2015年12月25日公開の映画『完全なるチェックメイト』。
冷戦時代の天才チェス棋士ボビー・フィッシャーの実像を描く伝記ドラマ。監督は エドワード・ズウィック。主演は トビー・マグワイア(フィッシャー役)、共演に リーヴ・シュレイバー(宿敵スパスキー役)、ピーター・サースガード(神父ロンバーディ役)。1972年レイキャビクで行われた「世紀の対局」を背景に、栄光の裏にある精神的苦悩と国際政治に翻弄される姿をスリリングに描いた作品です。
この記事では、映画『完全なるチェックメイト』で流れた音楽のうち8曲をご紹介します。※この記事はネタバレを含みます
『完全なるチェックメイト』で流れた曲とは?
子供のボビーが母に外の様子を知らせるシーン
Art Blakey and The Jazz Messengers - Along Came Betty
子供のボビーが母に外の様子を知らせるシーンで流れた曲は、Art Blakey and The Jazz Messengersの『Along Came Betty』です。
1951年11月15日、ニューヨークのブルックリンに住むボビー。子供の彼が集会を開いて話をしている母に外の様子を知らせに行きました。その際にジャズが流れていましたね。
落ち着いた夜を思わせるジャズ音楽は、柔らかいサックスとピアノが会話するように進んでいたのが印象的です。姉のジョンに連れられてボビーは寝室で過ごすのでした。子供のころからのボビーの成長を通じて映画を見進める構成です。

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ボビーがカーマインとチェスをするシーン
Carl Perkins - Matchbox
ボビーがカーマインとチェスをするシーンで流れた曲は、Carl Perkinsの『Matchbox』です。
カーマインとチェスをし続けるボビー。ボビーの無邪気さと共に、乾いたスネアとツヤのあるギターなどがから構成される古き良きアメリカの良さを取り入れた曲が流れました。
カーマインがチェスの次の手を考えていると「早く!」と急かすのは、子供らしさもあって印象に残ります。12歳時の偉業がテレビで報道されたり、その後も報道を通じて彼の注目度が伝わってきました。
ボビーが史上最年少のグランドマスターになったシーン
The Spencer Davis Group - I’m a Man
ボビーが史上最年少のグランドマスターになったシーンで流れた曲は、The Spencer Davis Groupの『I’m a Man』です。
ボビーが史上最年少のグランドマスターになったとテレビで放送され、ボビーは次の目標をインタビューで応えていましたね。ソ連の強者と戦いたいと答えつつ、当時の様子を挟みながらシーンが構成されていました。
そうして1962年のチェスのシーンに移り替わりますよ。 一連のシーンでは手拍子が欲しくなるような曲と、若さを押し出す歌い回しが特徴的な曲が流れました。
ボビーが砂浜からホテルに向かうシーン
The Ventures - Walk, Don’t Run
ボビーが砂浜からホテルに向かうシーンで流れた曲は、The Venturesの『Walk, Don’t Run』です。
当時の映像と共にサーフィンを楽しむ若者たちが映し出され、ロサンゼルスの放送がラジオで流れました。ボビーは砂浜に到着し、宿泊するホテルに向かいましたが…「汚い宿だ。ホテルじゃない」と言い表すのでした。
その一連のシーンで、軽快でクールな雰囲気を持つインストゥルメンタルのロックナンバーが流れます。ギターのメロディが前に出て、“急ぎ足の散歩”のようなリズム感で、聞いていると自然に前に進みたくなる雰囲気がありますね。
ボビーがソ連の選手と対戦することを報道するシーン
Jefferson Airplane - White Rabbit
ボビーがソ連の選手と対戦することを報道するシーンで流れた曲は、Jefferson Airplaneの『White Rabbit』です。
ボビーはチェス選手が突如ロックスターになったようだとニュースが流れる中、ソ連に挑戦することに! インタビュー番組などのも映し出される中、ヴォーカルは鋭くも透明感があり、繰り返されるフレーズに力を込めるような歌が流れました。
幻想的で不安を誘う雰囲気を持ち、静かに始まりながらも次第に盛り上がっていく構成でしたね。楽器はベースとドラム。繰り返していくうちに盛り上がっていく曲が印象的です。
ボビーが空港から逃げるように車に乗るシーン
Creedence Clearwater Revival - Travellin’ Band
ボビーが空港から逃げるように車に乗るシーンで流れた曲は、Creedence Clearwater Revivalの『Travellin’ Band』です。
ボビーはチェス世界選手権の開会式に向かっていましたが…空港でカメラに囲まれ、約束と違うと叫びつつ車に乗ってしまいましたね。その一連の騒動にピッタリな雰囲気の荒々しく勢いのあるロックンロールが流れました。
この曲は演奏時間は2分少々ながら爆発的なエネルギーを感じさせますよね。力強い歌声とギターとドラムが突き抜けるようなスピード感を生み出しているのが印象的です。
チェスの世界選手権の中継が始まるシーン
Charles Fox - The ABC Wide World of Sports Theme
チェスの世界選手権の中継が始まるシーンで流れた曲は、Charles Foxの『The ABC Wide World of Sports Theme』です。
各テレビ局がチェスの世界選手権の中継をする際に『The ABC Wide World of Sports Theme』が流れました。テレビ放送用に作られたファンファーレは、短いながらも力強く堂々とした雰囲気を持っていますね。
多くの報道陣が試合について解説する中、スパスキーの登場時に賑わうのが印象的。そうして1972年のチェスの戦いに移りますよ。
ボビーがスパスキーに1勝するシーン
The Doobie Brothers - Listen to the Music
ボビーがスパスキーに1勝するシーンで流れた曲は、The Doobie Brothersの『Listen to the Music』です。
ボビーとスパスキーのチェスの試合は「第42手で投了した」と報道が流れる中、1勝目を奪ったことを祝うような曲も流れていました。 明るく爽やかな雰囲気を持つロックナンバーは、アコースティックギターの刻みと開放的なコーラスが印象的。
メインヴォーカルはストレートで温かみがありますよ。複数の声が重なることで“皆で楽しもう”という空気を作っているようでしたね。伴奏は軽快で、耳に残るギターリフが全体を支えます。人々がチェスに夢中になり、ボビーが有名人となったことがわかるワンシーンです。
