2023年5月12日に公開された、映画『静かなるドン 前編(1、2章)』
1988年から2013年まで『週刊漫画サンデー』にて全108巻連載された、新田たつおの漫画(第42回日本漫画家協会賞大賞受賞)を原作とした、日本の映画。
全4話のエピソードが、2週連続で劇場公開されました。
「静かなるドン」といえば中山のヒデちゃんが出て来る、アラフォーのbeersyです!
昭和後半、平成初期から長く続く大ヒットコミックの実写版。
令和のアウトロームービーとして、観る価値アリです!
この記事では、映画『静かなるドン 前編(1、2章)』を鑑賞した筆者の感想やあらすじ、ネタバレ解説をご紹介します!
『静かなるドン 前編』の評価&感想
- 感動度
- 2
- 脳トレ度
- 3
- 再鑑賞度
- 3
- サプライズ度
- 4
- 話題性
- 5
事前情報を入れずに観てみましたが、さすが一世を風靡したコミックが原作というだけあって、面白いストーリー運びになっていました!
分かりやすい展開ですが、主演の伊藤健太郎さんが二面性のある静也を見事に演じられています。
バチバチの抗争も見応えがありますが、伊藤さんのイケメンっぷりには惚れ惚れ…。
ラブとギャグと任侠アクションが楽しめるので、ゴリゴリのヤクザ映画が苦手な人にもオススメです♪
また、こちらの作品は「令和アウトローレーベル」という面白いプロジェクトだそう。
令和アウトローレーベルとは…
アウトローな世界を生きた昭和〜平成にかけた名作の主人公たちから、今の時代を生きるヒントをもらおうと立ち上がったプロジェクト。
第一弾はこれまた懐かしい『ナニワ金融道』!!
オシャレに生まれ変わった令和版、こちらも観てみようと思います♪
以下より重要なネタバレを含みます。
『静かなるドン(第1章)』のネタバレ
父の死
ある日、広域暴力団 新鮮組の二代目総長・近藤勇足が銃撃され、死亡した。
組内では後継者争いが勃発し、一色触発状態に。
勇足の正妻である妙(筒井真理子)はこの状況を打破すべく、一人息子の静也を呼び寄せる。
ーー
近藤静也(伊藤健太郎)は、怒られてばかりいる冴えないデザイナー。
実家の裏家業を嫌い、カタギとして行きて来た。
職場にいる上司・秋野明美(筧美和子)に憧れている。
そんな静也が仕事をしていると、電話がかかって来て母に呼ばれた。
実家に行くと「組を統率出来なければ、カタギの世界にも悪い影響が出る」と言われたが、跡を継ぐ気はさらさら無かった。
ーー
勇足の葬儀が執り行われた。
すると突然、大阪を拠点とする、日本最大の暴力団・鬼州組の組長、坂本健(寺島進)が現れる。
全員に緊張感が走ったが、坂本は丁寧に焼香し、静也に「父上は素晴らしい極道でした。この度は、誠にご愁傷様です」と言って頭を下げた。
静也が「ありがとうございます。でも穏便に終わらせたいので、お帰りいただけますか」と言うと、そのまま坂本達は帰って行く。
妙と突撃隊長の猪首硬四郎(本宮泰風)は、静也はさぞ悲しんでいる事だろうと思っていたが、彼は大喜びで「これで本当にカタギになれる!!」と浮かれていた。
思いっきりヤクザの映画かと思いきや、静也がゆるゆるでホっとしました。
寺島進さんは警察官の役などもされていますが、やっぱり任侠が合うなぁとしみじみ思います。
筒井真理子さんの極妻っぷりもカッコイイ!!
抗争激化
新鮮組参加の生倉会と肘方組の内部抗争が激しくなり、各所で発砲事件が起き死傷者が出る。
世間では、民間人にも犠牲が出るのではないかと不安が巻き起こっていた。
そんな中、静也の同僚の女性・友理奈が突然倒れ「ヤミ金からお金を借りて、200万円もホストに貢いでしまったため、風俗店に務めている」と、静也と明美に打ち明ける。
お金は返したはずなのに、利息があるからとまだ搾取されているらしい。
しかも「バックにはヤクザがいる」と脅されているそうだ。
それを聞いた明美は「最低…。大丈夫だよ、何とかしようね」と言って、友理奈を励ました。
ーー
静也はその風俗店に行き、バックに付いているのはどこのヤクザなのかと問い詰める。
静也に気付いて怯えた店長(喜矢武豊)は、新鮮組傘下で内部抗争をけしかけた派閥「生倉會です…」と白状した。
すると、友理奈を連れた明美が現れ「この子を辞めさせてください」と直談判する。
店長は静也の元を離れ出て行き、明美と友理奈を強引に店から連れ出した。
静也は助けようとしたが、正体がバレるのを恐れ、客の洋服を奪いサングラスとスーツに身を纏う。
そして、明美を殴った店長を殴り倒し「カタギの人に手ぇ出してんじゃねぇ」と凄んだ。
明美にも「借金は帳消しにしました。ウチの者がご迷惑をおかけしました」と謝罪する。
すると明美は、「今度お礼をさせてください」と笑顔で言った。
ーー
静也は実家に戻り、新鮮組のナンバー3である生倉(三宅弘城)を呼び出して、女性を無理やり働かせている事について非難する。
しかし生倉は「カタギの人はこちらに文句を言わないでくれませんか?大丈夫ですよ。俺が総長になった暁にはしっかりとまとめますから」と言って鼻で笑った。
その後静也は、新鮮組ナンバー2の鳴戸(深水元基)に飲みに誘われ「ヤクザはゴキブリだって言われて行きて来た」とボヤくと、鳴戸に
「親に殴られて育ち荒れていた奴が、組に入って人間が変わった。そういう奴らを統率して秩序を守らなきゃならない」
「今の時代、ゴキブリ達がどうやって生き抜いて行くか、古いヤクザには出来ない。それは、ヤクザの家に生まれた坊ちゃんにしか出来ないんです」
「坊ちゃんの気持ちは分かりますが、逃げられない責任ってあるんですよ」と説得された。
原作では、禿頭×サングラスがチャームポイントの肘方を、お笑いトリオ・我が家の坪倉さんが演じていて笑っちゃいました!
舎弟が死ぬシーンで悲鳴を上げるところとか最高です。
また、風俗店の店長には、ヴィジュアル系エアーバンド・ゴールデンボンバーの喜矢武さんがいて驚き!ヘタレな感じがまたピッタリでした。
そして、静也のもうひとつの姿が顔を出しましたね。この風貌でこの強さはズルイ!
静也に眠る血
静也が会社に行くと、明美が「友理奈と連絡がつかない」と心配している。
裏の組織が関与していると思った静也は、猪首と共に友理奈に貢がせていたホストの元へ行き、脅して居場所を聞き出した。
すると「カマキリ」という、危険な半グレ集団が関わっている風俗店に連れて行かれたと言う。
猪首が目を離した隙に、静也は1人でその風俗店の事務所へと向かった。
静也が事務所に入ると、友理奈や若い女性達がいたが、友理奈は取り乱しており話を聞けない状態になっている。
怒りを抑えながら「お前らがこんな事をしたのか」と言うと、半グレ達が襲いかかって来た。
一方、猪首から静也が1人で事務所に向かったと聞いた鳴戸は、部下達を連れてその場所へ向かう。
しかし、中に入ると静也の姿はなく、荒らされた室内には血だらけで怯えている半グレ達がいた。
鳴戸によると、実は静也は、普段は温厚だがキレると手が付けられない状態になり、勇足もそれを危険視していたほどらしい。
やられた半グレの1人から、静也が1人でカマキリの本部に行ったと聞き、鳴戸達は急いで向かう。
ーー
カマキリの本部に到着した静也。直後に鳴戸達も合流した。
そして、決死の抗争が始まる。
静也はボスの江原を追い詰めるが、車で逃げられてしまった。
それを見ながら、鳴戸に「やっぱり、ゴキブリ達をまとめる者が必要だな」と呟いた。
ーー
後日、静也は「カタギの仕事を続ける事、自分の言う事に文句を言わない事」を条件として、妙に極道の世界に戻るという意思を伝えた。
そして、新鮮組三代目総長襲名式が行われる。
厳かな雰囲気の中、静也は「三代目になったからには、俺の命令に従ってもらう」と凄んだが、
「まずは、繁華街の掃除、ご近所さんへの挨拶周りをしろ。新鮮組は、クリーンな極道を目指します!!」と茶目っ気たっぷりに発表した。
組員達が騒つく中、静也は「じゃ!会社行ってくるからあとはよろしく!」と言って去って行った。
そしていつものように職場で怒られていると、明美から「本当にお礼がしたいので、会えませんか?」と連絡が入る。
それは極道の静也に送られたものだったが、嬉しさで空いた口が塞がらなかった。
ーー
江原は、関西の猛という組員に殺された。
そして猛は、沢木という男に「もうちょっとやる奴だと思ったんですが。次はどないします?」と電話で話す。
沢木は「時間がないから、次はもっと大規模に動く」と答えた。
静也は、昼はサラリーマン夜は極道、しかも三代目総長という、難しすぎる二足の草鞋を履く事になりました。
抗争アクションは迫力がありつつもギャグがあって、見応え十分!
不穏なキャラも登場しましたし、明美とのラブ展開も気になりますね♪
『静かなるドン(第2章)』のネタバレ
クリーンな極道
静也の命令によって新鮮組のヤクザ達が動き、ボッタクリ店の摘発や麻薬の売人を炙り出すなどし、街がクリーンになって行く。
そんな中、静也はヤクザとして明美と食事をし楽しいひと時を過ごし「あなたは悪い人じゃない」と言われた。
ヤクザになった理由は家がヤクザだったからだと伝え、「今時ヤクザの居場所なんて無いのだから、組を良くして、まっとうに生きられるようにして、俺は辞めたいんです」と夢を語る。
明美は「頑張ってくださいね」と言って優しく微笑んだ。
ーー
一方、鬼州組では坂本が「ウチの者が、新鮮組二代目殺しを半グレにやらせたとの噂が立っている。ヤクザなら、筋を通して正面からタマをとるべきだ」と喝を入れている。
若頭の沢木は、坂本が信用している男だが「オヤジの筋は分かりますが、攻め込むなら今ではないでしょうか」と提案した。
しかし坂本は自分の何を見て来たのだと怒り「三代目のタマは俺がとる」と豪語する。
沢木は謝罪しながらも、どこか納得のいかない表情を浮かべていた。
沢木の企みは一体なんなのか?
坂本への忠誠心は相当なもののようですが、不気味な汚田に利用されてしまいそうです。
戦争勃発
クリーン作戦で、生倉と肘方は間違った店に怒鳴り込み、違うと分かると逆ギレした生倉が店長を殴ってしまう。
その店のバックには鬼州組がおり、生倉達が帰った後、店長は組員を呼んだ。
しかし、突然灰皿で殴られ殺されてしまう。
鬼州組は、その店長を殺したのは生倉だと言い、5000万の慰謝料を請求して来た。
しかし、生倉には人を殺す度胸はないとし、静也達はそれが鬼州組の自作自演だと考える。
向こうから、思い切り喧嘩を吹っ掛けられた形だったが、静也は「絶対に戦争はしない」と言い張り、メンツの立たない組員達はイライラしていた。
一方の坂本も、新鮮組が何もして来ないため「手打ちにする」と沢木に伝える。
実はこの自作自演は、沢木と汚田の仕組んだ事であり、坂本の知るところではなかった。
沢木は「オヤジにテッペンとってもらいたい」という一心で、汚田と手を組んでいたのだ。
そして汚田が、今度は明美に目を付け「沢木、オヤジのために手ぇ汚せるか?」と言ってニヤリと笑う。
そのやり取りを、坂本の妻・龍子が聞いていた。
ーー
静也が残業していると、先に帰った明美が道端で連れ去られてしまう。
すぐに気付いた静也に電話がかかって来て「夜明けまでに新鮮組を解散させろ。出来なければ女はバラす」と脅された。
静也が鬼州組に電話をしようとすると、誰かから電話がかかって来て、明美の居場所が知らされる。
静也はその言葉を信じ、兵隊を連れて静岡へ向かった。
ーー
一方鬼州組では、沢木の企みが坂本にバレて、坂本が激怒する。
しかし沢木は、坂本が病気で先が無い事を知ったと言い、どうしてもオヤジに天下をとって欲しいと懇願した。
すると、汚田から「新鮮組にバレて、兵隊と三代目がこっちに来てるらしい」と電話がかかって来る。
沢木は自分に三代目の首をとらせてくださいと言うが、坂本は「子のした事は親の責任だ」と言って、刀を持ち出した。
ーー
倉庫のような場所で、明美を助けた静也と坂本が対峙する。
坂本は「汚ねえ事をした詫びだ」と言って静也に刀を渡し、2人は正々堂々真剣で戦った。
しかし坂本のほうが一歩上手で、静也は斬られそうになる。
するとそこに生倉と肘方の乗った車が突っ込んでしまい、坂本が死んでしまった。
沢木は坂本の身体を抱き抱え「絶対に許さねぇ!」と嗚咽を漏らす。
鬼州組の組員達の怒号が飛び交う中、静也は明美を連れて倉庫を脱出し、鳴戸の運転で東京へ向かった。
道中、明美は「悪いのは誘拐したほうなので、気にしないでください」と言ったが、静也は「いえ、自分と会っていたせいです。すみません。もうこんな思いはさせません」と、険しい表情で返答した。
真剣勝負からの突然のギャグ展開には、笑うどころか呆気にとられました;
坂本の気の毒すぎる死、これは波紋を呼びそうです。
静也に密告したのは坂本だと思っていましたが…?
鬼州組
新鮮組では、生倉と肘方が「鬼州組組長の首をとった!関西に乗り込むぞ!」と息巻いている。
しかし静也は、明美を巻き込んでしまった事で自責の念に駆られていた。
一方鬼州組では、四代目が死んだ事により、時期組長を決める話し合いが行われている。
長年坂本に支えて来た若頭・沢木の名前が上がったが、突然汚田が遮って「若頭は今回の騒動を指揮した張本人。組長代理にふさわしのは、最も近くで前組長を支え、今最も悲しんでおられる、坂本龍子姐さんや!!」と叫んだ。
実は、静也に明美の居場所を教えたのは龍子だった。
彼女は組長の座に就くため、情報を漏らしたのか…。
沢木は、組長の椅子に座った龍子を睨みつけるのであった。
密告者は、龍子姐さんあなただったのですね!
でも、本当に組長の座が欲しかったのでしょうか?なんとなく、そこまでガツガツした感じが無いので真相はまだ分かりません。
静也と明美もしばらく会えなそうですね。
このあとどう展開して行くのか、後編が配信されましたらまた追記します!
『静かなるドン』が好きな人にオススメの映画
映画『静かなるドン』のような、コメディたっぷりの任侠と言えばこちら!
極主夫道 ザ・シネマ
任侠というか、主夫の話というか…?筆者は原作漫画の大ファンです!
キャスト陣も見ても、もう笑うしか無いだろうという作品。
実写ってどうなるんだろうと思いましたが、玉木宏さんが見事にタツを再現しておられます!!