2024年8月7日に公開された、Netflix映画『ロロ・アンド・ザ・キッド』
制作国であるフィリピンでは、Netflix映画トップ10で1位を獲得しました。
犯罪を犯しながら懸命に生きる祖父・ロロと孫・キッド。
深い絆で結ばれた2人に、転機が訪れるー。
涙無しには観られない、クライム・ヒューマンドラマ。
30秒のCMで泣ける涙腺ゆるゆるのbeersyです!
公開からしばらく経って観ましたが、なんでもっと早く観なかったのか?と思うほど、心に残る素敵な作品。
観た人からの評価が高い、隠れた名作です!
この記事では、Netflix映画『ロロ・アンド・ザ・キッド』を鑑賞した筆者の感想やあらすじ、ネタバレ解説をご紹介します!
『ロロ・アンド・ザ・キッド』の評価&感想
- 感動度
- 5
- 脳トレ度
- 5
- 再鑑賞度
- 4
- サプライズ度
- 3
- 話題性
- 2
日本ではニュースにもなっていないし、危うく見逃してしまう作品でしたが、本当に観てよかった…。
ストーリーはなんとなく先が読めるし、感動作品の王道的展開。撮影アングルなども特に凝ったものではありません。
でも、じいちゃんの目の演技が強いんですよ…!!
日本で言うと北大路欣也さんみたいな眼力に、スっと心を持っていかれちゃうんです。
キッドの屈託のない笑顔も守りたくなる。彼はただ単に不憫な人生を歩んでいるので、当たり前なのですが。
やっている事は犯罪ですし、決して褒められたものではないのに、なぜこうも応援してしまうのか。
なんなら、作中の彼らの演技にこちらもまんまと騙されました。(特に最初)
このキャラ達には、説明し辛い不思議な魅力があるんですよね。
97分という短めの上映時間で、余計な事をしていないのもまた良い。
そんな魔法のような作品なので、泣ける映画をお探しの方には本当にオススメです!!
以下より重要なネタバレを含みます。
『ロロ・アンド・ザ・キッド』の主要キャスト
ロロ(じいちゃん)/ジョエル・トーレ(太ったおじいちゃん。路上生活をしながら、キッドを大切に育てている)
キッド/ユーワン・ミカエル・アレタ(ロロの孫。じいちゃんが大好き。礼儀正しく、頭の回転が早い)
タバ/デイビット・シャウダー(質屋の店主。ロロ達の犯罪を黙認している)
ネタバレキャスト
大人になったキッド/J.K.ラバホ(立派に育ったオールド・キッド。ロロと再会した時は号泣しつつも、身体を気遣う)
『ロロ・アンド・ザ・キッド』のネタバレ
ロロとキッドの生活
少年・キッドとロロ(じいちゃん)は、ホームレスのフリをして、手を差し伸べてくれた善人から金を盗む生活を送っていた。
物を盗った時は、質屋のタバの元へ行き売りつける。
お金が入った時は、遊園地に行ったりカラオケに行ったりして、安いホテルに泊まる。
2人はとても仲が良かったが、ロロはキッドに「このような生活をしていても、礼儀作法は忘れるな」と教育していた。
しかしキッドは学校に行っていないため、文字の読み書きなどが苦手だった。
ーー
ある時、いつものようにターゲットを絞り、豪邸の前でホームレスを装っていると、サンドラという女性が引っかかる。
彼女は、自分も両親を早くに亡くし、施設を転々としたのち養子に出され、学校へ行けたから今の生活があると言った。
独身で、家族を持つ事に抵抗があるらしいが、キッドの事を私に手伝わせて欲しいと提案する。
寝床も用意してもらったが、夜になるといつものように2人は盗みを始め、家を脱出しようとした。
しかしロロが上を見上げると、サンドラは起きていて悲しい表情で2人を見下ろしている。
流石のロロも、彼女の境遇を思うと良心が痛むのであった。
酷い犯罪ですし、なんで捕まらないの?と思いますが、あまりにも哀れで通報する人が少ないのでしょうか。
サンドラもそんな目で2人を見ていました。
ただただ教育を受けられないキッドが可哀想です。フィリピンには生活保護とか無いのかな?
キッドの過去
キッドは、学校に通っていれば小学1年生。
サンドラからの話を聞いて、学校に興味を持つようになったが、ロロは「学校で学ぶ事は路上でも学べる。世の中には騙す方と騙される方しかいない」などと言って考えさせないようにした。
しかし数日後、今度はゲイカップルを騙して逃げようとすると、キッドが車に轢かれてしまう。
騒ぎに気付いたゲイカップルが病院に付いて行き、キッドは幸いにも軽傷だったが、ロロは彼らに罵られ、金と引き換えにキッドを置いて病院を出て行った。
しかしキッドは病院を抜け出しロロの元へ戻り、「ロロは絶対に僕を置いていかない。一生相棒でしょ?」と言って笑顔を見せた。
ロロは怪我を負ったキッドを心配したが、「一生相棒だ」と言って抱きしめた。
怪我から回復すると、ロロはキッドが行きたがっていた海へ連れて行く。
タバからもらったインスタントカメラで写真を撮り、たくさんの話をした。
ーー
実はロロは数年前、何もかもを失って路上で死のうとした時、捨てられていた赤ちゃんを拾った。
ロロは神からの贈り物だと思い、その赤ちゃんを懸命に育てる。
のちに、飲食店で名前を聞かれ、別の客が映画の「ベスト・キッド」の話をしていたのを聞き、「キッド」と名付けたのだ。
翌朝ロロは、キッドに「お前を愛してる」と言い、キッドも「ずっと相棒だよ。僕も愛してる」と言って笑った。
キッドは捨て子だったのですね。しかもゴミ捨て場に。
抱き上げた時のロロが、まさに天を仰いでいるのを観て、これはロロに課された試練…いや、ロロを救うたったひとつの贈り物だったのかなと思いました。
こんな環境で、よく育てたなぁ。
ロロの決断
後日、今度は小さい子どもを亡くした両親が、ロロとキッドの罠に引っかかる。
その両親は、キッドを養子にしたいと言ったあと、ロロに「引き離すつもりは無いから、キッドに会いたくなったらいつでも来て欲しい。あなたも支援したい」と提案した。
夜になると、キッドはいつものように戦利品を持って門へ行き、ロロを探す。
「早く行かないと捕まっちゃうよ」と言うと、ロロは門の外から「あの人達ならお前を愛してくれるし、学校も行けるぞ。間違っても俺のような人生は歩んで欲しく無い」と言って、去って行った。
キッドは号泣して「じいちゃん!嫌だよ!」と引き留めるが、ロロは耳を塞ぎ泣きながら逃げて行く。
その後もキッドはロロを探して、タバの店先にうずくまるが「ロロはここにも来てないし、いつもの店にも行ってないようなんだ」と言われて泣き、タバは優しく抱きしめた。
ーー
立派に成長したキッドは、大学を卒業し就職する。養父母も変わらず愛を注ぎ、幸せに暮らしていた。
ある朝、病院からキッド宛てに電話が入る。
意を決して病院へ行くと、髭を生やして横たわっているロロがいた。
ロロは、成長したキッドに気付くと、驚きと喜びの表情を浮かべる。
ほとんど話す事は出来なかったが、「外に出たい」と言ってキッドと共にタバに会いに行った。
ロロはタバにインスタントカメラを差し出し、高値で買ってもらう。タバも思わぬ訪問者を歓迎した。
ーー
そして2人は、よく時間を潰していたカラオケへ。
あの時のように、2人でデュエットをして楽しんでいた。
しかし途中、ロロは眠るように息を引き取る。
キッドは「また置いていかないで、じいちゃん…」と泣きながらロロを抱きしめた。
ーー
ロロの遺体が運び出されると、キッドはロロが持っていたリュックの中を見る。
するとお菓子の缶の中に、インスタントカメラで撮った大量の写真が出て来た。
見てみると、昔2人で撮ったものから、大学の卒業時までのキッドがおさめられている。
実はロロは、いつもキッドのそばにいてその成長を見守っていたのだ。
キッドはロロの想いを抱きしめながら、1人号泣するのであった。
キッドの養父母は、ロロの事をずっと支援していたのではないでしょうか。
そして成長も都度伝えていたけれど、ロロがキッドに会う事を拒んでいたのかな。キッドのために。
本当に優しい両親に会えて良かった。
キッドの出生は酷いものでしたが、血が繋がっていない人達に愛をたくさん貰って、素晴らしい男性に成長した事にオバチャン感動の雨嵐です。
ロロのした事は間違っていたけれど、不器用だったけれど、真実の愛を伝えていたのは確かですよね!
久しぶりに嗚咽もらすほど泣きました。笑
『ロロ・アンド・ザ・キッド』が好きな人にオススメの映画
映画『ロロ・アンド・ザ・キッド』のような、感動的なクライム作品はこちら!
レオン
愛なのか、家族愛なのか、どちらとも言えない深い絆で結ばれたマチルダとレオンの物語。
何年経っても何回観ても泣ける…!!
激しい銃撃戦やショッキングな描写があるので、『ロロ・アンド・ザ・キッド』のようにほっこりとは言えませんが、号泣必至の殺し屋と少女の深い愛の物語です。