営業職を務めるごく普通の家庭の父親…そんな彼が娘の彼氏を殺害したことをキッカケに半グレ犯罪組織との壮絶な戦いに巻き込まれたのがドラマ『マイホームヒーロー』のできごとでした。
映画では完結編を迎え、過去を隠し続けた父と真実を追う刑事となった娘の交錯する物語が描かれます。
主演は佐々木蔵之介、齋藤飛鳥、高橋恭平(なにわ男子)、木村多江、音尾琢真ら、さらに津田健次郎や板倉俊之(インパルス)、立川談春といった実力派キャストが集結。監督は青山貴洋、主題歌「インソムニア」はEveが担当。
この記事では、映画『マイホームヒーロー』を劇場観賞したネタバレ解説をご紹介していきます。
どんな映画?おすすめポイントを紹介!
マイホームヒーロー
- 未体験
- 5
- 感情移入
- 4
- 再鑑賞
- 3
- 予測不可
- 5
- サウンド
- 3
平穏な暮らしをしていたお父さんが再び窮地へ!?津田健次郎演じるボスに冷や冷やされつつ読めないストーリーが魅力となる映画!
評価は年間100作品以上を鑑賞する執筆者こでぃもの実体験をもとにしています。
ストーリー
ドラマの内容を知らなくても、映画の冒頭でおさらいがあるので安心!恭一と哲雄の人間味を感じさせるやり取り、哲雄と妻の協力など、ドラマの描き方も見てほしいなと思いますが…。
映画から見てドラマを見るのもストーリーとしてはおもしろいかもしれませんね。
演出
演出はドラマの延長という感じがある中、落ち着いて見れるのが助かりますね。というのも、ストーリーの構成上、痛々しい拷問や血しぶきが上がるシーンも少なくないので…思ったよりかは、凄惨な演出が少ないです。
それでも、志野の異常さが見受けられる演出にハラハラしたり、哲雄の落ち着いた判断・演技は特に魅入ってしまうことでしょう。
その作品ならではの切り口
「哲雄は殺人を犯し、平穏な暮らしを送っている」これだけで他の作品とは違った切り口だと思えますよね!哲雄には5歳の息子もいるというストーリーから始まる今作の映画。
果たして何が起きるのか、哲雄がどうなってしまうのか、気になること間違いなしです!
おすすめポイント
人間ドラマを丁寧に描いてきた中、映画では端的な感じでお話が進んでいくこともありましたね!なので、「この登場人物の背景をもっとじっくり見たかったな」と思う人もいるかもしれません。
それでも、新しく登場する志野を中心に、個性がしっかり伝わってくる演出が多いのが見ものですよ。哲雄の行方をしっかり見守ってくださいね。
以下より重要なネタバレを含みます。
ネタバレありで解説!
発見された遺体
哲雄は延人を殺し、彼の父親が自害するのを見届けて7年の月日を過ごしていました。延人の父親を埋めた山が土砂崩れとなったことで死体が見つかった…刑事の安元は現地を見に来ていた哲雄を怪しみ始めます。
間野会も哲雄を探しており、会長の指示により殺し屋の窪は哲雄の家を放火。会長の志野は延人の父親が持っていた10億円を渡さなければ家族を殺すと脅しました。
哲雄は安元が会を壊滅させると考えていたため、彼にすべてを託そうとしましたが…警察内部の裏切り者により殺されてしまいます。哲雄は小説投稿サイトで知り合った男・大沢と協力する決意を固めました。
序盤から展開が二転三転していくのが見どころの今作!ダイジェストであらすじを書きましたが、哲雄の危機感や覚悟を決めた表情などが忘れられませんね。
安本は間野会を潰そうと意気込んでいましたが…まさか警察に内通者がいるとは驚きです。哲雄が娘に全てを話そうとしたり、自首も考えているあたりからストーリーの結末を予期させていたかもと思いました。
哲雄と協力者
大沢は7年前に延人の父親の遺体を運ぶ哲雄を目撃しており、得意のハッキングにより会を追い詰める情報を持っていました。フリーライターの父が窪に殺されたことをキッカケだとかたる大沢…哲雄は彼の協力を得て、廃墟に窪たちをおびき出します。
10億円を受け取りに来た窪と仲間たちは廃墟を探し、大沢は窪を殺そうとして返り討ちに遭います。哲雄は志野を追おうとしましたが、大沢が心配で探しに来たことで窪に襲われてしまいました。
哲雄は持っていた銃を奪われたため、逃げようとすると…大沢が作った銃が暴発し、窪は負傷。隙をついて大沢は彼を殺しました。車に向かった哲雄は恭一に見つかり、観念したかのようでしたが…恭一は志野に電話し、哲雄と10億円を渡す代わりに間野会に戻してくれと交渉したのです。
大沢は間野会を潰そうとしていた一般人。安本に情報を渡すことも考えていたようでしたが…哲雄と共に行動を起こそうとするのにはワクワクさせられましたね。そんな大沢が作っていた銃を利用して窪を負傷させる展開もすごい!殺し屋相手に奮闘するのが見どころでした。
哲雄の前に立ちふさがったのはまさかの恭一。彼を見つけたのは、捜査一課に配属されたばかりの零花だった…彼女は安元の話を聞いて恭一の居場所を突き止め、7年前のことを聞いてしまうとは驚きでした。
決意
志野は仲間と共にやって来て、恭一と哲雄に10億円の元に案内させます。哲雄は海の小屋に案内し、恭一が小屋から出たのに合わせてガソリンを散布。志野は出口が塞がれていると気づいて慌てました。
恭一は哲雄が命懸けの作戦に出ると知って協力しましたが…零花が使っていたGPSを起動させ、自身は哲雄の家族の元へ。零花は小屋の入口を破り、哲雄を止めようとすると志野は刃物を向けます。哲雄は隠し持っていた発煙筒の存在に気付かせ、零花は散布されたガソリンに火をつけたことで小屋から脱出。
哲雄は妻と息子が無事だったことに安堵し、延人殺害の罪を自白して零花は涙を流しながら手錠をかけました。間野会はこれまでの悪事が記録されているデータが警察に渡ったことで壊滅。その後、哲雄は刑務所で罪を償うのでした。
延人の父親が持っていた10億円。哲雄はこのお金を処分してしまうと、もし間野会に見つかってしまった時に交渉できないと考えていたようですね。そうした判断を志野も買っていましたが…哲雄の妻と息子を人質にして傷つけることを辞さない姿勢にハラハラしました。
哲雄は零花に全て打ち明け、自責の念もあったと思いますが…刑務所で罪を償うという結末を見届けられてある意味、良かったなと思いました。
こちらもオススメ!
時効となった事件や未解決事件を題材にした、人間ドラマ・サスペンスなどを描く映画を紹介!
22年目の告白 -私が殺人犯です-
とある連続殺人事件が起きて22年。事項となった事件の状況を描いた本を出したのはなんと殺人犯だったのです。警察は真相を追うため捜査を進めますが、報道やSNSによって混乱も…果たして事件の真相とは?
サスペンスとしてハラハラしながら見れる映画!藤原竜也演じる殺人犯の謎めいた&巧妙な表情、事件を追う真剣な姿が印象的な伊藤英明。どちらの演技にも釘付けになってしまうことでしょう。
事件の告白を本で出版するという点も今作ならではの見どころですよ。
『22年目の告白 ‐私が殺人犯です‐』を観る方法
罪の声
1984年に発生した実在の未解決事件「ギセル事件」をモチーフに、事件から15年後を舞台にして描く作品。一通の手紙をきっかけに事件の真相に迫っていく過程に注目です。父親が事件に関与していたかもしれないという疑念に苛まれる息子と、事件の真相を追う記者が中心となり、真実を明らかにしようとしていきます。
小栗旬と星野源によるバディムービーとしても見入ってしまう映画。一つの事件の真相を追う2人の真剣な姿がポイントですね。
事件によって生じた人々の心の傷が伝わってきたり、時間が経過しても消えない罪の重さを描くのが映画『マイホームヒーロー』を思わせますね。
『罪の声』を観る方法