2019年3月1日公開の映画『グリーンブック』。
人種差別が色濃く残る1960年代のアメリカを舞台に、黒人クラシックピアニストのドクター・シャーリーとイタリア系白人運転手のトニー・リップの2人が旅を続けるなかで友情を深めていく物語です。
実話をもとに描いた作品で、第91回アカデミー賞や第76回ゴールデングローブ賞など数多く受賞しました。
映画『グリーンブック』で流れた音楽19曲をご紹介します。
『グリーンブック』を観る方法
『グリーンブック』で流れた曲とは?
オープニング
Bobby Rydell - That Old Black Magic
『グリーンブック』のオープニング曲は、Bobby Rydell(ボビー・ライデル) の『That Old Black Magic』です。
1961年にBobby Rydellバージョンでリリースされたアメリカポップスのヒット曲。
原曲の『That Old Black Magic』は1942年にリリースされ、Harold Arlen(ハロルド・アーレン)が作曲、Johnny Mercer(ジョニー・マーサー)が作詞を担当しました。Frank Sinatra(フランク・シナトラ)やMarilyn Monroe(マリリン・モンロー)など数多くのアーティストによって歌われてきました。
Bobby Rydell版の『That Old Black Magic』は、ガールフレンドにメロメロに首ったけになった男心を魅力的な歌声とラテン調のリズムで歌い上げています。
映画『グリーンブック』のオープニングシーンでは俳優のヴォン・ルイスがBobby Rydell役として、華々しくステージ上で『That Old Black Magic』を歌っている姿が描かれており、1960年代当時のポップカルチャーの盛り上がりや雰囲気を楽しむことができます。
オープニング曲『That Old Black Magic』の軽快なイントロと共に登場するコパカバーナは、ニューヨークに実在したナイトクラブです。1940年に開業し、2020年に残念ながら閉業しました。
古き良き時代が残るコパカバーナで生の『That Old Black Magic』を聴きながら、トニー・リップやドクター・シャーリーの生きた時代を感じたかったです。ただコパカバーナは過去に閉店しては再開店を繰り返していたので、また新しいコパカバーナが誕生することを切実に願います!
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トニー・リップが大切な時計を質屋に預けるシーン
The Blue Jays - So Long Lovers Island
トニー・リップが大切な時計を質屋に預けるシーンの挿入歌は、The Blue Jays(ザ・ブルー・ジェイズ)の『So Long Lovers Island』です。
The Blue Jaysは1961年に結成されたドゥーワップグループです。『So Long Lovers Island』は1961年当時にアメリカで大ヒットし、ドゥーワップ最後のヒット曲と称されています。
ドクター・シャーリーとの面談後、バーに立ち寄ったトニー・リップは、マフィアから汚れ仕事をしないかと誘われます。生活費を稼ぎたいトニー・リップですが、マフィアの仕事は断り、大切な時計を質屋に預けることにしました。
『So Long Lovers Island』のしっとりとしたラブソングが流れるなか、トニー・リップが質屋に行くシーンは、なんだか切ない気持ちにさせるシーンです。
特別トニー・リップの時計についての描写はありませんが、『So Long Lovers Island』の歌詞から推察すると、ドロレスからの贈り物だったのではと私は思います。
トニー・リップがカーネギー・ホールへ向かうシーン
Timmy Shaw - A Letter From My Baby
トニー・リップがカーネギー・ホールへ向かうシーンの挿入歌は、Timmy Shaw(ティミー・ショー)の『A Letter From My Baby』です。
『A Letter From My Baby』は1961年にリリースされ、ソウルミュージックを代表する楽曲のひとつです。
家族との別れを惜しみつつ、トニー・リップはドクター・シャーリーへ迎えるため、カーネギー・ホールへ車を走らせます。トニー・リップがとても家族思いの人物であることがわかるシーンです。
音楽好きはご存じのカーネギー・ホールは、ニューヨークのマンハッタンにあるコンサートホールです。1891年に開業しました。クラシックやジャズ、ポップスなどジャンルに問われず、音楽シーンを代表する名人たちがカーネギー・ホールで演奏しました。
ドクター・シャーリーとトニー・リップの旅のスタートシーン
Robert Mosley - Goodbye My Lover Goodbye
ドクター・シャーリーとトニー・リップの旅のスタートシーンの挿入歌は、Robert Mosley(ロバート・モズレー)の『Goodbye My Lover Goodbye』です。
1960年代中心に活動していたソングライター兼プロデューサーです。『Goodbye My Lover Goodbye』は、1963年にリリースしたCrazy 'Bout My BabyのB面に収録されています。
カーネギー・ホールから出発したドクター・シャーリーとトニー・リップは、楽曲『Goodbye My Lover Goodbye』にあるように、家族や住み慣れた場所に「Goodbye」と別れをつげて、2人の旅がはじまります。(厳密には4人、ドクター・シャーリーは三重奏でアメリカ南部公演を行います。)
2人旅のスタートシーンでは、ドクター・シャーリーの繊細な性格とトニー・リップの大雑把な性格が描かれており、2人のちぐはぐなやり取りにクスっと笑ってしまいます。
すれ違いざまに他メンバーと会話するドクター・シャーリーのシーン
The Blackwells - You Took Advantage Of Me
すれ違いざまに他メンバーと会話するドクター・シャーリーのシーンの音楽は、The Blackwells(ザ・ブラックウェルズ)の『You Took Advantage Of Me』です。
『You Took Advantage Of Me』は1961年にリリースされました。The Blackwellsはイギリスのリヴァプールで活動していたマージー・ビートグループです。
公演先に向かう途中、他メンバーとドクター・シャーリーはロシア語を使い、公演先で落ち合う約束をします。ドイツ語がわかるから、話していた内容が少し理解できるとトニー・リップは言います。
他メンバーに喧嘩腰のトニー・リップは、ドイツへの反感を露わにします。第2次世界大戦の影響でしょうか。
嚙み合っていないドクター・シャーリーとトニー・リップの会話は、これからの旅路に不安を感じさせるシーンです。
トニー・リップがトイレ休憩をとるシーン
Bill Massey - What'cha Gonna Do
トニー・リップがトイレ休憩をとるシーンの楽曲は、Bill Massey(ビル・マッシー)の『What'cha Gonna Do』です。
Bill Masseyはジャズトランペット奏者として1950年代に活動していていました。
レストランで食事をとった後、運転中のトニー・リップは尿意を我慢できず車をとめます。トニー・リップの行動を理解できないドクター・シャーリーは、啞然とした表情で後部座席でトニー・リップを待ちます。
弾むトランペットのリズムと軽快なピアノが楽しい『What'cha Gonna Do』ですが、トニー・リップがトイレ休憩をとるシーンで流れるタイミングはパーフェクトです!
What'cha Gonna Doは遠慮しない間柄で使用される英語で「なにしてんの」という意味です。(状況によって意味は変わります。)
ドクター・シャーリーのあっけにとられている描写がまさしく『What'cha Gonna Do』なのです。
オハイオ州から次の公演先に向かうドクター・シャーリーとトニー・リップのシーン
Little Richard - Lucille
オハイオ州から次の公演先に向かうドクター・シャーリーとトニー・リップのシーンの挿入歌は、Little Richard(リトル・リチャード)の『Lucille』です。
ロックンロールのレジェンドであるLittle Richardの『Lucille』は、ダイナミックなピアノ演奏とパワフルな歌声が特徴です。
Little Richardのステージパフォーマンスと様々なジャンルをミックスした楽曲は、ビートルズやローリング・ストーンズなど多くのロックミュージシャンに影響を与えました。
オハイオ州から次の公演先に向かう道中、ラジオから流れるLittle Richard(リトル・リチャード)の『Lucille』に興味を持つドクター・シャーリー。
1960年代当時、絶大な人気を誇るLittle Richardを聴いたことがないというドクター・シャーリーに、トニー・リップは驚きを隠せません。鑑賞中、私も思わずトニー・リップに共感しました。
Little Richardはロックの先駆者であり、波乱万丈の人生を歩みました。『Lucille』以外にもヒット曲が多数ありますので、ぜひチェックしてみてください。
トニー・リップがドクター・シャーリーにブラックミュージックを紹介するシーン 1
Chubby Checker - Slow Twistin'
トニー・リップがドクター・シャーリーにブラックミュージックを紹介するシーンの1曲目の挿入歌は、Chubby Checker(チャビーチェッカー)の『Slow Twistin'』です。
Chubby Checkerは1960年代に大流行したツイスト曲を多数リリースし、ツイストダンスブームを巻き起こしました。
トニー・リップによるブラックミュージックの紹介シリーズ第1弾です!
劇中のトニー・リップのセリフにあるとおり、1960年代の若者たちがこぞってChubby Checkerの楽曲でツイストダンスをしていました。Chubby Checkerの代表曲である、1961年のLet's Twist Againと1962年の『Slow Twistin'』は、当時のビルボードトップにランクインしています。
洋楽に興味がないという人でも、Let's Twist Againは聞いたことがあるという人は多いのでは?
トニー・リップがドクター・シャーリーにブラックミュージックを紹介するシーン 2
Aretha Franklin - Won't Be Long
トニー・リップがドクター・シャーリーにブラックミュージックを紹介するシーンの2曲目の挿入歌は、Aretha Franklin(アレサ・フランクリン)の『Won't Be Long』です。
クイーン・オブ・ソウルと呼ばれたアメリカの歌手です。『Won't Be Long』は1960年にリリースされ、ビルボード100とR&Bチャートにランクインしたヒット曲です。
トニー・リップによるブラックミュージックの紹介シリーズ第2弾です!
Aretha Franklinも知らないというドクター・シャーリーに、トニー・リップは再び驚きを隠せません。
Aretha Franklinはアメリカの偉大なソウルシンガーとして、この世を去った現在でも多くの人から愛され続けています。Aretha Franklinの人生を描いた映画リスペストでは、逆境に負けない彼女の強さをみることができます。
私のおすすめ曲は、(You Make Me Feel Like) A Natural WomanとI Say a Little Prayerです。
ドクター・シャーリーが家族や結婚の話をするシーン
Roy Perkins - Ba Da
ドクター・シャーリーが家族や結婚の話をするシーンの挿入歌は、Roy Perkins(ロイ・パーキンス)の『Ba Da』です。
Roy Perkinsは1950年代後半から1960年代前半にピアニスト及び作曲者として活動しました。The Riff Raffsのメンバーに参加した際は、ピアノではなくベースを担当しました。
トニー・リップは、家族や結婚についてドクター・シャーリーに質問をします。躊躇するドクター・シャーリーですが、疎遠の兄のことや破綻した結婚について淡々と話しはじめます。
映画の中のドクター・シャーリーは、黒人としてクラシック音楽に携わり、ブラックコミュニティに属さない生活を送ります。1960年代当時の価値観でいくと、ドクター・シャーリーは白人の音楽を黒人が演奏する異例な存在です。
挿入歌『Ba Da』のRoy Perkinsは白人でありながら、R&B調のピアノを弾き、ニューオリンズスタイルを突き通した演奏者です。
ドクター・シャーリーとRoy Perkins、音楽を愛する気持ちが人種の異なる2人の共通点です。人種によって音楽ジャンルが狭められることは、現代では考えられないことですね!
トニー・リップがフライドチキンを食べるシーン
Jack's Four - Dearest One
トニー・リップがフライドチキンを食べるシーンの挿入歌は、Jack's Four(ジャックスフォー)の『Dearest One』です。
Jack's Fourは1960年代に活動していたロカビリーグループです。
アメリカを代表する大手フライドチキンチェーン店を見つけたトニー・リップは、興奮気味にフライドチキンを頬張ります。フライドチキンを食べたことがないと言うドクター・シャーリーに、トニー・リップは唖然とします。
シーンに登場する大手フライドチキンチェーン店は、ガソリンスタンドでフライドチキンを売っていたことをきっかけに、アメリカ全土へ拡大していきました。
食事の好みの話でも人種について言及するところは、現代に生きる私には理解できないところではあります。日本人ならみんなワサビが好きだろう、と決めつけられてしまうことと同じでしょうか。(私はワサビが苦手です。)
トニー・リップがフライドチキンをドクター・シャーリーにすすめるシーン
Professor Longhair- Go To The Mardi Gras
トニー・リップがフライドチキンをドクター・シャーリーにすすめるシーンの挿入歌は、Professor Longhair(プロフェッサー・ロングヘア)の『Go To The Mardi Gras』です。
ニューオリンズのマルディグラをテーマにした『Go To The Mardi Gras』は、ブルースピアニストのProfessor Longhairが1949年にリリースしました。ニューオリンズのカーニバル曲としても有名です。
無性に揚げたてのフライドチキンが食べたくなるワンシーンです!はじめは抵抗していたドクター・シャーリーも、トニー・リップに押し切られてフライドチキンを食べてしまいます。
几帳面な性格のドクター・シャーリーと大雑把な性格のトニー・リップが、フライドチキンひとつで打ち解けるシーンには心が温まります。
挿入歌のProfessor Longhairは、ジャズ、ラテン、カリプソなど様々な音楽が合わさった独特な演奏が特徴です。映画の舞台である1960年代は、キャリア低迷期でした。
トニー・リップが発音の練習をするシーン
Little Alice - Why Oh Why
トニー・リップが発音の練習をするシーンの挿入歌は、Little Alice(リトル・アリス)の『Why Oh Why 』です。
ロサンゼルスのレコード会社4 J Recordsより1962年にリリースされた曲です。
ドクター・シャーリーは公演前夜に、不都合な出来事に巻き込まれたにもかかわらず、何事もなかったかのように演奏に全力を尽くします。次の公演先へ向かう道中、ドクター・シャーリーは、トニー・リップが上流階級が集まる場で恥をかかないように、正しい発音の練習を促します。
言われた通りに練習するトニー・リップは、我は強いが素直な人物なのだろうなと思うシーンです。
明るい発音の練習から一転、ドクター・シャーリーが農場で働く人々を見つめている姿は、自分と異なる人として見ているのか、不遇の立場にいる仲間を思っているのか、ドクター・シャーリーの心の内が気になるところです。
ドロレスがトニー・リップからの手紙を読み聞かせるシーン
Bobby Page & The Riff Raffs - I Love My Baby
ドロレスがトニー・リップからの手紙を読みきかせるシーンの挿入歌は、Bobby Page & The Riff Raffs(ボビーペイジ・アンド・ザ リフ ラフス)の『I Love My Baby』です。
1950年代・1960年代に活動したBobby Page & The Riff Raffsは、ニューオリンズ風のロックとR&Bを演奏しました。 『I Love My Baby』は、1958年にリリースされたレコードSweet SurrenderのB面に収録された楽曲です。
ドクター・シャーリーと協力してトニー・リップが書いたラブレターを、ドロレスは家族へ読み聞かせます。女性陣はロマンチックな内容にうっとり。
男性陣のシーンでは、なんとトニー・リップの実際の親族が出演しています!また映画の制作・脚本を務めたのは、息子のニック・バレロンガです。
トニー・リップとニック・バレロンガは、マフィア映画に多く出演していますので、ゴッドファーザー好きの方は要チェックです!
悪天候のなかドクター・シャーリーとトニー・リップがニューヨークに戻るシーン
Edd Henry - Your Replacement Is Here
悪天候のなかドクター・シャーリーとトニー・リップがニューヨークに戻るシーンの挿入歌は、Edd Henry(エド・ヘンリー)の『Your Replacement Is Here』です。
『Your Replacement Is Here』は、デトロイトのレコード会社Big Mackから1963年にリリースされました。Crooked WomanのB面の収録曲です。
最終公演のトラブル後、ドクター・シャーリーとトニー・リップは、クリスマスを過ごすため悪天候のなかニューヨークへ戻ります。
旅のはじまりの時と比べて、2人の関係が深まっていることが垣間見えます。悪天候のため、ドクター・シャーリーがトニー・リップに、ある物を出すように要求します。2人のやり取りが面白おかしいのですが、「ある物」が何なのかはぜひ映画で確認してみてください!
「ある物」は、人間関係をよくしたり人生の繫栄を願ったりする縁起のいいものです。ドクター・シャーリーとトニー・リップの2人にぴったりのものですね。
ドロレスと家族がクリスマスディナーの準備をするシーン
Frank Sinatra - Have Yourself A Merry Little Christmas
ドロレスと家族がクリスマスディナーの準備をするシーンの挿入歌は、Frank Sinatra(フランク・シナトラ)の『Have Yourself A Merry Little Christmas』です。
クリスマスのスタンダード曲『Have Yourself A Merry Little Christmas』のFrank Sinatra版は、1940年代~1960年代に複数回録音されています。
ザ・アメリカなクリスマスの定番シーンは、どの映画でも心温かい雰囲気で幸せに満ちています。『グリーンブック』でも、温かい雰囲気の中、ドロレスや叔父などがせわしなくクリスマスディナーの準備をしています。ドロレスは愛する夫、トニー・リップの帰りを待ち焦がれています。
疲れたトニー・リップの代わりに運転するドクター・シャーリーですが、2人の旅がもたらしたことが、演奏家と運転手だけの関係から変化していることを感じさせるシーンです。
トニー・リップはイタリア系アメリカ人ですが、挿入歌のFrank Sinatraも同じくイタリア系アメリカ人です。
トニー・リップが帰宅するシーン
Bob Kelly - Mmm Love
トニー・リップが帰宅するシーンの挿入歌は、Bob Kelly(ボブ・ケリー)の『Mmm Love』です。
1950年代後半から1960年代前半に活動したロカビリーミュージシャンです。
家族総出でトニー・リップを笑顔で迎えます。つらい帰り道からやっと家族と合流できたトニー・リップは、家族と心休まるひと時を過ごします。
ロマンチックなラブレターを毎回送っていたトニー・リップは、叔父たちにシェイクスピアと呼ばれてしまいます。
にぎやかな雰囲気のなか過ごすトニー・リップと1人静かに過ごすドクター・シャーリーの対比が印象的でした。
トニー・リップが家族との食事を楽しむシーン
The Four Seasons - Santa Claus Is Coming To Town
トニー・リップが家族との食事を楽しむシーンの挿入歌は、The Four Seasons(ザ・フォーシーズンズ)の『Santa Claus Is Coming To Town』です。
The Four Seasonsは、1960年代アメリカを代表する大人気グループです。1990年代にロックの殿堂入りし、世界中で最も売れているグループのひとつです。
家族との温かい時間を楽しむトニー・リップ。無事大切な時計も取り戻します。
ドクター・シャーリーのことを話そうとしてNワードを使う家族に、トニー・リップは注意します。旅を通して、肌の色やバックグラウンドに関係なく、トニー・リップがドクター・シャーリーを、1人の人間としてリスペクトしていることがわかります。
挿入歌のThe Four Seasonsは、世界でヒットしたブルー・アイド・ソウルグループとも言われています。ブルー・アイド・ソウルは、黒人のR&Bやソウルを取り入れた白人の音楽のことです。現代においては、ブラックミュージックをリスペクトして生まれたひとつの音楽ジャンルです。
The Four Seasonsの数あるヒット曲のなかでも、とくにお気に入りの1曲はSherryです!
エンドロール
Don Shirley - The Lonesome Road
エンドロールで流れた音楽は、Don Shirley(ドン・シャーリー)の『The Lonesome Road』です。
『The Lonesome Road』の原曲は、1927年に作られました。サムクックなど1960年代を代表するトップアーティストらに演奏されています。
ドクター・シャーリーことドン・シャーリーは、クラシックピアニストですが、ジャズやソウルの雰囲気を感じさせるピアノを弾きます。
実際にソロ活動やオーケストラ活動中、音楽・心理学・典礼芸術の博士号(ドクター)を取得しました。ドン・シャーリーのように才能豊かな音楽家で知識人にとって、1960年代はとても窮屈な世界だったのではないでしょうか。
実際のドン・シャーリーは、映画のドクター・シャーリーのような人物だったのか気になるところです。
筆者の感想
『グリーンブック』は人種差別をテーマにした映画ですが、気持ちが暗くなるほど重たい内容ではなく、純粋に楽しんで観れる映画です。とはいっても、観ていてつらい描写や怒りを抱く場面も多々あります。
挿入歌はなんとなくシーンの雰囲気にあわせた曲ではなく、シーンと曲のバックグラウンドにあった1960年代を代表するヒット曲が選ばれており、丁寧に作られた映画だと思いました。
どの楽曲もラジオで聞き流しているように自然に流れており、『グリーンブック』の世界観に溶け込んでいます。
1960年代のグッドミュージックを楽しみたい方におすすめの作品です。
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