2023年10月27日公開の映画『ペイン・ハスラーズ』
実際に起きた製薬会社の不法事件「The Pain Hustlers」と、2022年の小説「The Hard Sell」をもとにした作品です。
職を失ったシングルマザー・ライザが、製薬販売員のピートと出会いザナ製薬に就職。
医師に自社の薬「ロナフェン」の処方をさせるべく、違法な手口で接待をし業界トップへと登り詰めて行く。
しかしその先にあるのは、医療・製薬業界を揺るがす大きな問題であった。
- 主演:ライザ・ドレイク役/エミリー・ブラント(『プラダを着た悪魔』『メリーポピンズ』)
- 出演:ピート・ブレナー役/クリス・エヴァンス(『キャプテン・アメリカ』)
- 出演:ジャック・ニール役/アンディ・ガルシア(『オーシャンズ』)
- 出演:ジャッキー・ドレイク役/キャサリン・オハラ(『オーシャンズ』)
- 監督:デイヴィッド・イェーツ(『ハリー・ポッター』『ファンタスティック・ビースト』)
この記事では、Netflix映画『ペイン・ハスラーズ』で流れる音楽19曲をご紹介します。
※以下ネタバレ有り
『ペイン・ハスラーズ』を観る方法
『ペイン・ハスラーズ』で流れる曲とは?
登場人物達が、ライザのことを話すシーン
登場人物達が、ライザのことを話すシーンで流れた曲は、Hifi Sean & David McAlmontの『Real Thoughts In Real Time』です。
ハイフィ・シーンは、シーン・ディクソン(The Soup Dragons)によるソロ・プロジェクト。デヴィッド・マッカルモントは、イギリスの歌手。
ピート、ジャッキー、ネイサンがライザについて、辛辣な話をするシーン。「飛行機事故で死ね」なんて、なんとも物騒な話をしています;
ジャッキー役のキャサリン・オハラを観た時は、突然『ホーム・アローン』を観たくなっちゃいました♪
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ライザが職場のキャバレーへ出勤するシーン
ライザが職場のキャバレーへ出勤するシーンで流れた曲は、Mad Circuitの『Mamasita』です。
Mad Circuitは、ノルウェー、トロント、フィラデルフィア出身の3人による、ヒップ・ホップ・トリオ。
プロデューサー・シンガー・ラッパーのグループで、ポップなダンスナンバーを多くリリースしています。
ライザの職場の、ポールダンサー達が素敵過ぎるシーン。
主演のエミリー・ブラント、『プラダを着た悪魔』でも抜群のプロポーションでしたが、年月が経っても衰えていない事に驚きました!
ライザとピートが初めて話すシーン
ライザとピートが初めて話すシーンで流れた曲は、Handsome Boy Modeling Schoolの『The Truth』です。
アメリカのヒップホップ・プロデューサー2人によるユニット。ユニークな発想の持ち主達で、様々なアーティストとコラボしています。
酔ったピートが、ライザをスカウトするシーン。というかナンパでしょうか?
親身になって話を聞くライザを観ていると、バーやパブなどを開けそうな感じがしました。
ライザがアンディの家を出て、モーテルヘ行くシーン
ライザがアンディの家を出て、モーテルヘ行くシーンで流れた曲は、Dante Mazzettiの『Here I Go』です。
Dante Mazzettiは、アメリカのフォーク・シンガー。9.11のテロ時には、消防士として活動したそうです。
姉妹喧嘩をし、娘のフィービーを連れてモーテルへ向かうシーン。職無し・宿無しになってしまったライザ。
モーテルは、自動車で移動する人のためのホテルですが、車も壊れてしまい踏んだり蹴ったり…。
フィービーもグレている訳では無さそうですが、中々に手のかかる子ですね。
ライザとフィービーが寝ている時に、爆音が聴こえて来るシーン
Spilt Milk - Superwild
ライザとフィービーが寝ている時に、爆音が聴こえて来るシーンで流れた曲は、Spilt Milkの『Superwild』です。
Spilt Milkは、アメリカのバンド。アーティストの情報があまりありませんでした。
普通に聴くのであれば、超カッコイイクールなヒップホップ。夜中に聴くと迷惑極まりない;
モーテルは不特定多数の人が利用しているので、治安は良く無さそうです。
ピートがライザの履歴書を書き換えるシーン
ピートがライザの履歴書を書き換えるシーンで流れた曲は、Mavis Staplesの『Eyes On The Prize』です。
メイヴィス・ステイプルズは、アメリカのR&B・ゴスペル歌手、女優。ソウルグループ「ザ・ステイプル・シンガーズ」のメンバーでもあります。
自分を売り込みに来たライザを利用しようと思い付き、ピートが履歴書を改ざんするシーン。
ピート役のクリス・エヴァンスは、スーパーヒーロー『キャプテン・アメリカ』でお馴染みですが、本作や『グレイマン』では曲者を演じ、幅が広がりましたよね!
ヒゲをたくわえているので、最初は誰か気付きませんでした;
ライザがライデル医師にロナフェンを売り込むシーン
ライザがライデル医師にロナフェンを売り込むシーンで流れた曲は、Rose Royceの『Put Your Money Where Your Mouth Is』です。
ローズ・ロイスは、アメリカのソウル・R&Bグループ。彼らの曲は、ビヨンセなど多くのアーティストにカバーされています。
「900万ドルの男」ライデル医師。医者も製薬会社も、所詮はお金で動いているのかな…と穿ってしまうシーン。
これからライザが活躍するのか!?とワクワクさせられる、ソウルフルな曲が流れました♪
ライザが、街中のペインクリニックに片っ端から売り込むシーン
ライザが、街中のペインクリニックに片っ端から売り込むシーンで流れた曲は、The Temptationsの『Law Of The Land』です。(ここではAlternate Mixを掲載)
テンプテーションズは、アメリカのソウル・コーラス・グループ。大ヒットを記録した「マイ・ガール」で有名です。
ライザが必死に営業をするシーン。
彼女は落ちこぼれのシングル・マザーという設定ですが、素晴らしいプロポーションと美貌、流れるような口説き文句は一般人とは思えません!
こんなスキルがあるなら、一般的な会社の営業も出来そうですよね!!
ライデル医師がカラオケを歌うシーン
ライデル医師がカラオケを歌うシーンで流れた曲は、Ameritz Audio Karaokeの『Closing Time (In the Style of Semisonic) (Karaoke Version)』です。
処方箋を受け取るため、セミナープログラムと称した医師への接待パーティーを開催するシーン。なんとも腐った業界ですね。
安いワインとライザの巧みな話術で、少数の医師の呼び込みに成功!
やっぱりライザの営業マンとしての手腕が光っています。本当に、もっと良い職場があっただろうに…。
もしくは、てんかんを患う娘のため、火事場の馬鹿力のようなものが働いたのかもしれませんね。
のちに、ライデル医師が逮捕されるシーンでも使用されています。
ジャッキーが不気味な薬を作っているシーン
ジャッキーが不気味な薬を作っているシーンで流れた曲は、Billy Nomatesの『I Love Rock 'N Roll』です。(音源が無かったので、ここではジョーン・ジェット&ザ・ブラックハーツバージョンを掲載)
ビリー・ノーメイツは、イギリスのミュージシャン・ソングライター。
ジョーン・ジェット&ザ・ブラックハーツは、アメリカのシンガーソングライター・女優のジョーン・ジェットが率いるバンド。
ロックといえばこの曲!L'Arc〜en〜Ciel、Superflyなど、様々なアーティストがカバーしている事でも有名です。
ファンキーなジャッキーにピッタリな選曲ですね!ロックというより魔女みたいですが。笑
ザナ社の新人達が、様々な手口で医師達を誘うシーン
ザナ社の新人達が、様々な手口で医師達を誘うシーンで流れた曲は、Suzi Wuの『Eat Them Apples』です。
スージー・ウーは、イギリスのミュージシャン。Apple iPhone 12のCMソングにも起用されました。
ライザとピートが雇った、訳ありの新人達。医師達を呼び込んで行きますが、ほとんどの手口が色仕掛け…。
本当に現実にこんな事があったのですね。お金の絡んだ人間の、ハングリー精神がスゴイ&貪欲さが恐ろしくなって来るシーンでした。
ザナ社の売り上げがどんどん上がって行くシーン
ザナ社の売り上げがどんどん上がって行くシーンで流れた曲は、Eagles of Death Metalの『I Like To Move In The Night』です。
イーグルス・オブ・デス・メタルはアメリカのロックバンド。メタルではなく、王道のロックを多くリリースしています。
ライザがザナ社の営業方法・売り上げについて語るシーン。
これだけ盛大に、あからさまな枕営業が通じてしまう業界。偏見ですが、芸能界と通ずるものがありますね…。
しかし、ロナフェンは本当に効果があるようなので、この時点ではそこまでの罪悪感は湧き上がりません。
プラクシオム社の「マカロン」が、逮捕されるシーン
プラクシオム社の「マカロン」が、逮捕されるシーンで流れた曲は、Declan McKennaの『Brazil』です。
デクラン・マッケンナは、イギリスのシンガーソングライター。
ザナ社のライバル・プラクシオム社、そしてライザのライバルでもあった通称「マカロン」が逮捕されるシーン。
この時の女優さんの悔しそうな顔が、なんとも爽快!過酷な(違法な)医師争奪戦に勝利!
…ですが、警察の手はザナ社にも向くのでは無いかと少々緊張して来ました。
デクラン・マッケンナは、あらゆる社会問題に切り込んだ歌詞が特徴的なので、このシーンにピッタリです!
ザナ社の株が急上昇して行くシーン
ザナ社の株が急上昇して行くシーンで流れた曲は、Little Richardの『Money Is』です。
リトル・リチャードは、アメリカのミュージシャン、シンガーソングライター。「ロックンロール創始者の一人」と言われている偉大なシンガー。
お金が舞う中で、経営者のジャック・ピート・ライザなどがはしゃいでいるシーン。
なんだかわかりやすいザ・金持ち演出に、ちょっと笑ってしまいます。笑
このあたりからジャックがおかしくなって行く…。お金が人を変えて行く様が、しっかりと描かれますよ!
この曲は、エンディング・スタッフクレジットでも使用されています。
ザナ社が祝勝会を行うシーン
ザナ社が祝勝会を行うシーンで流れた曲は、DJ Snake, Lil Jonの『Turn Down for What』です。
フランスのDJスネークと、アメリカのラッパーであるリル・ジョンのフューチャリング曲。
『ワイルド・スピード SKY MISSION』でも使用されています。
ザナ社の調子乗りっぷりはもう止まらない!こちらがヒヤヒヤするほど、ド派手な祝勝会パーティが開催されているシーン。
でも、少々クールなライザは対照的ですね。彼女の心を罪悪感が襲います。
ジャッキーがジャックを誘惑するシーン
ジャッキーがジャックを誘惑するシーンで流れた曲は、Alewyaの『Play』です。
アレウヤは、イギリスのシンガーソングライター、プロデューサー、ラッパー、モデル。サウジアラビア生まれ・スーダン育ちで、アフリカン・アラビアンミュージックとUKミュージックを融合させています。
ジャッキーがセクシーなダンスで、経営者のジャックを誘惑。ついには一夜を共にしてしまったシーン。
キャサリン・オハラは、女を捨てきれない初老の女性を見事に演じています♪
割と足を引っ張るぶっ飛びカーチャンですよね。でも実は、この行動がのちに大きく関わって来ますよ!!
ライザとピートが、ジャックの自宅へ行くシーン
ライザとピートが、ジャックの自宅へ行くシーンで流れた曲は、Nancy Sinatra · Lee Hazlewoodの『Sand』です。
ナンシー・シナトラは、アメリカの歌手・女優。リー・ヘイズルウッドは、アメリカのシンガー・ソングライター、音楽プロデューサー。
ジャックが、ついにガン以外の患者にもロナフェンを処方するよう指示するシーン。
咎めたライザは、母を解雇され何も言えなくなってしまいます。
ジャックの金儲けはどんどんエスカレートし、プラクシオム社と同じ道を辿っていますね。
この曲は、クライマックス、判決が言い渡されるシーンでも使用されています。
ライデル医師の患者である、マット・エリソンの歯が抜けるシーン
P.P. Arnold - Medicated Goo
ライデル医師の患者である、マット・エリソンの歯が抜けるシーンで流れた曲は、P.P. Arnoldの『Medicated Goo』です。
P.P.アーノルドは、アメリカのソウルシンガー。ソウルとロックを融合したファンキーな楽曲を多くリリースしています。
ガンが寛解したにも関わらず、それを黙ってロナフェンを処方してもらうマット。とろんとした目で適当な接客をするシーン。
もはや麻薬…。ロナフェン過剰摂取の恐ろしさが描かれています。薬害って本当に怖い。
ライデル医師はまるで戦場の医師のように崇められ、側から見ると宗教のようにも思えました;
ジャックが逮捕されるシーン
ジャックが逮捕されるシーンで流れた曲は、Colter Wallの『Living on the Sand』です。
コルター・ウォールは、カナダのシンガー・ソングライター、ミュージシャン。渋く哀愁のある声と、ゆったりとしたアコギがマッチしています♪
しかし、彼女がした事は許されない事。(そもそも「セミナー」を仕向けたのはライザでしたし…)
なんだかラストはそこまでスッキリ爽快!という感じでは無かったですし、主人公の加担具合が結構酷かったので同情しにくかったですね。
コメディなのかシリアスなのか…若干中途半端な作品ではありましたが、アクター達の演技は本当に素晴らしかったです!!
また、挿入曲はジャンルが広く多いので、その点でも楽しめますよ♪
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