1997年12月20日公開の映画『タイタニック』
全世界で興行収入21億ドルを超え、当時の世界最高興行収入を記録した作品です。第70回アカデミー賞では14部門にノミネートされ、作品賞・監督賞含む11部門を受賞しました。
セリーヌ・ディオンが歌う主題歌『My Heart Will Go On』も全世界でヒットし、全米ヒットチャートでは2週連続1位を記録しました。
この記事では、映画『タイタニック』で流れた音楽29曲をご紹介します。
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『タイタニック』で流れる曲とは?
オープニングシーン
James Horner - Hymn to the Sea
オープニングシーンで流れた曲は、James Hornerの『Hymn to the Sea』です。
『タイタニック』は、沢山の見物人や見送りの人々にかこまれてタイタニック号が出航する様子を映すセピア色の映像で幕を開けます。美しい女性の声が印象的なこの曲は、ジェームズ・ホーナーが『タイタニック』のために書き下ろしたオリジナル曲で、曲のタイトル『Hymn to the Sea』は「海への賛歌」という意味です。
悲しくメランコリックなテーマを奏でるノルウェーの国民的シンガー、シセルによる透明感あふれるヴォカリーズ(母音唱法)が美しく、心に残る曲ですね…。
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ジャックが船に乗り込むシーン
Gaelic Storm - John Ryan’s Polka
ジャックが船に乗り込むシーンで流れた曲は、Gaelic Stormの『John Ryan’s Polka』です。
この曲は、ポーカーの賭けで勝ち、タイタニック号のチケットを手に入れたジャックと友人のファブリツィオが乗船のため走り出すシーンで流れます。三等船室のダンスパーティーでも流れる定番のアイルランド音楽です!
タイタニック号は北アイルランドの中心都市、ベルファストで建造された豪華客船です。1912年4月10日にイギリス・イングランドのサウサンプトン港を出港し、フランスのシェルブール、アイルランドのコーヴに寄港した後、ニューヨークに向かう予定でした。ジャック達も『アメリカで百万長者になる!』と喜んでいましたね。
ローズが一等客室で絵を開梱しているシーン
Charles Gounod - Marguerite Waltz
ローズが一等客室で絵を開梱しているシーンで流れた曲は、Charles Gounodの『Marguerite Waltz』です。
米・フィラデルフィア出身のローズは、破産寸前の家のためにピッツバーグの鉄鋼財閥御曹司で30歳のキャルドンと政略結婚を強要されています。ローズはこの時17歳だとか…年齢を意識して観ると色々と考えさせられますね。
絵画鑑賞が趣味のローズが、自身のコレクションを部屋に飾るシーンで流れている音楽は、グノー作曲の歌劇『ファウスト』より「ワルツ」です。まだ無名だったピカソのことで二人は言い合いをしています…価値観の違いがはっきりとわかるシーンですね。
ローズが飛び降り未遂をおこす直前のディナーシーン
Paul Lincke - Wedding Dance
ローズが飛び降り未遂をおこす直前のディナーシーンで流れた曲は、Paul Linckeの『Wedding Dance』です。
ローズが船尾から暗い海へ身を投げようとするシーンの直前のディナーで、楽団員達が生演奏しています。上流階級らしい優雅なディナーですよね…!
ドイツの作曲家パウル・リンケが1905年に作曲した『Wedding Dance』で、別名『Hochzeitsreigen』 です
「ベルリン・オペレッタの父」と呼ばれているパウル・リンケの代表作は『ベルリンの空気 (Berliner Luft)』(1904)という曲で、二万人以上の観客が集まるベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の毎年恒例の野外演奏会『ヴァルトビューネ』で、最後に演奏される定番のアンコール曲として知られています。観客が手拍子や花火(!)、指笛などで一緒に盛り上がるのが通例です!
ローズの母ルースが伯爵夫人とお茶を飲むシーン
Franz von Suppé - Poet & Peasant - Overture
ローズの母ルースが伯爵夫人とお茶を飲むシーンで流れた曲は、Franz von Suppéの『Poet & Peasant - Overture』です。
「ティーパーティー」という言葉がぴったりな優雅なお茶会のシーンです。ここでも楽団が生演奏をしています…よく考えれば、この時代はBGMを流すためにはその場で演奏するしかなかったのですね!
演奏されている曲は、「ウィンナ・オペレッタの父」と呼ばれた19世紀のオーストリアの作曲家、フランツ・フォン・スッペが1846年に作曲した民族劇『詩人と農夫』の序曲です。20世紀初頭、『ポパイ』や『ミッキーマウス』のアニメ映画など、人気キャラクターの演奏シーンでよく使われていたそうです。
ジャックがモリー夫人の部屋でタキシードを試着するシーン
William Ross - Oh, You Beautiful Doll
ジャックがモリー夫人の部屋でタキシードを試着するシーンで流れた曲は、William Rossの『Oh, You Beautiful Doll』です。
この曲は1911年にリリースされたラグタイム(当時アメリカで流行った音楽ジャンル)のラブソングです。ビリー・マレーやナンシー・シナトラなど、多くのアーティストによりカバーされた名曲です。
William Rossによる編曲です。キアヌ・リーブスとウィノナ・ライダー主演のラブコメ映画『おとなの恋は、まわり道』(2018)など、多くの映画で編曲や音楽監督を担当しています。
キャシー・ベイツ演じるモリー夫人は「不沈のモリー・ブラウン」として女性生存者の代表格として有名になった実在の人物です。
夕食に招かれたジャックが一等船客に入ったシーン
Johann Strauss II - The Blue Danube
夕食に招かれたジャックが一等船客に入ったシーンで流れた曲は、Johann Strauss IIの『The Blue Danube』です。
ヨハン・シュトラウス2世 (Johann Strauss II) は、『ラデツキー行進曲』の作曲で知られるヨハン・シュトラウス1世の長男で、父の死後「ワルツ王」の称号を引き継ぎオーストリア・ウィーンを中心に活躍した作曲家です。
『美しき青きドナウ (The Blue Danube)』は、1867年に合唱用のウィンナ・ワルツとして作曲されました。1900年パリ万博での演奏が高い評価を得て、世界各地で演奏されるようになり、今ではオーストラリアの「第二の国歌」と呼ばれています。
日本でも毎年お正月に放映されるウィーンフィル・ニューイヤー・コンサートでも必ず演奏される定番ワルツです。
ローズがジャックに社交界のゴシップを話すシーン
Pyotr Ilyich Tchaikovsky - Song Without Words
ローズがジャックに社交界のゴシップを話すシーンで流れた曲は、Pyotr Ilyich Tchaikovskyの『Song Without Words』です。
一等船客エントランスの階段を降りたところで、社交界のメンバーをローズがジャックにゴシップ混じりに紹介していきます。
流れている音楽はロシアを代表する音楽家チャイコフスキーのピアノ組曲『Souvenir de Hapsal (ハープサルの思い出)』より第3曲目『Chant sans paroles (無言歌、英名: Song Without Words)』 です。オリジナルはピアノ曲ですが、オーケストラ版やヴァイオリン版など、様々な形に編曲され演奏されています。
一等船室でのディナーシーン
Émile Waldteufel - Estudiantina waltz
一等船室でのディナーシーンで流れた曲は、Émile Waldteufelの『Estudiantina waltz』です。
テーブルマナーに戸惑いながら、社交界の面々とディナーを共にするジャック…ジャックの魅力がわかるシーンですね!
フランスの作曲家エミール・ワルトトイフェルが、既存の重唱曲やスペインの俗謡を素材に、1883年に作った曲で日本では『女学生』として知られています。
19世紀を中心に活躍した「パリのワルツ王」ことエミール・ワルトトイフェルは、当時英国皇太子だったエドワード7世のお気に入りで、ロンドンの楽壇を制し世界中で有名になった作曲家です。
『スケーターズ・ワルツ』と『女学生』が彼の代表作です。
デザートを食べながらモリーが面白い話を披露するシーン
Felix Godin - Valse Septembre
デザートを食べながらモリーが面白い話を披露するシーンで流れた曲は、Felix Godinの『Valse Septembre』です。
カメラが切り替わり、楽団員が映し出されたシーンからは、軽快なワルツが流れています。この曲はイギリスの軽音楽作曲家フェリックス・ゴディンによって1909 年に書かれた『Valse Septembre』という軽快なワルツです。
「ゆとりのある快適な船旅」を売りにしていたタイタニック号では、船を所有するイギリスの海運企業ホワイト・スターライン社が船の中で生演奏を行う楽団の管理派遣も行っていたそうです。せっかくの豪華客船でも音楽がないとつまらないですよね!
三等船室でのダンスパーティー1曲目
Gaelic Storm - The Blarney Pilgrim
三等船室でのダンスパーティー 1曲目は、Gaelic Stormの『The Blarney Pilgrim』です。
一等船室でのディナーのあと、ジャックがこっそりローズを誘い「本当のパーティー」に連れ出します。賑やかで楽しそうなダンスパーティーですね!1曲目の『The Blarney Pilgrim』はアイルランドに伝わる伝統的な歌で、日本では『ブラーニーの巡礼者』として知られています。
ブラーニーとは、アイルランド中部に位置する城の名前です。ブラーニー城には、「キスをすると雄弁なスピーチができる才能が与えられる」という伝説の石があり、元英国首相チャーチルもキスをしたとか…!
三等船室のダンスパーティー2曲目
Gaelic Storm - John Ryan’s Polka
三等船室のダンスパーティー 2曲目は、Gaelic Stormの『John Ryan’s Polka』です。
ジャックがローズを踊りの輪に引き入れ、一緒に踊るシーンで流れる曲は『John Ryan’s』、映画冒頭のジャックが船に乗り込むシーンでも使用された曲です。『John Ryan’s Polka』という題名でも知られています。
『The Blarney Pilgrim』同様、アイルランド音楽の定番曲の1つです。ポルカ(Polka)はチェコ発祥の舞曲で、19世紀後半にイギリスを経由しアイルランドに入ってきたと言われています。速いテンポで2拍子、弾んだステップが特徴の舞曲です。
三等船室のダンスパーティー3曲目
Gaelic Storm - The Kesh Jig
三等船室のダンスパーティー 3曲目は、Gaelic Stormの『The Kesh Jig』です。
トミーが腕相撲をしているシーンで流れているのは『ケッシュ』や『ケッシュ・ジグ』という名前で知られているアイルランド音楽の定番曲です。
アイルランドを中心に古くから演奏されていた曲ですが、1974年に結成されたアイリッシュ・バンド『BOTHY BAND(ボシーバンド)』のデビューアルバム『The Bothy Band 』(1975)のオープニングトラックとして収録され、世界的に有名な曲となりました。
今回演奏しているのは1996年に米・カリフォルニアで結成されたケルトバンドGaelic Stormです。三等船室のダンスパーティーシーンでは、映画に出演し演奏しています!
三等船室のダンスパーティー4曲目
Gaelic Storm - Drowsy Maggie
三等船室のダンスパーティー 4曲目は、Gaelic Stormの『Drowsy Maggie』です。
ジャックとローズがみんなで輪になって踊るシーンで流れているのが『Drowsy Maggie』、セッションの定番曲だそうです。ぐるぐる回るダンスにぴったりの賑やかな曲ですね!
アイルランド音楽には、リール(Reel)と呼ばれる1つの小節の中に八分音符が8つ入っている快速な舞曲音楽があり、『Drowsy Maggie』はリールの定番曲として有名な曲だそうです。
Gaelic Stormの2ndアルバム『Herding Cats』(1997)には、ダンスパーティーのシーンで流れた『Blarney Pilgrim』と『Drowsy Maggie』が『Titanic Set (Medley)』として収録されています。
礼拝で歌われている讃美歌
William Whiting - 讃美歌407番『涯しも知られぬ青海原をも』
礼拝で歌われている讃美歌は、William Whitingの讃美歌407番『涯しも知られぬ青海原をも』です。
船の中で礼拝を行うのは、タイタニック号の船長、エドワード・スミス船長です。1850年英国生まれのスミス船長は、戦時中の船長としてのキャリアと穏やかな人柄、華麗な立ち振る舞いなどが評判を呼び、イギリスの上流階級の人々から指名されるほど人気の船長でした。でも、礼拝なのに一等船客の乗客しか参加できないというのは、変な感じがしますよね…。
ここで歌われている、讃美歌407番『涯しも知られぬ青海原をも(Eternal Father, Strong to Save)』は、1861年音楽教師ウィリアム・ウィティングによってつくられた曲です。
ローズと母、母の友人達とのアフタヌーンティーシーン
Archibald Joyce - Vision of Salome
ローズと母、母の友人達とのアフタヌーンティーシーンで流れた曲は、Archibald Joyceの『Vision of Salome』です。
ローズにとっては退屈な社交の場でしかないアフタヌーンティーのシーンです。不満げで退屈そうな顔が印象的ですね…。
この曲は1909年、英国の軽音楽の作曲家アーチボルド・ジョイスによって作られたピアノのためのワルツです。ジョイスは「イギリスで最初のモダン・ダンス・バンド」を率いていたことで知られています。その名声はヨーロッパとアメリカにまで及んだとか。
彼の音楽は、他のダンスオーケストラ やアマチュア ピアニストに演奏されたり、ミュージカルや映画に使用されることで、さらに世界的に知られるようになりました。
ローズが船首で両手を広げ「飛んでる!」と叫ぶシーン
Fred Fisher - Come Josephine, In My Flying Machine
ローズが船首で両手を広げ「飛んでる!」と叫ぶシーンで流れた曲は、Fred Fisherの『Come Josephine, In My Flying Machine』です。
ローズが両手を広げ『飛んでる!』と叫ぶ名シーンで、ローズを支えるジャックが耳元で歌う歌は『Come Josephine, In My Flying Machine(邦訳:おいでジョセフィーン、僕の空飛ぶマシーンに乗って)』のサビの部分です。
『Come Josephine, In My Flying Machine』は、1910年にリリースされた曲です。米の女優で歌手のブランシュ・リングが最初に録音し、その後はポップスタンダードナンバーとして沢山のアーティストが歌い、録音を残しています。
この曲の歌詞は、若い男性が当時最先端の発明品だった「フライング マシン(飛行機)」で女の子に求愛する様子を描いています!
ジャックにブルーダイヤを見せるシーン
Charles Gounod - Marguerite Waltz
ジャックにブルーダイヤを見せるシーンで流れた曲は、Charles Gounodの歌劇『ファウスト』より『Marguerite Waltz』です。
この曲は、ローズが一等客室で絵を開梱しているシーンでも使われていました。婚約者とは違い、ジャックとは絵の趣味も合うようですね!
歌劇『ファウスト』は、1859年、フランスの作曲家シャルル・フランソワ・グノーがドイツの文豪ゲーテの戯曲『ファウスト』をもとに作ったオペラです。「ワルツ」は、第2幕のクライマックス、ファウストがマルグリートに近づこうとする場面で演奏される音楽です。ピアノ、ヴァイオリン、合唱曲にも編曲されており、ピアノ独奏版は ランゲ編曲版やリスト編曲版など複数のバージョンが存在します。
ジャックがスケッチをローズに渡すシーン
Jules Massenet - Méditation
ジャックがスケッチをローズに渡すシーンで流れた曲は、Jules Massenetの『Méditation』です。
ジュール・マスネの『Méditation』は『タイスの瞑想曲』のタイトルで知られているクラシックの名曲です。
ローズが羽織っているのは、黒い着物風のローブです。19世紀後半〜20世紀初頭のヨーロッパは「ジャポニズム」が流行し、キモノは女性たちの憧れだったそうです。ローズの部屋にあったモネもジャポニズムの影響を受けた画家として知られています。それでローズもキモノ風のローブを着ているのかもしれませんね!
婚約者の執事がローズを探すシーン
Ivan Caryll, Lionel Monckton - The Girls of Gottenberg - valse
婚約者の執事がローズを探すシーンで流れた曲は、Ivan Caryll, Lionel Moncktonの『The Girls of Gottenberg - valse』です。
ローズの部屋が広いのがよくわかるシーンですね!
この曲は、1907年にロンドンで初演されたミュージカルコメディ『The Girls of Gottenberg』の中の一曲です。作曲したのはベルギー生まれの作曲家アイヴァン・カリルと英国の作曲家ライオネル・モンクトンで、二人とも19世紀の終わりから20世紀のはじめにかけてロンドンの劇場で活躍していました。
婚約者の執事に追いかけられるシーン
Gaelic Storm - John Ryan’s Polka
婚約者の執事に追いかけられるシーンで流れた曲は、Gaelic Stormの『John Ryan’s Polka』です。
ローズのおてんばな一面が見れる楽しいシーンです!
『John Ryan’s Polka』などの名前で知られているこの曲は、三等船室のダンスパーティーやジャックが船に乗り込むシーンでも使われました。ここで流れるバージョンは、冒頭のジャックが船に乗り込むシーンと同じバージョンですね!
サントラアルバムでは、『John Ryan’s Polka』と『Blarney Pilgrim』の2曲をまとめて『An Irish Party in Third Class』として収録しているものもありました。
救命胴衣をつけた一等船客が大階段周辺に集められたシーン
Irving Berlin - Alexander's Ragtime Band
救命胴衣をつけた一等船客が大階段周辺に集められたシーンで流れた曲は、Irving Berlinの『Alexander's Ragtime Band』です。
この時点では、氷山に激突する現場を目撃したローズとタイタニックの設計士トーマス以外の乗客に危機感はまだないようですね。
楽団が演奏している『Alexander's Ragtime Band』は、1911年にアーヴィング・バーリンによって書かれたラグタイムソングです。
アメリカ第二の国歌『ゴッド・ブレス・アメリカ』や『ホワイト・クリスマス』を作詞作曲したアーヴィング・バーリンの最初の大ヒット曲で、ジャズのスタンダード・ナンバーとしても知られています。
パニックを抑えるために演奏するシーン1曲目
Paul Lincke - Wedding Dance
パニックを抑えるために演奏するシーン1曲目は、Paul Linckeの『Wedding Dance』です。
救命ボートへの乗り込みが開始され、乗客たちがパニックを起こさないようにとデッキでの演奏を命じられた楽団員が、活気に満ちたエレガントなワルツを演奏します。
パウル・リンケの『Wedding Dance』(1905)、ローズが飛び降り未遂をおこす直前のディナーシーンでも使われていました。
船が沈没するまで、パーティなどで演奏されていた『美しく青きドナウ』や『女学生』など沢山の曲が演奏されます。ここからは、今まで使われていなかった曲のみを順番にご紹介します。
パニックを抑えるために演奏するシーン2曲目
Francis Popy - Sphinx
パニックを抑えるために演奏するシーン2曲目は、Francis Popyの『Sphinx』です。
ローズの母ルースが、「ボートも等級別なの?」などと、とんでもないことを言い出すあたりで演奏されている『Sphinx』は、フランスの作曲家フランシス・ポピーの代表作で、1906年に作られました。
楽団のバンドマスター、ウォレス・ハートリーを演じたジョナサン・エヴァンス=ジョーンズは、イギリス室内管弦楽団やBBC交響楽団の在籍経験をもつヴァイオリニストです。スイスのベルン交響楽団のメンバーを中心に構成された室内楽アンサンブルグループ、イ・サロニスティといっしょに演奏していて、サントラ盤にも彼らの演奏が収録されています。
パニックを抑えるために演奏するシーン3曲目
Jacques Offenbach - Barcarole (From "Tales Of Hoffman")
パニックを抑えるために演奏するシーン3曲目は、Jacques Offenbachの『Barcarole (From "Tales Of Hoffman") 』です。
遠くで漂流している救命艇に乗るモリーとルースが、沈みかける船を見つめるシーンで流れています。この曲は、オペレッタの父といわれたドイツ生まれフランスで活躍したジャック・オッフェンバックの遺作オペラ『ホフマン物語』の中で歌われるソプラノとメゾソプラノによる二重唱で、「ホフマンの舟歌(バルカローレ)」とよばれています。
このオペラは『ホフマン物語 (原題: The Tales of Hoffmann)』の題名で1951年に映画化され、ベルリン国際映画祭銀熊賞とカンヌ国際映画祭特別賞を受賞しました。
パニックを抑えるために演奏するシーン4曲目
Jacques Offenbach - Orphée aux enfers - Overture
パニックを抑えるために演奏するシーン4曲目は、Jacques Offenbachの『Orphée aux enfers - Overture』です。
「誰も聞いてないからやめよう」という団員に対し、リーダーが「食堂でも誰も聞いてない。弾いてると温まるよ」と言い演奏し始める曲は、1858年に初演された、ジャック・オッフェンバックによる喜歌劇『地獄のオルフェ』の序曲です。
『地獄のオルフェ』は、日本では1914年(大正3年)帝国劇場で初演されて以来『天国と地獄』のタイトルで親しまれ、特に序曲第3部がその名で知られています。ここで使われているのはこの第3部です。
パニックを抑えるために演奏するシーン、最後の曲
Lowell Mason - 讃美歌320番『主よ御許に近づかん』
パニックを抑えるために演奏するシーン、最後の曲は、Lowell Masonの『讃美歌320番『主よ御許に近づかん』』です。
リーダーのハートリーが、解散を宣言し、楽団メンバーが去っていこうとするなか、ハートリーが一人ヴァイオリンをかまえ演奏し始めた讃美歌が『主よ御許に近づかん(Nearer My God to Thee)』です。
19世紀の英国の詩人で讃美歌作家でもあったサラ・アダムスによって作詞され、旋律は米国のローウェル・メイスンによって書き起こされたものです。
バンドのメンバーが戻ってきて、ともに最期の演奏をするのが心に沁みますね…
救助を待つローズが口ずさむ曲
William Ross - Come Josephine, In My Flying Machine
救助を待つローズが口ずさむ曲は、William Rossの『Come Josephine, In My Flying Machine』です。
海上に漂う扉にローズを乗せ、ジャックは「必ず生き延びると約束してくれ」と励まします。冷たい海の中で救助を待つ間、ローズが口ずさむ曲は、船首で腕を広げるシーンでジャックがローズに歌っていた『Come Josephine In My Flying Machine』です。あれから数時間でこんなことになってしまうとは…誰も思っていなかったはずですよね。
この曲は1910年のヒット曲で、多くのアーティストが録音を残しています。なかでも、人気歌手のエイダ・ジョーンズとビリー・マレーはデュエット曲として録音し、人気を博したそうです。二人歌うことに意味がある曲だったのですね…!
エンディング
Celine Dion - My Heart Will Go On
エンディングで流れた曲は、Celine Dionの『My Heart Will Go On』です。
エンドロールで流れる『My Heart Will Go On』は『タイタニック』の主題歌でもあります。『タイタニック』のサウンドトラックを担当したジェームズ・ホーナーが作曲、カナダ出身の世界的歌姫セリーヌ・ディオンが歌い、世界的に大ヒットした名曲です。
ジェームズ・ホーナーは『タイタニック』でアカデミー作曲賞を受賞し一躍ハリウッドの人気作曲家となりました。サントラ盤の売上は3000万枚を超えたとか!
2021年に公開された、セリーヌ・ディオンの半生をモチーフにした映画『ヴォイス・オブ・ラブ(原題:Aline)』でも、『My Heart Will Go On』が効果的に使用されていました。
サウンドトラック
『タイタニック』を聴く
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