歌がうまくなりたいヤクザ・成田狂児(なりた きょうじ)と、声変わりに悩む中学生の合唱部部長・岡聡実(おか さとみ)との出会いから始まる物語。
狂児の勝負曲はX JAPANの「紅」や、Little Glee Monsterのカバー版、その他カラオケでの歌のシーンもポイントですよ。監督は山下敦弘。
映画の感想などを紹介します!
どんな映画?おすすめポイントを紹介!
カラオケ行こ!
- 未体験
- 5
- 感情移入
- 4
- 再鑑賞
- 4
- 予測不可
- 3
- サウンド
- 5
この映画のタイトルは「紅」だった!?そう思えるほど熱い歌のシーンや、歌詞にもしみじみとさせられる展開が良かったです!
評価は年間100作品以上を鑑賞する執筆者こでぃもの実体験をもとにしています。
ストーリー
組長の誕生日にカラオケ大会があり、狂児は歌が上手くなりたくて合唱部のソプラノ担当の聡実を頼る…驚きのストーリーは未体験度が高かったですね!
基本的には中学生の青春ドラマという感じがし、コメディよりなので怖い展開は少ないと思って安心して見れますよ!ヤクザのアレコレは少しありますが(笑)
演出
カラオケで「紅」を熱唱する狂児と、合唱コンクールや練習時にキレイな歌声を披露する聡実たち…この2つのギャップと演出は際立ちましたね!
中学生ならではのコメディっぽいすれ違いがたくさんあるのもおもしろかったです。
その作品ならではの切り口
ヤクザたちがカラオケで雁首揃えて座っているのはシュール(笑)聡実を「先生」と呼んで教えを請うのは今作ならではの切り口でしょう。
狂児の人柄は綾野剛が演じるからこその、つかめない感じが良かったです!迫真の演技が楽しめました!
おすすめポイント
極道・ヤクザの戦々恐々としたシーンは無いので安心して見れるのがポイント!でも、狂児をカッコイイと思えるシーンはたくさんありますよ。
もちろん、歌やカラオケなどが好きな人にはおすすめできる映画です。中学生の声変わり、青春模様を楽しみたい・笑ってほっこりしたい人にも見て欲しいですね。
映画館ならではの良さは…やはり「紅」などを歌う綾野剛の熱唱、ステキな合唱曲の音を大音量で楽しめる点です!
映画『カラオケ行こ!』で流れる曲をシーンごとに解説!全18曲
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以下より重要なネタバレを含みます。
ネタバレありで解説!
聡実と狂児
合唱コンクールを終えた森丘中学校の合唱部。3位になったことで部長の聡実はトロフィーをもらいに行くと、見知らぬ男から「カラオケ行こ」と言われました。気迫のある男の誘いを断れず、聡実は「カラオケ天国」へ。
男は名刺を出して狂児だと名乗りつつ、聡実は彼がヤクザであるとわかって萎縮…しかも、組長の誕生日にカラオケ大会があり、最下位になると入れ墨を掘られると言うので驚きます。
狂児は歌を聞いてもらって聡実にアドバイスをして欲しいとのことでした。聡実は渋々、狂児の『紅』の歌を聞き、終始裏声で気持ち悪いと伝えます。その日は一言だけ助言をし、帰ることができました。
次の日、合唱祭の練習が始まる中、なんと校門に狂児の姿が…彼は聡実に傘を届けに来たと言い、歌の助言も欲しいと言うのです。聡実は合唱部用の練習冊子を渡し、彼を帰らせました。
最下位になりたくないと真面目に考える狂児と、大会のために真剣に歌に取り組んできた聡実!彼らの出会いから、歌について学べるシーンも多かったですね。
まさか、狂児がX JAPANの『紅』を終始裏声で歌うとは驚き!この歌は何回か歌うのですが、「紅だぁあああ!」と叫ぶシーンが忘れられません(笑)
『紅』
再びカラオケに呼ばれた聡実は、狂児が冊子を元に真面目に練習していたことに驚きました。また助言をしつつ、狂児に合う音域の歌を選ぶ方が良いと言います。
一方、聡実は声変わりしつつあり、担当パートのソプラノを出しづらくなっていました。同じパートの和田は聡実が、サボっていると思って怪訝にしますが…聡実は映画部に顔を出す回数が増えていくのでした。
そうして狂児の歌に付き合う回数も増え、聡実は彼の音域にあった曲を提案。『タイガー&ドラゴン』などを歌いつつ、やっぱり『紅』を間にはさみながら励みます。
そして、聡実は『紅』の英語パートを関西弁で和訳し、狂児はしみじみと歌詞を読み上げました。歌詞の意味を知って感慨深そうにする狂児に、聡実は女性の影を思わせると思いますが…狂児は心当たりが無さそうにします。
日は変わり、聡実の評判を聞いた狂児の仲間たちがカラオケに押しかけ、その風貌に萎縮する聡実…ヤクザたち十人ほどが彼を「先生」と呼びつつ何人かが歌いました。
カラオケにヤクザが集い、King Gnu『白日』、氣志團『One Night Carnival』、エヴァで有名な『残酷な天使のテーゼ』などを歌うのは笑ってしまいましたね!
聡実はハッキリと歌の評価をし、「カス」呼ばわりされて激怒する者も…狂児はそれをなだめ、みんなが頭を下げることになったのがおもしろかったです。
狂児は「『紅』は和子の思い入れの曲だ」と視線を落としてポツリと呟いていましたね。まさか、和子は母親で、こうした仕草をすること自体が作戦だというとは驚きましたが!つかめない男だなと思いつつ、カラオケで色々な曲を歌うのも魅力です。
合唱祭
一方で、合唱祭が近付き聡実は練習に参加しようとすると和田は帰ると言い出します。副部長と聡実と3人で口論になりますが…外からそれを見ていた狂児は痴話げんかだと冷やかして聡実は激怒。お守りを投げつけて一人で練習するように言いました。
合唱祭当日。聡実は会場に向かう途中で狂児らしき男が救急車に運ばれるのを見て動揺。会場で「歌えない」と伝えてカラオケ大会の店へ向かいます。スナックには組長を含めたたくさんのヤクザ揃い、「狂児は地獄に行った」と知るのでした。
聡実はカラオケを続けようとするヤクザに怒り、そんな彼に対し組長はマイクを渡して「狂児への鎮魂歌だ」と言って歌うよう促します。聡実は『紅』を全力で歌い、トイレに行ってた狂児は彼を褒め称えた…組長がウソをつき、狂児が無事だと知った聡実は涙を流すのでした。
その後、聡実は狂児と連絡を取っていませんでしたが、ミナミ銀座にホテルが建ち始めた頃、「カラオケ行こ」と誘われます。
合唱部のシーンは真剣な子たちも多く、聡実が悩む姿は見守りたくなりましたね。そんな展開を経て、最後は狂児が死んだのではと思って冷や冷や! ヤクをやってた男が救急車に運ばれたとわかって聡実が信じられない面持ちを浮かべたのと、彼が歌う全力の『紅』のシーンと、一連のシーンを合わせて感動を覚えましたね。 2人はもう会えないのかと思いましたが、最後は電話のシーンで終わるのが良かったです。狂児の腕に「聡実」と彫られていたのも、クスッと笑ってしまいましたね。
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極道の過去を持つ主人公が家庭と地域社会で巻き起こすドタバタとユーモアに溢れる展開が見どころとなる映画!
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DTC -湯けむり純情篇- from HiGH&LOW
大人気アクションシリーズ『HiGH&LOW』のスピンオフ作品。ダン(山下健二郎)、テッツ(佐藤寛太)、チハル(佐藤大樹)のトリオ「DTC」の冒険を描いており、主に男性たちの闘いと友情に焦点を当てたストーリーを描きます。
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