2025年5月23日公開の映画『岸辺露伴は動かない 懺悔室』は、荒木飛呂彦原作のスピンオフ作品を基にしています。監督は渡辺一貴、高橋一生が岸辺露伴を演じ、飯豊まりえ、井浦新らが共演。舞台はイタリア・ヴェネツィアで、露伴が仮面の男から過去の罪と呪いにまつわる懺悔を聞きくことから物語が大きく動き出します。
岸辺露伴は動かない 懺悔室
- 未体験
- 4
- 感情移入
- 3
- 再鑑賞
- 3
- 予測不可
- 4
- サウンド
- 5
オペラのシーンの高音を響かせる歌や、ヴェネチアの街並み・建物を映画館で感じれて良かった!
評価は年間100作品以上を鑑賞する執筆者こでぃもの実体験をもとにしています。
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『岸辺露伴は動かない 懺悔室』は人気?どんな人が観ている?
川崎の映画館で土曜日の夕方に観に行きました!上映回数は多くなく、この回は8割ほど席が埋まっていましたね。何人かグループで見に来ていたり、ペアの人も多いようでした。男の人の方の割合が多かったかなと思います。
1作目やドラマを見ていて今作を観に来た人、『ジョジョ』シリーズが好きな人など人気作品だなと感じました!映画館ならではの大きなスクリーンでヴェネチアの街並みや役者さんの名演技を楽しめる映画です。
以下より重要なネタバレを含みます。
『岸辺露伴は動かない 懺悔室』をネタバレありで解説!
岸辺露伴
漫画家の岸辺露伴はイタリアのヴェネチアを訪問。作品のために様々な場所を歩き、カメラに収める中、ひったくり犯2人に遭遇します。露伴は「ヘブンズドア」の力を使い、男たちから盗まれたものを取り戻しつつ、男たちの過去を見てお面を盗んだと知ってマリアの店に行きつきます。お面づくりをしていたマリアは盗まれたお面が戻って感謝しました。
その後、露伴は教会に行き、懺悔室を見ていましたが…お面を付けた男が露伴を神父だと思って懺悔を始めたのです。露伴は誤解を解かず、彼の話を聞きました。水尾はヴェネチアを訪問した際に金を盗まれ、日雇いで仕事をしていた…その際に浮浪者から食べ物を恵んでほしいと言われ、働けば渡すと言ったのです。浮浪者は階段から落ちて亡くなり、そこから水尾は呪いを受け始めました。

露伴はヴェネチアで大学図書館が建てられるということで、理事長に呼ばれていたようですね。担当編集の京香は先にその場所に行き、理事長が露伴のファンであると知るのでした。
そんな露伴が懺悔室で話を聞き、恐ろしい事故が過去にあったとわかります。浮浪者は体を悪くしていたようですが…水尾は彼を怠け者だと思って重い荷物を持たせ、階段から落ちた際に浮浪者が事故死したというあり得そうな話でした。浮浪者の怨念とも言えそうな呪いを受けた水尾ですが「幸せに襲われる」という表現が印象的でしたね。
幸せと呪い
水尾は一番幸せになった際に死ぬ呪いだと考えて、気をつけていましたが…娘のマリアが遊んでいる際に幸せを感じてしまったのです。呪いは水尾に呼びかけ、持っているポップコーンを3回連続で口でキャッチすれば殺さないと言った…水尾は近くの街頭よりもポップコーンを高く上げなければならず、鳩の妨害もある中で2回成功。しかし、3回目で失敗したことで事故死してしまいます。
懺悔室でここまで話し終えた男は、水尾の元で働く召使いで田宮だと言いました。水尾は召使いに大金を渡して顔と声を変えてもらい、水尾自身も田宮の姿で生きていたのです。そのため呪いは継続し、今度は娘の一番の幸せなタイミングで最大の不幸が訪れるとのこと…その後、田宮は娘の行動に気を付けながら今に至ります。

水尾は大金を得たり、会社のガラスの製品の特許が取れそうになったり…そうやって大きな幸せに見舞われると手放すようにして来たのが印象に残ります。
ガラスの話がありつつも、ポップコーンの失敗で人にぶつかって亡くなったのも恐ろしかったですね。ぶつかった人が運んでいたガラスが刺さったと言いますか…呪いが娘のマリアに憑りついたシーンも合わせてホラーっぽいシーンが続いたなと思いました。
ポップコーンをキャッチするシーンはアニメそのままで驚きました!
絶望
一連の話を聞いた際に露伴は呪いに触れたせいで幸運に襲われるようになりました。町に出るとマリアと出会い、彼女の婚約者が露伴のファンであることがわかります。田宮が結婚をさせないよう目論んでいるようでしたが…呪いの影響で露伴の漫画がイタリアやフランスで出版数が増える事態が発生。露伴は「舐められてるな」と言い、行動を起こします。
結婚式が1日早まり、田宮は婚約者の殺害のため、殺し屋を差し向けます。露伴は田宮と話し、実は式場の場所も変更していたことを明かしました。式場に急いだ田宮は、教会で殺し屋が婚約者に発砲しているのに出くわしますが…婚約者の前に立ちはだかったマリアの胸から血が流れていたのです。
田宮は絶望し、呪いは喜びました。彼が教会から出ると、マリアは起き上がって露伴は「ひと芝居うった」と言います。
その後、マリアたちは結婚式を挙げ、物語は幕を閉じます。

露伴は式を早めて、式場の場所も変えただけでなく、「ヘブンズドア」を使っていましたね。殺し屋の顔が本のようになり、「空砲を撃つ」と書いたことで田宮を騙しました。
マリアの一番の幸せ=結婚というタイミングで、田宮の目の前でマリアが撃ち殺されるという絶望がセットになるとは驚きましたね。田宮はマリアが死んだと思ったまま、さまよい続けたのか…おそらく、露伴と京香が見ていたオペラの「リゴレット」の道化師のような化粧をしていたと思いますが、その姿が印象深かったです。
『岸辺露伴は動かない 懺悔室』に関連する作品ならこちらもオススメ!
『岸辺露伴は動かない 懺悔室』のようにベネチアを舞台にしたサスペンスやホラーなら以下の2作品もおすすめ!
名探偵ポアロ ベネチアの亡霊
アガサ・クリスティ原作の名探偵ポアロシリーズを基にしたサスペンス・ミステリー。監督・主演はケネス・ブラナー。老いたポアロが引退生活中に霊媒師が本物か見極めるためベネチアを訪ねます。そこで不可解な殺人事件に巻き込まれていくのが主な物語。

迷路のようなヴェネチアの路地や、朽ちかけた豪邸の美術的な見どころが満載!閉鎖された空間や幽霊を扱うテーマにも注目ですよ。ベネチアならではの霧や運河、鐘の音といったポイントが不穏な空気を助長し、ホラーのような恐怖感もたっぷりですよ。クラシックな殺人ミステリーとしてもおすすめで、心理的面ではサスペンスも味わえる映画です。
べネシアフレニア
アレックス・デ・ラ・イグレシア監督によるスラッシャー・ホラー映画です。物語は、観光でベネチアを訪れた若者たちが、現地の人々の強い反感に巻き込まれます。恐ろしい事件が起きる中、観光都市の裏側に潜む排他的な感情や社会の不満がテーマとなっている作品です。

ベネチアの美しい建物や仮面カーニバル、運河やゴンドラなど、観光名所として知られる景色が、次第に不気味で恐ろしい空間に変わっていくのが見どころ!仮面をつけた襲撃者たちの狂気は「外から来た者」への拒絶がしっかり現れています。スラッシャー映画としての表現に注目ですよ。