映画『名探偵コナン 隻眼の残像(せきがんのフラッシュバック)』は、2025年4月18日公開のシリーズ第28作。長野の雪山を舞台に、警部の大和敢助の過去と現在の事件が交錯するサスペンスを中心として描かれます。監督は重原克也、主題歌はKing Gnuの「TWILIGHT!!!」。
名探偵コナン 隻眼の残像
- 未体験
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- 感情移入
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- 再鑑賞
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- 予測不可
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- サウンド
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大和敢助の危機を助ける周囲の人や小五郎の狙撃の腕が魅力!シリアス重視なコナン映画も良し!
評価は年間100作品以上を鑑賞する執筆者こでぃもの実体験をもとにしています。
『名探偵コナン 隻眼の残像』は人気?どんな人が観ている?
川崎の映画館で金曜の夜に観に行きました!席はかなり埋まっており、女性のお客さんが半分以上でしたね。若い人も多く、上映開始まで談笑してる人もたくさんいました。アニメ作品であり、毎年人気のコナンシリーズであることから、これからゴールデンウィーク中に見に行く人も多いのではと思いましたが…ストーリーやシリアスなサスペンス展開を踏まえると、子供向けというより大人が楽しめそうだなと思いました!
以下より重要なネタバレを含みます。
ネタバレありで解説!
毛利小五郎
探偵の毛利小五郎は元同僚のワニ(本名は鮫谷)から電話を受け、月曜日に会うことになります。その当日、彼の娘の蘭と居候のコナンも付いていき、日比谷公園へ。するとワニは何者かに撃たれ、コナンは犯人を追いますが…霞が関駅前で見失います。
小五郎は警察に経緯を話し、ワニが雪崩と御厨(みくりや)の事件を調べていたことから長野に向かうことに…長野県警の大和たちと合流し、刑務所で御厨と面会します。刑務所から出るとコナンや蘭たちがいて驚く小五郎。コナンは少年探偵団とアガサ博士が天文台を訪ねていたところに合流したと話しました。そのままコナンは小五郎たちに付いていき、事件を追います。

開始早々、ワニがライフル弾による致命傷を負って殺されたり、小五郎が全力で犯人を追うことになったりとシリアスな展開が見もの!
そして、コナンが長野に到着した際に、駅で盗聴器を仕掛けられたのに驚きましたね。どうやら公安の風見が彼の動向を追っていたようですが…その後、入院中の大和の世話係だった警察の林も”隠れ公安”であると明かされたり、公安の安室(降谷)も何か知っていそうだったり、気になる展開が多かったです。
過去の事件
御厨は過去に鷲頭と強盗をし、執行猶予を経て再逮捕された経緯がありました。鷲頭は御厨の情報を明かす代わりに彼より早く刑期を終えた…鷲頭は彼を恨み、命を狙っていると考えられたのです。そんな鷲頭の再逮捕時に大和が彼を追い詰めたこと、その際に雪崩にあって記憶の一部が戻らないことなどが明かされます。
御厨たちが強盗をした店の娘・マキは、事件時に足に怪我を負い、それが原因で選手生命が断たれた…その後、彼女は遺書を書いて転落死したのです。マキの父は「強盗たちにマキが殺された」と話し、大和に鷲頭を探すよう何度も訪ねていました。
マキの墓には毎年花が供えられており、父親は「彼女に恋人がいたのでは…?」と話しますが…事件に関わる人物たちが明らかになる中、大和の命が狙われる事態が発生。犯人に襲われる中、近くにいた光彦と元太、蘭に助けられます。その後も大和は狙われ、ついに犯人は雪崩を発生させました。コナンはもう一つの山の雪崩を起こすことに成功。しかし、雪崩の勢い全ては消せず、大和が亡くなりました。

大和は諸伏と共に行動していましたが、諸伏が彼を庇って厚い氷の張った川に落ちた時はもうダメかと思いましたね。諸伏が弟の景光のことを思い出したり、銃を撃って居場所を知らせたりしたのが印象に残るシーンでした。
コナンたちが寝泊まりすることになった炭焼き小屋には大友隆がおり、彼の素性を怪しむ展開も見ものです。公安の力を借りて彼の戸籍を調べ、事件の真相を明らかにしていくのがおもしろかったです。
真相
コナンは公安に協力を求めつつ、探偵の新一として事件の真相を関係者に連絡。そうしてマキの父と大友が呼ばれ、鷲頭の行方を明かすことから始めました。鷲頭は顔と名前を変え、「大友」として生きていた…彼はマキの墓参りをし、彼女の家族に謝りたいと考えていたことなどが明らかになります。マキの父親はそれを聞き、思いを吐露したのです。
次に、諸伏たちは事件の関係者を天文台に呼び、林が犯人であると明かします。彼の鹿革の手袋が証拠の一つだと明かしつつ、実は生きていた大和も「彼を雪崩の事件の時に見たのを思い出した」と告げます。林はワニを殺したこと、マキが恋人だったことを明かし、法改正が進んでいることの懸念を話しました。
法改正により鷲頭のように刑が軽くなるような犯罪者が増えることを防ぐため、政府にとって不利益となる情報を流そうとしていた…そんな話をする中、林は改造した銃を撃って外に逃げ、天文台の運搬車に乗って逃走…コナンは機転を利かせて行動開始。灰原の協力により運転中の林の目を眩ませることに成功し、小五郎が銃を撃って車を横転させたことで林の逮捕に至ります。
後日、小五郎はワニの故郷の鳥取を訪ね、安室は林に今後の選択肢を与えて物語は幕を閉じました。

大和は雪崩に巻き込まれて死んだことにし、これ以上周りの者が巻き込まれないようにしようと考えたのは納得でしたね。生きていたと知らされていたのは上原でしたが…コナンとしては、彼女が悲しまないようにという配慮があったようです。大和と上原の関係は今後に期待ですかね。
事件に関してですが、林が犯人であるという確信につながったのは、小五郎が鮫谷を「ワニ」と呼んでいた件でしたね。2人しか知らないあだ名を林が知っていた=ワニを殺した際に現場にいたとつながり、霞が関駅前にバイクが乗り捨ててあったのは林がそのまま警視庁に身を隠したとのことで合点がいく展開も見ものでした。
ワニを殺した犯人を全力で追う小五郎の姿、そして彼が銃を撃つという珍しいワンシーン(公安の風見が彼が銃を使ったことは隠してくれているようでしたが)も良かったです!コナンとの協力も見どころでした。
エンディングでは、King Gnuの「TWILIGHT!!!」が流れる中、雪山などの実写映像が流れるため映画全体に思いをはせることができました。
関連する作品ならこちらもオススメ!
コナン映画や雪山ミステリーなら以下の2作品もおすすめ!
名探偵コナン 沈黙の15分(クォーター)
東京都内で起きた地下鉄の爆破事件。それは8年前、雪深い新潟のダム建設に関する出来事とつながっていた…!コナンたちは事件の手がかりを求め、雪国のスキーリゾートを訪れ、そこで新たな殺人事件が発生します。
隠された陰謀と、自然災害を巻き込んだサスペンスが交差する、雪山のスリルと緊張感が魅力のアクションミステリーです。

雪山が舞台であり、大規模な雪崩による緊迫感ある演出が見どころ!自然災害を事件に絡め、スリルある展開が楽しめますよ。また、政治や警察組織との関わり、過去の事件が現在に影を落とす構図も『名探偵コナン 隻眼の残像』と共通していますね。
コナンのスケボー技術に目を見張りつつ、窮地を脱する展開にも注目です!
疾風ロンド
https://youtu.be/xsEIBUto2QE
東野圭吾の同名小説を実写映画化!研究所から生物兵器が盗まれ、犯人が雪山のリゾート地にその隠し場所を告げるメッセージを残して死亡した…その生物兵器を回収するため、研究所の地味な研究員・栗林(演:阿部寛)がスキー場へ向かうのが物語の始まりです。
スノーボード選手や地元の人々と協力しながら、謎と危険に立ち向かうのが見どころですね。コメディタッチながらも緊張感ある展開が魅力の、雪山サスペンス×エンタメです。

『疾風ロンド』も雪山×サスペンスなので『隻眼の残像』と同じく、雪崩や自然環境の脅威と、人間ドラマが交錯する構成を楽しめます。また、隠された生物兵器や、それを追う側・逃す側の知略戦も見どころですよ。
重厚なミステリーというよりは軽快なテンポのコメディサスペンスを楽しみたい人におすすめですね。