1997年7月12日公開の映画『もののけ姫』。
スタジオジブリの長編アニメーション映画。
古代の日本を舞台とし、止むを得ずタタリ神からの呪いを受けてしまった人間・アシタカと、
人間に捨てられ犬神に育てられた少女・サンを取り巻く、人間と森の神々との対立を描いた作品。
この記事では、映画『もののけ姫』のサウンドトラック33曲をそれぞれのシーンの説明を交えてご紹介します。
※以下ネタバレ有り
『もののけ姫』で流れる曲
オープニング(タイトルクレジット)
オープニング、もののけの説明文と、タイトルシーンまで流れます。
霧のかかった壮大な山々の景色。少々不気味な雰囲気のオープニングでは、私たちが知らない世界がまだまだあるのでは…?と思わされる。
和太鼓とオーケストラの重厚な音色も相まって、ミステリアスな作品の世界観に引き込まれます!
タタリ神が登場するシーン
静かな村の風景に、トラウマもののグロテスクなタタリ神が登場するシーン。
ナウシカは虫が苦手な人には無理な作品でしたが、もののけ姫は蛇やミミズなどが苦手な人にはしんどいでしょうね;
筆者もこのシーン、あまりじっくりは観られません。笑
ここで流れるのは、恐ろしいタタリ神を表現した不快な音階の、ゾワゾワする楽曲です。
アシタカが村から旅立つシーン
アシタカが村から旅立つシーンで流れた曲は、久石譲の『旅立ち〜西へ〜』です。
可愛いヤックルに跨り村を出発するシーンから、走り去って行くシーンまで流れます。
許嫁のカヤがお見送りに来て、涙ながらに小刀をネックレスにしたものをプレゼント。
アシタカ「いつもカヤを想おう」って言ったのにサンにあげちゃうんですよね、コレ。笑
この切ないお別れのシーンで流れるのは、後半になるにつれ壮大なサウンドなって行く楽曲です。
アシタカが村人を救うため、弓を引くシーン
アシタカが村人を救うため、弓を引くシーンで流れた曲は、久石譲の『呪われた力』です。
呪いの力によって、恐ろしいほどの殺傷力を持ち合わせてしまったアシタカの腕。
侍たちの腕やら首やらチョッキンするシーンなので、ここもかなりグロテスクで怖い描写が多いです。
流れる楽曲も、アシタカの放つ矢を表現したメロディーで迫力満点、緊張感があり、ドキドキさせられます!
アシタカがジコ坊と食事をするシーン
アシタカがジコ坊と食事をするシーンで流れた曲は、久石譲の『穢土』です。
不思議なおじさん「ジコ坊」が登場、美味しそうな雑炊を作ってアシタカにふるまうシーン。
一本歯下駄で軽快に動き回るこのおじさん、かなり重要な役どころで、アシカタに「シシ神」の存在も教えてくれます。
そんな事よりこの味噌雑炊、食べたい…。
会話の内容に合わせた楽曲で、コロコロと曲調が変わります♪
アシタカとサンが出会うシーン
傷付いたモロを手当てするサンとアシタカが、川越しに出会うシーン。
思えばこの時、アシタカはサンに一目惚れしたのではないでしょうか?
主題歌「もののけ姫」をベースにした、ハープなどの美しい音色を使用している楽曲です。
アシタカが負傷した村人を背負い、コダマ達が登場するシーン
アシタカが負傷した村人を背負い、コダマ達が登場するシーンで流れた曲は、久石譲の『コダマ達』です。
川辺で見付けた村人達を助け、負傷者を背負い山を登るシーン。
今作の人気キャラクター「コダマ」がちょこちょこコロコロと出て来ます。
実はこのコダマ、のちに進化し、なんと「トトロ」になると宮崎監督が発言したそうな。驚き!
神秘的で独特なリズムのシンセ・サウンドがコダマにピッタリですね♪
アシタカがシシ神を目撃するシーン
アシタカがシシ神を目撃するシーンで流れた曲は、久石譲の『神の森』です。
水を汲もうとした際、遠い場所で神々しいシルエット姿のシシ神を目撃するシーン。
呪いをかけられた腕が暴走しシシ神に反応しますが、バックでは神秘的かつ少々不気味なシンセサイザーの音色が流れます。
ここで良い味を出している、アシタカに川の縁で助けられた男性・甲六の声優は、俳優の西村雅彦さん♪
「古畑任三郎」の今泉くんを彷彿とさせるとぼけた声が、憎めないキャラの甲六にピッタリですね!
タタラ場の街並みが映るシーン
タタラ場の街並みが映るシーンで流れた曲は、久石譲の『夕暮れのタタラ場』です。
人々が明るく活気があり、鉄を作っている村・タタラ場の街並みの、紹介VTRのようなシーン。
アシタカは男性達にもてなされ、女性達がそれを見てキャッキャしています。
この当時、ここまで栄えるのには相当な努力があったはず。人間の賢さ・逞しさがよくわかりますね。
太鼓の音が入り民族音楽のような、和も感じさせる美しい楽曲。
アシタカが、なぜナゴの守がタタリ神になってしまったかを想い浮かべるシーン
アシタカが、なぜナゴの守がタタリ神になってしまったかを想い浮かべるシーンで流れた曲は、久石譲の『タタリ神Ⅱ-うばわれた山-』です。
山の神である猪神・ナゴの守が人間の手により負傷し、タタリ神と化してしまったという惨劇を、アシタカが想い浮かべるシーン。
どれほどの無念、恨みが込められた事でしょう。ナゴの守はとても不憫なキャラクターでした。
ナゴの守と、エボシ率いる石火矢衆との壮絶な戦いを想像出来る、迫力があり悲しさも感じ取れる楽曲です。
アシタカとエボシが石火矢を作っている小屋に行くシーン
アシタカとエボシが石火矢を作っている小屋に行くシーンで流れた曲は、久石譲の『エボシ御前』です。
ナウシカのクシャナ殿下を彷彿とさせる、イケメンの女性・エボシ様。
シシ神の首を狙う悪者ですが、病に罹っている人々の包帯を変えるなどの優しさも持ち合わせているお方。
タタラ場での信頼は厚く、観ている側にもファンが多いキャラクターですよね!
「エボシ御前」は彼女の優しさや人柄を表す、ハープとオーケストラの温かい印象の楽曲です。
タタラ場の女性達が仕事をしながら歌うシーン
タタラ場の女性達が仕事をしながら歌うシーンで流れた曲は、久石譲の『タタラ踏む女達-エボシ タタラうた-』です。
街を見学するアシタカが、タタラを踏み仕事をこなす女性達を見付け、中に入り手伝うシーン。
彼女達が歌うこの歌は明るくて力強く、まさに「逞しく生きるタタラ場の女」を表現していますね!
でも、アシタカにドキドキしてはだけた胸元を隠す、そんな「女子」な部分はとてもチャーミングです♪
サンが、屋根の上にそびえ立つシーン
サンが、屋根の上にそびえ立つシーンで流れた曲は、久石譲の『修羅』です。
再度、サンがたった一人で襲撃に来るシーン。それほど待つ事が出来なかったのでしょうか…。
一気に緊張感が高まるこの場面では、力強く迫力のある楽曲が流れます。
エボシ御前とサンの一騎打ちシーンは、手に汗握ります!二人ともカッコイイ〜♪
アシタカがサンとエボシを制するシーン
アシタカがサンとエボシを制するシーンで流れた曲は、久石譲の『東から来た少年』です。
呪いが現れた手で、ゴンザの刀をにゅっと曲げ「どいてくれ…」と言う名シーン。
サンVSエボシというイケメン女同士の戦いを制し、名言「この娘、わたしが貰い受ける」と言い放ちます。
これはもはや勝手にプロポーズ…なんともこそばゆいセリフを真顔で!イケメンだからこそ許される所業です…!!
こちらはオープニングの「アシタカせっき」をアレンジした、アシタカの信念の強さを表現した楽曲。
アシタカがサンを抱えタタラ場を出て行くシーン
アシタカがサンを抱えタタラ場を出て行くシーンで流れた曲は、久石譲の『レクイエム』です。
石火矢で撃たれてしまったアシタカ。それでもサンを抱え歩いて行く、痛そうでたまらないシーン。
村人達の制止を聞かず、血を滴らせながら大きな扉を開けて出て行く様には、凄い気迫を感じました!
その異様な状況に絶句する村人たちと、深手を負ったアシタカを表現した、暗く重い楽曲です。
アシタカがサンに「生きろ」と伝えるシーン
アシタカがサンに「生きろ」と伝えるシーンで流れた曲は、久石譲の『生きろ』です。
名言「生きろ…そなたは美しい」今作一番の見どころであるアシタカの告白シーン。
びっくりして後ずさるサンも可愛い。こちらも、イケメンだからこそ許されるセリフです。
主題歌「もののけ姫」のハープのみのインストで、短くはありますがとても印象に残る曲。
サンがアシタカをシシ神の森に連れて行くシーン
サンがアシタカをシシ神の森に連れて行くシーンで流れた曲は、久石譲の『シシ神の森の二人』です。
突然告白を受け殺すのを思い留まり、アシタカをヤックルに乗せてシシ神の森に連れて行くシーン。
このあたりでは、コダマだけではなくディダラボッチも登場。
シシ神の森の映像美にウットリします!
ここでは、シシ神降臨のシーンで流れた「神の森」の、ロングバージョンが流れますよ。
サンがアシタカに口移しで干し肉を与えるシーン
サンがアシタカに口移しで干し肉を与えるシーンで流れた曲は、久石譲の『もののけ姫(インストゥルメンタル・バージョン)』です。
こちらも名場面で見どころの、ドキドキしてしまう口移しシーン。
サンが噛み砕いた干し肉を飲み込みながら涙するアシタカも、とても美しく尊い!!
主題歌「もののけ姫」のオーケストラを用いたインストバージョンが、しっとりと心に染み渡ります。
アシタカが乙事主にナゴの守の死を伝えるシーン
アシタカが乙事主にナゴの守の死を伝えるシーンで流れた曲は、久石譲の『レクイエムII』です。
モロ達と、乙事主率いる猪達が対立するシーン。
アシタカは、乙事主に呪いをかけられた手を匂わせ、ナゴの最期を伝えるのでした。
穏やかに見える乙事主が、まさかラストで酷い事になってしまうとは…。視聴2回目以降は乙事主を観ると切なくなります。
この「レクイエムII」は、アシタカがサンを抱えタタラ場を出て行くシーンで使用された曲とほぼ同じ楽曲。
アシタカとモロが話しているシーン(主題歌)
アシタカとモロが話しているシーンで流れた曲は、米良美一の『もののけ姫・ヴォーカル』です。
サンが寝ている間にアシタカがモロと会話。「黙れ小僧!!」とモロが怒る有名なシーン。
美輪明宏さんの威厳のある声が、モロにピッタリですよね!
日本の声楽家、歌手である米良さんの透き通った歌声と、優しく切ないメロディのこの主題歌は、世界的にも有名になりました♪
乙事主率いる猪達と、エボシ率いる人間達との戦いが始まるシーン
乙事主率いる猪達と、エボシ率いる人間達との戦いが始まるシーンで流れた曲は、久石譲の『戦いの太鼓』です。
決戦直前、サンとモロが様子を伺うシーンから、サンがモロの子に乗り戦へ向かうシーンまで流れます。
また、これより少々前の、猪達が山を登っているところをジコ坊達が見ているシーンでも使用されていました。
この曲は、全て打楽器のみで演奏されており迫力満点!力強いのに静かで、緊張感が高まります。
タタラ場の女性達が侍達と戦っているシーン
タタラ場の女性達が侍達と戦っているシーンで流れた曲は、久石譲の『タタラ場前の戦い』です。
エボシと男達、ジコ坊一派がシシ神退治で留守にしている間に侍達が攻め込んで来て、石火矢で応戦しているシーン。
こっちはこっちで戦争が始まっており、どこを観ても息つく暇がありません!
管弦楽器を用いた心臓の音のようなドッドッドッというリズムで、不穏なメロディー。緊迫している現状を表しています。
アシタカがエボシに会いに、ヤックルに乗って逃げるシーン
アシタカがエボシに会いに、ヤックルに乗って逃げるシーンで流れた曲は、久石譲の『呪われた力Ⅱ』です。
タタラ場の危機をエボシに伝えに、アシタカが追っ手と戦いながらヤックルに乗り疾走するシーン。
ここでヤックルが打たれてしまう…!可愛いヤックルが心配でたまらない動物大好きな筆者。
待っていろと言っても聞かず、アシタカによたよた付いていく健気さに、心打たれました。
ここで流れるのは、物語前半で流れた「呪われた力」を、もっと重厚&壮大にアレンジした曲です。
アシタカが、石火矢衆の生き残りから惨状を聞くシーン
アシタカが、石火矢衆の生き残りから惨状を聞くシーンで流れた曲は、久石譲の『レクイエムⅢ』です。
乙事主率いる猪達との壮絶な戦いで、ほとんどが戦死した惨状をアシタカが聞き想像するシーン。
なぜ、戦わなければならないのか?戦争という殺し合いの重みが伝わって来ます。
ここで流れるのは、今まで流れた「レクイエム」を短くアレンジしたバージョン。
サンが乙事主を支えながら、シシ神の元へ向かうシーン
サンが乙事主を支えながら、シシ神の元へ向かうシーンで流れた曲は、久石譲の『敗走』です。
エボシとジコ坊率いる石火矢衆に、かなり手酷くやられてしまった乙事主。
サンがなんとか支えながら、シシ神に助けを求めようとシシ神の森に向かうシーン。
ボロボロになりながらも信念を貫き通す乙事主がとても不憫で、いのしし年生まれ・獅子座の筆者は他人事とは思えませんでした;
重低音で不気味、徐々に盛り上がって行く曲。「怨念」が乙事主を蝕む様を見事に表しています。
乙事主がタタリ神になって行くシーン
乙事主がタタリ神になって行くシーンで流れた曲は、久石譲の『タタリ神Ⅲ』です。
錯乱状態に陥った乙事主の身体についに触手が現れ、サンをも巻き込みタタリ神と化してしまうシーン。
サンが「乙事主様、タタリ神なんかにならないで!」と一所懸命助けようとする健気な姿には、グっと来ました。
アシタカ早くー!!!
ここで流れる「タタリ神Ⅲ」は、「タタリ」「もののけ姫」「アシタカせっき」をミックスした、悲壮感溢れる楽曲です。
シシ神が乙事主に歩み寄って行くシーン
シシ神が乙事主に歩み寄って行くシーンで流れた曲は、久石譲の『死と生のアダージョ』です。
ついにシシ神が現れ水面を静かに歩き、乙事主に歩み寄るシーン。
ここで乙事主は精気を吸い取られ絶命します。本当に気の毒で哀れで悲しい最期でしたね。
物語が佳境に入った事を告げるのにふさわしい、静けさと力強さがミックスした楽曲です。
シシ神(ディダラボッチ)が暴走するシーン
シシ神(ディダラボッチ)が暴走するシーンで流れた曲は、久石譲の『黄泉の世界』です。
シシ神がディダラボッチになろうとした際、エボシにより首を撃たれ、森の生物達の命を吸い取り暴走するシーン。
人々は倒れ、ものすごい数のコダマが落ちて行き、もう何が何やら滅茶苦茶になってしまって絶望しかない!
重低音と、女性の悲鳴のような声がエフェクトとして入ったメロディーで、絶望・不安を表している楽曲です。
アシタカとサンが協力し、ジコ坊を追うシーン
アシタカとサンが協力し、ジコ坊を追うシーンで流れた曲は、久石譲の『黄泉の世界Ⅱ』です。
「そなたも人間だ」「すまない…」とサンを抱きしめるアシタカ。
サンの言う通り、何もかも終わってしまった!と絶望しかありませんでしたが、
アシタカは諦めず真摯にシシ神と向き合おうとするシーンです。
二人の距離がさらに縮まり、ラブと緊迫する状況が混在する…!
ここで流れる楽曲は「もののけ姫」のインストから、壮大な「黄泉の世界」へと移り変わります。
アシタカとサンが、シシ神(ディダラボッチ)に首を返すシーン
アシタカとサンが、シシ神(ディダラボッチ)に首を返すシーンで流れた曲は、久石譲の『死と生のアダージョⅡ』です。
ジコ坊を説得し、シシ神に首を返そうとするシーン。
呪いがサンにまで移りますが、ひるまず首を掲げます。しかしジコ坊もしぶといなぁ。
静かなメロディーから徐々に盛り上がる荘厳なオーケストラが、今作のクライマックスに絶妙にマッチしています!!
エンディング
エンディングで流れた曲は、久石譲の『アシタカとサン』です。
森に新しい命が宿り、美しい緑が再来するシーン。
「アシタカは好きだ。でも人間をゆるすことはできない」と言うサンに「それでもいい。共に生きよう」と言うアシタカ。
二人のラブは終わりなのかどうなのか!?エボシも改心してめでたしめでたしでしたが、最後は少し切なかったです。
エンディングで使用されたのは、ピアノの旋律が美しく晴れやかで、叙情的な楽曲でした。
エンドロール①
エンドロールで流れた一曲目は、米良美一の『もののけ姫(ヴォーカルエンディング)』です。
最初はアカペラで途中から静かな伴奏が入るという、米良さんの歌声にフォーカスした編曲。
本当に美しい歌声ですよね…。映画の余韻に心地よく浸れます。宮崎監督の作詞も素晴らしい!!
でもこのエンドソングはとても短いので、もっと聴いていたかったです。
エンドロール②
エンディングで流れた二曲目は、久石譲の『アシタカせっ記(エンディング)』です。
米良さんの歌の後、オープニングでも流れた「アシタカせっ記」のエンディング(ロング)バージョンが流れます。
オープニングでは短く、どちらかというと哀愁のある曲でしたが、一曲まるっと長く聴くとその美しさ、素晴らしさに感動。
曲の途中からは明るく壮大で、晴れ晴れしい気持ちになりました!
サウンドトラック
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