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Netflix韓国ドラマ『サイコだけど大丈夫』のネタバレ・感想をご紹介!自閉症の兄を持つ保護士と、ASPDの童話作家。3人の暗い過去に何があったのか?

beersy

Netflix韓国ドラマ『サイコだけど大丈夫』のネタバレ・感想をご紹介!自閉症の兄を持つ保護士と、ASPDの童話作家。3人の暗い過去に何があったのか?

https://youtu.be/tkWbF81Cbao



2020年6月20日から韓国とNetflixで放送されたドラマ『サイコだけど大丈夫』。

精神科病棟に勤務し、自閉スペクトラム症の兄を持つ男が、生まれつき愛を感じる事が出来ない「反社会性パーソナリティ障害」を持つ女性童話作家と出会い、お互いの心の闇を知って行く。

その先には、何があるのかー。

大ヒットした、韓国のサスペンス・ラブコメドラマ。

  • 主演:キム・スヒョン、オ・ジョンセ、ソ・イェジ
  • 脚本:チョ・ヨン
  • 監督:ホン・ジョンチャン
beersy
beersy

虫が苦手過ぎて蝶々も怖いbeersyです!(まるで本作のサンテのよう…)

韓流にハマったのが遅かった私は『涙の女王』でキム・スヒョンを知ったのですが、ヒロインのヘインを超える我儘お嬢様が出て来る…という事で視聴。

とにかくソ・イェジが美し過ぎる!リアルお人形さん。完璧な目鼻立ち。掌に収まりそうな小顔。

そんな見た目とギャップのある、低めボイスにもウットリしました!

この記事では、韓国ドラマ『サイコだけど大丈夫』を鑑賞した筆者が、1話ごとに感想とネタバレ解説をご紹介します。(途中まではネタバレ無しなのでご安心を♪)

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『サイコだけど大丈夫』の評価&感想

サイコだけど大丈夫 | 公式予告編 | Netflix

  • 感動度
    5
  • 脳トレ度
    5
  • 再鑑賞度
    4
  • サプライズ度
    5
  • 話題性
    5

本作で1番驚いたのは、自閉症のサンテを見事に演じていた、オ・ジョンセ。

子どもの頃を演じた子役の子も素晴らしかった。

というのも、実は筆者に障害者施設で働いている友人がいて、この作品の演技の部分に非常に驚いていました。

重要なキャラにリアリティがあるからこそ、名作が生まれたのだと思います。

そして頭を使うサスペンス・スリラー。ホラー要素もあって、最初は離脱しようと思いましたが頑張って良かったです。

結末が全く予想だにしませんでした。もう一度鑑賞して伏線回収をしたい!脚本秀逸過ぎます。

ほっこりラブコメが好きな方には厳しいかもしれませんが、ズッシリ見応えのある作品が好きな方にオススメ!

ちなみに、本作の脚本を手がけたチョ・ヨンと、監督のホン・ジョンチャンがタッグを組んだネトフリドラマ『Mr.プランクトン』も面白いですよ!!

以下より重要なネタバレを含みます。

『サイコだけど大丈夫』の主要キャラ

※役名/俳優(役の説明)

主要人物

ムン・ガンテ/キム・スヒョン(OK精神病院に務める保護士。幼少期に両親を亡くし、自閉症の兄と共に生活している)

ムン・サンテ/オ・ジョンセ(ガンテの兄。発達障害3級・高機能自閉症障害。しかし弟を大事に想っている)

コ・ムニョン/ソ・イェジ(児童文学作家。美しい美貌を持ちながら、反社会性パーソナリティ障害の疑いがあり、血を好み愛を知らない)

OK精神病等

ナム・ジュリ/パク・ギュヨン(ガンテとムニョンの同級生。密かにガンテを想っており、ムニョンと衝突する)

オ・ジワン院長/キム・チャンワン(心優しい病院長。茶目っ気があるが、洞察力の鋭い名医)

カン・スンドク/キム・ミギョン(ジュリの母で病院内の調理長。ムン兄弟を気にかけている)

パク・ヘンジャ/チャン・ヨンナム(看護師長。しっかり者で厳しいが、慕われている)

周辺人物

チョ・ジェス/カン・ギドゥン(ガンテの親友。ムン兄弟の引っ越しに毎回付いて行き、支えている)

コ・デファン/イ・オル(ムニョンの父。元建築家で、器質性認知症を患っている)

イ・サンイン/キム・ジュホン(出版社「サンサンイサン」の代表。ムニョンの本を出版しているが、いつも振り回されている)

ユ・スンジェ/パク・チンジュ(サンサンイサンのアートディレクター。サンインに怒られてばかりいるが、ハートが強い)

 

『サイコだけど大丈夫』のネタバレ解説

第1話/悪夢を食べて育った少年

精神病院の保護士として働くムン・ガンテは、高機能自閉症障害を持つ兄・ムン・サンテと2人きりで生活していた。

サンテが学校などで発作や問題を起こしては、引っ越しと転職を繰り返している。

2人の両親は幼い頃に亡くなり、生前の母はガンテにムンテの世話をするよう毎日命じていた。

サンテは絵が好きで、中でも絵本作家のコ・ムニョンの大ファンだ。

ある日ガンテは、勤め先の小児病棟でムニョンの朗読会が行われる事を知り、サンテにサインを渡す事を約束する。

ーー

コ・ムニョンは、誰もが羨む美貌と才能を持っているが、人の心を汲めない「反社会性パーソナリティ障害」の疑いがある。

レアなステーキ肉の血を舐めたり、子供を脅したり、欲しいものは盗んででも手にいれた。

彼女が作る絵本はかなりダークだが、大ヒットを連発している。

出版会社「サンサンイサン」の社長イ・サンインは、長年ムニョンの絵本を出版しているが、いつも都合の良いように使われ振り回されていた。

そんなムニョンが、朗読をするため病棟に到着し、タバコを吸っていると、ガンテが現れ「ここは禁煙です」と話しかけるが、ムニョンは「運命って信じる?必要なときに現れてくれるのが運命の人よ」と言いながら、タバコを捨て去って行く。

ガンテは彼女を見つめ呆気に取られていた。

ーー

朗読が始まったが、精神病等の患者が脱走し、小児病棟にいる娘を連れ去ったため中止になった。

それを目撃したムニョンは、その父親に「ここまでのクズは久しぶりに見たわ。生きる勇気も1人で死ぬ勇気もない癖に、娘を道連れにするなんて。1人で死んで」と言って煽り倒す。

逆上した父親がムニョンに襲いかかり、首を締め始めると、ムニョンは幼い頃父にも同じようにされた事を思い出した。

そこへ助けに来たガンテが現れ止めたが、ムニョンは持っていたナイフで父親を刺そうとする。

その刃をガンテが素手で止めたため、ムニョンは微笑み「知ってる?思いやりのある狂人が、死んで当然の奴らをこっそり殺してくれるから、考えなしの市民がぐっすり眠れている事。私はどちらだと思う?」と言いながらガンテの手にハンカチを巻いた。

ーー

ガンテは、サンテに約束したムニョンのサインを忘れており、親友のチョ・ジェスに頼んで書いてもらうが、すぐに見破られてしまう。

なんとか宥めようとするが、こうなるとサンテは中々大変だ。

また、春になると彼はさらにパニックを起こす。

蝶々に追いかけられる夢を見て「 蝶が追いかけてくる!蝶が僕を殺すと言っている!」と発狂してしまうのだ。

その度に、蝶から逃れるように、2人は引越しを重ねている。

一方、ムニョンの元を精神病院で働くナム・ジュリが訪ね、入院中のムニョンの父親、コ・デファンの手術同意書を書かせようとする。

実は2人は同級生だったが、長年仲違いしており険悪な仲だ。

ムニョンは「父は、魂は死んでいるのに肉体は生きている。母は、肉体は死んだのに魂は生きているの。ねぇ、どっちが生きているんだと思う?」と笑いながらも、同意書に署名した。

ーー

ガンテは、ムニョンの絵本「悪夢を食べて育った少年」を読んでいた。

毎日悪夢を見て辛い日々を送る少年が、魔女の元へ行き悪夢を消してもらう。

それなのに、少年は大人になって悪夢を見なくなっても、幸せにはなれなかった。

魔女になぜなのかと聞くと、「辛い記憶、悲しかった記憶を抱えている者は、強くなるから幸せを掴み取れるんだ」と言って、見返りに少年の魂を取って行った。

ガンテは本を閉じると、寝ているサンテの顔を見た。

ーー

結局、ガンテは病院を退職。ムニョンを襲った父親は、自殺した。

ガンテに訴えられると怯えたサンインは、金でどうにかしようと思い「謝罪させてください」とガンテに連絡。

そしてガンテがサンサンイサンに行くと、サンインは遅れており、ムニョンと鉢合わせしてしまった。

ムニョンはにっこり微笑みながら「私服姿も素敵ね」と口説こうとする。

するとガンテが「あなたにまた会いたかった。その目、見た事がある」と言い、ムニョンが「その女の事が怖かったの?」と聞くと、「好きだった」と言って彼女を見つめた。

beersy
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思ったよりダークで怖くて、鬱々としているのでちょっと離脱しようかなと思いましたが、夫に絶対面白くなると諭されました。笑

手のひらが観ているだけで痛い…怖い!(筆者、デスマッチプロレスは観られるのになぜなのか?)

ガンテとムニョンは幼馴染み?謎と恐ろしさだらけの第一話でした。

 

第2話/赤い靴のお嬢さん

ムニョンは、ガンテに「口説いてる?口止め料にいくらもらうの?」と聞いたが、ガンテは「確かめたかった。その温かみのない目は見覚えがある。人格が壊れた人。でも好きだった」と答える。

しかし、「勘違いするな。良い思い出じゃない」と吐き捨てた。

実は2人は、小学生の頃の同級生だった。

溺れているガンテをムニョンが助け、ガンテはムニョンに惹かれて行く。

しかし、彼女は蝶の羽をむしって「これでも私が好き?」と微笑み、ガンテは怖くなって逃げた…という過去があった。

ガンテはやっと戻って来たサンインに金を渡されるが突き返し、ムニョンのサイン入り新刊だけを受け取り「これで会うのは最後だ」と言って帰って行く。

ムニョンは、ガンテの姿をオフィスのベランダから見下ろし「綺麗だわ。欲しい」と呟いた。

帰りのバスの中で、ガンテが「ソンビの子」という新刊を開くと、ムニョンのサインと共に「サンテさん、出版記念サイン会に来てね」と書かれていて驚く。

サンテは舞い上がり、一生懸命オシャレをしてサイン会の準備を始めたが、ガンテはジェスにサンテの付き添いをお願いした。

ーー

ジェスから、ガンテが引っ越すと聞いたジュリ。(ジェスはジュリを想っているようだが全く眼中にない様子)

そしてガンテの元へ行き、2人の故郷で、自分の勤務先でもあるソンジン市の「OK精神病院」で働かない?と聞き、また実家の2階が空き部屋になっているから、サンテさんとそこに住めば良いよ、と提案する。

するとガンテは、幼い頃の記憶が蘇った。

ーー

ガンテとサンテの母は、何者かによって殺されていた。

サンテが犯人を見たらしいのだが「言ったら殺される。蝶が追いかけて来て僕を殺すんだ」と怯え、何の証言も出来ず犯人は未だ捕まっていない。

ガンテは「ありがたいけれど大丈夫」と言ってジュリの申し出を断ったが、OK精神病院がトラウマ治療に特化していると知り、ネットで情報を集め出した。

ーー

ムニョンのサイン会当日。

ジェスが酔い潰れて来れなくなり、仕方なくガンテがサンテと共に会場へ。

しかし中には入らず「僕は外にいるからね。しっかりと列に並んでサインをもらって来て」と伝え離れる。

するとやっと起きたジェスから電話が入り、会場を出て話をし始めた。

その直後サンテは、大好きな恐竜・ステゴサウルスの着ぐるみを着た子供を見つけ触ってしまい、その両親と騒動を起こしてしまう。

騒ぎに気付いたガンテがサンテの元に走り寄るが、サンテは大パニックに陥り悲鳴をあげていたため、抱きしめて「1人にしてごめん…僕が悪かった」と言って、泣きそうになりながら宥めた。

ーー

その様子を見ていたムニョンは、ゆっくりとガンテ達に近寄付き「謝罪しなさい」と言って父親を睨む。

ムニョンはサンテがされたように父親の髪をひっぱり「髪を掴まれれば誰でも驚くわ」と吐き捨て、母親に文句を言われると「バカな女」と言って失笑した。

するとこの動画が拡散され、大問題となってしまう。

さらに、ムニョンは自分と敵対している悪徳評論家とも一悶着起こし、評論家は大怪我を負ってしまった。

興奮しているムニョンに、ガンテはうつ病やパニック障害を持つ人に効果的な「バタフライ・ハグ」を教える。

そしてゆっくりとトントンしたが、ムニョンは「私の安全ピンとして、私の爆発を止めて。いくらならいい?」と聞いた。

ガンテが「君は患者とは違う。避けるべきだ」と言うと、ムニョンは「避けるんじゃなくて逃げるんでしょ。臆病者」と呟いた。

それは、昔ムニョンが蝶を殺しガンテが走り去る際、放った言葉だった。

ーー

サンテは、意外なほど故郷を恐れておらず、ガンテはソンジン市に戻る事を決意。

「もう俺達から離れろ」と止めはしたが、ジェスも付いて来てくれる事になった。

ジュリの母であるカン・スンドクも3人を歓迎した。

一方、ムニョンには非難が殺到し、新刊の発売禁止・不買運動まで始まって、サンサンイサンが危機に陥る。

しかしムニョンは気にも止めず、サンインに童話「赤い靴の少女」の内容を語り「執着は崇高で美しい。ついに私の赤い靴を見つけたわ」と心を弾ませた。

そして、ガンテの新しい職場であるOK精神病院に行き、唖然とするガンテに「あなたに会いたかったから来た」と言って微笑んだ。

beersy
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韓国ドラマの、こういう一般人が喧嘩っ早いの苦手です;しかも理不尽!

現実ではこの夫婦もかなり炎上した事だろうな。

ムニョンはかなりガンテにハマっている様子。昔2人に一体何があったのか?

そしてジェスは良い子過ぎる。韓国ドラマの、絶対的に信頼出来る親友の存在はすごく好き!

 

第3話/眠れる森の魔女

ムニョンはガンテに「何が望みだ?」と聞かれ、「あなたよ。綺麗だから。理由なんか無いわ」と言って微笑む。

ガンテが面食らっていると、ムニョンはオ・ジワン院長に呼ばれ「患者の治療方法〝グループプログラム〟の一環で、文芸クラスの講師をして欲しい」と頼まれた。

そして院長は「採用条件はお父さんと30分散歩をする事」と条件を提示し、ムニョンが「なぜ私が採用される側なの?」と首をかしげると「これがお父さんの処方箋なんだよ」と答える。

ムニョンは失笑して部屋を出て行くが、院長と看護師長のパク・ヘンジャは「彼女がここに来たのは、何か目的があるはず」と考え注視する事にした。

ーー

ムニョンは、久しぶりに実家へ行く。

それは、森の奥深くに佇んでいる「呪いの館」と呼ばれている大きい洋館だった。

デファンが、ムニョンが生まれた記念に建てたと言う。

ムニョンは1人眠りにつくが、悪夢を見て目覚めてしまい、ガンテに教わったバタフライ・ハグを自分で実践。

ガンテに包み込まれているような錯覚に陥り、安心して心を整えた。

ーー

翌朝、ムニョンは電話でサンインに泣きつかれたので「コ・デファンを売ればいい。〝コ・ムニョン雲隠れ。実家の父親を介護か?引退か?〟という情報を流しなさい」と指示。

そして院長からの提案を受ける事にし、病院内で「コ・ムニョンの文芸クラス」が開講される。

しかし、いざ講義が始まってみると、それは夢のある童話を楽しむものではなく、ムニョン独自のダークな観点から読み取るものであり「童話は、現実世界の残酷さと暴力性を逆説的に描いた、残忍なファンタジーなのです」と説き始めたので、患者達は怯えた。

一方、サンテは院長から「院内の壁に絵を描いて欲しい」と依頼される。

「稼げるならやります!」と意気込む兄に、ガンテはなぜお金が欲しいのかと聞いた。

実はサンテはキャンピングカーを買おうとしており、少しずつ箱に貯金していた。

そして「キャンピングカーがあれば引っ越さなくていい。ガンテが大家に怒られる事もない。蝶からも逃げられる」と言うので、感動したガンテは「僕は家もお金も車もいらないよ。兄さんがいれば、それでいい」と言って泣いた。

ーー

選挙を控えている国会議員 クォン・マンスの息子・ギド。彼は躁鬱患者であり、躁になるとどこでも露出してしまう。

その日は病院から脱走してしまい、駐車場に着いていたムニョンと鉢合わせた。

するとムニョンは彼を拉致し、ガンテの気を引こうとドライブへ。

ジュリの車を借りたガンテとカーチェイスを繰り広げたのち、ムニョンは「ここで遊ぼう」と言って、クォン議員の街頭演説にギドを連れて行った。

ーー

ギドは、会場に設置された壇上に上がり「クォン候補の末息子・ギドです!精神病患者です!家の中でバカは僕だけ!…でもバカなのは僕のせいじゃない。それなのに、父は殴ったり閉じ込めたりした。無視ばかりで自分を見て欲しくて暴れていたら、本当に狂ってしまいましたー!!」と叫ぶ。

そして、護衛達から華麗に逃げながら「僕を見ておくれ」という歌を歌い出した。

遅れて到着したガンテは、楽しそうに踊るギドを見て、自分が彼のように踊る姿を想像し、彼の「僕は僕なのに…」という訴えを自分の事のように思う。

そして、ムニョンに向かって「僕も君と遊ぼうかな…どう思う?」と呟くと、ムニョンは驚いた表情を見せつつ微笑んだ。

beersy
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ギド役のクァク・ドンヨンは、『涙の女王』で知りましたがやっぱり演技力がすごい!

どちらもヘタレの役ですが、心の中には芯があって(そして肉体美も持ち合わせていて)大好きな俳優さんの1人となりました。

でもこのストーリーではとても不憫な男性ですね。ガンテの心の闇も気になります。

 

第4話/ゾンビの子

ギドは捕まり、母親に「静かにしてれば良いのに、なぜ悲しませるの」と頬を叩かれる。

そして強制的に病院に連れ戻され精神安定剤を注入するが、彼は頬を撫で「母さん…」と嬉しそうに呟いた。

その様子を見ていたガンテは、幼い頃母親に「サンテと死ぬまで一緒にいてね。そのためにあなたを産んだんだから」と言われた事を思い出し、やるせない気持ちになる。

ーー

ムニョンはガンテを食事に誘い「可愛がって欲しいんでしょ」と言って頭を撫でる。

その後ドライブをしている際、ガンテが「父親と散歩する約束は守らないのか?」と聞くと、ムニョンは「父の魂は死んでるわ。散歩するだけ無駄、死んだ方が楽なのに。人は物と同じよ。子供は賞味期限の切れた親を捨てるし、親も優秀な子供だけ育ててそうでない方を捨てる」とぶっきらぼうに答えた。

するとガンテは「忘れてた、君は他の人とは違うんだった。期待してしまったようだ」と言って突然怒り出し、車を降りて離れて行く。

その後ろ姿を見て、ムニョンは「愛してる!あなたを愛してるわ!!」と叫ぶが、ガンテは振り返らずに歩いて行ってしまった。

1人取り残されたムニョンは、幼い頃母親に「あなたは他人と違う。私の最高傑作なの」と言われた事を思い出す…。

ーー

クォン議員が病院に怒鳴り込んで来て「なぜ息子を逃したんだ。あの女と保護士、院長の3人で土下座しろ!」と言う。

院長は「今回の件で、ギド君の症状はかなり良くなったんですよ。退院も出来ます」と報告するが、クォンは「だったら転院させるまでだ。役に立たない奴はいらんからな!」と吐き捨てた。

それに対しガンテは「役に立たない子はいらない?だったら産むな!」と言い返してしまい、それに逆上した議員に殴られてしまう。

そのまま彼は部屋を出て行ったが、院長は一部始終を防犯カメラに録画しており、心配するヘンジャに「これで逆に議員を脅してやろう」と言った。

ーー

ガンテは、ムニョンとサンテが一緒にいるところを見て、サンテに離れるよう言ったが嫌だとぐずられる。

サンテは憧れの人が隣にいて、舞い上がっている様子だ。

ガンテはつい苛立って「言うことを聞け!」と怒鳴ってしまう。

そしてムニョンには「君には僕の事が一生分からない」と言い、去って行った。

ショックを受けたサンテは調理室の台の下に籠り、全く出て来ようとしないため、スンドクがガンテに「私が必ず連れて帰るから、先に帰りなさい」と言って微笑んだ。

ーー

ジュリがデファンを連れて来て、ムニョンに散歩をするように言う。

そこでムニョンは、彼に「…本当に記憶が無いの?私がどんな娘が忘れた?」と囁いた。

すると父親は突然「なぜお前が今も生きてるんだ!死ね、怪物!」と言ってムニョンを押し倒し、首を絞め始める。

周りが助けに入り、仰向けに倒れたムニョンは涙を流しながら、声を上げて笑った。

一方、ガンテが帰りのバスに乗っていると、ムニョンが1人で道を歩いているのを見かける。

不審に思いつつもそのまま帰宅し、彼は初めて「ゾンビの子」を読んだ。

ーー

…ある小さな村に生まれた男の子は、肌が青白く目はとても大きかった。

彼が成長するに連れ、母親はこの子が「感情がなく、食欲だけがあるゾンビ」だと気付く。

母親は人の目が行かないよう男の子を地下に閉じ込め、よそで家畜を盗んでは彼に食べさせた。

数年後、疫病が流行り村の家畜は全滅し、大勢の人が死に、生き残った人々は村を出て行く。 

男の子のために残った母親は、空腹で泣く彼に自らの脚を与え腕を切って与えた。

そして胴体だけが残った時、母親は残った体を彼に委ねる。

胴体だけになった母親を抱きしめた男の子は「お母さんて、すごく温かいね」と、初めての言葉を口にするのだった。

…絵本を読み終えたガンテは、幼い頃に母親のぬくもりが欲しかった事を思い出し、号泣した。

ーー

ジェスから、ムニョンが父親に首を絞められたと聞いたガンテは、1人で歩いていた彼女の姿を思い出し、バイクを借りて雨の中を走る。

すると、びしょ濡れになりながら裸足で歩くムニョンを見つけた。

ガンテはムニョンに着ていたジャケットを着せると、彼女は身を委ね安心した表情を見せた。

beersy
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ムニョンは父親に対しては厳しい態度を取りますが、母親には愛情がある様子。

その理由は一体何なのか?悪夢には必ず母親が出て来ますし、やはり何かの闇がありそうです。

デファンも、なぜムニョンを「怪物」と言うのか?

ガンテの母親本当に胸糞悪い…いくら貧しくて障がい児を抱えていたとしてもこれは…。

 

第5話/呪われた城の少女

ずぶ濡れとなったガンテとムニョンは、とりあえずモーテルに入ろうとするが、ガンテは慌てていたため、財布を忘れてしまったようだ。

そして結局自分の家(ジュリの家)に戻るが、ムニョンが下の階(スンドクの部屋)にいるサンテに近づこうとするので、ガンテは「君は人の心を汲み取る事を覚えろ」と言って、サンテのために作った「人の心カード」を見せる。

ムっとしたムニョンに「私は自閉症じゃなくて…」と言われると、ガンテは「ゾンビの子だろう?君は誰かのぬくもりが欲しかったんだ。そうだろ?」と言って自分の手を の頬に手を当てる。

ムニョンは「気持ち悪い同情心だわ。ゾンビに人の心なんてない。勝手な解釈をしないで!」と言って腹を立て、着替えるためにバスルームに入ったが、壁中に貼られたサンテのための張り紙を見て「偽善者…」と呟いた。

その後ムニョンは、強引にガンテの部屋に泊めてもらう事に。

ガンテは渋々ジェスに電話し「水道管が破裂して掃除するから、兄さんを頼む」とお願いした。

ーー

翌朝ジュリが夜勤を終えて帰ると、ベランダでタバコを吸っていたムニョンと大喧嘩になった。

そこにガンテが来て「コ・ムニョン!!離せ!!」と言って激怒する。

ムニョンは「あの女が先に手を出したのよ!こんなボロい家出て一緒に暮らそう」と言ったが、ガンテは「僕は君の恋人じゃない。どこに住むかは僕が決める事だ」と言って冷たく突き放した。

しかし、ガンテはジェスに「最近色々な事を忘れているんだ。蝶の事や、兄さんの事まで…。だからお前が俺をしっかりしろと諭してくれ」と弱音を吐く。それほどまでに、ムニョンの存在が大きくなっているらしい。

一方ムニョンは「なぜ私だけを怒るの」と苛立ち、ガンテが貸してくれたTシャツを踏みつけるが、手を頬にあててくれた事を思い出し「優しくしたり冷たくしたり…」と戸惑っていた。

ーー

ジュリは幼い頃、ムニョンと友達だったが仲違いしていた。

朝の喧嘩で、ガンテがムニョンの事しか見ていなかった事を思い出し、ショックを受ける。

そして塞ぎ込んでいるジュリをスンドクが励まし、ジュリはガンテに思い切って告白した。

しかし、ガンテは受け止めず「好きにならないで」と返事をし、ジュリは涙を流しながら「このまま想い続けてしまうけれど、ソンジン市にいる間は、私の事を負担に思って逃げたりしないで欲しい」と伝えた。

ーー

ムニョンはサンテを連れ去り帰宅し、サンテを自分の作品の挿絵画家として住み込みの雇用契約を結ぶ。

そしてガンテに「兄さんは私といるわ。迎えに来る?呪われた館よ」と言うと、ガンテは「わかった。場所は知っている。君が僕を助け、僕が君から逃げた日に知った」と言う。

ムニョンは「まさか、知っていたの?」と驚きの表情を見せた。

ーー

幼いガンテは、摘んだ花で作った花束を持って呪われた館に行く。

その姿をベランダから見つけたムニョンは、嬉々として階段を降りて行くが、母親が立ちはだかった。

そしてムニョンは、ガンテから花束を受け取ると、下に落として踏み潰す。

彼女は表情ひとつ変えず家の中に戻って行き、ショックを受けたガンテは走り去った。

beersy
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幼い頃、ガンテとムニョンは両想いだったのね…。

ムニョンの母は何をしたかったのか。所有物にしたかったのかな。

ガンテは辛い事を忘れてしまうくらい、ムニョンでいっぱいになって欲しい!

 

第6話/青ひげの秘密

ガンテは、実は昔ムニョンに助けてもらった事を覚えていたと告白し、好きだったのに逃げた事を詫びて礼を言う。

そして「謝れたからもう後悔はない。これ以上誰かの必要な人になりたくない」と言って、決別を言い渡した。

しかしムニョンはしつこく「なぜ私じゃダメなの」と言って食い下がる。

するとサンテが現れ、ガンテに「挿絵画家としてコ先生に雇われたので、ここに住む事になった」と言って、契約書を見せる。

驚いたガンテはサンテを帰らせようとするが、サンテが「ここに住むんだ!」と言って聞かないため、大声で「違う!ここは俺たちの家じゃない!」と言って契約書を破ってしまった。

するとサンテはパニックを起こし「やめろ!これは僕の物だ!僕はお前の物じゃない!ムン・サンテは僕の物なんだ!」と言ってガンテに馬乗りになって殴りかかる。

それをムニョンが止め、サンテを館の中に入れると、ガンテに「捨てられたわね。あなたも兄を捨てるか、ここに住むか、もう逃げずに決めなさい」と言った。

ガンテは涙を流しながらフラフラと歩き出し、昔の事を思い出していた。

ーー

幼い頃、ガンテがテコンドーの昇段試験に受かり、赤帯を持って嬉々として母親に伝えに行くと、母はガンテがサンテを一人で帰した事に腹を立て怒鳴りつける。

ガンテは我慢していた感情が爆発し「僕は兄ちゃんの物じゃない!僕は僕の物だ!兄ちゃんなんか死んでしまえばいい!」と叫んで家から走り去った。

サンテが帯を持って追いかけて来たが、そこは凍った湖の上だったため、サンテの足元が割れて湖の中に落ちてしまう。

すぐさま駆け寄ろうとしたガンテだったが、立ち止まり「兄ちゃんなんか死んでしまえばいい」と呟いて、「助けて!ガンテ!」と言う声を聞きつつ、震えながら立ち去ろうとした。

それを偶然見ていたムニョンは、ニヤリと笑いながら「立ち去りなさい」と呟くが、結局ガンテは思い直しサンテを助けに戻る。

しかしサンテは助かったものの、今度はガンテが落ちてしまい、パニックになっていたサンテは去ってしまった。

ガンテは必死にもがくが、湖の中に沈んで行く。

ムニョンは花びらをちぎり「助ける…助けない…」と選び、最終的にガンテを助けるのだった。

ーー

茫然自失の状態で帰宅したガンテは、改めて破いたムニョンの契約書を読んでみると、そこには兄の絵を称賛する文章、ムニョンの想いが書かれていた。

その後、ジュリの母親に「サンテに好きな事はやらせなさい。そろそろ1人で生きていけるようにしないといけないわ」と励まされ、荷物をまとめムニョンの館へ行った。

そしてムニョンに「平日はここに住み週末は帰る」と言う。

ムニョンは嬉しそうに微笑み、2人に部屋を用意した。

ーー

翌日、一緒に出勤したガンテ、サンテ、ムニョン。

ムニョンは、カン・ウンジャという患者が人気のない場所に入って行くのを見かけ、後を追いかける。

するとウンジャはムニョンに向かって「あなたの母さんよ。私は長い間あなたを待っていた。母さんにとっては娘が一番綺麗よ。どうしたの?少し整形したから、母さんに見えない?」と温かい眼差しを見付ける。

ムニョンが驚きながら「…母さんなの?戻って来たの?」と呟くのを、ガンテが目撃した。

しかし直後、ウンジャの思い込みによる人違いだと判明し、ムニョンは腹を立てる。

ウンジャには娘がいたが事故で亡くしており、現実を受け入れられずにまだ生きていると思っていたのだ。

その後もウンジャはしつこくムニョンに「母さんの言うことを聞きなさい」と言い続ける。

するとムニョンの精神状態が酷くなってしまい、ウンジャの耳元で「私の母は頭から血を流して死んだ。おばさん、どうか夢から覚めて」と言ってしまった。

それにショックを受けたウンジャは倒れ、気を失った。

ーー

その後ムニョンは食欲が無くなり、部屋に引きこもってしまう。

ガンテが食事を作り声をかけるが、何も言わなくなった。

夜、ムニョンが眠りにつくと、夢の中に母親が出て来て「なぜ彼を連れて来た?言ったでしょう、助けに来た王子は、私が殺すと」と言われる。

ムニョンは仰向けに寝たまま動けず、発狂して号泣。

それに気付いたガンテが部屋に入ると、ムニョンは「今すぐ逃げて!行って!消えてよ!!」と泣き叫んだ。

ガンテは「大丈夫だ、大丈夫だよ」と言いながら、ムニョンを優しく抱きしめるのだった。

beersy
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やはりムニョンは、母さんが戻って来るのを待っているのですね。切ない。

失踪しただけなのか、殺されたのか、生きているのか…。分からない状態ってきっと辛いですよね。

ガンテがムニョンを抱きしめている姿、保護士というより恋人に見えます。

もう少しでもっと濃ゆいデレが来そうな予感!!

 

第7話/春の日の犬

ガンテは、熱を出して眠り込んだムニョンを朝まで看病したが、彼女は何も覚えていない様子。

一方病院では防犯カメラに、ウンジャが倒れた際ムニョンが映っていたため問題になり、文芸クラスは休止になる。

ーー

館にサンインが現れ、ムニョンが幻影を見たと言うと無理に連れ出そうとする。

サンインはムニョンがうなされる事を、昔から知っているようだ。

仕事を休んでいたガンテはヤキモチを妬いて彼を追い払い、ムニョンをドライブに連れ出す。

2人は焼肉を食べ夜景を見て、恋人らしいデートをし、ムニョンはどんどん笑顔になって行く。

そして「いつも母親の悪夢を見たあとは最悪な気分になるけど、今日は平気」と言って笑った顔を見て、ガンテも笑みを浮かべた。

ーー

院長とガンテは、ムニョンもウンジャを母親だと勘違いしたようだと話す。

しかしそれは、恋しくて会いたかったからではなく、恐れからなのではないか…?と推測した。

ムニョンの母であるト・ヒジェは、連載中の原稿を脱稿して忽然と姿を消し、5年後に死亡届が出されている。

当時生死に関して話題になったが、果たして彼女は本当に死んでいるのだろうか?

ーー

ジェスと飲んでから帰宅したガンテは、ムニョンに手作りの人形を渡す。

母が死んでから悪夢を見るようになったサンテのために、ガンテが作ったものであり、名前は「マンテ」と言うらしい。

ムニョンは、マンテをしっかり抱きしめて深い眠りについた。

少し酔っていたガンテは、サンテに「母さんと行った店にチャンポンを食べに行こう。兄さん好きだっただろう?」と言う。

しかしサンテは「僕じゃなくてお前が好きだったんだ。毎日食べたいとねだるから、母さんが連れて行ってくれたんだ」と返した。

実は、ガンテの記憶の中の母は、いつも冷たくて自分を見ていなかったが、実は母はガンテにも深い愛を注いでいた。

ガンテはサンテと過ごす日々に追われ、その事をすっかり忘れていたのだ。

彼はサンテの背中にしがみつき、母の温かい愛情を思い出し、号泣した。

ーー

ウンジャは落ち着きを取り戻し、娘の死を受け入れた。

そしてムニョンに謝ると、ムニョンは「ではこれを償いとして私にちょうだい」と言って、ウンジャが常に付けていた、娘からのプレゼントであるマフラーを奪おうとする。

様子を見ていたガンテは一瞬固まったが、ウンジャは「いいわよ、あげる。これで肩が軽くなったわ」と言って微笑んだ。

ーー

ムニョンはサンテの絵を見ながら、隣に来たガンテに、童話の「春の日の犬」の話をする。

…心を隠すのがうまい犬が、お利口に生きて来たけれど、本当は首に繋がっている紐を切って自由に走り回りたいと思っていた。

犬が泣いていると、心が春の犬に「どうして紐を切って逃げないの?」と囁く。

すると春の犬は「あまりにも長く繋がれていたから、紐の切り方を忘れちゃった」と言いました。

…ガンテは微笑みながら、ムニョンに「よくやった。カンさんは、君のおかげで切る事が出来たんだ」と言って頭を撫でた。

ーー

その後、ムニョンが上機嫌で歩いていると、デファンがベンチに座っており「お前も母親のようになるだろう。決して逃れられない」と呟く。

ムニョンは「いいえ。私は違うわ」と言って真っ直ぐ前を見て歩いて行った。

そのまま帰宅して鏡の前に座り、おもむろにハサミを取り出す。

そして、母親に「あなたは髪が長い方が美しい」と言われ伸ばしていた髪を、豪快に切って行った。

ガンテが帰宅すると、さっぱりとミディアムヘアになったムニョンが出迎え「紐を切ったの」と言う。

呆気に取られたガンテだったが、つい吹き出してしまい、2人は笑い合った。

ーー

その頃病院では、デファンがフラフラと廊下を歩いていた。

妻が娘に歌っていた「クレメンタイン」を、誰かが歌っている…。

不気味な歌声を聞いたデファンは、頭を抱え発狂し、倒れ込むのだった。

beersy
beersy

ムニョンがどんどん強くなって行きますね。

まるで鎧のように派手なファッションに身を包み、周りに強い態度をとっていましたが、徐々に凍りついた心が溶けて行く様子が伺えます。

ガンテも変わって行く彼女を見るのが、とても嬉しそう!

…しかしヒジェは生きていそうですね。しかもなぜ病院に入れるんだろう?幻覚にしてもリアルだし…。

 

第8話/美女と野獣

ムニョンはガンテに髪を整えてもらい、人が変わったようににこやかになる。

ガンテも素直に「綺麗だよ」と伝え、ムニョンは「これで母親から解放される」とさっぱりして喜んでいた。

一方院長は、デファンが倒れた夜、防犯カメラにパク・オンナンが映っており「クレメンタイン」を歌っている姿を見つける。

彼女に話を聞くと「トイレには行ったが歌ってはいない。私は幽霊じゃない」と否定したが、「ここに来てから誰も私に関心が無かったのに、急に注目し始めたわね。面白い」と言ってニヤリと笑った。

院長はガンテに「私と組んで、彼女を監視しよう」と協力を要請する。

ーー

OK精神病院のうつ病患者である、イ・アルムは、アルコール依存症の治療で同じく入院しているチュ・ジョンテと愛し合っていた。

ガンテはそれを知ってしまったが、「院長には黙っているから、退院してから付き合うように」と注意する。

ジョンテはガンテに感謝し、アルムと話し合った。

そしてガンテに「頑張って耐えて、病院を去ってから思いっきり恋愛をする事にしたよ。でも正直言うと辛い。俺は兄さんみたいに忍耐強くないから、会えば触りたくなるし、他の男と笑っていると腹が立つんだ」と打ち明けた。

それを聞いたガンテは、彼の言っている事が、自分のムニョンに対する想いと同じであると気付く。

彼女が他の男と話していると心がザワつき、ダメだと分かっていても目で追い、触りたくなってしまう…。

ーー

イ・アルムの元を、DVをしていた元夫が訪ねて来て復縁を迫り、偶然その現場にいたムニョンが、缶を投げつけ暴言を吐く。

すると元夫は逆上し、ムニョンを殴り倒した。

そこへ職員達が駆けつけたが、ガンテは倒れたムニョンを見て頭に血が上り、元夫を殴ってしまって大騒動となる。

さすがに事態を重く見た院長は、看護師長のヘンジャに突かれ、頭を抱えつつガンテを停職処分にした。

ーー

しかしガンテは、以前ムニョンが「逃げたくなったら私がさらってあげる」と言っていたのを思い出し、ニコニコしながら走り出す。

そしてムニョンの前に立ち「停職処分になった。給料は出ないし、相手から告訴されるかも。 もう滅茶苦茶だ。でも言ってたよな?いつでも僕を、さらってくれるって。今から君と遊びに行きたい…!」と言って、手を差し出した。

ムニョンは驚きながらもその手を取り、微笑んだ。

beersy
beersy

母に頼られサンテのために生きて来たガンテにとって、ムニョンが頼もしい存在に思えたのでしょうね。

確かに彼女のような人は、こういう時心強いかも!

そして、ヒジェはオンナンなのかしら?そんな簡単なオチだとは思えない…。

 

第9話/王様の耳はロバの耳

ガンテは「遊びに行こう!」とムニョンを誘ったものの、「アフリカへ行こう!」と言われて我に返り「やっぱり日帰りで…。兄さんを1人には出来ないし…」と怖気付く。

煮え切らない態度を見てムニョンは怒り「降りて!」と言って、車で去ってしまった。

しかしガンテは思い直し、ジェスにサンテを頼み、ムニョンを日帰りのデートに誘う。

楽しい時間を過ごし、次第に良い雰囲気になり、ついにキスをしようとしたが…鹿に邪魔されお預けとなった。

ギクシャクしているが、2人の距離は確実に近付いている。

ーー

デファンは、院長に「あの子は怪物だ。人を殺した。そしてその怪物は私が殺したのに、戻って来た。私を殺す気なのだ…」と言って泣き出した。

院長は彼の様子を見て、やはり何かがあるなと考える。

一方アルムは、両親に心配され「アイツがこの場所を嗅ぎつけたのなら、もうここにはいられない。アメリカで治療を受けさせる!」と言って強引に退院させられてしまう。

それを知ったジョンテは取り乱し、病室仲間に取り押さえられた。

ーー

デートに行く事になったムニョンとガンテだったが、ムニョンが巨大なハットとドレッシーな服を着ていたため、ガンテは「着替えなよ!」と言って洋服で揉める。

しかしガンテも大きいバッグの中に、たくさんの食料や大きい救急箱を入れていたため、なんだかお互い様だった。

するとガンテは院長に呼び出され、すぐ戻れるだろうと思い病院に向かう。

院長に「コ先生とデートか?」と言われ、つい「派手な服を着るのは、自己顕示欲が強いからでしょうか」と聞いた。

すると院長は「逆だな。弱い自分を守るための、鎧のようなもの。コ先生は母親を恐れているのかもしれないのだろう?もしト・ヒジェが生きていたら、夫や娘に会いに来るはずだ。君がしっかり守ってやりなさい」と激励する。

かくしてガンテと、動きやすい服装に着替えたムニョンは、デートに向かう事となった。

ーー

アルムのアメリカ行きが決まり、ジョンテとアルムの2人は病院を抜け出して民宿に来ていた。

それを知ったガンテは、2人が駆け落ちをしないよう見張るため、渋々ムニョンと共に彼らの隣の部屋に泊まることに。

サンテには電話でムニョンといる事は伏せ、とても遅くなるから寝ててくれと伝えた。

しかしサンテは、ガンテがいなくなるという悪夢を見てうなされる。

そして何度もガンテに電話をするが、ムニョンが電源を切ってしまったため繋がらなかった。

ーー

ムニョンは、ジュリとかつて親友だった事をガンテに明かした。

クラスメイトにいじめられていたジュリと、クラスメイトから恐れられ孤独だったムニョンは、仲を深めたらしい。

しかし、いじめが収まりジュリが他の子と仲良くすると、独占欲の強いムニョンが相手をいじめたため、ジュリは他の友達が出来なくなり仲違いしてしまったと言う。

ガンテは仲直りしろと言うが、ムニョンは嫌よ!と突っぱねた。

2人は、互いの話をして行くうちにさらに惹かれ合い、「君といると楽しい」と言うガンテに、ムニョンは我慢ならず襲いかかる。

なんとかそれを制して、自分に抱きしめられたまま眠るムニョンの寝顔を見て、ガンテは「俺ももう我慢が出来ないんだ…」と呟いた。

ーー

翌朝ムニョンが目覚めると、ガンテがおらず外に探しに行く。

すると彼は、昔と同じように花を摘んで作った花束を差し出し、「あの時渡せなかった。もう踏みつけるなよ」と言って笑った。

想いが通じ合った2人は見つめ合い、初めてのキスをした。

ーー

帰り、ガンテは病院に寄り絵を描いているサンテの元へ。

するとサンテは「なぜ電話に出ない?17回も電話した。誰といた?」と責める。

さらに、病院内で「ガンテとムニョンが結婚する」という噂が立っているのを知ったサンテは「嘘は付いちゃダメだと言ったのに。ガンテは僕が好きなの?コ・ムニョン先生が好きなの!?」とパニックを起こし始めた。

ガンテが落ち着けようとするが、サンテは泣きながら「皆さん!僕は弟に殺される!兄さんなんか死んでしまえばいいと言っていた。僕が湖で溺れているのに、弟は僕を置いて逃げて行ったんだ!!」と患者達に向かって叫ぶ。

ガンテは震えて座り込み、泣きながら「兄さん…違うんだ…」と呟き、その場に行ったムニョンも、絶句しながら涙を流した。

beersy
beersy

コメディからのデレ〜であったか〜い気持ちだったのに、一気に辛い。

もうこの展開は感情が追いつかない!サンテもガンテも悪く無い!!

こう言う時、彼らにやはり両親がいてくれたら…と思います。

大きな心で包み込んでくれる存在。それをムニョンが担う事になるのかな?

 

第10話/オオカミ少女

サンテは鎮静剤を打たれ眠り、ガンテはムニョンに励まされるが、「僕は兄さんが死ねばいいと思ってあの場を離れた。あの日何故僕を助けた?あの時死んでいれば、こんな人生を送らずに済んだのに…」と言って去って行く。

ガンテは、院長に「兄は、もうあの事を覚えていないと思ってたんです。記憶を無くしたのかと…」と話すと、院長は「君はそう思いたかったんだな。自閉症は記憶力がいい。ただ感情表現が我々とは違うだけだ。君はぶつかりなさい。君が彼に支えてもらうのかもしれない。もう禊は済んだから仕事に戻るんだ」と話した。

仕事に戻ったガンテは「ムニョンと過ごした日々は夢だった、兄さんを差し置いて身の程知らずだったんだ…」と呟き、目を潤ませた。

そしてムニョンに「もう僕の人生から出ていってくれ。言った事は全てデタラメだ。僕は兄だけでいい。消えてくれ」と伝える。

ムニョンは必死で止めようとするが、ガンテの意思は固く離れて行った。

ーー

サンテはヘンジャに大きい恐竜のぬいぐるみを貰って上機嫌になり、 スンドクと共に家に帰る事に。

家で待っていたガンテは、サンテに死んで欲しいと思った事、平凡な兄が欲しいと思った事などを明かし「もう許して…悪かったよ…僕を捨てないで…捨てないでくれ…」と言って号泣した。

するとサンテも「僕を捨てないで。捨てないでくれ」と言ってガンテを抱きしめ、背中をトントンと叩き落ち着かせる。

ガンテは子供のように泣きながら「ごめん」と繰り返した。

一方、ジュリはガンテに頼まれ、ムニョンにサンドイッチを持って行く。

そして「あんたの事が怖いし憎いし、羨ましい」と言って、出されたワインを飲み干した。

その後ベロベロに酔っ払い「あんたは全てを私から奪う!なぜなの!ガンテもなぜ私を選ばないの」と叫び、ムニョンを引っぱたく。

ムニョンが驚きながらも少し笑みを浮かべ、酔い潰れたジュリを見ていると、サンインが現れジュリを引き取った。

サンインが「3人がいた家に1人でいる気分は?」と聞くと、ムニョンは「暇だし、たまにイラつくし、夜は寒いわ」と言ったため、彼は「それを〝恋しい〟と言うんだぞ」と教えた。

ーー

翌日、ヘンジャはガンテに、パク・オンナンが他の患者をわざと刺激しているようだから、様子を見て欲しいと話す。

ガンテが遠くから見ていると、オンナンはクレメンタインを歌ってデファンを刺激し、彼が「あなたが歌っていたのか?」と聞くと、耳元で「なぜ?また殺すの?」と囁いた。

するとデファンはパニックを起こし「お前が怪物なのか!」と言ってオンナンに襲いかかり、首を絞める。

ガンテ達が取り押さえると、デファンはガンテに「ムニョンも殺さないと。お前が殺される」と言った。

院長は、パク・オンナンがト・ヒジェなのではないかと推測。

ガンテは引き続きオンナンを注視する事にした。

ーー

ムニョンは誕生日を迎えた。

寂しくてスンドクにごはんを食べさせてもらい、サンテにマンテを返し「マンテじゃなくてサンテが欲しい。誕生日だから相棒といたいの」と言いに行くが、サンテはガンテと2人嘘をついて遊びに行った事を根に持っており、追い返されてしまう。

するとムニョンは童話「オオカミ少年」の話をして、「彼は1人で山にいるのが寂しくて嘘を付いていたのよ。誰か1人でも信じて助けに来てたら、少年は死ななかったはず…」と呟いた。

そして、仕方なく家に帰り1人でいると、インターホンが鳴る。

ーー

その頃、仕事を終えたガンテが帰ろうとすると、看護師達が「オンナンがいない。警察に連絡を」と慌ただしくしている。

ガンテは、直前にムニョンから「今日は大事な日なの」とメールが入っていたため、ムニョンの母であるト・ヒジェ(=パク・オンナン)が、娘の誕生日に娘に会いに行ったのでは無いか…と考え血の気が引く。

そして、急いでムニョンの元へ向かった。

ーー

ムニョンがドアを開けると、そこにはやはりパク・オンナンがいた。

彼女はクラッカーを鳴らし「ハッピーバースデー・トゥーユー」と歌い、不気味に笑った。

ムニョンはその異様な光景に凍りつく。

beersy
beersy

3人の強い絆と、辛い気持ちがひしひしと伝わって来る回でした。

実はガンテが1番メンタルボロボロでしたね。

保護士という大変な仕事も、天職かと思えるほどの働きっぷりでしたが、やはり少し休んだほうが良い気がします。

オンナンは不気味すぎる!!

 

第11話/みにくいアヒルの子

オンナンはムニョンに向かって微笑みながら「今日あなたのお父さんに殺されそうになったの。娘も殺すと言ってた。誕生日に殺すだなんて可哀想だと思って来てあげたのよ」と言う。

そして彼女がテーブルの上のナイフを持ち上げたので、ムニョンは素手で止めた。

駆けつけたガンテが館に飛び込むと、床に血が垂れていたので慌ててムニョンを探し回る。

するとオンナンはすでに館を出ており、ムニョンは無事だったが、ガンテに「私に消えろと言った!手の傷よりもそういう暴言の方が私を傷付けたのよ」と言って布団に篭ってしまう。

しかしガンテはムニョンにキスをして、「会いたかった…。お誕生日、おめでとう」と言って微笑んだ。

その言葉にムニョンは顔を赤らめたが、ガンテは熱があるのをすっかり忘れており、ベッドに横になった。

ーー

翌朝、すっかり体調が良くなったガンテは、サンテのトラウマについて話し始める。

母が何者かに殺された時、サンテは蝶のブローチを付けた女を見た。

それから20年近くの間、春になると蝶を怖がり悪夢を見るので、街を転々としていた…と明かす。

そして「だから兄さんのそばにいたいけれど、僕には君が必要だから、君は僕のそばにいて欲しい」と言うと、ムニョンは微笑みながら「いいわよ」と返事をした。

全てを打ち明けたガンテは、久しぶりに穏やかな気持ちになる。

ーー

ムニョンの家を出た後のオンナンは行方不明となったが、ヘンジャは「じゃあ私物を片付けてベッドを空けなさい。待機患者を入れないと。もう戻らないわ 」と言う。

看護師達は、まだ行方不明になって数日も経っていないのに、もうベッドを空ける事に驚いたが、ガンテは私物を片付け始めた。

すると「西の魔女の殺人」というヒジェ作の本から、赤いペンで文字が塗りつぶされている紙切れが出てきた。

一方ムニョンは、サンテと仲良くなろうとするが中々うまくいかない。

ガンテはムニョンに「兄さんにとって僕は唯一の家族だから、奪われそうで怖いんだ。だから仲間が増えると思わせよう。信頼を得るんだ、出来る?」と優しく教え頭を撫でる。

ムニョンは素直に「わかった」と言ってニッコリ微笑んだ。

ーー

ガンテは院長にサンテのトラウマの事を相談し「助けてください」と言う。

院長によると、トラウマを克服するには、その原因を正面から見つめる必要があるそうだ。

そこで院長は、サンテに報酬をいつくれるのかと言われ「蝶がいないから依頼と違う。それでは報酬を払う事は出来ない」と突っぱねた。

その後ガンテも我慢する事をやめ「なぜ蝶を書かないんだ?」と言ったため、サンテとの喧嘩が始まる。

サンテに噛まれたら叩き返し、「兄さんを殴ったな!」と言われると「兄さんらしくしろ!!」と怒鳴って、初めて兄弟喧嘩というものをした。

スッキリしたガンテは、ジェスに「僕はムン・ガンテだ!僕達は孤独な兄弟だった。これからは人と関わって行きたい。まずはムニョンと…」と晴れやかな表情で話した。

一方ご立腹のサンテは「もうあんな奴弟じゃない、他人だ」と言っていたが、スンドクに「じゃあガンテは私がもらうわね。ありがとう」と言われると、サンテは「それは嫌だ…」と呟き周りを笑わせた。

ーー

サンテが寝たあと、ガンテはムニョンに会いに行く。

サンドイッチを食べながら、やりたい事は無いの?と聞かれたガンテは「3つある。旅行と、兄さんと喧嘩すること。あとは制服を着る事」と言った。

その後家に戻り寝ていると、ガンテは制服を着た自分が同じく制服を着たムニョンと出会い、それをスーツを着たサンテが励ます…という幸せな夢を見る。

彼は寝言で「兄さん…僕は彼女が好きだ…」と笑みを浮かべながら呟いており、それに気付いたサンテは「こんなに幸せな顔をしてきるサンテは初めてだ。幸せなんだ。サンテは幸せなんだ」と弟の気持ちを理解した。

ーー

翌日、サンテは突然仕事終わりのガンテをレストランに呼び、貯めていたお金で食事をご馳走する。

カツレツを切ってあげたり、お小遣いをあげたりとお兄さんらしく振舞っているのを、ガンテは微笑みながら見守った。

お会計をしようとすると、ムニョンが現れ「私にもおごって。お小遣いをちょうだい。私には家族がいないの」と話しかける。

サンテはそれを受けようとしなかったが「私も兄さんが欲しいの!」と言われると、しばらく考え込んだのち「行くぞ、ムン・ガンテ、コ・ムニョン!」と2人を呼んだ。

3人はサンテを真ん中にして仲睦まじく歩いて行き、ムニョンの館に戻った。

ーー

その夜。

3人がすやすやと寝息を立てていると、何者かがムニョンの鏡台の前に座っている。

すると、蝶の形のブローチを引き出しから取り出し、ムニョンとガンテの寝顔を見に行くのであった。 

beersy
beersy

やっと3人がひとつになって、本当に良かった!安心しました!!

サンテがお兄ちゃんとして、2人をしっかりと支えて行くのですね。とても頼もしい。

しかしそんな3人に不穏な影が…。

 

第12話/ロミオとジュリエット

ガンテとサンテ、ムニョンの共同生活はとても幸せで楽しいものだった。

しかしガンテは、ムニョンの書斎から「もうすぐ行くから」という手紙と、蝶の剥製が入った封筒を見つけてしまう。

それは、オンナンが置いて行ったものであり、ガンテは戦慄した。

しかしガンテは、もう逃げるのを止め立ち向かう事にする。

ーー

院長はサンテに「蝶から逃げずに立ち向かえば、弟は苦労しなくて済む。蝶は古代ギリシャ語で〝プシュケー〟と言い、〝治癒〟という意味もあるんだよ。ゆっくりとで良いから、一緒に努力をしないか?」と伝える。

それからサンテは強くなり、もう逃げずに立ち向かうと宣言した。

そこで院長ガンテを院長室に呼び、母親が殺された事件の真相に迫ろうとする。

サンテはその日の事を「覚えてます」と言い、見た事について話し始めた。

ーー

辺りが暗くなっていた学校の帰り、母と歩いていた。

サンテは猫を見つけトンネルの向こうに走って行き、捕まえて戻ると母親が見知らぬ女性に刺されている。

母は倒れ、女性がサンテの方に歩いて来て「見た事を言ったら、何処までも追いかけて殺してやるから」と言った。

その女性の胸元には、子供の蝶をおんぶした大人の蝶のブローチが付けられていた…。

ーー

それを聞いたガンテは愕然とする。

なぜなら、デファンの棚から家族写真を見つけ、そこに写っていたムニョンの母が、同じようなブローチを付けていたからだった。

一方何も知らないムニョンは、無邪気にサンテと「家族写真を撮れば家族になれる」と言って、3人で写真を撮る事を思い付く。

しかしそれを病院にいるガンテに言いに行くと、冷たく突き放されてしまった。

渋々帰宅したムニョンは「なぜ怒ってるの!?」とイライラしながらジェスを呼ぶ。

するとジェスは「あいつは誰にも甘えられないまま突然大人になった。心は子供のままだ」と伝えた。

ーー

ガンテは泣きながら院長に蝶のブローチの事を話し「ムニョンにはこの事は知られたくない…」と伝えた。

院長は何も言わず、ただ彼の背中をさすって落ち着かせる。

その後ガンテは館へ帰り、ムニョンの頬を撫でながら、彼女が「あなたとサンテさんがここに来てくれて嬉しい。私はこの家が大嫌いだったから。ここで父さんはおかしくなって母さんは頭から血を流して死んだ。父さんはそんな母さんを閉じ込めたけれど、母さんはいなくなってた。だから生死が分からないけれど、母さんは、母さんだから…」と言っていた事を思い出す。

ムニョンはきっと、今でも母を想い続けているのだ。

ーー

翌日、ガンテは布団にこもったままなので、サンテとムニョンは「2人で本に載せる写真を撮ろう」と言ってスタジオに向かう。

そしていざ撮影が始まると、ビシっとスーツを着こなしたガンテが現れた。

ムニョンもサンテも笑顔になり、3人の家族写真が完成した。 

beersy
beersy

もうどこまで悪い悲しい事が続くのかと思いましたが、どうやらガンテは乗り越えられそうですね。

ムニョンが兄弟を殺した犯人を知ったら、どうなってしまうのかは心配ですが…。

そもそもどうしてムン兄弟の母は殺されてしまったのか?理由がまだまだ分かりません。

 

第13話/薔薇と紅蓮のお父さん

家族写真の撮影前、ムニョンは初めてガンテに手紙を書き、マンテに持たせてガンテの部屋に置いていた。

「あなたとサンテさんと家族になれて嬉しい」という文章を見たガンテは、意を決してスーツを着る。

そして撮影に臨み、3人のにこやかな家族写真が仕上がった。

ーー

ガンテは、「もうすぐ行くから」と書かれたメモ書きを院長に見せ、このメモ以外に無地のものが無かったから、これは誰かから渡された物でしょうね…と相談する。

すると院長は厳しい顔をして「一連の騒動の原因はこれか。病院内の誰かの仕業だ。だとすると、病院の者は誰1人信用するな。私も含めてだ。サンテさんも一人にしないで」と助言した。

ーー

デファンの脳腫瘍が悪化しており、ついに危篤状態になる。

ムニョンは相変わらずデファンに敵意を向けていたが、ガンテは、「お父さんと話が出来る最後の機会だから、よく考えて」と優しく伝えた。

一方デファンは朦朧としながら、介助をしているヘンジャに「私は妻を殺しました。彼女は人を殺しても鼻歌を歌っていたんです。怪物でした」と語り出した。

ムニョンがまだ幼い頃、デファンは「近くで40代の女性が刺された」というニュースを聞いて、妻のヒジェに「雇った家政婦はどうした?」と聞く。

すると彼女は笑いながら「もう来ないわ。だからでしゃばらなければ良かったのよ」と言った。

「何をしたんだ!お前がそんなだから、私はムニョンが心配だ」と怒ったデファンは、ヒジェと揉み合いになり、階段の上から突き落としてしまう。

そして頭から血を流した遺体を地下に隠し、その後貯水池へ遺棄しに行った。

しかし、その一部始終をムニョンが目撃しており、デファンは娘も母親と同じような怪物になるのを恐れていた。

ーー

翌日、デファンは息を引き取った。

ムニョンは、いつも見て見ぬふりをしていた父を憎んでいたが、昔一度だけ童話を読んでもらい、嬉しかった事を思い出す。

デファンは「ムニョンを本物のお姫様にしたくて、このお城を建てたんだよ」と言って優しく笑っていたのだった。

ムニョンは帰宅すると、ガンテに「家を売って1からやり直したい。あなたの一番の望みは何?」と聞いた。

ガンテは「夜間でもいいから、学校に通いたい。君はどうして童話作家になったの?」と言う。

ムニョンは「父さんが建てたこのお城では、私は本物のお姫様だった。お姫様の人生はどれも辛いもの。最後だけがハッピーエンドだという事を、私が1番よく知っているから」と返答した。

ガンテは「大丈夫。終わり良ければ全て良しだよ」と言って笑い合った。

ーー

翌日、3人で病院に出勤すると、患者達が「ついに蝶を描いたんだねぇ」とザワついている。

怪訝に思いながらサンテが描いている壁画を見ると、子供を背負った蝶が大きく描かれていた。

サンテはパニックを起こし「あれは母さんを殺した蝶だ!僕の絵じゃない!」と叫ぶ。

ムニョンは、自分の母が付けていた蝶のブローチを思い出し、涙を流しながら走り出した。

ガンテが追いかけると、ムニョンは「違うでしょ…?違うと言って」と見つめる。

ガンテは「ムニョン…お願いだ…頼む…」と口篭っていると、「違うと言ってよ!!」と叫びながら走り去ってしまった。

ーー

誰かが、クレメンタインを歌いながら車を運転している。

その女性は、なんと看護師のヘンジャ。

彼女の胸には、あの蝶のブローチが付けられていた。

beersy
beersy

ついにムニョンの母の正体が!!ヘンジャだったとは!!!!

でも所々の行動や言動、思い返すと伏線が多くあったように思えます。

最後にニヤリと笑っていましたが、目が笑っていない…怖すぎる。

デファンも気の毒な人でしたね。愛した人があんなサイコパスだったとは。

ヘンジャ=ヒジェの目的は一体何なのか。ただムニョンを苦しめたいだけなのか?

 

第14話/手とアンコウ

ガンテが院長と監視カメラを確認すると、ヘンジャが蝶を描く姿が映っており、しかもカメラを見てニヤリと笑った。

院長はガンテに謝罪し警察にも連絡をして、いなくなったヘンジャを見つけようとする。

サンテはスンドクのおかげで冷静になっていたが、ガンテはしばらく仕事を休む事になった。

院長はヘンジャに裏切られたショックで、引退を考えるようになる。

ヒジェは整形しており、看護師のヘンジャとして病院に入り込んでいた。

死に際のデファンには正体を明かしており「オ・ジワンに見つかるかもしれないというスリルを味わえた。なぜあなた達を生かしておいたと思う?弱って行く姿が見ていて楽しかったからよ。娘は言う事を聞かないし…。でも幸せの絶頂に幸せを奪えば、言う事を聞くようになるわね」と言って笑った。

デファンは「ムニョンだけは…やめてくれ…」と懇願したが、そのまま息絶えてしまったのだ。

ーー

サンインによると、ヒジェは医師の家系に産まれ勉強していたが、メスではなくペンを握り小説家になったらしい。

ムニョンは、ガンテも最近真実に気付いていたと知って深く傷付き、ガンテは「君と母親は違う。今でも君は、僕が好きなコ・ムニョンだ」と言ったが、ムニョンは「偽善者」と言い放って部屋にこもってしまった。

しかしガンテはゆっくりと、ドアの向こうから本音を話し始める。

「最初は信じたくなかったしこんな人生を恨みもしたけど、君の笑顔を想うと何もかも忘れてしまう。僕達は悪くない」

ムニョンはそれを聞いて号泣していた。

ーー

翌朝、ガンテはムニョンに、母親がヘンジャだった事を明かす。

近くにいたのに気が付かなかったと、ムニョンはパニックを起こし「逃げて!早く!行って!私を守れるはずがない!逃げてー!」と叫んだ。

ガンテは暴れる彼女を抱きしめ、一緒に泣いた。

その後、2人を心配したサンテとジェスが、スンドクの料理を持って館へ。

サンテはムニョンに「早くガンテと仲直りしなさい」と言いながら、甲斐甲斐しく世話をする。

ムニョンは「ごめんなさい…許して…」と言って号泣していたので、サンテは「食べたら許してあげるよ」と言っておかゆを口に運んだ。

一方ジェスは、ガンテに「そろそろ認めろよ。お前もコ・ムニョンも弱いんだ。認めて周りを頼れ」と励ます。

ガンテはサンテに抱きしめてもらい、「僕を守ってくれる?」と甘えると、サンテは「僕はお兄ちゃんだからな。守るよ」と力強く約束してくれた。

ーー

ガンテは二人を見送ったあと、ドアの前に宛名のない封筒があるのを見つける。

中には「手とアンコウ」という絵本が入れられていた。

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裕福な家に可愛い女の子が産まれました。

母親は可愛がって何もかもをしてあげました。

しかしある時、母親が「愛する我が子よ。母さんは少し休みたいから、これからはあなたが私に食べさせて」とお願いすると、女の子は「一度も使った事が無いから、私の手と足は消えてしまったの。その代わり、大きな口だけはあるわ」と言って口を開けました。

怒った母親は「あなたは食べることしか出来ない、役立ずのアンコウになったのね。失敗作だわ」と言って、アンコウになった女の子を海に捨てました。

その後船乗り達は、海から子供の声が聞こえるようになりました。

「母さん、私が悪い事をした?迎えに来て。母さん…」と。

ーーーー

そしてガンテが最後のページをめくると、「この本はあなたの唯一の失敗作だけど、母さんが1番好きな本よ。失敗作は廃棄処分しなきゃいけない…分かるわね?」と書かれていた。

ーー

ムニョンは、ヒジェの未完の小説「西の魔女の殺人」の10巻をサンサンイサンから出版すると、以前ケガをさせた悪徳評論家に伝える。

彼女は「西の魔女の殺人」の最後の原稿を持っており、母をおびき出そうとしたのだ。

慌てふためくサンインに「待っているのは性に合わない。ガンテは蝶を捕まえられないから、私が捕まえる」と言い放つ。

サンインが渋々「お前の読み通りだ。ヒジェ先生から連絡が入って、原稿を渡せと言われた。俺が1人で行くから…」と言いかけると、ムニョンは「どこ?母さんが望んでいるのは私よ!」と大声を出した。

ーー

その頃、ヘンジャ…ヒジェはサンテをおびき出しさらっていた。

ガンテはサンテが電話に出ないため家に向かうと、ヘンジャが出て「兄さんは呪われた館よ」と言うので、館へ戻る。

ムニョンは急いでヒジェの元へ行こうとするが、サンインは事前にガンテに「ムニョンを連れて館を出てください」と言われていたため、ムニョンを車に乗せて逃げようとしていた。

しかしムニョンはそれに気付き、無理やり車を停車させ走って館へと戻って行く。

ーー

ガンテが館に戻ると、家族写真が飾ってある書斎にヒジェが座っており、ソファーには気を失っているサンテが横たわっていた。

彼女は慌てるガンテを見て、不気味な笑い声を上げた。

beersy
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「手とアンコウ」のストーリー、イラストも本当に不気味でゾワゾワしました!(でも90年代のビジュアル系全盛期で育った筆者はすごく好き)

院長先生は名医だと思いますが、本物のサイコパスは見抜けなかったか…。

でもヒジェはそれほどまでに、完璧に恐ろしい人物なのだという事が分かりましたね。

もう警察も介入したし、次回でさらっと解決しそうではあります。

 

第15話/仲のいい兄弟

ヒジェは「兄さんは安定剤を打っただけだから、じきに目覚めるわ」と言い、ガンテに向かって、ムン兄弟の母と何があったかを話し始める。

ムン兄弟の母は、家政婦としてヒジェの館に派遣され働き始めたが、幼いムニョンが傷付いた小鳥を見て「羽が折れたらどうせ飛べない。殺すべきだよね」と言って笑ったのを見て、驚いた。

そこでヒジェに「こんな事を言ったんです。あの…もし良かったら、長男が通っている病院があってですね…」と精神病院を紹介しようとする。

ヒジェは、自分の娘を病人扱いした事が気に入らなくて、彼女を殺したのだ。

「そんな事で母を殺したのか!!」と、ガンテはヒジェに襲いかかるが、ムニョンの「母さんは、母さんだから」という言葉を思い出して思い留まる。

するとガンテは、注射を打たれてしまった。

そこへムニョンが駆け付け、母を殺そうとするが、朦朧としたガンテが止め「蝶は殺さないと約束した…」と言う。

しかしそのまま彼は倒れてしまい、ヒジェはムニョンの髪を掴み「髪を切ったくらいでは逃げられないわよ。あんたの中には私の血が流れている」と言ってガンテを殺そうとした。

するとサンテが起き上がり、「弟と妹に何をするんだ!!」と言って分厚い童話集でヒジェを殴り倒す。

サンテが、2人の命を守ったのだ。

ーー

ヒジェは、院長の通報を受け駆けつけた警察に連行された。

院長がヒジェにオンナンはどこだと聞くと、今までの彼女の行動は全てヒジェが仕組んだものだったと明かし「公演は終わったから、もう舞台を降りてもらったのよ。どこかで別の舞台に立ってるんじゃないかしら」と言う。

院長は「君も舞台から降りろ」と言ったが、ヒジェはパトカーの中でニヤニヤ笑っていた。

全て解決したが、ムニョンは目覚めたガンテに「一緒にいたら、あなたも私も辛くなる。明日出て行って」と伝える。

もう彼が、自分のせいで傷ついているのも見たくは無いし、互いの母の事を我慢して一緒にいるのは無理だと思った。

ガンテは食い下がったが、ムニョンの決意は固い。

それでもガンテとサンテは居座り続け、説得を続ける。

しかしムニョンは、サンインに「もう書きたい童話がない。サンテさんとの絵本は出版しない。絶筆するわ」と言って、1人で生きて行こうと決めた。

ーー

ガンテは、サンインに「ムニョンに食事をさせてもらえませんか」と連絡をし、スンドク、ジュリ、ジェス、スンジェも巻き込んでムニョンを元気づけようと奮闘する。

ムニョンが涙を溜めながら、スンドクに「なぜ皆私に親切なんですか」と聞くと、「あんたの顔もしぐさも可愛いからよ。ガンテのような優しい人を愛してくれたから、可愛いからよ」と言って笑った。

ムニョンは久しぶりに温かいご飯をたくさん頬張り、ジェスと飲みながら話をして盛り上がった。

ーー

ガンテとサンテは、院長の許可をもらい病院の庭に「母さんの木」を植え、「母さんに会いたくなったらここに来よう」と言った。

そしてガンテが木に向かって「母さん、僕がしっかり兄さんを守るよ」と言うと、サンテが「そんな事思わなくて大丈夫、面倒を見させるために産んだんじゃないと思う。兄が弟を守るものだ!だから僕が悪いおばさんを倒したんだ!」とテンションを上げる。

ガンテは感動して涙を流しながら、「そうだね。守っていたのは兄さんのほうだ」と言って微笑んだ。

ーー

サンテは、ガンテが寝ながら見せた「幸せそうな顔」を描き、ムニョンに見せる。

そして「僕は本を出したいのに。本物の挿絵画家になって、母さんに絵本を見せたいんだ。母さんの木がOK病院にあるんだ」と言った。

ムニョンはガンテの寝顔の絵を見ながら、涙を流す。

翌日、ムニョンは「母さんの木」の前に行き「申し訳ありません…」と呟く。

そこへガンテが現れ、「僕は乗り越えてみせるよ。一緒にいさせてくれ。愛してる」と気持ちを伝えた。

beersy
beersy

ヒジェはあっさり捕まりましたが、サンテが助けたという図式がとてもしっくり来ました。

所々で幼少期に戻る3人が、本質は変わらないけれど成長している…と思えて感動します。

そして強気のガンテいい!しっかりとムニョンを捕まえておくれよ!

 

第16話/本当の顔を捜して

ガンテとムニョンはついに結ばれた。

さらに、ムニョンはサンテの「ガンテの幸せそうな顔」の絵に触発され原稿を書き直し、サンテとの合作を出版する事を決める。

カフェに呼び出したサンインにその事を伝え、ヒジェの「西の魔女の殺人」最終話の原稿も渡し「どちらかを選んで」と言った。

「西の魔女の殺人」の出版がデマだったという事で叩かれていたサンインだったが、「ムニョンを苦しめた人の作品は出したく無い!君の書く文章が好きなんだ」と言って、ムニョンの原稿をもらい西の魔女の殺人の原稿はテーブルに置いて行く。

その直後、スンジェがトイレから戻って来たが、書類に気付かず2人を追って出て行った。

ーー

ムニョンは1人で、ソンジン拘置所にいるヒジェに会いに行く。

するとヒジェは喜び「愛する娘。あなたが私のように強く生きると決めたのよ。あんなヤツらと一緒にいないほうがいい」と言う。

しかしムニョンは冷静に「母さんみたいなアンコウにならなくて良かった。母さんが気の毒に見える。ぬくもりを知らず、知ろうともせずあるのは食欲だけ…。私は人の温かさを知ったから、母さんとは違う。もう二度と会わない。頭の中から母さんを消すわ」と言って出て行く。

ヒジェは「絶対に消せない!無理よ!」と叫んだが、ムニョンは「母さんにとって蝶はサイコパスだけど、私達にとっては治癒よ」と言い残し去って行った。

その後、病院で壁画を描いているサンテに「蝶は消せなかったから上から色を乗せたんだ。これから兄さんが蝶を描いてあげるよ!」と言われ、「消せなければ、上から新しく描けばいいのね」と言って微笑んだ。

ーー

サンテとムニョンは絵本の製作にとりかかり、ついに初版が刷り上る。

サンテは大喜びで母さんの木のもとへ行き、涙を流しながら絵本を見せ「母さん、上手に描けてるだろ?僕は先生になったんだ。僕、頑張ったでしょ?」と言った。

一緒にいたガンテも思わず号泣し、2人で抱き合いながら完成を喜ぶ。

その光景をムニョンが温かく見守った。

また、ガンテはジェスやスンドクに感謝を伝え、幸せを噛み締める。

ーー

OK精神病院で出版記念イベントが行われる。

院長は退任を決めていたが、患者達もそれぞれ前を向き歩み始めていた。

そして、ムニョンとサンテが交代で朗読を始めたが、喧嘩になり会場はめちゃくちゃに。

サンサンイサンの再出発のパーティーが大失敗に終わり、サンインは頭を抱えたが、スンジェがアップしたその動画はバズっていた。

ーー

ムニョンとサンテはすぐに仲直りをし、ガンテのご機嫌取りをしている。

すると院長がやって来て、「壁画の報酬だ」と言ってキャンピングカーをプレゼントしてくれた。

院長は、自分が雇ったヘンジャのせいで、3人を危険に晒した事に心を痛めており「これでチャラにして欲しい」と言った。

そして3人は、念願だったキャンピングカーでの旅に出る。

それは今までの辛い過去を塗り替えるような、素晴らしく楽しい時間だった。

ーー

ベンチに座り景色を見つめているサンテが、ガンテに「楽しんでいるか?いつまで続ける?」と聞くと、ガンテは笑顔で「飽きるまでかな」と答える。

するとサンテは、「じゃあムニョンと行って。僕は別の場所に行くから、お前はこのまま遊べば良い。僕は仕事をしたいんだ。他の作家が、僕と一緒に仕事をしたい言ってるらしい。僕の絵が必要だって…僕はもう『必要な人』なんだ」と言った。

驚いたムニョンが「私にも必要よ?」と言ったが、ガンテが制し「僕がいなくても大丈夫?僕は必要ない?」と聞く。

サンテは「ムン・ガンテは、ムン・ガンテのもの。僕は、僕のもの」と返し、ガンテも「そうだね。ムン・ガンテはムン・ガンテのものだ…」と言って泣いた。

2人は抱きしめ合い、サンテは迎えに来たサンインの車に乗り込んだ。

ガンテとムニョンが乗ったキャンピングカーと、サンテの乗った車は別々の道に進んで行く。

するとサンテの「気をつけて!コ・ムニョン、ムン・ガンテ!バイバイ!喧嘩するよりチューがいい!!」と言う声が響いていた。

ーーーー

『本当の顔を捜して』

作/コ・ムニョン、絵/ムン・サンテ

昔々深い森の奥の城で、影の魔女に本当の顔を奪われた3人が、一緒に暮らしていました。

箱おじさんが「3人で仲良く暮らすため、奪われた顔を取り戻そう」と言いました。

キャンピングカーに乗って旅に出た3人は、雪原に座り込んで泣き続ける母ギツネに出会いました。 

仮面の少年が「なぜ泣いているんですか?」と尋ねると、母ギツネは「雪原で餌を探していたら、おぶっていた子供がいなくなってしまったの」と答えます。

涙が枯れてしまうほど泣いた母ギツネを見て、仮面少年の目から熱い涙が溢れました。

すると雪が溶け始め、中からカチカチに凍った子ギツネが現れました。 

再び旅に出た3人は、いばらの園で、裸で踊るピエロに出会いました。

空き缶姫が「トゲが刺さっているのに、なぜ踊り続けるの?」と尋ねました。

ピエロは「みんなに見てもらいたかったんだ。 だけど痛いだけで、誰も見てくれない」と答えます。

すると空き缶姫はいばらの園へ入り「私は空缶だから、トゲが刺さらないの」と言ってピエロと一緒に踊り始めました。

空缶姫が飛び跳ねながら踊ると、空っぽの体から「カラカラカラカラ」と音が鳴りました。

その音を聞いて集まった人々は、2人のダンスを見て拍手を送りました。

すると、邪悪な影の魔女が現れ、仮面の少年と空き缶姫をさらって行きました。

「これでお前達は幸せな顔を見つけられない」と言って、魔女は呪いをかけ2人をモグラの穴に閉じ込めます。

数日後箱おじさんが穴を見つけましたが、穴が小さく入る事が出来ません。

穴の中からは、仮面の少年が「おじさん、気にせず遠くに逃げて。魔女が戻って来る」と話しかけます。

しかし、箱おじさんは勇気を振り絞って、被っていた箱を投げ捨て、2人を助け出しました。

そして仮面の少年と空き缶姫が、箱を取ったおじさんの汚れた顔を見て「ケラケラケラ」と笑うと、仮面と空き缶が取れました。

2人の本当の顔を見たおじさんは、「あぁ、幸せだ」と言いました。

影の魔女が奪ったものは、3人の本当の顔ではなく、幸せを探そうとする勇気だったのです。

beersy
beersy

ヒジェの事件が解決して終わり!ではなく、しっかりと兄弟の前向きな別れ、3人の成長、絆、幸せな時間が描かれていて、心からスッキリしました。

悲しい別れではなく、独り立ちするサンテの「バイバイ」が心に沁みるー!

サンインとジュリの付かず離れず、これから物語が始まりそうな雰囲気にもほっこり。

本作、毎話童話が紹介されていましたが、最終話だけ2人の合作を掲載しました。

サスペンス、ラブロマンス、コメディ全部を盛り込んだこの脚本には脱帽です!

 

 

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ビール党のアラフォーで二児の母beersy(ビアシィ)子ども就寝後、夜な夜なテレビを付けては夫婦で動画視聴。仕事や家事から意識を飛ばすのが得意技。アクション好きだが、雑食性で何でも鑑賞するタイプ。しかしその実態はただの筋肉好き。いつかシルヴェスター・スタローンに会うのが夢であり、それゆえ筋トレを欠かさない(嘘) 私の記事を通して、筋肉好きの読者様が増えたら嬉しいです(?)