2019年8月9日にアメリカで公開された映画『エンツォ レーサーになりたかった犬とある家族の物語』
『私は犬だが、来世では人間に生まれ変わる。記憶を持ったままー』
そう計画しているペット・エンツォが語る、主人・デニーと家族の物語。
日本では劇場未公開。(2020年にDVDスルー)

亡くなった最愛のわんこをずっと待ち受けにしているbeersyです!
わんこ映画は絶対泣くから観たくないのに、つい観てしまう…。
本作も号泣だろうと思いつつ視聴。
賢いエンツォの渋いナレーションに心を打たれ、やっぱり嗚咽を漏らしました!!
この記事では、映画『エンツォ レーサーになりたかった犬とある家族の物語』を鑑賞した筆者の感想やあらすじ、ネタバレ解説をご紹介いたします!
『エンツォ レーサーになりたかった犬とある家族の物語』の評価&感想
- 感動度
- 5
- 脳トレ度
- 3
- 再鑑賞度
- 4
- サプライズ度
- 4
- 話題性
- 4
本作は、わんこのエンツォと、カーレーサーのデニーの人生の物語で、エンツォ視点で物語が進んで行きます。
(「エンツォ」というのは、イタリアの高級車メーカー・フェラーリの創設者「エンツォ・フェラーリ」から付けられました)
原作は、ガース・スタイン作の2008年に出版された『エンゾ レーサーになりたかった犬とある家族の物語』。
監督は『マリリン 7日間の恋』のサイモン・カーティス。
冒頭から泣かせに来ておりまして、ずっと心に重いものを持ちながら視聴しました。
ストーリーは予想がつくものでしたが、デニーの人生はつい食い入って観てしまうほど波乱万丈。
そんな彼にいつも寄り添っているのが、エンツォなんです。
ま〜俳優わんこがとにかく上手で、表情ひとつとっても完璧!たっくさんご褒美をあげて欲しい!!
ちなみに、終始エンツォの声が渋くて心にじんわりと染み渡りますが、その声の持ち主はなんと『ボディガード』のレジェンド俳優、ケビン・コスナー。
彼は演技力も素晴らしいですが、声の出演でもこんなに人の心を動かせるんですね…!
ストーリーはわかりやすい展開ですが、ちょこちょこ出て来るカーレースは疾走感がありますし、何よりもわんこ映画として上位に来る名作だと思います。
ペットがいる方はぜひご視聴ください♪
以下より重要なネタバレを含みます。
『エンツォ レーサーになりたかった犬とある家族の物語』のネタバレ
エンツォとデニーの生活
モンゴルの言い伝えでは、犬が生涯を終えると、前世の記憶は失くすらしいが、人に生まれ変われるという。
年老いたゴールデンレトリバーのエンツォは、『記憶を魂に刻み込んで、新しい身体で目覚めた時に思い出そう』という計画を立てていた。
ーー
カーレーサーのデニー(マイロ・ヴィンティミリア)は、多くの子犬の中からエンツォに運命を感じて購入。
テレビでレースを一緒に観たり、自身がレースに出場する際は必ず連れて行く。
デニーはいつかF1レーサーとして活躍する事を夢見ており、エンツォもそれを応援していた。
ーー
何気ない日々に幸せを感じていたエンツォだったが、二人の前に美しい女性・イブ(アマンダ・サイフリッド)が現れ、やがてデニーと恋人同士に。
エンツォは話す事が出来ず、ヤキモチを妬いてすねたりするが、二人が結婚して娘のゾーイが生まれると、その可愛さに夢中になった。
しかし、イブの父親(マーティン・ドノヴァン)はデニーの安定しない&命の危険があるカーレーサーという職業が気に入らない。
デニーは、講師や助っ人などの仕事を増やし、チャンスが巡って来るまでますます精を出していた。
そのためデニーは家を空ける事が多くなったが、ゾーイはすくすくと育ち、エンツォを「お兄ちゃん」と友達に紹介して慕う。
ーー
ゾーイが7歳になった頃、エンツォはイブから変な臭いがする事に気付く。
イブは最近頭痛がすると言って薬を飲む事が増えていたが、話す事が出来ないエンツォは何も出来ず、ただ見つめるだけだった。
しばらくすると彼の嫌な予感は的中し、イブが倒れてしまう。
彼女の頭の中には腫瘍が出来ており、余命わずかとなってしまった。
エンツォは落ち込むデニーを元気づけ、終末期を実家で過ごすイブが心配で寝ずに見守る。
そしてイブは、ゾーイが用意したパーティーでデニーとダンスを踊った夜、起きているエンツォに「あなたは知っていたのね。もう怖くないわ。終わりじゃないから…」と言って微笑み、撫でると静かに息を引き取った。

冒頭からもう号泣。うちのわんこも最期はこんな感じでいつも寝てたな…。
そしてまさかの、イブの死。
まさか家族に悲劇が起こるとは思わなかったので、ここでも号泣!!
もうこれ以上観られないかもしれないぞ…と投げ出しそうでした。笑
義両親との確執
イブの葬儀が終わると、義父はすぐにデニーに「ゾーイを引き取る」と言って書類を渡す。
デニーはもちろん断ったが、彼の金銭面や、多忙で家を空けがちな事を理由に挙げ、訴訟を起こそうとしていた。
激怒したデニーが帰ろうとすると、義父が手を掴んで来たため振り払う。
その際義父がよろけて転んでしまい、デニーは介抱しようとしたが「触るな」と突っぱねられた。
戸惑う義母(キャシー・ベイカー)は優しく諭そうとしたが、デニーはゾーイを連れて自宅に戻る。
しかし、その後義父は「暴力を振るわれた」と警察に通報し、デニーは逮捕されその間にゾーイを奪われてしまった。
さらにデニーには接近禁止令が出て、釈放された後も90日間ゾーイと離れ離れに。
エンツォはゾーイの相手として義父の家に行ったが、そこで義父が義母に「俺はあいつに突き飛ばされて肋骨を折ったんだ。お前が証人になって裏付ければ勝訴する。忘れるな、孫娘のためだ」と命じており、彼が黒い計画を立てている事を知る。
復讐を思いついたエンツォは、義父にせがんでレモンを食べ、わざとお腹を下してカーペットを汚してやるのだった。
ーー
フェラーリのスカウトマンが、デニーの腕を見込み「イタリアでテストドライバーをして欲しい」と仕事を紹介する。
デニーは「今は国を離れられない」と断ったが、スカウトマンは「事情は聞いてるよ。色々片付いたら連絡をくれ」と言って肩を叩いた。
そして90日間が終わり、デニーはやっとゾーイと会えるようになったが、義父は依然として戦う姿勢を崩さない。
友人の弁護士は、ゾーイを取り戻す事は難しいから、相手の意向を組んで面会を増やし、暴力事件の訴訟を取り下げでもらおうと提案。
それでもデニーはなんとかしようとしたが、ある夜いつものようにエンツォとランニングをしていると、ゾーイを取り戻す事を考えていたエンツォが交通事故に遭ってしまった。
幸い軽傷で済んだものの、医師は「もう老犬ですから、この怪我が原因で死に向かう事もあります」と忠告する。
治療費も高額で、デニーはついに貯金が底を尽き弁護士の提案を飲む事にした。
エンツォは薬の影響でぼうっとしていたが、デニーが弁護士からの書類にサインをしている姿を見て立ち上がり、その書類を奪ってビリビリにしてしまう。
デニーの友人達はその光景を見て大笑いし、俺もこんなペットが欲しいとエンツォを称えた。
戸惑っていたデニーもエンツォに「わかったよ」と言って微笑み、義父と法廷で戦う事を決意した。

義父の言いたい事も分かりますが、やり方が横暴過ぎて本当に腹が立つ!
娘に先立たれる悲しみもあるでしょうけれど、デニーだって最愛の人を亡くしたのに…。
手を取り合うどころか「奪う」という発想になる事自体が解せぬ!!
エンツォの事故シーンは辛いものでしたが、わんこの演技力が素晴らしくて感動しました。
レーサーとして
義父と争う裁判が始まった。
デニーがかなり不利な状況だったが、証言台に立った義母が耐えきれず「嘘を吐くなんて無理。彼は何もしていません」と真実を明かす。
これによって訴訟は取り下げられ、デニーはゾーイとの生活を取り戻した。
また、デニーがフェラーリのスカウトマンに連絡をし「あの仕事はまだ有効ですか」と聞くと、快く「待ってるよ」と言ってくれる。
デニーは笑顔を取り戻し、「それでは、娘のゾーイとペットのエンツォと一緒にイタリアへ行きます」と返答した。
ーー
ゾーイが9歳の誕生日を迎えると、デニーは義両親と和解。
幸せそうなパーティーが開かれているテーブルの下で、すっかり歳をとったエンツォは眠っていた。
デニーは、思うように動けなくなったエンツォを「俺のエンツォ。ずっと一緒だ」と優しく撫で、突然思い立ちサーキットへ。
上司に了承を得て、ゾーイが見守る中、エンツォを隣に乗せてコースを回った。
エンツォは憧れのスポーツカーに乗って気持ちの良い風を受け、今までの犬生を振り返る。
デニーは「最高の親友だ!」と言って、エンツォにキスをした。
エンツォは、「デニー、もっとだ。もっと速く…」と、吠えて気持ちを伝えるのだった。
ーー
ーー
8年後。
イタリアのムジェロ・サーキットには、レーサーとしてチャンピオンになったデニーがいた。
そこへ、美しく成長したゾーイが「デニーのファンでレーサーを目指している」と言う親子を連れて現れる。
サインを求められ、デニーが少年に名前は?と聞くと、彼は「エンツォ。僕の名前はエンツォだよ」と答えた。
ハッと顔を上げ、ゾーイと目を合わせたデニーは「君は僕の旧友に似てる。トレーニングを始めるならここへ電話を。協力します」と言って番号入りのサインを渡す。
父親は感激し、少年・エンツォもにっこりと笑いながら戻って行った。
デニーとゾーイはその後ろ姿を見つめ、身を寄せ合うのだった。

嗚咽を漏らしながらやっと観終えました。
少年・エンツォが本当にエンツォに似ていて、よくもまぁこんなキャストを見つけたなと感激!!
言い伝え通り、エンツォは人間に生まれ変わったんだね。本当に良かったね。
諦めずに夢を叶えたデニー、それを支えたゾーイとエンツォ。
温かいきもちがじんわりと広がる、素敵な映画でした!!
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