間、怪物は暴れ出した。
一方、警察が介入した京城の本町では、テサンの計画に協力した商店の人々やガッピョンが捕えられていた。
ナウォルやチェオクも含め、皆が絶望感に包まれながらテサンの帰りを待っている。
ジュンテクは酷い拷問を受けたせいで、布団にくるまったまま正気を失っていた。
ーー
テサンは重傷を負いながらも、なんとか生きながらえていた。
由紀子を見付けると、警官に扮して近付き「ここから出るために協力をして欲しい」と懇願する。
驚いた由紀子はテサンを連れて自宅へ戻り、意識を失った彼を4日間看病した。
おかげでテサンは回復し、ナウォルが待つ自宅へと戻るのだった。
ーー
警察署にテサンが現れ、商人達を釈放するように申し出る。逃した朝鮮人の事は知らない、と通す。
石川はすぐに頷く事はしなかったが、問答しているうちにオンソン病院では何が起こっているのかと言い始めた。
京城では、脳を抜き取られた不気味な遺体が多く見付かっている。石川は、明子がおかしくなっている事を知っていた。
彼女を匿っていた宿の人間も同じような状態で死んでおり、泊まっていた明子がいなくなっていたのだ。
するとテサンは、情報を教える代わりに商人達を釈放するよう、取引を持ちかける。
やっと釈放された商人達は拷問され重傷を負っていたが、無事に店に戻って行った。
テサンは、ナウォルからチェオクがずっと待っていた事を聞いて会いに行く。
2人は再会し抱き合って、「会いたかった」と想いを通じ合わせた。
ーー
石川は由紀子に、オンソン病院について聞き出そうとする。
由紀子は「政略結婚だったのだから、聞く権利は無い。何をしても良いけれど、子どもを作るのは違うでしょう」と一蹴した。
石川は「テサンには女が出来ましたよ。ユン・チェオクというトドゥクンだ。看病までしたのに残念でしたね」と言い残しその場を去る。
その頃テサンとチェオクは、仲睦まじく本町を歩いていた。
そこへ、警官を喰って口を血だらけにした明子が現れ、襲いかかって来た。
ーー
由紀子は加藤の元を訪れ、怪物の事を更に詳しく聞き出す。
加藤は怪物について、「ナジンを摂取しただけの段階では、攻撃性が強く人間の姿をした捕食者となり、人間としての意識も持っている。その後炭疽菌が注入された血清を投与すると、ソンシムのような怪物が出来上がるのです」と説明した。
由紀子が弱点はあるのかと聞くと、日光と火と窒素ガスに弱いと言う。
まさに明子は今「捕食者」であり、人間としての意識も持ったままの錯乱した状態であった。
明子がぁ〜!目から脳みそ吸うとか…エグ過ぎる!!それでいて人間としての意識もあるなんて、地獄以外の何ものでもありません。
商人達(特にガッピョン)の拷問は酷かった。これは「昔の事」ではなく、今でもどこかの紛争地域で行われているんでしょうか。平和を願います…。
そんな中、テサンとチェオクの心が通じ合ったシーンには心からほっこりしました!!
あんなに勇ましかったチェオクが、嬉しそうにテサンの腕を掴み、1人の可愛い女の子になっていて、ずっと幸せでいてくれ!!と思いました。
が、そんな事は無いのですね…。クリーチャーとなった明子にどう立ち向かうのか。あとの2話はイッキ見必須です!!
第9話/野蛮
由紀子は、加藤にナジンについての詳細を聞き出すと「院長は本国へ帰らせるので、貴方が責任者となり実験を成功させなさい。支援はいくらでもする」と言う。
由紀子の目的はソンシムであり、彼女を完璧に服従させて欲しいというものだった。
ーー
明子は警察に包囲される。駆け付けた石川に助けを乞うも、石川は「オンソン病院へ戻れ」と突っぱねる。
すると明子は、泣きながら石川に飛び付き馬乗りになって攻撃した。
慌てた警察官達が明子を銃撃。明子は倒れ、檻に入れられた。
ーー
チェオクがジュンウォンの部屋を訪ねると、中はもぬけの空で「夫として、母さんに会いに行く。チェオクは自分の道を生きなさい」と置き手紙があった。
ジュンウォンは降参しながらオンソン病院へ行き、改めてソンシムの姿を見ると号泣。そして投獄されてしまう。
落ち込み弱気になっているチェオクに、テサンは「私達にも良い時代は来る。ずっと一緒にいてください」と励まし、2人は抱き合ってキスを交わした。
ーー
明子に殺された、石川の告別式が執り行われた。
結局事実はねじ曲げられ、マスコミはこぞって朝鮮人のせいで死んだと報じた。
次に向こうが狙うのは、京城の一般市民か、全てを知ったテサン達。
守りたい人が出来たテサンは、命を懸けようと決意し、回復したジュンテクに連れられ愛国軍に入った。
そして爆弾を準備するよう手配する。
ーー
チェオクは、希望のないこの世で夢を見る事を恐れていた。
やるべき事を見失いそうで、そんな自分の弱さが怖いと。
そして、心の中でテサンに別れを告げ銃を持ち、石川の葬儀に来ていた一路院長に向かって引き金を引く。
院長が倒れた直後、警察官に撃たれてしまった。
一報を聞いたテサンがチェオクの元に向かうが、現場の警官から、院長を葬ったあと突然チェオクの姿が消えたと言われる。
ーー
目覚めたチェオクは、由紀子の元にいた。ソンシムを知っている由紀子は、不気味に微笑む。
その頃オンソン病院では、怪物が檻を破って逃亡。
どこにいるかわからない怪物をおびき出すために、加藤はエサを準備しろと言ってジュンウォンを牢獄から連れ出す。
ーー
大事件が起こったのに町がやけに静かで、警察は院長の死をも隠蔽しようとしている。
不審に思っているテサンの元へ、由紀子が尋ねて来た。
そして、「チェオクは死んだ。何もかも忘れて以前のチャンさんに戻ってください」と言う。
チェオクを諦め切れないテサンは声を荒げるが、由紀子は「チェオクには2度と会えません」と言って去ろうとする。
それでも諦めませんと言うテサンに、昔ナウォルは拷問を受け、テサンの母の名前を出した事、ガッピョンも先日拷問され全てを話した事、ジュンテクも拷問の末今回関わった全ての人の名前を出した事などを明かし、身近な人だからと信用するな、1番貴方を守ろうとしているのは私だと話した。
しかしテサンは、彼らも拷問さえ無ければ、こんな世の中じゃなければそうはならなかった。と仲間を信じ、信念を貫き通す。
そして由紀子に「このご縁もここまでですね」と言って決別した。
そんなテサンに心を打たれたガッピョンは、命懸けでチェオクを探す事を約束した。
この回はもう泣きっぱなし。ジュンウォンの家族に対する愛、チェオクの「普通」でいる事に対しての恐怖。
なぜユン家はこんなにも不幸なの?「服従させたい」って、由紀子は一体ソンシムに何をされたの!?何でそんなに恨んでいるの!?
誰もが羨む美人で地位もお金もある女性が、ここまで一般家庭の女性に入れ込む理由が知りたいですね。
そんな中、テサンのまっすぐな人柄、由紀子に対してきっぱりと絶縁を言い渡す姿…パク・ソジュンの魅力が溢れ出ていました♪
院長はやっと死んでくれてスカっとした。でももっと苦しみながら死んで欲しかったな…。
第10話/Tear
テサンを裏切り逃げ出した下男が戻って来て、チェオクの居場所をテサンに伝える。
テサンはありったけの爆弾を背負い込み、一人で病院へ向かう。
チェオクは再び、怪物のエサとして加藤に連行されていた。なんと加藤は、怪物になったソンシムが、娘・チェオクと夫・ジュンウォンのどちらを先に喰べるかを実験すると言う。
すると怪物が現れ、捕らわれているチェオクを見た途端怒り狂って暴れ出した。
ーー
幸本は、東京へ帰る支度をしていたが、兵士の一人からソンシムの夫が病院へ来ていると聞く。
一方テサンは爆弾を使って病院内部に潜入。途中、兵士から逃れて来たジュンウォンと合流していた。
チェオクは院長殺しで指名手配されているため、2人で海外へ逃げてくださいと言うテサンに、ジュンウォンは「自分の妻の最期を見届けたい。未来を生きる貴方とチェオク、2人が逃げてください」と説得。
爆弾を預かって、怪物になった妻と対峙する事を決心した。
ーー
加藤は、怪物から逃げる前に自室に戻り、血清や炭疽菌の入った試験管を持ち出そうとする。
しかし怪物はすぐそこまで迫っていた。逃げようとした際、檻の中にいた明子の声を聞く。彼女は生きていたのだ。
テサンは無事にチェオクと合流。兵士を倒しながら、出口へと向かう。
一方ジュンウォンは、至る所に爆弾を仕掛けて怪物を待っていた。
そして怪物が来た時、「ソンシム…私の妻よ。私と一緒に行こう」と涙を流しながらその姿を見る。
次の瞬間、たくさんの爆弾が爆発。病院は炎に包まれた。
泣きじゃくるチェオクにテサンは、「お父さんに頼まれたんです!貴方を無事にここから助け出すと」と諭した。そんな2人を、炎から逃げていた幸本が見つめていた。
ーー
幸本の手引きで病院の外に出たテサンとチェオク。
その後も2人を脱出させようと協力する幸本を、「もう関わらない方が良い」とテサンが止める。
幸本はチェオクに「貴方と貴方のお母さんに起きた事、謝ります。今まで時代のせいだと思って来ましたが、自分はただの傍観者でした」と謝罪した。
その頃、怪物は片腕を失いながら、フラフラと病院の外に向かっていた。
ーー
病院から逃げ出したテサンとチェオクは、本町へ向かう。
情報屋からの便りで2人の無事を確認したナウォル達は、多くの金銭を用意。下男が「挽回したい」と言って運ぼうとしたが、それを警察官達が見張っていた。
チェオクは「貴方を巻き込みたく無い」と1人で逃亡しようとするが、テサンは「一緒に行く」と言って腹を括る。
しかし下男との待ち合わせ場所にいて落ち合うと、そこへ由紀子が登場する。「どうしてもその朝鮮女の為に全てを捨てるのか」と問われたテサンは、真っ直ぐ前を見て「前に話した通りです」と曲げない。
由紀子は「前にもこんな風に友達を失った事がありました。それはその女の母親のせいだった。2人はここで死んでください」と言い残し、去って行く。
由紀子が残した多くの殺し屋達と戦う2人。
ピンチを迎えた時、片腕を無くした怪物が現れて加勢し始めた。
殺し屋達を次々と倒した怪物は、興奮状態に陥りチェオクと逃げようとしたテサンをも殺そうとする。
手が伸びて来た瞬間、チェオクがテサンをかばって怪物からの攻撃を受けてしまった。
チェオクは血を吐きながら「母さん、もうやめよう。この人は私が好きな人なの。母さんも辛いでしょう。もう、やめよう」と言って倒れ込む。
倒れたチェオクを抱きしめ、「一緒に生きるんだろ!!」と取り乱すテサン。
しかしチェオクは「桜、散ってしまいましたね…」と言い残し、息絶えてしまった。
ーー
加藤を探していた兵士が、牢獄の中で彼を見付ける。
そこには血だらけになったナイフと明子、そして赤ちゃんを抱いた加藤がいた。
加藤は赤子を見ながら「素晴らしい…」と呟いた。
ーー
石川の葬儀が執り行われている。そこへジュンテクが現れ「テサンからです」と言って由紀子に手紙を渡した。
そこには「さようなら」と日本語が書かれており、周りを見て不審に思った由紀子は逃げようとしたものの、葬儀場は爆発した。
ーー
テサンは、本職の質屋に戻った。平和を取り戻した本町は活気付いている。チェオクの事はひとときも忘れてはいない。
一方加藤は、顔面に大火傷を負いながらも助かった由紀子を見舞う。
そして、「オンソン病院を閉院する事になりました。貴方もご決断ください。このままここに残るのか、新しい可能性を切り開くのか」と笑みを浮かべて言いながら、由紀子に水の入った湯呑みを用意した。
ーー
チェオクは水中に落ちて行く。そこへ怪物が現れソンシムの姿になり、チェオクの頬を撫でる。
するとまた怪物に戻り、身体から触手のような物が出て来てチェオクを包んだ。怪物の身体から一つのナジンが出て来て、チェオクの口に入り込む。
するとチェオクは、目を覚ますのだった。
ーー
部屋で韓国が独立した時のテレビ映像を見ている、首の後ろに傷がある男性。彼が窓を開けると、ソウルタワーが建っている。
「ホジェ、そろそろ行こう」と呼ばれて振り返ったその男性の顔は、テサンに瓜二つなのであった。
シーズン2を観せる気マンマンの最終話でした!
- 明子の赤ちゃん(加藤ナイフで取り出したの?こわい)目が緑じゃん。加藤が育てるの?一体どう育って行くの?
- 助かったものの醜くなってしまった由紀子、加藤が淹れた湯呑みにはまさかナジンが…!?
- チェオク、怪物になっちゃうの?そもそもなんで水中に放り込まれたの?
- 由紀子とソンシムの過去が描かれてないじゃん!!ソンシムは先生で由紀子は生徒?患者だったの?
- そういえば、テサンの母に何があったのかも分からない!ナウォルとはどういう関係だったの!?
- ホジェって何者!?テサンの子ども?首の手術痕は何!?
- ウィ・ハジュンやっぱイケメン!!イカゲームの続編も観た過ぎる。
…以上筆者の心の叫びでした。シーズン2も期待しましょう!!
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