2025年11月7日公開の映画『プレデター バッドランド』は、シリーズで初めて“プレデターそのもの”を主人公にした新章です。監督はダン・トラクテンバーグ。若き戦士デク(演:ディミトリアス・シュスター=コローマタンギ)が「バッドランド」と呼ばれる過酷な惑星へ不時着し、上半身のみのアンドロイド(演:エル・ファニング)と出会うのが物語の始まり。
二人は未知の生態系や迫り来る脅威、そしてカリスクに挑みますが…そうしたストーリーが語られる中、シリーズ初見でも世界観と感情の流れを追いやすい特徴です。
プレデター バッドランド
- 未体験
- 5
- 感情移入
- 4
- 再鑑賞
- 4
- 予測不可
- 4
- サウンド
- 5
掟に背いた狩人&半身アンドロイドのバディ感が良い!獲物も絆も奪い合う、新章プレデターが始まった!
評価は年間100作品以上を鑑賞する執筆者こでぃもの実体験をもとにしています。
『プレデター バッドランド』は人気?どんな人が観ている?

SNSなどを見ると“狩る者と守りたい者”の揺れを感じさせるストーリーは共感を呼んでいるようですよ。映画の観客層は男性が主で、私が見た上映会は7割ほど埋まっていました。シリーズを追ってきた人はもちろん、SFやアクションを楽しみたい人が多い印象です。暗い劇場で観るリアルな狩りの様子は、臨場感たっぷりでした。
プレデターは怖いと思ってましたが、まさか胸が温かくなるような物語だとは意外でした。気持ちのいい戦い方、戦略の工夫も見どころ。クリーチャー戦やサバイバルの発想力を楽しみたい方にもおすすめですね。
以下より重要なネタバレを含みます。
『プレデター バッドランド』をネタバレありで解説!
デクと兄
プレデターの若き戦士デクは、兄ととも鍛錬に励んでいました。しかし父親から「弱者」として一族に不要だと思われていた…父は兄にデクの処刑を命じたのです。兄はその命令に背き、命をかけて弟を逃がします。デクは危険な惑星に不時着し、凶暴なクリーチャーに襲われながらも「カリスク」を狩るために進みます。
その先で毒の植物を見かけると、空にはヴァルチャーが…拘束されていたティアがデクに危険を伝えるため、声をかけました。ティアの声掛けを無視しようとしたデクですが、毒が回ってきたことでしかたなく武器を彼女に渡しました。ティアはデクを助けると、彼女は上半身しかないアンドロイドであると判明。
ティアは対になるテッサと自身の下半身を探しているとのことでした。そして、カリスクの居場所を知っていると話し、デクは彼女を「道具」として扱うことにして連れていきます。 デクとティアは巨大なボーン・バイソンに襲われ、カリスクの子供とも遭遇。デクは危険な状況を切り抜け、カリスクの子供は彼の戦いを見て慕い始めます。カリスクの子供はデクの真似をしつつ、一夜が明けました。

バイソンの噛みつきにも耐えるカリスクの子は強い!サルのような見た目かと思っていたら、腕っぷしもあって驚きました。この時はカリスクの子であるとわからないようになっていた中、子供がデクにマーキングしたことでカリスクと戦う際に助けられましたね。そうしたストーリー構成も良かったです。
そんなカリスクを狩って故郷に戻ろうとしていたデクですが…果たしてどうなるか気になりますね。
ティア
デクはティアを連れて進み、基地のような場所で彼女の下半身を発見。ティアは修理を試みつつ、テッサに信号を送った…デクに「逃げて」と警告しすると、デクは自分が利用されていたことに気づいて怒りをあらわにします。
テッサはカリスクを狙っていると知り、デクは爆発を起こしてカリスクをおびき出します。激しい戦いが繰り広げられる中、そこにテッサが到着。彼女は冷凍爆弾を使ってカリスクを凍結させました。デクも巻き込まれ、連れ去られます。テッサは上官である“マザー”の命令に従い、カリスクの輸送を進めます。デクも標本にしようとすると、ティアが彼を逃がしました。

ティアはデクの話を聞くことで、罪悪感も感じていたようでしたね。だからこそ、テッサに連絡しつつも逃がそうとしていたようでしたが…心のすれ違いを感じさせるストーリー構成も良かったです。
ティアはテッサのことを姉妹同然に思おうとした…ようでしたが、感受性の高いティアとはテッサと違いましたね。 デクとティアとカリスクの子供が家族のような絆を築くのが良かったです。
カリスク
助けられたデクはカリスクの子供と再会。母親を助けると言い、準備を整えます。ティアの下半身を起動して上半身の元に向かうのを追いかけました。 デクとカリスクの子供は輸送用の基地を見つけ、無数の警備用アンドロイドを壊しながら進みます。ティアを救い、彼女はカリスクを解放。デクは巨大なロボットを操るテッサと戦い始めます。
激しい戦闘の末、カリスクがテッサを丸呑みに…しかし、テッサは体内で冷凍爆弾を爆発させ、カリスクは粉々に砕けてしまったのです。 ボロボロになったテッサは、最後にカリスクの子供にとどめを刺され、戦いは終わります。
戦いの後、デクはティアとカリスクの子供を連れて故郷へ帰還。父との一騎打ちに勝利したデクは、一族の証を手にしたのです。そのとき、巨大な戦艦が現れ、デクの母親の存在が示唆される中、その中物語は幕を閉じます。

デクは強い酸を吐くヘビのようなクリーチャーを飼い慣らし、酸を浴びたアンドロイドが溶けていくのが凄かったですね。他にも、カミソリのような植物をムチのように使ったり、爆発する虫を爆弾代わりにしたり…さまざまなものを利用して戦うのが見どころでした。
ティアは上半身と下半身で別の動きをしながら戦うのが斬新でしたね。カリスクは味方だととても頼もしかったです。
映画のラストで次の戦いや冒険を示唆された感じなので、続編があればぜひ見たいです!
『プレデター バッドランド』に関連する作品ならこちらもオススメ!
『プレデター バッドランド』に関連する以下の2作品もおすすめ!
ザ・プレデター
シェーン・ブラック監督作です。出演はボイド・ホルブルック、トレバンテ・ローズ、ジェイコブ・トレンブレイほか。
物語は、中南米での秘密任務中に異形の宇宙船と遭遇した元特殊部隊員のクインが、地球に落下したプレデターの存在を軍へ通報するところから始まります。彼は事態の真相を明らかにし、家族を守ろうとしていましたが…。進化型のプレデターが姿を現したり、激しい戦いが繰り広げられたりします。

SFアクションと即席チームが見せる、派手なバトルが見ものです。「選ぶ」「守る」「信頼」をめぐる駆け引きが続くストーリーも印象的。容赦ないアクションや緊張感と共に、VFXと実物感のあるメイク・クリーチャーデザインを楽しめることでしょう。
誰がどこでどう戦うのかにハラハラさせられる中、「危機の中で“仲間”を選ぶ」というテーマは『プレデター:バッドランド』と響き合うと感じるでしょう。
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー
ジェームズ・ガン監督作です。出演はクリス・プラット、ゾーイ・サルダナ、マイケル・ルーカー、カレン・ギランほか。
銀河を冒険するトレジャーハンターのクイルがお宝を見つけると、それを狙う勢力が現れて大変なことに!いつしか銀河規模の騒動へと発展します。刑務所で出会った暗殺者ガモーラ、復讐に燃えるドラックス、ロケットとグルートらと共に宇宙を救うことになるのでした。

“スペースオペラ×寄せ集めチーム”による冒険やアクションが見もの!「赦す」「寄り添う」「選び直す」ということを考えさせられ、登場人物たちの過去の傷が明かされるシーンも印象的です。70〜80年代音楽と共に心情などを考えさせるのが良いですね。
色彩設計と豊かな美術により、個々のキャラクターが一目でわかる衣装とメイクにもこだわりを感じさせますよ。笑いと昂ぶりの緩急をはっきりと刻みつつ、死傷者を引き込むことでしょう。「血がつながっていなくても“家族”と呼べる」というテーマは、異種間の共闘が絆へ変わる道筋を思わせる『プレデター:バッドランド』と響き合うからおすすめです。
