2025年4月4日公開の映画『アンジェントルメン』は、第二次世界大戦中の実在の作戦「ポストマスター作戦」に着想を得たスパイアクション作品。イギリスの首相チャーチルの命を受け、型破りなガス少佐(演:ヘンリー・カヴィル)率いる非公式チームが作戦を遂行します。監督はガイ・リッチー。
アンジェントルメン
- 未体験
- 4
- 感情移入
- 4
- 再鑑賞
- 3
- 予測不可
- 4
- サウンド
- 5
ジャズとブルースが流れる中でスマートに潜入ミッションが進んでいくのが見どころ!
評価は年間100作品以上を鑑賞する執筆者こでぃもの実体験をもとにしています。
『アンジェントルメン』は人気?どんな人が観ている?
川崎の映画館で土曜日の午後の回に観に行ったら、席は半分以上埋まっていました。ガイ・リッチー監督の根強い人気を感じさせますね。男性や1人で見に来ている人が多かったです。上映前までに座っている人が大多数でした。高齢の人もいましたね。
スタイリッシュなアクションと映像、シアターに響き渡るおしゃれな音楽、そして個性的で技量に感心させられる登場人物が魅力なので評判を見て見に来る人も多いかもしれません!
以下より重要なネタバレを含みます。
ネタバレありで解説!
第二次世界大戦下のイギリス
第二次世界大戦中、イギリスはナチス・ドイツとの戦いにおいて苦戦していました。アメリカからの支援を受けようとしていましたが、ドイツ軍のUボート(潜水艦)による妨害を受けていた…そこでイギリスの首相・チャーチルは事態を打開するチームを用意させます。
非公式のチームのリーダーはガス少佐。彼はラッセン、ヘイジー、フレディを集めさせ、この計画に不可欠なアップルを助け出すと言いました。ドイツに捕まっていたアップルの元に向かう一行は、船で移動中にドイツ兵に見つかります。ガスたちは隙をついて兵を退け、アップルが囚われている場所へ。彼を助けるため多くのドイツ兵を倒し、作戦をやり遂げました。

イギリス非公認のチームはみんなスキルがあって凄い!屈強な体を持つラッセンはナイフ裁きや弓矢の扱いが頼もしかったです。爆破のプロであるフレディは、ドイツ兵のいる船に爆弾をサッとしかけて大爆発させるという見どころがありましたね。
ヘイジーは船の扱いに長け、冷静に敵を撃ち殺すのもカッコ良かったです。リーダーのガスを中心に事態が進んでいくのも見ものでしたね。
作戦
ブレーンとなるアップルが計画を立て、安全な航路でポー島に向かうことになった一行。15日ほどかかる予定でしたが…ポー島にいたヘロンとマージョリーからの連絡で急がざるを得なくなりました。
マージョリーたちはドイツ軍のルアー大佐や周囲の者から情報を収集。Uボートに物資を届ける補給船の出航日が早まったとわかったのです。ガスたちは危険な航路に変え、窮地を切り抜けつつポー島へ向かいます。
マージョリーたちは協力者を得て、戦う仲間や武器を調達。ガスたちと海上で合流し、作戦を立てました。ドイツ兵たちと、士官たち用にパーティーを準備。ルアーの気を引いたマージョリーは、仮装を用意しつつ彼と共にパーティーに向かいます。港を守っていた兵たちもパーティーへ。
マージョリーは補給船が強化されているという情報を得て仲間に知らせました。ガスたちは作戦を変更し、ついにヘロンが仕掛けていた爆弾が起動。町の電力が落ちたことで港の照明も消えます。手薄になった補給船周りのドイツ兵をガスたちが静かに殲滅していきました。

ジャズやブルース調のBGM(サウンド)が多用され、音楽重視でセリフは少な目にする演出が良かったですね。ガイ・リッチー監督らしさがあり、ミッションをサクサクこなしていく男たちに見惚れてしまいました。
アップルを助け出す際にもガスたちのスマートな動きと、派手な銃撃戦が良かったです!
決行
補給船内の兵はラッセンたちが倒していき、爆弾などの準備も万端。起動した爆弾により錨が壊されたことでガスたちは船でUボートを引いて盗み出そうとします。島の燃料タンクを爆破させたことでパーティーにいたドイツ兵たちが異変に気付きました。
補給船を奪還しようとする中、ガスたちは海上から攻撃して阻止。ルアー大佐はマージョリーがユダヤ人だと気付いて拘束しますが…彼女は大佐を銃殺し、迎えに来たヘロンと共にSボートに乗ってガスに合流しました。
補給船はイギリスに引き渡され、Uボートの妨害がなくなったことでアメリカの支援が始まります。規律を守らなかったガスたちですが、首相は彼らを自身の元に置くと言いました。
実在した彼らのその後が語られる中、物語は幕を閉じます。

マージョリーがルアー大佐の気を引く際には正体がバレてしまうのではとヒヤヒヤしましたね。ヘロンと共に冷静に事を運ぶのも魅力的でした。
最後の補給船を盗む際のアクションもガスたちの動きから目が離せません。どの登場人物も魅力的で、息をつかせぬ展開が続くのが見どころでしょう。
関連する作品ならこちらもオススメ!
第二次世界大戦やガイリッチー監督の映画なら以下の2作品もおすすめ!
イングロリアス・バスターズ
クエンティン・タランティーノが監督・脚本を手がけた第二次世界大戦を舞台にしたフィクション戦争映画。主演はブラッド・ピットが務め、ナチス討伐部隊「バスターズ」のリーダー、アルド・レイン中尉を演じます。
ナチス支配下のフランスで、映画館を舞台にした暗殺計画が進行するという大胆なストーリー展開が描かれます。

ブラッド・ピット率いる部隊がナチスと戦っていく様子は映画『アンジェントルメン』を見た人が楽しめるポイントでしょう。他にもタランティーノ特有の緊迫感あふれる長回しの会話劇が見どころ!
バイオレンス描写などもしっかり描き、戦争下ならではの展開がありますよ。クリストフ・ヴァルツ演じるハンス・ランダ大佐の冷徹かつ知的な存在感も見ものです。
コードネーム U.N.C.L.E.
1960年代の冷戦時代を舞台にしたスタイリッシュなスパイアクション映画。アメリカのCIAエージェント、ナポレオン・ソロ(演:ヘンリー・カヴィル)と、ソ連のKGB工作員イリヤ・クリヤキン(演:アーミー・ハマー)が、敵同士でありながら手を組む…国際的なテロ組織の核兵器開発を阻止するという任務に挑みます。
監督はガイ・リッチー。ファッションや音楽など1960年代のレトロな雰囲気がたっぷり味わえる、おしゃれでユーモアあふれる作品です。

スパイたちの駆け引きとテンポの良い演出が見どころ!アメリカとソ連、性格もやり方も正反対な2人のスパイが、口喧嘩をしながらも息の合った連携で任務を進める姿が痛快ですよ。
ヘンリー・カヴィルのエレガントなスーツ姿や、アクション中でも軽やかに笑いを挟むやり取りが魅力的。映画『アンジェントルメン』のようなおしゃれで軽快なスパイアクションが好きな人にぴったりの作品です。