2024年11月29日に公開されたNetflix映画『スノーシスター』
ノルウェーの児童書・ベストセラー小説を映画化した作品。
姉を亡くし、悲しみに暮れ初めて迎えるクリスマス。
少年の前に現れたのは、元気いっぱいのおしゃべりな女の子だった。
クリスマス・ミラクルが起こる映画が大好物なbeersyです!
観ているだけで思わず凍ってしまいそうな、冬のノルウェーの大自然を楽しめる作品。
不思議少女・ヘドヴィクの笑顔にたまらなく癒されました!
この記事では、Netflix映画『スノーシスター』を鑑賞した筆者の感想やあらすじ、ネタバレ解説をご紹介いたします!
『スノーシスター』の評価&感想
- 感動度
- 5
- 脳トレ度
- 3
- 再鑑賞度
- 3
- サプライズ度
- 3
- 話題性
- 3
今回の舞台はノルウェー!ネトフリのクリスマス映画は今年何本目だろうか?
よくあるラブコメとは違って、家族の大切さや友情を描いたファンタジー・クリスマスムービー。
なんとなく結末は予想出来ちゃいますが、原作が児童書のため分かりやすく楽しめます。
主人公の両親にはいささかイラっとさせられますが、嫌なキャラが出て来ないので安心して観られました!
画面越しにも伝わるノルウェーの寒さ、家の中の煌びやかさ、そして人柄に惹かれます。
ちょっと切ないほっこりストーリーは、ドタバタラブコメに少々疲れた身に染み渡りました。
子役2人は新人俳優らしく、あまり情報が出て来ないのですが、ムディット・グプタ(ユリアン役)」、セリーナ・マイヤー・ホヴランド(ヘドヴィク役)の将来も楽しみでなりません!
以下より重要なネタバレを含みます。
『スノーシスター』のネタバレ
不思議な少女との出会い
少年・ユリアンは、今年の5月25日に姉であるユニを亡くし、悲しみに暮れていた。
学校で1番の親友ヨンとも、なんだかうまくいかなくなっている。
ユリアンには妹のアウグスタがいるが、ユニが死んだ事を理解していない。
両親は暗く塞ぎ込み、ユリアンが何をしても笑顔を見せてはくれなかった。
もうすぐクリスマスだけれど、ユニのいないクリスマスをお祝いするムードにはならない。
貧しい家で、暗い日々を過ごすユリアンだった。
ーー
そんな時、元気な少女ヘドヴィク・ハンセンが現れる。
ユリアンが水泳の練習を終えて外に出ると、彼女はニコニコしながら「お友達になろう!」と言って手を差し出した。
太陽のような笑顔で、おしゃべりなヘドヴィク。2人はすぐに仲良くなって行く。
彼女の家は立派な洋館で、いつも1人で住んでいるようだったが、料理をしたり部屋を飾りつけたりして楽しんでいた。
2人は雪の積もった庭に女性の雪像を作り、ユリアンは、自身の姉が16歳の誕生日直前に亡くなった事を明かす。
ヘドヴィクはユリアンを優しく抱き寄せ「目玉焼きは好き?」と言って、家に入り料理を始めた。
ーー
目玉焼きを待っている間、ユリアンは館の外に老人が立っている事に気付く。
それをヘドヴィクに伝え「親戚におじいさんはいるの?」と聞くと、彼女は「みんな死んだ。その話はやめましょう」と言って話をはぐらかした。
突然現れた、ちょっと強引で可愛い不思議な女の子、ヘドヴィク。
赤毛で赤い服を着ている彼女の周りは、なんだか温かく見えますね。
しかしこの感じ、ジブリ映画『思い出のマーニー』を彷彿とさせました。
現れた老人
ユリアンは「泳げるようになりたい」と言っていたヘドヴィクに、水着をプレゼントし泳ぎを教える。
しかし途中ヘドヴィクが溺れてしまい、自信を失くして落ち込んでいたが、ユリアンは「諦めなければ出来るようになるよ!僕はスケートが出来ないんだ。教えてくれる?」と言って励ました。
その夜、ユリアンが街を歩いているとあの老人を見かける。
気になって後を付けて行くと、印刷機の置いてある家にたどり着いた。
そこには無数の、美しいクリスマスの絵ハガキが飾られている。
老人はユリアンを見つけぶっきらぼうな態度をとるが、絵ハガキが欲しいという彼に「一枚持って行っていい。私はヘンリクだ」と言った。
ユリアンは礼を言って、家族が遊んでいる絵ハガキを選び「あなたを前に木立の館のところで見かけた。鍵を持っているのになぜ入らなかったの?」と聞く。
するとヘンリクは豹変し、「館に近付くな。帰れ!行け!」と怒鳴ったため、ユリアンは慌てて家を出て行った。
ーー
その後ユリアンはヘドヴィクにヘンリクの事を話すが、やはり何も語らない。
「あなたもお姉さんの話をしないでしょ」と言われたので、ユリアンはユニの事を語り始めた。
ユニは明るく優しい性格だったが、彼女に何かが起こって中学の頃から塞ぎ込み、食事をとらず極端に痩せてしまう。
病院に入院したが、結局治らず肺炎になって死んでしまった。
ヘドヴィクは「生前は良いお姉さんだったのね」と慰める。
しかし、ユリアンが家に帰りリビングにユニの写真を貼ると、両親に「まだあの子を想うのには時間がかかる」と咎められてしまった。
ーー
その後も、頑なに自分の事や家族の事を話さないヘドヴィクにイライラしたユリアンは、「何も話さない、隠し事のある人とは友達じゃいられない」と言い放つ。
「ごめんなさい、でも話せないの。行かないで」と言う彼女を置いて、立ち去ろうとした。
しかし悲痛な声を聞いて振り向くと、ヘドヴィクの姿がなくなっている。
館にも行ったが、中は暗く古びた部屋に変貌しており、ユリアンは愕然とした。
不穏な空気…。ヘンリクは一体何者なのでしょうか。
また、一体ユニに何が起きてしまったのか?
両親の悲しみは分かりますが、残された子供達の事も考えてあげて欲しい。
ヘドヴィクの秘密
するとそこへ、ヘンリクがやって来て「私の館で何をしているんだ?」と聞く。
ユリアンが「あなたの?でもここに住んでいないよね?」と聞くと、「あぁ。ここにいると妹の事を思い出してしまうんだ。50年前に死んだヘドヴィクの事を」と言った。
ユリアンが「死んだ…?嘘だ!」と言って館を飛び出すと、あれだけ煌びやかだった洋館は、廃墟と化していた。
ーー
12月23日。
ユリアンは意を決してヘンリクの元へ行き、ヘドヴィクの事を教えてもらった。
50年前、ヘドヴィクはヘンリクと湖でスケートをしていたが、ヘドヴィクが夢中になって奥の方へ行ってしまう。
ヘンリクが気付いた時には、彼女は氷の中にあった穴に落ちてしまい、泳げなかったため沈んでしまった。
以来ヘンリクは、クリスマスをお祝いせず絵ハガキだけを描いて生きている。
「妹は自分の事を怒っているか失望していて、心穏やかにこの世を去れないのかもしれない…」
そう呟くヘンリクに、ユリアンは「あなたのせいじゃない。彼女は、生きる事が大好きなだけなのかも」と言って励ました。
そして、ユリアンもユニの事を打ち明け、写真を見せて絵ハガキを作成してもらう。
帰宅後、大量に描いてもらったユニの絵ハガキを家中に飾り、両親とアウグスタが帰って来るのを待つ。
そして、帰って来て困惑している両親に「時間が必要と言うのはやめよう。姉さんの事を思い出して前に進まなきゃ、ユニが嫌がるよ」と言った。
両親は涙を流しながら、絵ハガキを見渡した。
ーー
ユリアンは両親に「友達を助けに行く」と言って、ヘドヴィクの墓前へ行き「ヘドヴィク。悪かったよ。親友に戻りたい」と呟く。
すると、どこからともなくヘドヴィクが現れた。
彼女は死にたくなくて、生きている人と話していれば生きられると思っていたが、自分に気付いてくれたのはユリアンと兄だけだったと言う。
ユリアンは「お兄さんは、事故は自分のせいかも、妹が怒っていて旅立てないのかもと苦しんでいたよ」と伝えると、ヘドヴィクは「湖に落ちたのは、私が興奮し過ぎてしまっただけなのに…。怒っているなんて、違うわ」と落ち込んだ。
そこでユリアンは「なら前に進むんだ」と言って、館で見つけたスケート靴を渡す。
ヘドヴィクが「でも私、消えるのが怖い」と言うと、ユリアンは「消えないよ。君はユニと一緒に僕の中で生き続けるんだ」と言って、抱きしめ合った。
そして彼女が「雪が降るたびに私を思い出してね」と言って凍った湖を滑り始めると、あの時作った雪像が舞い降り、一緒に空へ登って行く。
ユリアンは涙を流しながら、それを見送るのだった。
ーー
12月24日。
ユリアンの家は綺麗に飾り付けられており、今年は明るくクリスマスをお祝いする事に。
しっかりと前を向いたユリアンは、家族とヘンリクが見守る中、学校のクリスマスパーティーで元気に聖歌を歌う。
そしてギクシャクしてしまったヨンと仲直りして雪合戦をし、雪の舞う夜空を見ながらヘドヴィクを想った。
彼女から、何も消えはしないと教わった。
雪は水になり、水は涙にも雪にもなる。
心から好きな人は、ずっと消えない。
感動的なラスト!湖の上を美しく舞うヘドヴィク、ずっとユリアンの心に残る事でしょう。
でもあのCG丸出しの昇天シーンには、ちょっと興醒めしましたが…。笑
ユリアンの良い子っぷりには驚き。こんな小学生男子いたらすごいなぁ。
エンドロールの歌声がちょっと切なくて、ストーリーの余韻にじんわり浸る事が出来ました。
『スノーシスター』が好きな人にオススメの映画
映画『スノーシスター』が好きな人にオススメの、家族をテーマにした作品をピックアップ。
ラスト・クリスマス
1984年にリリースされた、ワム!のクリスマス定番曲「ラスト・クリスマス」から着想を得たストーリー。
ただのラブコメではなく見応えのある内容。そして訪れる切ないラスト…。
主演のエミリア・クラークがキュートで、愛おしくなる作品です!