2024年4月19日公開の映画『陰陽師0』。
若き日の安倍晴明が主人公で、平安時代の京都を背景に、超自然的な力などを描いていく作品。
主演は山崎賢人、共演に染谷将太、奈緒、安藤政信ら。監督は佐藤嗣麻子。呪術と陰陽道の知識が詰まった、歴史とファンタジーの融合作品です。
この記事では、映画『陰陽師0』のネタバレ解説を、劇場鑑賞者が解説していきます。
どんな映画?おすすめポイントを紹介!
陰陽師0
- 未体験
- 5
- 感情移入
- 4
- 再鑑賞
- 4
- 予測不可
- 5
- サウンド
- 4
山崎賢人が演じる若き晴明は独特の雰囲気と呪(しゅ)の使い方が魅力的!切なくて感動ストーリーも良し!
評価は年間100作品以上を鑑賞する執筆者こでぃもの実体験をもとにしています。
ストーリー
27歳の安倍晴明。まだ学生で、陰陽師としての道を歩み始めるまでの物語は見ものでしたね。平安時代の京都にある陰陽寮の学生たちが学ぶ姿や、呪術などが登場するストーリーにも注目です。
驚きの事件や不可解な現象を解決していく過程は、ミステリーとしても引き込まれるでしょう。
演出
京都の街並みから寮内の細かな美術設定などの演出が素敵だった今作。他にも、呪術に関する戦いは、見ものでしたね!
登場人物たちの階級に合わせた衣装や装飾も、時代背景を踏まえて考えたんだろうなと思いながら見入ってしまいました。
その作品ならではの切り口
晴明がこんなに立ち向かったり、成長したりする様子を楽しめるのが今作ならでは!呪(しゅ)に関する事件を巧み描くストーリーもポイントですね。
ファンタジーならではの描き方と、山崎賢人が演じる晴明の雰囲気にも注目ですよ。BUMP OF CHICKENによる主題歌「邂逅」も、エンディングならではの想いを感じさせる歌詞と音楽に耳を澄ませながら聞いてくださいね。
おすすめポイントは演出の迫力にアリ
晴明の呪(しゅ)を使うシーンは映画の大きなスクリーンで見ると迫力満点!予告にもある大きな龍のような存在が現れるシーンも凄かったです。
時代背景や呪いに関する設定は少し難しく感じるかもしれませんので…鑑賞後は解説動画を見たりするのもいいかもしれませんね。
以下より重要なネタバレを含みます。
ネタバレありで解説!
安倍晴明
平安時代、呪いや祟りと戦う陰陽師が都を守り、陰陽寮では学生たちが陰陽師を目指して学んでいました。学生たちの先生にあたる「博士」の一人の忠行(ただゆき)。彼の弟子であり、学生の一人である安倍晴明(あべのせいめい)でしたが…授業には出ていません。両親の仇を探し、一人で過ごしていたのです。
ある日、源博雅(みなもとのやすいえ)が晴明を尋ね、徽子女王が困っていると相談。晴明は少し興味を惹かれ、徽子女王(よしこじょおう)の元へ行くと琴の弦が自然に切れるという異変について聞きます。
博雅と共に夜まで待ち、物音に気付いて対応しようとしますが…徽子女王がやってきたので急いで異変の元を封じました。
晴明が寺を後にする際に、「呪で人を殺せるか?」と問われた際に、池にいた蛙に葉を飛ばして離散させた…かと思いきや、まさか思い込みや暗示の力でそう見せたとは驚きですね。今思えば、晴明は本当に術か何かを使ったのではとも思いますが、徽子女王の見た金の龍の存在なども含めて実在するのかどうかが気になりました。
思いの強さが実体化していくような演出がすごかったです。
事件
その後、優秀な学生である得業生の橘泰家(たちばなのやすいえ)が井戸で死んだという事件が発生。呪いの札が発見されたことから、他殺と考えられました。学生たちは犯人を見つければ得業生になれると言われ意気込みます。
晴明は命令されたことで博雅に協力してもらいながら捜査を進めます。泰家の死体を調べて毒が盛られたとわかり、書物を調べますが…そこに貞文(さだふみ)がやってきて、晴明の筆跡と呪いの札の筆跡が一致していると指摘しました。
晴明は天文博士の命令で拘束されたその時、音が鳴り響くような感覚に襲われて博雅が呼ぶ声がします。晴明は学生たちを退けて博雅と合流。徽子女王が消えてしまったと聞いて馬を走らせました。
泰家は45歳の貞文に不当な扱いをしていましたね。階級社会であることを感じながら、泰家が死んだと聞いた時には貞文の仕業かと思いました。学生たちが占いなどを元に犯人探しをする中が、晴明は実際の現場に足を運んで情報を集めるのはさすがです。
泰家の死んだ井戸の土の状況から他殺だと指摘したり、死体の口を調べて毒殺だと推理したり…冷静な観察力を見て博雅が感心するのもわかりました。
真相
徽子女王は帝からの文を読み、博雅から嫌われていると感じてそのまま空へ…博雅は金の龍に連れ去ったと言い、晴明は探し始めます。その際に意識の深い部分まで迷い込んだ晴明。親の仇へ刃を向けそうになり、博雅の笛の音で我に返ります。晴明は博雅に礼を言いました。
今度は巨大な火の龍が襲ってきたため、晴明たちは寮にある神聖な水場へ。博雅は両手を焼かれてショックを受け、怒りを覚えた晴明は水の龍を召喚。学生たちに呪をかけた者もろとも、炎の龍を消し去りました。
晴明は親の敵の顔を確認したため陰陽頭と対峙。彼は帝の直属の陰陽師の座を狙い、今の地位を天文博士に譲ると言っていたのです。そのため、天文博士が学生に呪いをかけ、泰家を殺した…全ての事実が明らかになり、晴明は術を使って陰陽頭を倒しました。
陰陽頭は学生たちに暗示をかけ、意識の世界で晴明と戦わせていたようでしたね。強い嫉妬心や恨みを抱く学生が炎の龍に変わり、襲ってくる演出が凄かったです。五行説を元に、晴明が水の龍を出して戦うのと合わせて見入ってしまったシーンです。
意識の世界で、博雅は徽子女王との再会を果たしましたね。自身の思いをしっかり伝え、好きである気持ちは変わらないと言う姿は大人だなと思いました。徽子女王もその気持ちを聞いた上で、帝の元へ行くと決心できたのは良かったなと感じました。エンディング曲の歌詞と合わせて思いを馳せたくなるストーリーです。
映画のラストで、晴明が帝直属の陰陽師に推薦されていたため、続編があるならぜひ見たいと思いました!
『陰陽師0』を見た上でこちらの映画もオススメ!
『陰陽師0』の内容を踏まえて2つのファンタジー作品を紹介します!
陰陽師(2001年)
監督は滝田洋二郎、野村萬斎が晴明役を務めた作品。夢枕獏の小説を基にし、平安時代の京都を舞台に陰陽師の安倍晴明の活躍を描きます。他の主要なキャストは伊藤英明、真田広之、小泉今日子です。
野村萬斎が演じる晴明は、巧みな演技力が際立ちましたね!神秘的な雰囲気をそのまま再現したかのような雰囲気がある一方で、意志の強さと言いますか…力強さを感じる役者さんだなと思いました。
古典的な日本の美、平安時代らしさのある演出や雰囲気など視覚的にも楽しめますよ。『陰陽師0』と見比べてみるのもいいかもしれませんよ。
インセプション
2010年にクリストファー・ノーランが監督・脚本を務めたSFアクション映画。主演はレオナルド・ディカプリオが務め、彼が演じるコブは、人の夢の中に侵入して情報を盗むという設定がおもしろい作品です。
コブが受けたミッションは成功するのか…人の夢の中にとある考えを植え付ける手法は、『陰陽師0』と似たような難解さと引き込まれる感じがありますよ。過去の記憶と現実が絡み合いながら、物語が進行していくのに注目です。
独創的なストーリーと、視覚的にも圧倒される映像美が見どころとなる映画!現実と見間違うような夢の中の世界を舞台に、アクションもすごいです。
夢の中なので重力の法則を無視した演出が特におもしろいので、ノーラン監督の演出技術に感服することまちがいなしです。