2025年9月26日公開の映画『俺ではない炎上』は、山田篤宏監督によるSNSスリラーです。主演の阿部寛が演じるのは、殺人の濡れ衣を着せられたサラリーマン・山縣泰介。ある日、SNS上で自身の名前を名乗るアカウントが女子大生殺害画像を投稿し、ネット上で“犯人”として特定される…泰介は、無実を訴えながらも逃亡を余儀なくされ、犯人を突き止めようとします。
俺ではない炎上
- 未体験
- 5
- 感情移入
- 3
- 再鑑賞
- 4
- 予測不可
- 5
- サウンド
- 3
SNSの炎上の恐ろしさと、泰介の逃亡がどうなるかなどが見どころ！ラストも驚いた！
評価は年間100作品以上を鑑賞する執筆者こでぃもの実体験をもとにしています。
『俺ではない炎上』は人気？どんな人が観ている？
土曜の映画館に行くと、小さめのシアターでの上映が主でしたね。席数の埋まり具合も半分くらいで、年齢層は高めでした。阿部寛ら主要キャストのファン層が劇場に足を運んでいるのかなと思いました。
また映画『俺ではない炎上』は、サスペンス・ミステリー好きの間で注目を集めているようですよ。SNSを中心に話題にしやすいような感じです。情報リテラシーや現代の“炎上文化”に問題意識を持つ人の共感も広まれば人気作品となるかもしれませんね。
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以下より重要なネタバレを含みます。
『俺ではない炎上』をネタバレありで解説！
山縣泰介と炎上
ハウスメーカーで営業部長を務める山縣泰介は、部下の野井と共に住宅展示場のコンテナハウスを視察。パンフレットの誤記を担当者の青江に指摘します。
その後、泰介は喫茶店に立ち寄り、青江や最近の若者の言動に違和感を覚えると話します。すると、何回か写真を撮られて不審に思いましたが…職場に戻った際に驚きました。
泰介は社長に「おまえのアカウントが炎上している」と言われます。なんと、自分の名前のアカウントが“殺人犯”として炎上しており、そのアカウント主が泰介であると特定されたのです。 もちろん、泰介に心当たりはありません。
泰介は毅然とした態度で家に戻りますが…家の前には配信者がおり、警察を呼ぶことになりました。泰介は警察に相談するも、怪訝にされるばかり…しかたなくビジネスホテルで過ごし始めます。
投稿された遺体写真や過去ツイートにより、ネット上で“犯人”として特定される泰介！SNSの怖さも強く印象に残りましたね。
まだ犯人が確定していない段階で、個人情報が拡散され、「この人が犯人だ」と決めつけるような空気と言いますか…特定された人の生活は壊れ、仕事もできず、安心して家にいることすらできなくなるのはひどいなと実感しました。
逃走
やがてSNS上の情報から遺体が実在することが判明し、騒動は加速。警察は初動捜査で遺体を見つけられなかった中、犯人の手がかりを探していました。
ニュースを見た泰介は家に戻り、ポストを確認した際に倉庫の鍵を発見。倉庫を確かめるとゴミ袋に遺体が入っていて驚愕します。その時の写真を近所の人に撮られ、泰介は急いで車でその場を離れます。
泰介は釣具店に車を停め、車内にあったスポーツウェアに着替えて走り出しました。逃走中にスナックで休憩し、ポストにあった封書を確認。そこには「逃げ続けろ」という文面と地図の座標がありました。泰介は送り主が犯人だと考え、追い始めます。
途中、職場仲間に協力を請う泰介。その際に自分の評判を問うと「嫌われていた」と知らされ、自省の念に駆られ始めます。
泰介の娘・なつみの過去は驚きましたね。なつみは幼い頃、ネット上で知り合った大人の男性と会おうとしたことがあった…泰介は心配したこともあり、なつみを倉庫に一晩閉じ込めたことがありました。泰介の行動は親としての不器用な愛情とも思えましたが、こうした性格の一面は周りから嫌われてしまっていたというヒントにもなった気がします。
犯人
その後、泰介は再びコンテナハウスのある住宅展示場へ。なんとか忍び込むと、青江と鉢合わせます。泰介は青江から支援を受け、封書の場所へ向かうことに…泰介は座標にあった建物で遺体と手紙を発見。
泰介は娘のなつみを倉庫に閉じ込めた過去を思い出し、深い自責の念にとらわれます。その場にあったガスボンベを開き、火を放とうとする泰介…そこになつみが現れました。なつみは間一髪、泰介を助けて外へ。そこへ展示場の青江がナイフで泰介を襲い始めます。
泰介は応戦し、その間にインフルエンサーの住吉が警察を呼び、事件は終息しました。泰介を罠にかけた犯人は青江であり、なつみとの過去の出来事から歪んだ正義感を抱いていたことが明らかになったのです。
入院中の泰介は妻となつみと話し、それぞれが「自分が悪かった」と省みてエンディングを迎えます。
なつみは「サクラ」と名乗って大学生の初羽馬に犯人探しを手伝ってもらいましたね。初羽馬が犯人の投稿をリツイートしなければSNSに広まらなかったかもしれない…そう思えたラストでした。
なつみは子供の頃に青江（当時はあだ名で呼んでいましたね）と話し、秘密の場所を知っていたことなどが明らかになりました。そんな青江の父は援交問題で不祥事を起こした警官…敬意を抱いていたからこそ、一層歪んだ正義感に繋がってしまったのではと思います。
いろいろと考えさせられる映画でした！なつみの過去と今を改めて見比べながらもう一度見直したいですね。
『俺ではない炎上』に関連する作品ならこちらもオススメ！
『俺ではない炎上』に関連する以下の2作品もおすすめ！阿部寛主演作品と、家族×サスペンスが楽しめる作品ですよ。
異動辞令は音楽隊！
内田英治が監督・脚本を手がけた『異動辞令は音楽隊！』は、刑事と音楽という異色の組み合わせを描いたヒューマンドラマです。主演の阿部寛が演じるのは、捜査一課のベテラン刑事・成瀬。強引な捜査が問題視され、警察音楽隊への異動を命じられますが…戸惑いながらも規律の乱れた音楽隊の再建に取り組みます。
職業ドラマと静かな感動がじわりと広がるのが見どころ！地方都市の警察署とその音楽隊が舞台となり、規律なき楽団を立て直せるのかという点にも注目ですね。演奏会場や練習場での演奏も成長と共に見守りましょう。
阿部寛の警察としての威厳ある演技から、初心者としてドラムを叩く演技も見ものですよ。
マイホームヒーロー
青山貴洋監督による『マイホームヒーロー』は、家庭を守ろうとする父の行動が、やがて正義と犯罪の境界を揺らがせるサスペンスです。佐々木蔵之介が演じるのは、ごく普通のサラリーマン・鳥栖哲雄。
かつて娘を危険から守るために犯したある行為が、7年後に遺体の発見とともに再燃するのが映画での物語となります。警察官となった娘や、裏社会の勢力が絡むストーリーに注目です。
日常がじわじわと崩れていくスリラーで、終始ひやりとした緊張感が走ります。尾行やすれ違い、緊迫した対話が繰り返され、心理戦が好きな人にもおすすめですね。
家庭の中に潜む不安や、娘から向けられる視線に耐える父の表情など、俳優陣の芝居が細やかなのも見どころでしょう。物語の軸にあるのは「過去の行動が今を壊すかもしれない」という構造は、『俺ではない炎上』を楽しめた人にも堪能できると思いますよ。
