2023年8月18日公開の映画『ふたりのマエストロ』は、フランスで活躍するオーケストラ指揮者の親子、父・フランソワ(ピエール・アルディティ)と息子・ドニ(イヴァン・アタル)の物語。
スカラ座での指揮をキッカケに二人の関係が変化していくのに注目です。
オーケストラの音楽に感動した映画『ふたりのマエストロ』を視聴してきました!予習とネタバレ、あらすじをご紹介していきます!
映画『ふたりのマエストロ』で流れる5曲をシーンごとに解説!
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『ふたりのマエストロ』を予習する
今作は2人の指揮者であり、親子でもある人たちの物語が描かれます。ホームページなどで登場人物の名前などを見ておくと良いかもしれませんね。また、予習におすすめな似たジャンルなどの作品もお伝えします。
クロード・ラルシュ監督の他の作品と言えば、音楽と家族の絆を描いた感動作『コーダ あいのうた』がありますね。また、音楽をテーマにした『愛と哀しみのボレロ』も良いでしょう。
ピアニストの映画なら『シャイン』、ドラマーの映画なら『セッション』も、音楽を追い求める人を描くことから予習におすすめ。
あとは、邦画でマンガ原作の映画『のだめカンタービレ』も、天才指揮者とピアニストのちょっと笑える物語が描かれるので良いかもしれませんね。気になる作品をぜひ、見てみてください。
おすすめの視聴は映画館?配信?
映画館で見るその最大の魅力は音響の良さ!オーケストラやクラシック音楽の豊かな響きを体感できることから映画館がおすすめですね。また、指揮者の棒さばきから演奏者の息づかいまで、大きな画面ならではの細部様子も伺えることでしょう。
配信で見る場合のメリットは、自分のペースで視聴できることでしょう。好きな時間・場所で、お気に入りの演奏シーンを繰り返し見たりもしやすいのが良いですね。
【ネタバレなし】『ふたりのマエストロ』のあらすじ
父も息子も、指揮者の親子。父・フランソワ・デュマール(ピエール・アルディティ)は、輝かしいキャリアを誇る大ベテラン。
息子のドニ・デュマール(イヴァン・アタル)は指揮者として才能を発揮し、今や飛ぶ鳥を落とす勢い。
ある日、父へ一本の電話が。それは夢にまで見た世界最高峰<ミラノ・スカラ座>の音楽監督就任の依頼だった。しかし、ドニは父の偉業を素直に喜ぶことができないでいた。
翌日、ドニにスカラ座の総裁から呼び出しが。なんと父への依頼は、息子への依頼の誤りだった。ドニは父に真実を伝えなければいけない苦渋の選択を迫られるーーー。
以下より重要なネタバレを含みます。
『ふたりのマエストロ』のネタバレ
2人の指揮者
フランソワ・デュマールはテレビで指揮者のドニ・デュマールが賞を受賞するのを見ていましたが、その成功に対して良く思わずテレビを消しました。息子のドニに対し、自分も指揮者であるフランソワでしたが大きい成功は成しておらず…そんな折、オーケストラの練習のためにホールへ向かいます。
「交響曲第9番(Symphony No. 9)」の練習をしていると、スマートフォンに着信音が鳴り響き、フランソワは激怒。しかし、その音が自分のスマートフォンから鳴っていることに気付き、急いで出ることに…そして、スカラ座の指揮を任したいという旨を聞くのでした。
喜びに満ちたフランソワは帰宅し、家族が誕生日を祝いに来ていたのに気付きます。妻やドニに指揮者に選ばれたことを告げると、みんなからお祝いの言葉が贈られるのでした。
「第九」の演奏パートやフランソワが指揮する演奏など、オーケストラの音を楽しめるのが今作の見どころですね!一方で、親子の誤解がどうなるのかが気になります…!
フランソワの誤解
後日、ドニは総裁から呼び出され、スカラ座の指揮者の依頼を秘書が誤ってフランソワに連絡したと知ります。本当はドニに依頼したかったとのことで、フランソワへ誤解だったと話すよう頼まれたドニ…しかし、楽しみにしている父に誤解だったと言えず日が経ちます。
手紙を書いて知らせようと考えますが渡せず、その手紙を息子が読んだことで彼の母であるジャンヌが誤解の内容を知りました。ジャンヌはドニに「フランソワに早く言うべき」と言いますがそれでもドニは言えずにいます。
ドニは難聴のヴァイオリニストのヴィルジニと恋仲でしたが、彼女との関係も揺れ動いていました。親子と恋愛関係に困っている中、スカラ座の演奏を練習しつつ日々を送ります。
フランソワは妻に指輪を送るほど喜んでいたことから、スカラ座で指揮ができることを喜んでいたようですね。 だからこそ、息子のドニは気まずさを感じたのだと思いますが…まさかずっと言えずにいるとはハラハラさせられます。 果たして父に明かすことができるのか、そして彼の恋仲の行方にも注目ですね。
ドニと周りの関係
ドニはオーケストラのヴァイオリニストに推薦されている女性の演奏を観に行くと、その場にフランソワも現れて気まずいことに…ついにドニは母親に誤解を伝え、彼女はフランソワを連れ出して指揮者に選ばれたのはドニだったと伝えます。フランソワはドニの元に行き、どう思っていたのかと問いかけました。
そうして父と疎遠になりつつも、スカラ座の演奏日を迎えたドニ。ヴィルジニに話をしに行き、イタリアに来て欲しいと伝えましたが…彼女の姿はありません。そして、演奏が始まっても客席にフランソワの姿は無かったのです。
演奏が始まってしばらくするとなんとフランソワが舞台へ。彼はドニの隣りに立って指揮を始めるのです。親子は事前に決めていたようで、観客を驚かせつつ演奏を終えました。こうしてフランソワとドニの関係が修復され、物語は温かい結末を迎えます。
ドニは18歳の息子がいて、一緒にピアノを弾いたり、気兼ねなく会話をしていたりするのに和みます。一方で、恋人とは上手くいっておらず…父との関係性も含めて色々と考えさせられるヒューマンドラマを見ている気分になれました。 そうして最後はフランソワとの関係を修復できたとわかりますが、指揮者が2人いる演奏は初めて見たこともあって印象的!それぞれパートを分けて指揮を振っていたり、各々の表現力を活かして指揮をする姿も良かったです。 親子が正直な思いを語り合い、最後はハッピーエンドを迎えることから温かい気持ちになれる作品でした。