2025年3月7日公開の映画『ウィキッド ふたりの魔女』。ジョン・M・チュウ監督によるミュージカル映画で、ブロードウェイの人気舞台『ウィキッド』を実写化しました。西の悪い魔女・エルファバ(シンシア・エリヴォ)と北の良い魔女・グリンダ(アリアナ・グランデ)の友情と運命を描きます。
ウィキッド
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エルファバの過去やオズの秘密に驚き!グリンダの明るさと歌も見どころだった!
評価は年間100作品以上を鑑賞する執筆者こでぃもの実体験をもとにしています。
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映画『ウィキッド ふたりの魔女』で流れた挿入歌10曲をシーンごとに解説!
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『ウィキッド』は人気?どんな人が観ている?
川崎の映画館で土曜日のお昼に観に行きました。吹替版だったからか、席の埋まり具合は半分に満たない感じでしたね。お子さんは他の映画を見に行っているような印象がありました。
映画館の席に向かうと、女性のお客さんが比較的多かったように思えます。大人の二人組も多い中、家族で観に来ている人もいたようです。上映中、最初の方はお子さんが映画に反応する声も聞こえた感じでした。
そんな『ウィキッド』ですが、子供向けの映画では無いかと言うと…ストーリーはいろいろと考えさせるは確かです。でも、ミュージカルならではの歌やダンスによる華やかなシーンをそのまま楽しめる点では、お子さんにもオススメできるかなと思いました。

以下より重要なネタバレを含みます。
ネタバレありで解説!
はじまり
オズの国で「西の悪い魔女が死んだ」と報じられ、良い魔女のグリンダは民と共に喜びます。グリンダは民に「悪い魔女と友達だったの?」と問われ、大学時代のことを話し始めました。
グリンダは入学当初は「ガリンダ」と名乗り、周囲を惹きつける魅力を持っていたのです。明るくて優しいガリンダですが、エルファバだけは「嫌い」と言っていた…エルファバは妹の付き添いで大学を訪ねていましたが、モリブル先生は彼女の魔法の才能を見抜き、特別に教えると言いました。
ガリンダも魔法を教わりたいと思う中、エルファバと同室となりますが…そこから2人はいがみ合うのでした。

他の人とは違って緑色の肌で産まれたエルファバ。妹が産まれた際に母を亡くした影響もあり、総督である父から嫌われていたようでしたね。エルファバは悪くないですが、周りの者が彼女を見る目を思うと、その心情は計り知れません。
そうした中、エルファバの魔法の才能を見出され、モリブル先生に教えてもらえるようになるという展開が良いなと思いました。ガリンダとの掛け合いもポップ&コミカルな歌と共に見守りたくなりますね。
フィエロ
エルファバは歴史学のディラモンド教授と交友関係を持つ中、喋る動物たちに危機が近付いていると知りました。そうした折、王子のフィエロが編入し、ガリンダや多くの生徒は彼の魅力に惹かれます。
フィエロは夜に抜け出しそうと提案し、多くの生徒がついていってダンスを楽しみました。その際にガリンダはエルファバに黒い帽子を贈り、彼女はパーティーに現れたのです。周囲から浮いてしまったエルファバに対し、ガリンダは友として接することを決めました。
その後、2人は共に過ごすようになりましたが…ディラモンド教授が捕えられるという事態が発生。新しい歴史学の先生はライオンの子を檻に入れて現れ、エルファバは動物に対する扱いに怒りを露わにしました。すると、ケシの花に魔法がかかり、フィエロ以外が寝てしまいます。エルファバはフィエロと共にライオンの子を逃がしに行き、彼への想いを強くするのでした。

ガリンダは黒い帽子をエルファバに贈りましたが、良かれと思ってというわけでは無かったですね。パーティーに参加したエルファバは周りの目から不相応だという雰囲気を察したようですが…強く振る舞おうとして踊るシーンが印象に残りましたね。その姿を見たガリンダは彼女の踊りをマネし、心を通わすようにするという展開も良かったです。
フィエロとの関係も合わせて、歌と共に心情を表すのが良いなと思いました。
オズ
エルファバの魔法を見たモリブル先生はオズに連絡。その後、エメラルドシティへの招待状をもらったエルファバは喜びます。シティ行きの列車に乗る際に、ガリンダは「グリンダ」と呼んで欲しいとみんなに言いました。
列車が出発するとエルファバはグリンダに一緒に来て欲しいと言い、2人は一緒にエメラルドシティへ。オズに会いに行き、モリブル先生も到着。魔法の本「グリムリー」について説明を聞くと、エルファバは本のとあるページを読み上げた…すると、護衛の猿たちに翼が生え、オズたちは彼女の能力に驚きます。
エルファバはオズたちが動物を敵に仕立て上げていたとわかり、グリムリーを奪って逃げようとしました。オズたちは追っ手を差し向け、グリンダはエルファバの元へ。2人はこの場を離れようとしますが、グリンダは捕まってしまいました。エルファバは「私を恐れよ」と言い、ホウキに捕まって空へ駆けていった…第一部はここで終わります。

オズはグリムリーが読めないだけでなく、魔法が使えない普通の男性のようで驚きでした。モリブル先生と共に動物を共通の敵として企てていたという真実も見ものです。
ガリンダは教授への敬意を表し、自ら「グリンダ」と名乗るようになりましたね。エメラルドシティに付いていき、エルファバの味方として頼もしいようにも思えましたが…最後は別れのシーンとなったため、第2部の展開が気になります。
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オズ はじまりの戦い
サム・ライミ監督が手がけたファンタジー映画で、『オズの魔法使い』の前日譚にあたる作品。主人公オスカー(ジェームズ・フランコ)は胡散臭い手品師で、竜巻に巻き込まれ不思議な国「オズ」にたどり着くところから始まります。
彼はエメラルドシティの住人たちに「伝説の魔法使い」として迎えられるが、実は魔法を使えない普通の男だった…そんな彼が三人の魔女(ミラ・クニス、レイチェル・ワイズ、ミシェル・ウィリアムズ)との出会いを通じ、冒険を繰り広げます。

『ウィキッド』と同じオズの世界が舞台となっており、エルファバやグリンダの物語と比較しながら楽しめるのが魅力ですね。オスカーは偉大な魔法使いと崇められつつも、実際はただの人間であるという設定にも注目です。
独特で華やかな映像美と壮大な冒険が織りなすストーリーも魅力の一つですよ。
マレフィセント
ロバート・ストロンバーグ監督によるダークファンタジー映画で、ディズニーの名作『眠れる森の美女』の「悪役」マレフィセントの視点から物語。アンジェリーナ・ジョリー演じるマレフィセントは、かつては心優しい妖精でしたが…人間の王(シャールト・コプリー)に裏切られ、復讐のためにオーロラ姫(エル・ファニング)へ呪いをかけます。
しかし、成長したオーロラと触れ合ううちに、彼女への愛情が芽生え、マレフィセント自身の心も変わっていくというストーリーが描かれます。

『ウィキッド』のエルファバと同様に、マレフィセントも「悪役」として扱われているのが関連している見どころですね。そんなマレフィセントですが、実は深い愛や苦しみを抱えた存在であることが描かれるのが良いなと思いました。
魔法を駆使した戦いのシーンや幻想的な映像美も圧巻ですよ。続編もおすすめです!