2023年8月18日公開の映画『ふたりのマエストロ』。
親子二代の指揮者が織りなす感動的な物語は、父と息子の葛藤も描かれます。クラシック音楽と人間ドラマが絶妙に交錯する作品となりますが、どのシーンでどういった名曲が使われているのかを解説しましょう。
この記事では、映画『ふたりのマエストロ』で流れた音楽5曲をご紹介します。※この記事はネタバレを含みます
映画『ふたりのマエストロ』の予習&ネタバレを劇場鑑賞者が解説!
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『ふたりのマエストロ』で流れた曲とは?
フランソワがオーケストラの練習で指揮を振るうシーン
ベートーヴェン - 交響曲第9番(Symphony No. 9)
フランソワがオーケストラの練習で指揮を振るうシーンで流れた曲は、ベートーヴェンの『交響曲第9番(Symphony No. 9)』です。
フランソワがホールに到着すると、様々な楽器を持った人たちがチューニングをしていましたね。そうして彼が指揮を振るい、曲のワンパートの練習が始まります。
フランソワは時折、曲を止めてどのように演奏すべきかを指摘していくのがクール。その助言に合わせて演奏者たちも修正しつつ、続きを引いていくのが印象的ですね。
そうしてスムーズに曲の練習が続いていきますが…スマホの着信音が鳴り響いて中断するのにハラハラさせられることでしょう。※動画の部分のパートを練習していたと思われます
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ドニが小澤征爾が指揮するスカラ座の演奏を聴くシーン
Giulio Caccini - Ave Maria
ドニが小澤征爾が指揮するスカラ座の演奏を聴くシーンで流れた曲は、Giulio Cacciniの『Ave Maria』です。
ドニはフランソワに「指揮者に選ばれたのは自分だった」と言えずにいるなか、小澤征爾が指揮するスカラ座の演奏を見ていましたね。
「アヴェマリア」という歌詞を女性が歌っていましたが、高らかな声に聞き入ってしまいます。オペラならではの演奏を実感させられつつ、ドニが譜面と向き合ったり、父へ手紙を書いたりするのを見守りたくなることでしょう。
ドニがヴァイオリニストの演奏を聞くシーン
モーツァルト - ヴァイオリン協奏曲第5番(Violin Concerto No. 5)
ドニがヴァイオリニストの演奏を聞くシーンで流れた曲は、モーツァルトの『ヴァイオリン協奏曲第5番(Violin Concerto No. 5)』です。
ドニはスカラ座の演奏のため、ヴァイオリニスト獲得を目的とした視聴へ。演奏会場でヴァイオリニストたちがステキな音楽を奏でてくれましたね。ヴァイオリンや他の弦楽器たちが揃って少人数で演奏する姿が印象に残りました。
公演後、ドニは女性のヴァイオリニストと話をしつつ、スカラ座の件で詳細をと言いますが…そこにフランソワと妻がやって来たことで気まずい雰囲気に!この後どうなるのか気になっていくことでしょう。
ドニがスカラ座で指揮をするシーン
モーツァルト - フィガロの結婚 序曲(The Marriage of Figaro Overture)
ドニがスカラ座で指揮をするシーンで流れた曲は、モーツァルトの『フィガロの結婚 序曲(The Marriage of Figaro Overture)』です。
ついにスカラ座に立ったドニ!彼の指揮に合わせて盛大な音から始まり、弦楽器などが小刻みに弾いていく音が続いていくオーケストラ音楽は聞き入ってしまいますね。
そして、フランソワも舞台に現れたかと思いや、まさか彼も指揮を振るうとは…これまでにない展開を見せつつ、親子が仲を取り戻すのが印象的です。
最後まで演奏されるラストワンシーン、どうぞお楽しみくださいね。※この曲は予告動画でも流れます
エンディング
シューベルト - セレナーデ(Serenade)
エンディングで流れた曲は、シューベルトの『セレナーデ(Serenade)』です。
「ダララダー」という低い音を奏でる曲は、しっとりとしたエンディングにぴったり。といっても、ドニとフランソワの親子関係はハッピーエンドだったかなと思います。
彼らの関係を描く上で、しっとりとした雰囲気を感じさせるシーンが多かったことを思い出させてくれる感じがしましたね。一定のリズムを刻みつつ、弦楽器の音が処々に入っていく演奏と共にスタッフロールが流れました。