2025年7月31日に公開されたNetflixドラマ『グラスハート』
原作は、若木未生によるライトノベル。
夢を追いかけるも崖っぷちにいたドラマーの西条朱音が、天才・藤谷直季に見出されプロの世界へ。
しかしその先には、いくつもの困難が待ち受けていた。

むか〜しギターを練習していたbeersyです!(2000年代初頭のバンドブーム…)
公開前から話題となっていた、佐藤健さん主演の音楽ドラマ。
原作をどう実写化するのかと思いましたが、キャスト陣の本気モードに心を打たれました!!
ただ、ハッキリ言うとナルシストOKな人向けドラマです。
この記事では、ドラマ『グラスハート』を鑑賞した筆者が、1話ごとに感想とネタバレ解説をご紹介します。(途中まではネタバレ無しなのでご安心を♪)
『グラスハート』の評価&感想
- 感動度
- 4
- 脳トレ度
- 2
- 再鑑賞度
- 4
- サプライズ度
- 5
- 話題性
- 5
本作、共同エグゼクティブプロデューサーも務める佐藤健さんは、過去に同じようなバンド映画『BECK』でも主人公を演じていました。
が!!歌唱シーンは無音という驚きの映画だったので、今回はどうなる?と勝手に心配。
そしたらなんという事でしょう。美しい歌声過ぎる…。まさに何か訴えかけて来るような歌声。
佐藤さんは、『仮面ライダー電王』でもその歌唱力は評価されていたそうですが、本当にバンドのボーカルになっていました。
そして、バンドメンバーの宮﨑優さん、町田啓太さん、志尊淳さん。
さらには別のバンドの菅田将暉さん、山田孝之さんといった豪華俳優陣も、演技だけではない音楽の実力を発揮されています。
藤木直人さん、YOUさんなど、大御所俳優さん達も勢揃い。
キャストでいうと、他にも驚きの方々が出演されているので、隅々まで要チェック!
劇中に流れる音楽は、RADWIMPSの野田洋次郎さんや、飛内将大さん(YUKIさん、Aimerさんなど多くのアーティストへ楽曲提供)などが携わっており、これまたどの曲も聴き入ってしまいました。
…とここまで大絶賛しましたが、作品自体のレビューとしては、主人公の歯の浮くようなセリフにゾワゾワ…。
キザ過ぎるし陶酔し切っていて、そのナルシストっぷりに辟易し冷めた目で観てしまいました。
(でも、若い人は心を打たれるのでしょうねきっと…)
あと、画面がぐるぐる回るカメラワークが多いので、三半規管の弱い人は要注意。筆者は目を逸らしています。笑
音楽はとにかく聴き応えがあるので、観る価値は大いにありますが、ストーリーと主人公のキャラがイマイチなので、好き嫌いが分かれる作品だと思いました。
10話観るのを悩んでいる人は、最終話だけでも良いかも?(小声)
以下より重要なネタバレを含みます。
『グラスハート』の主要キャスト
(役名/演者/説明)
TENBLANK
- 藤谷直季/佐藤健(天才音楽家。作詞作曲、ボーカル)
- 西条朱音/宮﨑優(無名ドラマー)
- 高岡尚/町田啓太(ギタリスト)
- 坂本一至/志尊淳(ピアニスト)
OVER CHROME
- 真崎桐哉役/菅田将暉(ボーカル)
- 有栖川真広役/レイ二(ギタリスト)
音楽関係者
- 櫻井ユキノ/髙石あかり(歌姫)
- 井鷺一大役/藤木直人(大物プロデューサー)
- 甲斐弥夜子/唐田えりか(TENBLANKマネージャー)
- 上山源司/竹原ピストル(TENBLANKマネージャー)
- レージ/山田孝之(Z-OUTのボーカル)
その他
- 西条モモコ/YOU(朱音の母。音楽ライター、飲食店経営)
『グラスハート』のネタバレ解説
エピソード1/グラスハート
とある野外フェスが、雨で中止に。
その時、「テディ・メリー」というバンドでドラムを担当している朱音は、メンバーからクビを言い渡されていた。
その理由は、事務所から男だけのバンドで売り出すと言われたからだ。
突然の事に立ち尽くした朱音だったが、イライラを払拭するかのように、人混みの中でドラムを組んで叩き始める。
すると、誰もいなくなったステージの上で誰かがピアノを弾き始めた。
人々は立ち止まり、突然始まった二人のメロディに聴き入っていた。
ーー
朱音は、最後と決めていたバンドオーディションを受けたが、「君のドラムは周りが見えていない。デリカシーがない」と言われ落ちてしまい、落胆していた。
失意の中、スマホの動画であの日奏でたメロディを聴きドラムを叩く。
良き理解者である母のモモコによると、あの時、ピアノを弾いていたのは天才音楽家と言われている「藤谷直季」だったが、朱音とのセッションの直後雷に打たれ、行方不明となっていたらしい。
モモコは、「そんな彼が、カリスマギタリスト・高岡尚とバンドを組むという話があるの!」とはしゃいでいた。
ーー
朱音は、モモコから「朱音ご指名よ」と頼まれ、ある家にカレーを配達をすると、そこには藤谷直季、高岡尚がいて驚愕する。
また、SNSに投稿した事で一躍有名になったピアニスト、坂本一至もいた。
3人が曲作りをしていると、朱音はいてもたってもいられずドラムを叩く。
再び朱音の音を聴いた藤谷は、自分たちのバンド「TENBLANK(テンブランク)」に入って欲しいと誘うのだった。
ーー
TENBLANK・マネージャーの甲斐は、藤谷が勝手に無名ドラマーを入れた事に苦い表情を浮かべ、朱音に「天才の音は、凡人を不幸にする」と忠告する。
坂本も「あんたの音は好きじゃない」と言って、認めようとはしない。
しかし藤谷は、甲斐に「実績があれば良いんだね」と言って、真崎桐哉と有栖川真広のカリスマユニット「OVER CHROME(オーヴァークローム)」の前座の出演権を得た。
その桐哉はというと、藤谷の才能を認めつつライバル視しており、朱音には敵意をむき出しにする。
TENBLANKは急ピッチで曲を作り上げ、OVER CHROMEの前座ライブが幕を開けた。

いきなり山田孝之さんが歌っていて、めちゃくちゃカッコよくてびっくり!!
このお方もなんでも出来ますねほんと。
そして、佐藤健さんと志尊淳さんのピアノの手の動きにうっとりしました。
でも、藤谷がいちいち目を細めて呟くように話すので、なんだかくすぐったい。笑
唐田えりかさんは『極悪女王』ぶりのネトフリ出演ですが、今回はヒールのようですね。
またガラっと印象が変わったので、楽しみです!
エピソード2/旋律と結晶
4人が奏でる音は、怪訝な表情を浮かべていた観客達を大いに沸かせる。
前座ライブは大成功をおさめ、坂本も朱音と和解。朱音は少し自信を取り戻した。
しかし、デビュー曲の制作が始まると、藤谷は何度も朱音にダメ出しをし全く進まない。
朱音は「悪い所を言ってください」と必死になるが、藤谷は「じゃあ、俺の知ってる朱音ちゃんを連れて来てよ」と言う始末だった。
ーー
翌日、TENBLANKの元に、大物音楽プロデューサーの井鷺一大と、世間から歌姫と呼ばれているシンガーの、櫻井ユキノが現れる。
実は以前、井鷺は藤谷と組んでいたらしく「ユキノとフューチャリングをして欲しい。君は断らない。僕には分かる」と断言した。
彼は、藤谷が戻って来る事を強く希望している。
ーー
藤谷は、完璧を求めるがゆえにどんどん自分の世界にこもって行く。
朱音は変わらずダメ出しをされ、藤谷は身体を壊す勢いでピアノを弾き続けていた。
そんな状態を高岡と坂本が止め、藤谷はやっと少し冷静になり、朱音に「井鷺一大を壊したのは俺なんだ。でも、俺の音は多くの人を幸せに出来る。もちろん、朱音ちゃんの事も幸せにするからね」と言って微笑んだ。
ーー
後日、桐哉が朱音のもとに来て荒々しく鼓舞する。
そして二人でラーメンを食べに行き、昔、井鷺が藤谷の曲を盗み、二人の仲が壊れた事を明かした。
すると偶然にも藤谷が通りかかり、3人で歩いていると、桐哉が「ヒット曲出して死んだら、間違いなくカリスマになれる」などと軽口を叩く。
藤谷は「ジョン・レノンみたいに?…そういうのも良いかもね」と言って空を見上げた。
その言葉に驚いた朱音は、車のブレーキ音で驚き先に「帰ります」と走り去る。
しかし藤谷が追いかけ「明日俺が死んだら、ドラムはもう叩かないの?」と聞くと、朱音は「TENBLANKがなくなっても、私だけの音を掴んで叩いてみせます!だけど、ジョン・レノンみたいにいなくならないでください」と想いをぶつけた。
ーー
その後、朱音は「自分の音」と取り戻す事に成功。
こうしてやっと、TENBLANKのデビューシングルが完成するのだった。

TENBLANK初のライブパフォーマンス、最高でした!!
でも、藤谷はすんごい影が薄いと言うか、儚い雰囲気をまとっていますよね。
だからこのクッッッサイセリフ回しでも良いのかな…。
ステージに立つと別人で、そこもまたカリスマ性があります。
エピソード3/約束のうた
TENBLANKはMVの撮影をしていた。
そこで藤谷が突然、「ミュージックステイツ」という生放送番組に、トリで出演する事が決まったとメンバーに伝える。
甲斐は、「今時テレビに出るなんて古臭く思われる!」と反対するが、朱音は憧れの番組に出られる事に歓喜した。
実は、TENBLANKのトリの出演権は、藤谷がユキノに楽曲提供し、ミュージックステイツで共演する代わりに得たものだった。
この後もユキノと組むとはあまり考えていない藤谷だったが、井鷺は何かを企む。
ーー
ミュージックステイツ本番当日、港に大きなセットが作られていた。
しかし、演奏用の音源が全て消えている事に坂本が気付き、藤谷、高岡も協力して急いで取り直しを始める。
甲斐は朱音に、先にメイクを済ませるようにと指示し、船の中に用意されているメイク室へと向かわせた。
朱音はメイク室に入ったが誰もおらず、別の部屋を見るとドラムセットが置いてあったため、練習をし始める。
一方甲斐は、「無茶よ。プロデューサーに相談しよう」とメンバーに話しかけるが、熱中している彼らの耳には届かない。
そして船に行くと、朱音がとても楽しそうにドラムを叩いている姿を見つけた。
甲斐は、何度も藤谷に笑いかけてもらえて、楽しそうに演奏する朱音に嫉妬し、ドアに鍵をかけてその場を去る。
ーー
本番15分前、藤谷達はなんとか音源を作り上げホッとする。
しかし甲斐から朱音がいないと聞き、焦って探し回った。
その頃、画面に映り込んでしまうという理由で船が出航。
練習に熱中していた朱音はやっと船が動いている事に気付くが、ドアが開かずパニックになった。
ーー
本番が始まり、ひとまず藤谷はユキノと出演。素晴らしいパフォーマンスで高評価を得る。
しかし水面下では、朱音がいなくなった事でTENBLANKの出演が危ぶまれ、スタッフも慌ただしく動いていた。
朱音は別のドアがある事に気付き、ぶち破って船上に出るが、港はすでに遠くにあり絶望する。
崩れ落ちて泣いていると、一隻のボートが近づいて来る音がして海を見た。
そこには、TENBLANKの3人が乗っていた。
ーー
ミュージックステイツのトリが始まった。
急遽船上ライブに切り替えたTENBLANKは、圧巻の演奏を魅せる。
放送後はSNSでも話題となり、MVも最高の仕上がりとなった。
その時、朱音は自分の想い…藤谷を好きになっている事に気が付くのだった。

あーあ、朱音ちゃんが絶対にしんどい恋をしてしまった!波乱の予感しかない。
TENBLANKが船に乗って助けに来たシーンは、藤谷の乗り方に夫と爆笑!いや危ないっすよ。笑
だんだんツッコミどころが多くなって来ましたが、やっぱり音楽はイイ。
多分ヒールなユキノちゃんも最高!
エピソード4/PLAY OUT LOUD
藤谷が持っていると言う別荘で、TENBLANKは合宿を行う事になった。
しかし突然、藤谷に呼ばれたと言ってユキノも参加する。
甲斐は反対したが、藤谷は「今回のアルバムには彼女の歌声が必要なんだ」と言って、フューチャリング曲を作り始めた。
朱音は、ユキノと藤谷が奏でるハーモニーが素晴らしく、入る余地が無いと思い意気消沈。
坂本はそんな朱音の気持ちに気付いており、朱音を励ますのだった。
ーー
TENBLANKの楽曲制作を始めた直季が流したのは、最近坂本が密かに作った曲だった。
しかし藤谷が流した曲は大幅にアレンジされた曲であり、坂本はショックを受ける。
そして「人がどんな気持ちで自分の曲を作ってるか…」と怒りをあらわにすると、藤谷は「安っぽいスピーカーで聴く人達にも届くようにしなきゃならない。それが出来ないのは、メジャーに行く気がないって事」と言い放った。
坂本は激怒しながらも、時間をもらい自分で編曲を始める。
ーー
朱音は、外で鼻歌を歌っている甲斐を見つけ、その美声に驚く。
すると甲斐は、「私は以前藤谷のバンドで歌う予定だったんだけれど、彼がやっぱり自分で歌うと言い出して夢を捨てたの。でももう未練はない。だからこそ、TENBLANKを絶対成功させたい。じゃないと、自分が夢を諦めた意味がないから」と明かした。
しかしその後、藤谷は朱音を閉じ込めたのが甲斐だと気付き、「今の甲斐はTENBLANKには必要ない」と宣告する。
それを聞いていた高岡は甲斐を駅まで車で送り、その車内で甲斐は泣きながら「最初はTENBLANKに朱音ちゃんは必要ないと思って辞めさせようと思った。でも、あの時ドラムを楽しそうに叩くあの子を見て、藤谷に似てると思って…気がついたら鍵をかけてた。あれは、明らかに嫉妬だった」と気持ちを吐き出した。
高岡は甲斐に「俺は甲斐のボーカル気に入ってたよ」と慰めるが、甲斐は「これ以上惨めな気持ちにさせないで」と言って車を降り歩いて行った。
ーー
ユキノは朱音に「今日藤谷くんを手にいれる!邪魔すんなよ〜?」とおちゃらけて言い、藤谷の部屋へ。
しかし本人はおらず、パソコンにあった曲を聴いてみると、全部自分の曲である事に気付く。
井鷺が「藤谷直季の事はなんでも分かる」と言っていた事が頭の中をよぎった。
一方朱音は眠れず、階下へ行くと藤谷がいて安堵する。
そして二人でピアノを弾き歌い、朱音は気持ちが抑えられなくなって「私…センセイの事…」と言って腕を抱きしめた。

甲斐ちゃん…仕方のない事とはいえ、夢を諦めるのは相当辛かったでしょうね。
しかしかなり序盤でフェードアウトか。この後は井鷺が牙を向くのかしら。
朱音ちゃんは突っ走ってる!修学旅行マジックのような。
でも筆者はなんだかやっぱり、藤谷くんの事が好きになれない…天才なのは認めるけど。
坂本くんと高岡くんがまとも過ぎて、主人公が浮いている。笑
エピソード5/シトラス
TENBLANKに、上山源司という新しいマネージャーがついた。
彼は長年ローディー(ミュージシャンのサポート)をしていたため、高岡からは「源さん」と呼ばれ親しまれている。
朱音はというと、髪を赤く染めより一層練習に励んでいた。
藤谷に告白しようとしたが、途中で止められ「俺は音楽でしか生きられない。ごめんね」と遮られてしまったのだ。
坂本にその事を打ち明け、気丈にふるまっている。
一方、ユキノは自分の曲が全て藤谷が作ったものだったと知り井鷺を問い詰めるが、彼は「勘違いするな。俺と君は対等じゃない。藤谷の曲は使い切った。俺が君を歌わせてやってたんだよ」と本性をあらわにした。
ユキノは井鷺に逆らえなくなり、自分を追い詰めて行く。
ーー
朱音と坂本が街を歩いていると、TENBLANKと、OVER CHROMEのアルバム発売日が同日だと知る。
しかも、桐哉が朱音に送った曲が、TENBLANKとメロディーと同じだと判明。
藤谷はその曲は出さないと決めたが、朱音は桐哉に「曲を出すのを辞めてください!」と直談判。
しかし桐哉は笑って藤谷に「朱音を貸せ」と電話し、自分のスタジオへ連れて行った。
朱音は彼らが本当に盗作をしていないと知ると、藤谷が「朱音ちゃんを返して」と現れる。
そこで朱音は、彼らが異母兄弟であり、藤谷が桐哉の母に教えてもらった旋律だから、似てしまったんだと明かされた。
ーー
桐哉は藤谷に「決着をつけましょうよ」と言い、対バンをしてお客さんに投票してもらって、どちらがリリースするかを決める事に。
しかし、藤谷がその曲をピアノで弾くと、桐哉は涙を流す。
その後有栖川は、帰ろうとする藤谷と朱音に「あなたの音楽は人を不幸にするけれど、真崎くんを不幸にしたと思っているならそれは思い違いです」と伝えた。
帰り道、藤谷は「桐哉に隣にいてくれる人がいて良かった。俺は、好きな人と仕事をうまく出来なくて、壊しちゃったから。嫌われるのが怖い」と呟く。
朱音は「私も、高岡くんも坂本くんもみんなセンセイの事が好きです!」と励まし、二人は手を繋いで歩いた。
しかし対バンの日、桐哉は熱狂的なファンの一人に刺され、意識を失う…。

ユキノちゃんがおかしくなってしまいました。
井鷺が思ったよりもっと怖い存在でハラハラ…。
藤谷と桐哉の過去も気になります。なのに刺されてしまった!
熱狂的ファンのビジュアルがめっちゃリアル…!!
エピソード6/Vibrato
桐哉は病院に搬送されたが、一命を取り留める。
ライブ会場にいるTENBLANKに桐哉が刺された事が伝えられ、また集まったファン達にもネットーニュースの速報が流れ騒然となった。
戸惑うTENBLANKと、悲鳴が聞こえる会場。
しかし朱音がドラムを叩き始め、高岡と坂本は藤谷に「ここは俺達が繋いでおく」と伝え、藤谷は病院へ向かった。
ーー
藤谷は父親が外に作った子どもで、桐哉と桐哉の母親と暮らしていた。
音楽家の母は桐哉に「なんで私の子なのに出来ないの?直季は出来るのに」と嘆く。
それでも直季と桐哉は仲の良い兄弟だった。
しかしその後、藤谷は他に引き取られ別々に暮らす事になる。
ーー
藤谷は病院で、目覚めた桐哉を優しく見つめる。
「俺を恨んでないのか?」と聞かれ、藤谷は「俺は音楽でしか生きられないけど、執着がないから。音楽でもがける桐哉が羨ましかった。桐哉にも、桐哉の母さんにも感謝してる」と打ち明けた。
二人は和解したが、桐哉は「ライブ行こうぜ。約束したからよ」と無理やり起きあがろうとする。
実は、桐哉が駐車場で車から降りると不審者の男がいて、出待ちしていたファンを刺そうとしたため、桐哉が庇って刺されたのだ。
桐哉は、パニックになるファンに「お前いつも来てるだろ?ぜってー歌うから、ライブ来いよ」と励ましの言葉をかけていた。
ーー
ライブ会場では、高岡、坂本、朱音がOVER CHROMEの曲を弾き、ファン達が歌っていた。
すると突然中継が繋がり、スクリーンに桐哉が現れ「みんなごめんな。俺そっちには行けねー。みんな、俺に歌う場所をくれてありがとう」と感謝の気持ちを伝える。
そして、ピアノの前に座る藤谷にカメラを向け「俺は藤谷に憧れてた。もう2度と言わねぇけど…じゃあ歌いますか!お兄ちゃん」と言って、ライブを開始する。
会場では高岡、坂本、朱音が演奏をし、中継では藤谷と桐哉が二人で掛け合いながら歌った。
観客、スタッフなど全ての人々が盛り上がり、また涙を流し、素晴らしいライブとなった。
ーー
ライブのあと、TENBLANKの打ち上げで藤谷は「俺、決めて来たよ。アリーナツアー」と発表。
朱音達は驚き、大喜びする。
しかしその裏で藤谷は、担当医から「君は音楽を続けられる身体じゃないんだよ。死んだら音楽は出来ない」と忠告されていた。

藤谷くんと桐哉の歌声、最高でした…!
二人の幼少期の映像も流れ、心を打たれました。涙が出た。
ひとつひとつ問題が解決していますが、まだまだ色々と闇深い事がありそうです。
また、藤谷くんの担当医役にまさかのYUKIさん!!
これには驚き!!飛内さんの案なのかな?もしや劇中で歌ってくれるのか!?
エピソード7/Lucky Me
6ヶ月後。
朱音は、友達から「願い事が叶う」と言われた川越の氷川神社に興味を持ち、藤谷、坂本と一緒に行く。
絵馬に「ツアーが大成功しますように。先生とずっと一緒にいられますように」と書き、坂本は複雑な表情を浮かべた。
そしてその夜藤谷に、「俺、西条もらっていい?」と聞く。
朱音は全く気付いていない(むしろ坂本は藤谷を好きだと思っている)が、坂本の気持ちは膨れ上がっていた。
ーー
ツアーが始まり、リハをしていると突然ユキノが現れ「責任とってください!私に曲を書いてください!」と訴える。
朱音が心配して外に連れ出したが、ユキノは「ごめんね。朱音ちゃんもTENBLANKも大好きだけど、今はとても恨んでる。壊れちゃえばいいのに」と言って去って行った。
それでも気を取り直し、TENBLANKはリハを続け出番に備えていた。
しかし、突如会場が全てキャンセルされる。
会場では泣き崩れるファンが相次ぎ、運営は返金対応でてんてこ舞いに。
そのニュースを見た井鷺がニヤリと笑っていた。
ーー
藤谷はこれが井鷺の仕業だと確信し、彼の元へ行って「やり過ぎだよ、一大さん…」と話しに行く。
そして朱音に「これは俺の問題なんだ。巻き込んでごめん」と連絡し、ファンのために弾き語りのライブ配信をした。
スタジオに駆けつけた朱音が藤谷の元へ行こうとすると、坂本が現れ抱きしめる。
そして「5秒だけ西条を困らせる。俺、西条が好き過ぎて窒息しそう」と囁いた。

ヒィイイ!!坂本く〜ん!!!と声が出たのは私だけではないはず。
なんだこの告白の仕方。(イケメンに限るが)こんなん惚れてまうやろ…。
ラストで記憶を失いかけましたが、井鷺ってこんなにも力があるんですね。本当に強敵。
エピソード8/MATRIX
5年前。
高岡はどこのバンドからの誘いも断り、サポートギターとして弾いていた。
しかし、ストリートで藤谷の歌とピアノを聴いて一目惚れ。
バンドを組んで欲しいと伝えるも、藤谷はそれを断った。それが二人の出会い。
ーー
藤谷はツアーが中止になった事で責任を感じ、不眠不休、食事もとらず楽曲制作をする。
高岡に何度も「違う」と言って激しくぶつかり合ったが、最後にはいつも通りに戻った。
朱音は、改めて二人の絆を感じニコリと笑ったが、その一方で坂本とはギクシャクしている。
それでも坂本は口説く事をやめず、朱音はドギマギしていた。
すると、突然高岡が現れ藤谷に掴みかかり、抱きしめ、「ふざけんなよ!このままじゃ死ぬって?俺、TENBLANK抜けるわ」と言い放つ。
驚いた朱音と坂本が事情を聞くと、高岡は井鷺に会い「藤谷は雷に打たれた際に脳腫瘍がある事が判明しており、音楽を続けていると死ぬと宣告されている」と聞いた事を明かした。
朱音は大きなショックを受けるが、坂本も「普通に考えたらTENBLANKを解散するしか方法はない」と言う。
高岡は、自分が断られたあと藤谷に誘われた事を思い出し、「俺が誘ったんんだよな…」と失笑した。
ーー
高岡は、とりあえず藤谷を部屋に閉じ込めた。坂本もぼうっとしている。
朱音は、氷川神社に行って「先生の病気が治りますように」と絵馬に書いてお参りすると、藤谷が書いた絵馬を見つける。
そこには「神様、TENBLANKと出会わせてくれてありがとう」とあった。
藤谷のTENBLANKへの想いを汲んだ朱音は、藤谷の元へ行き「先生、音楽やってないと死んじゃうんでしょ?私の音を全部あげる」と言って、高岡、坂本に内緒で連れ出すのだった。

物語が急展開!(薄々感じてはいた)藤谷くんの命の危機。
ユキノちゃんもギリギリのところにいると思うので、そちらも心配です。
エピソード9/永遠前夜
3年前。
井鷺は自分が作った曲を藤谷が編曲した際、その才能と実力の差に愕然とした。
荒れた井鷺は自分名義で売り出し、藤谷は去って行く。
そして現在、権力を振りかざして大規模なフェスを計画していた。
ーー
藤谷は朱音とともに徹夜で新曲を作り、完成させる。
しかし朱音が目覚めると、藤谷は倒れていた。
病院に搬送されたが、高岡は担当医から「音楽を続けるか、死ぬかどっちかだよ」と言われてしまう。
朱音は平謝りして「私がTENBLANKを辞める」と言ったが、高岡は「俺も辞める。TENBLANKは終わりだ」と言って最悪の状況になった。
ーー
クリスマス。
それぞれの想いが錯綜する中、藤谷は高岡に新曲を聴かせる。
それは、バンドに対する想いや愛が詰まった名曲だった。
坂本は、母の店を手伝う朱音の元へ行き「西条が好きだ…と言ったのは勘違いだった。ドラムが好きなんだ」と伝える。
そして藤谷の新曲が入ったデータを渡した。
ーー
朱音は頑なに新曲を聴こうとしなかったが、藤谷から電話が来る。
そして電話越しに新曲を歌ってみせると、朱音はその歌が「私を好きって言ってる」と感じた。
街中で再会した二人は互いの想いを確認し合い、唇を重ねる。
ーー
井鷺が企画したフェスの前日、ユキノがSNSのライブ配信で、井鷺が盗作していた事など全てを暴露する。
翌日、出演アーティスト達は「盗作はあってはならない」と全てキャンセル。
会場に集まっていた多くの観客が戻ろうとし、井鷺が頭を抱えていると、TENBLANKと書かれたバスが到着した。
実は、マネージャーに戻ると言った甲斐が集客し、多くのTENBLANKファンが駆けつけたのだ。
ほどなくしてTENBLANKのメンバーが到着。井鷺は呆然としていた。

青春バンドドラマだと思っていましたが、かなり濃厚なラブが入っていましたね!
坂本くんとの取り合いは、まるで花より男子のよう。笑
本作は坂本派が多いだろうな…と思う花沢類派の筆者でした。
そして胸熱な展開に!
井鷺を助ける構図にうまく運びましたね。最後に向けて面白くなって来ました。
エピソード10/Glass Heart
藤谷は井鷺の元へ行き、前に傷つけてしまった事を謝ったが、それでも井鷺は悪態をついている。
そんな中、TENBLANKのライブが始まった。
藤谷の身体がどうなるか分からなかったが、メンバーは「絶対に4人で戻って来よう」と約束する。
ーー
「旋律と結晶」から「約束の歌」までを歌うと、サプライズでユキノの曲を演奏し始める。
実は、朱音がユキノを呼んでおり、マイクで観客を煽って招き入れた。
ユキノは涙を流しながらステージに登場し、「君と歌う歌」を歌いこなす。
会場は盛り上がったが、突然どこからか病気の事が漏れ悲鳴に変わる。
すると藤谷はマイクで「桐哉が刺された時に思ったんだ。いつ死ぬかなんて神様の気まぐれで、誰もわからない。明日の保証なんてない。この歌を届けたくてここに来ました」と説明。
そして「Chasing Blurry lines」が始まると、桐哉がサプライズで現れ二人で歌った。
ついに井鷺も心を打たれ、涙を流し始める。
ーー
「GLASS HEART」が流れる。
最後のサビの前に、藤谷は「僕達は必ず戻って来ます。それまでに色々あるでしょう。何かあっても乗り超えて、生き抜いて!また一緒に歌おう」と観客に伝えた。
歌が終わると、場内は歓声と「帰って来て!戻って来い!」という激励の言葉で溢れていた。

最終話は圧巻のステージパフォーマンスを堪能出来ました!
正直、結局藤谷の病気がどこまでのものなのか(なんで音楽がダメなの?ライブがダメなの?)とか
そもそも、そんな命懸けでやらなくても良いのでは、なんて思ったりとか。(病気の自分に酔い過ぎでは?)
高岡くんの藤谷くんへのものすごい(BL)愛とか、井鷺の歪み過ぎた執着とか。
共感や理解が出来ない部分がたくさんあったので、この作品は最終話だけ観返すと思います。
きっと若い人は感動するんだろうなぁ。なんて自分は夢が無いんだ…と、中年をも不幸にする藤谷の音楽。笑
キャストの皆さんは本当に素晴らしかった!だからこそ、ちょっとストーリーは残念でした。