1989年7月29日公開 映画『魔女の宅急便』
スタジオジブリの長編アニメーション映画。
角野栄子の児童文学「魔女の宅急便」を原作としており、宮崎監督の長編映画としては初の、他者の原作による作品となりました。
13歳の魔女の少女・キキが修行のため独り立ちし、見知らぬ街で紆余曲折しながら成長して行く物語。
この記事では、映画『魔女の宅急便』で流れる21曲をそれぞれのシーンの説明を交えてご紹介します。
※以下ネタバレ有り
『魔女の宅急便』で流れる曲
オープニング
キキが草むらで寝転がり、ラジオを聴いているシーン。突然旅立つ日を決めます。
また、キキのお母さんが魔法でお薬を作っているシーンには、子どもの頃憧れました!
爽やかな街の風景と、優しいオカリナの音色が印象的なワルツが堪能出来るオープニング。
アレンジも含め、作中にたくさん使用されています♪
キキが魔女の修行へと旅立つシーン
キキが魔女の修行へと旅立つシーンで流れた曲は、久石譲の『旅立ち』です。
キキがお父さんに「高い高い」をしてもらうシーンから、キキが飛び立って行くシーンまで長めに流れます。
家を出る前に、ちょっぴり甘えるキキ。娘を持つ身としては、お父さんの「上手くいかなかったら戻ってきてもいいんだよ」という言葉には大きく頷いてしまいました!
シーンごとに曲調が変わるので、この一曲だけでも楽しめます。
キキが空を飛びながらラジオを付けるシーン
キキが空を飛びながらラジオを付けるシーンで流れた曲は、松任谷由実の『ルージュの伝言』です。
松任谷由実は、日本のシンガーソングライター。愛称は「ユーミン」で、老若男女から愛されています。
キキがご機嫌に空を飛んでいるシーン。うまくアシストするジジもキュートです!!
ワクワクする明るいテンポのこの曲が、キキの心情とマッチしていて楽しくなりますね。
キキが列車から出て街に行くシーン
キキが列車から出て街に行くシーンで流れた曲は、久石譲の『海の見える街』です。
雨宿りのため入った列車から出て、海の見える「コリコの街」へと飛び立つシーン。
希望を持って大都会に入るキキですが、このあと車にぶつかりそうになり混乱を起こしてしまう。
大都会の少々冷たい洗礼を受けるキキを、応援したくなります!!
この曲は作中一回しか流れませんが、よく映画が再放送される時のCMで使用されているので、有名ですね。
キキがおしゃぶりを届けるシーン
キキがおしゃぶりを届けるシーンで流れた曲は、久石譲の『空とぶ宅急便』です。
おソノさんと出会い、赤ちゃんの忘れ物を届けに行くシーン。
快活で親切なおソノさんの登場!その人柄から、ファンの多いキャラクターであります。
(おソノさんのご主人もモノマネしたくなり人気がある笑)
これがキキの初めての「宅急便」でしたね。
ここで流れる曲は「晴れた日に…」のアレンジバージョンです。
おソノさんの家に住み仕事をする事になったシーン
おソノさんの家に住み仕事をする事になったシーンで流れた曲は、久石譲の『パン屋の手伝い』です。
おソノさんの粋な計らいで、住み込みでパン屋の仕事を手伝い、買い物に出掛けるシーン。
どこまでも親切なおソノさん、見知らぬ子にここまで出来るとは…!
キキは、冷たい都会の中でオアシスを見付けられましたね。
ここで流れる曲はオーケストラを用いた、ダイナミックでタンゴのような楽曲です。
トンボがキキに車から声をかけるシーン
トンボがキキに車から声をかけるシーンで流れた曲は、久石譲の『トンボさん』です。
不良少年・トンボが、仲間達と乗る車からキキに声をかけるシーン。
THE・空気の読めない陽キャラであるトンボの登場!
幼い頃は、キキがどうしてこんなに怒って嫌がっているのかがわかりませんでしたが、今ならわかるなぁ。笑
ここで流れるのは「トンボさん」の後半、三拍子のコミカルな楽曲です。
キキが初仕事へと飛び立つシーン
キキが初仕事へと飛び立つシーンで流れた曲は、久石譲の『仕事はじめ』です。
初めての依頼を受け、空高く飛んで行くキキを、おソノさんとトンボが見上げるシーン。
ここでおソノさんとトンボが初コンタクトを取ります。
リズミカルで、キキの嬉しい&ワクワクしている気持ちを表しているかのような楽曲。
魔女宅といえばこの曲、と思う人も多いかもしれませんね!
ジジがぬいぐるみの身代わりになるシーン
ジジがぬいぐるみの身代わりになるシーンで流れた曲は、久石譲の『ナンパ通り』です。
突風とカラスからの追撃でぬいぐるみを無くしてしまったキキ。
ぬいぐるみと瓜二つだったジジを身代わりにし、とりあえず届け先へと急ぐシーン。
「見つかっちゃうよぉ〜!」というジジがなんともキュートです♪
フルート、アコースティックギター、アコーディオン、シンセサイザー、カスタネットなどを用いた、
タンゴのようなリズムでオシャレな楽曲。
ジジが届け先の家の中に放り出されるシーン
ジジが届け先の家の中に放り出されるシーンで流れた曲は、久石譲の『ジェフ』です。
届け先の家の子ども・テッドがジジを放ったらかしにするシーンから、ジェフがジジをキキに返すシーンまで、
別の曲(次に記載)を挟みつつ流れます。
ジェフというのは届け先の家の年老いたわんこですが、この子がとっても賢い&可愛い!!
ピンチのジジを守り、キキの元へ連れて行き、しまいには本物のぬいぐるみを受け取り家に戻ります。
低音の管弦楽器が奏でる音色は、コミカルながらもジェフの大物感をよく表していますね♪
テッドがテレビを観ているシーン
テッドがテレビを観ているシーンで流れた曲は、久石譲の『身代わりジジ』です。
こちらは、テッドが夢中になっているテレビの中から流れている曲。
お母さんが呼んでも無反応。子どもは一回呼んだだけじゃ動かない…わかるー!!と共感しちゃいました。
宮崎監督は、このような細かい部分まで緻密に演出されており、さすがは巨匠だと思います…!!
ジジがピンチの場面ですが、陽気なピアノの楽曲で安心感が持てますよ♪
キキが店に戻ると、キキの姿のパンが飾られているシーン
キキが店に戻ると、キキの姿のパンが飾られているシーンで流れた曲は、久石譲の『晴れた日に…』です。
オープニングでも使用されています。
仕事が忙しくなったキキが配達に行くシーン
仕事が忙しくなったキキが配達に行くシーンで流れた曲は、久石譲の『大忙しのキキ』です。
トンボからパーティの招待状をもらい、舞い上がるキキ。同時に二件の仕事が入り、急いで配達に行くシーン。
チャラい陽キャのトンボですが、ここではちょっぴり真面目にキキを誘います。こちらもちょっぴりドキドキ。
重い荷物を持って飛び立つキキ、頑張れ!と応援したくなりますね。
シーンにピッタリな「大忙しのキキ」は「海の見える街」の後半の部分をアレンジしたバージョンです♪
キキが、依頼者のニシンのパイを焼いたり、家の電球を変えたりするシーン
キキが、依頼者のニシンのパイを焼いたり、家の電球を変えたりするシーンで流れた曲は、久石譲の『パン屋の手伝い』です。
おソノさんの家に住み仕事をする事になったシーンでも使用されています。
キキが急いでニシンのパイを届けに行くシーン
キキが急いでニシンのパイを届けに行くシーンで流れた曲は、久石譲の『パーティーに間に合わない』です。
家の時計が遅れていたため、パーティーに間に合わない可能性が出て来てしまったキキが、慌てて配達しに行くシーン。
ジジは至って冷静ですが、ギリギリまで家中のお手伝いをする彼女に関心しちゃいました!
一生懸命作ったパイを豪雨の中配達した際、依頼者のお孫さんが「嫌いなのよね」と言い放つ、腹立たしいシーンに繋がります。
ここで静かに始まる弦楽器の刻み音は、緊張感がありソワソワしますね。
おソノさんから依頼を受けるシーン
おソノさんから依頼を受けるシーンで流れた曲は、久石譲の『オソノさんのたのみ事…』です。
パーティーに間に合わず風邪までひいてしまったキキ。おソノさんが看病してくれたおかげで、次の日には全快します。
そんなキキにおソノさんが「コポリさん」の家への配達を依頼する、なにやら裏がありそうなシーン。
キキは近いから…と飛ばずに歩いて行くのですが、ここで流れる曲は優しい旋律で景色も美しく、とても癒されます。
おソノさんの包み込むような優しさを見事に表現していますね♪
プロペラ自転車に二人乗りし、飛行船を見に行くシーン
プロペラ自転車に二人乗りし、飛行船を見に行くシーンで流れた曲は、久石譲の『プロペラ自転車』です。
すっかり仲良くなったキキとトンボが、トンボ自作のプロペラが付いた自転車で浜辺へと出発するシーン。
キキが届けた荷物の中の、おソノさんのお手紙にはなんと書いてあったのでしょうか。
ここからトンボがキキの事を「魔女子さん」ではなく「キキ」と呼ぶようになったので、
名前と、パーティーに行けなかったいきさつなどが書かれていたのかもしれませんね。おソノさん、さすがです!!!
「プロペラ自転車」は、シンセサイザーを用いた前半から、オーケストラを用いた中盤以降はコミカルで楽しい楽曲となっています♪
キキとトンボの二人が飛行船を見ているシーン
キキとトンボの二人が飛行船を見ているシーンで流れた曲は、久石譲の『晴れた日に…』です。
オープニングでも使用されています。
魔法が弱くなってしまい、キキが落ち込むシーン
魔法が弱くなってしまい、キキが落ち込むシーンで流れた曲は、久石譲の『傷心のキキ』です。
ジジの言葉がわからなくなり、焦って飛ぼうとするも飛べず、途方に暮れるシーン。
キキの魔法が使えなくなった理由、大半は「急激な成長によるもの」と考えられますが、
ネットで調べてみると色々な考察があって、本当に面白い!
でも親としては見ていられないほど心が締め付けられ、キキが可哀想で不憫で手を差し伸べたくなります。
「傷心のキキ」はそんな胸中を表現した、とても悲しい楽曲。
キキが休みを取り、ウルスラの小屋に行くシーン
キキが休みを取り、ウルスラの小屋に行くシーンで流れた曲は、久石譲の『ウルスラの小屋へ』です。
キキが落ち込んでいるところにウルスラが訪ねて来て「ウチへ来ない?」と誘い、二人で小屋へ出掛けるシーン。
おソノさんもウルスラも、どちらも快活な女性で素敵!このタイミングの良さも相まって、ヒーロー的な存在感がありますね。
ちなみに、ウルスラの声優はキキと同じ高山みなみさんです♪ 別人に聴こえますよね!
ヒッチハイクで小屋へと向かうシーンで流れたのは、オープニングの「晴れた日に…」をアレンジしたバージョンです。
キキがウルスラの絵を見るシーン
キキがウルスラの絵を見るシーンで流れた曲は、久石譲の『神秘なる絵』です。
小屋に着いたキキが、ウルスラの描いた大きな絵画を見るシーン。
二人が楽しそうに食事や会話をして過ごしているシーンでも流れます。
このウルスラが描いた絵のモデルとなったのは、なんと青森県八戸市の中学校の生徒が制作した版画作品。
ネットで見られますが、神秘的・幻想的でダイナミック。シンセサイザーを用いた「神秘なる絵」がピッタリです!
トンボが飛行船に引っ張られ、空に昇ってしまうシーン
トンボが飛行船に引っ張られ、空に昇ってしまうシーンで流れた曲は、久石譲の『暴飛行の自由の冒険号』です。
依頼者の青い屋根に住む夫人と絆を深め合い、まったりしていたキキが、テレビ中継でトンボの危機を知り家を飛び出すシーン。
考えただけでも恐ろしい、ロープ一本でぶら下がった状態のパトカーの上に乗った、トンボを助けに行きます。
一生懸命走る主人公にグっと来るのは、ジブリ作品の真骨頂ですね!
テンポの速い不穏な楽曲が、緊張感を高めます。
キキがトンボを助けるシーン
キキがトンボを助けるシーンで流れた曲は、久石譲の『デッキブラシでランデブー』です。
おじいさんのデッキブラシでなんとか飛び、間一髪、落ちて行くトンボを助けたキキ。感動のクライマックスです。
しかし結局ジジの声は聴けないまま…。ですが、キキの魔法は完全に戻ったわけではないし、
戻ればまた聴こえるようになっているハズ!と願う人は多いでしょうね♪
ラストを飾るのは、オープニングの「晴れた日に…」のテンポを速めにアレンジした楽曲でした。
エンディング(スタッフクレジット)
エンディング(スタッフクレジット)で流れた曲は、松任谷由実の『やさしさに包まれたなら』です。
1974年にリリースされた曲ですが、今作のエンドソングに起用された事により、1989年に再リリースされました。
エンディングでは、キキとトンボの「その後」が描かれており、キキにお友達が出来て街に馴染んでいる様子や、トンボと共に空を飛んでいる様子などが流れ、観ていて嬉しくなります!
当時、ジブリ作品で初めて久石さんが作曲をしなかったエンドソングですが、キキの成長を我が子のように見守って来た観客の心に優しく響き、心地よい余韻に浸る事が出来ました♪
サウンドトラック
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イメージアルバム
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