2025年4月9日にNetflixで公開された映画『僕と、パパと、ホントのパパを見つけるまで』
家族を顧みず仕事をしていたガジョは、息子のベニートが自分と血縁関係ではないと知った。
親子仲の良くない2人は、本当の父親を捜しに旅に出るー。
メキシコの、ヒューマンドラマ・ハートフルコメディ・ロードムービー。

ハートフルな映画を観ては、我が子を大事にしようと誓うbeersyです!
メキシコ映画はアクションしか観た事が無かったのですが、本作のような「家族愛」を深く描いた作品も素晴らしい出来栄えでした。
子供がもう少し大きくなったら一緒に観たいなぁ。
この記事では、Netflix映画『僕と、パパと、ホントのパパを見つけるまで』を鑑賞した筆者の感想やあらすじ、ネタバレ解説をご紹介いたします!
『僕と、パパと、ホントのパパを見つけるまで』の評価&感想
- 感動度
- 4
- 脳トレ度
- 3
- 再鑑賞度
- 3
- サプライズ度
- 3
- 話題性
- 2
題材としてはオーソドックスで、パンチが弱そうだな…と思いつつ視聴。
オープニングから、全く育児に参加をしていない主人公・ガジョが登場するのですが、演じているミシェル・ブラウンが渋くて良い!
こちらの俳優さん、母国のアルゼンチンやスペインなどで人気を博しており、歌手やテレビ番組の司会者もこなしているそうです。
ネトフリ映画『カウンターアタック』の時も思いましたが、メキシコやアルゼンチンの俳優さんは、ガチムチのスタイルと精悍なお顔立ちを持ち合わせていて本当に素敵。
メキシコ映画をもっと観てみなきゃと思いました…!
そして、本作でひと際輝いていたのがベニート役のマルティーノ・レオナルディ。
両親が離婚したせいか、妙に落ち着いていて達観したような子供…という難しい役を見事に演じていました。
とにかくシンプルに、オーソドックスに作られた本作。
84分という短い作品ながら、温かいストーリーのみならずコメディも満載です。
そして、メキシコの街並みがたっぷり堪能出来ました!
以下より重要なネタバレを含みます。
『僕と、パパと、ホントのパパを見つけるまで』のネタバレ
アリシアの秘密
テレビプロデューサーとして、日々仕事に追われているガブリエル・ガイタン、通称ガジョ。
元妻・アリシアとの間に一人息子のベニートがいるが、いつも仕事を優先してしまうため関係は良くない。
沖縄料理屋で寿司を食べているガジョに会いに来たアリシアは、「マドリードでコンサル会社の経営をしないかと打診されたので、ベニートを連れて引っ越す」と伝える。
息子と離れる事になったにも関わらず、ガジョは「素晴らしい!ベニートにはヨーロッパを見せたかったんだ。良いじゃないか」と即答し、日本酒を追加。
アリシアは彼の態度に激怒し「あなたの胸には心が無いの?彼の事を愛してる?」と聞いた。
ガジョは負けじと「ベニートのために働いて来た。当たり前だろう、俺の息子だ」と答えたが、アリシアは「どうかしら!?」と言ってハッとする。
驚いたガジョが「なんだって?」と聞いたが、彼女は答えをはぐらかし店を出て行った。
直後、外が騒がしくなる。
ガジョが店を出て行くと、アリシアは交通事故に遭っていた。
そしてその後、命を落としてしまう…。
ーー
ベニートは、しばらく祖母・エレナの家で暮らす事に。
一方、アリシアの最期の言葉が気になったガジョは、ベニートとの親子鑑定をすると、なんと「血縁関係は無い」という結果が出て愕然とした。
そして、ガジョはベニートに「私は君の父親ではなかった」と真実を伝える。
するとベニートはショックを受けながらも「本当のお父さんを捜しに行きたい」と言い出し、ガジョも一緒に捜す事になった。

ガジョからは愛が微塵も感じられませんが、本心ではどうなのでしょうか?
アリシアとは喧嘩別れのまま、永遠のお別れとなってしまいました。
しかしまさかの托卵!とにかくベニートが可哀想。今言わないでも良く無いか!?
母親を失ったばかりなのに、父親まで奪わなくても…。
本当の父親捜し
図らずも、母の歩んで来た足跡を辿る事になった2人。
ベニートが「おばあちゃんには聞きたくない」と言ってアリシアのスマホを持って来たため、中を調べる。
すると「フェデリコ・アルカンタラ」という男性と、アリシアが昔通っていたダンス教室のコーチから情熱的な留守電が入っており、早速会いに行ってみた。
しかしフェデリコは芸術家で、絵画のモデルとしてアリシアを描いていただけの関係らしい。
ダンス教室のコーチも、昔怪我を負った時にアリシアが世話をしてくれただけの関係であり、どちらも父親では無さそうだった。
ーー
次にベニートは、メキシコの歌手&俳優であるエリック・ルビンと写っている写真があるから、彼を調べて欲しいと言う。
ガジョが笑いながら「彼はハゲてるから違うよ」と答えると、ベニートは「僕もハゲて来たんだ」と言った。
するとガジョは「お前が今大変なのは分かってる。でも、頭が悲しんでいると髪は旅に出てしまうんだ。だから、髪が戻って来るように頭を笑顔にしてあげなきゃ」と言って励ます。
そして「エリックは友人だから」と言って、ガジョは意気揚々とテレビ局へ入った。
しかし、収録に現れたエリックに「忙しいから、またね」と素っ気なくかわされ、無理やり食い下がろうとするとSPに取り押さえられてしまう。
その際、アリシアのスマホが踏まれて壊れてしまい、本当の父親捜しの手がかりを失ってしまった。
ーー
今度は、アリシアの友人で、学習セラピストのディアナに協力を仰ぐ。
彼女もアリシアに他の男がいたとは知らなかったため、知り合いの女たらしのセラピーに話を聞きに行った。
そこで、アリシアが以前勤めていたハピネス社のオーナーである、エンリケ・ベガという男性が候補に挙がる。
ガジョとディアナは打ち解けて盛り上がるが、その夜ガジョに上司から電話が来て、彼が手掛けている番組が打ち切りになったと告げられた。
職を失ったガジョは、ベニートをディアナに任せ慌てて会議が行われるマイアミへ。
ベニートは諦めたような表情をし、ディアナは彼をエレナのもとに帰した。
ーー
空港へ行ったガジョは、偶然旧友と再会し喜びを分かち合う。
そして「1番に欲しいものは、もう手に入れているという事を知ったんだ」という彼の言葉を聞き、思い直して仕事を捨て、ベニートのもとへ戻った。

今まで向き合う事がほとんど無かった、一人息子との旅。
しかしそれが「本当の父親捜し」になるとは、なんとも皮肉なものですね。
すぐに見つかりそうな気もしますが、2人はどのような選択をするのでしょうか?
本当の家族
エンリケ・ベガのパーティーがアフスコ(メキシコシティの自然保護区)で行われると知ったガジョは、ベニートに会いに行く。
エレナから「ベニートはあなたに会いたくないと言ってるわ」と言われたが、ガジョは学校に押しかけ、ベニートに自分勝手だった行動を詫びた。
そして、共に父親捜しをすると約束し、ディアナと3人でエンリケのもとへ向かう。
ーー
パーティー会場に到着し、ついにエンリケを見つける。彼は気さくで誠実そうな男性だった。
ベニートは勇気を出し「アリシア・ウガルデを知ってる?僕のママなんだ」と打ち明ける。
エンリケは驚きつつも、「ママのお葬式に行けなくてごめん。メキシコにいなくて…。ママには幸せにしてもらったんだ」と言ってベニートを抱きしめた。
その様子を見ていたガジョは涙を浮かべ、ディアナが気を遣い「私が残るから、我慢しないで」と声をかける。
ガジョは「何もかも、本当にありがとう…」と言って、エンリケと話すベニートを見ながらその場を後にし、涙を堪えながら息子と過ごしたこの数日間を振り返った。
ーー
ガジョが、少しぼんやりしたあと車を発進させると、ベニートとディアナが走って来て車に乗り込む。
そしてベニートは「彼じゃなかった。帰ろう」と言った。
驚いたガジョは涙目のまま、まだエリック・ルビンとは接触出来ていなかったため「捜しに行く?」と聞く。
するとベニートは「平気。もう髪は抜けてないよ」と言って微笑んだ。
ガジョは嬉しそうにホッとひと息つき、笑顔で前を向くのだった。

ベニートは、やはりガジョと生きる事を選んだようです。
この数日間で、親子の絆は確固たるものになった事でしょう!
アリシアも空で喜んでいるだろうなぁ。
若干、ガジョはディアナとどうにかなるのかと思いましたが、まさにシンプルな終わり方をしたのでスッキリしました!
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