2014年9月13日公開の映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』。
5人のお尋ね者たちが銀河を救う!?なぜ彼らは仲間になったのか、どうして戦うのか、宇宙という壮大なスケールで繰り広げられる物語の行方に要注目ですよ。ジェームズ・ガン監督による今作の興行収入は10億円でした。
この記事では、映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』で流れた音楽12曲をご紹介します。
※『流れる曲紹介』ではネタバレがあるので、動画視聴後にお楽しみください。
公開日 | シリーズ作品名 |
2014年 | ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー |
2017年 | 『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー リミックス』の動画配信&流れる音楽 |
2023年 | 『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』の動画配信&流れる音楽 |
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』で流れた曲とは?
予告動画で流れている曲
予告動画で流れている音楽は、Norman Greenbaumの『Spirit in the Sky』です。
Norman Greenbaum - Spirit in the Sky
低音のベースが軽快に鳴り響く中、男性の歌と女性のコーラスが入るゴスペルの歌。1970年前後に200万枚を売り上げたことで有名です。
気だるそうな雰囲気で歌う中、独特の声とギターの音が特徴的。一定のリズムで刻み続ける曲を歌うのは、ノーマン・グリーンバウム。アメリカのシンガーソングライターの男性です。
予告編で使われている『Spirit in the Sky』は、ワクワクさせられるような歌ですね。そして、銀河を救う5人組は囚人経験もある悪人たちというキャッチフレーズに驚かされます。
地球人のクイル、暗殺者のガモーラ、荒くれもののドラックス、見た目はアライグマのロケット、人のような木のグルート…異質な組み合わせの5人組がどのように出会い、銀河の危機に立ち会うのかが注目でしょう。宇宙船で駆け回ったり、豪快に戦ったりするのが見どころですよ。
子供のクイルが母の最期を看取る前のシーン
10cc - I'm Not In Love
子供のクイルが母の最期を看取る前のシーンで流れた曲は、10ccの『I'm Not In Love』です。
1970年代にヒットしたバラード曲であり、落ち着いた声による歌やコーラスが特徴的な音楽です。アナログテープを何回も重ねて作成したコーラスは神秘的な雰囲気を作りだし、自身を見つめ直すような心地にさせることでしょう。
イギリスのバンドである「10cc」は、『Donna』でデビューし、コーラスを活かしたり手拍子を入れたりする明るい曲を多く出しています。
1988年、子供だったクイルがカセットテープで曲を聞きつつ、病院で母のことを案じる姿が印象に残りましたね。最期を看取ることになってしまったクイルですが、何気ない会話などが強く印象に残りました。
クイルが子供とケンカをした理由から正義感の強さが伝わってきたり、母親が死んでしまうことを受け入れられない様子は色々と考えさせられます。
落ち着いた曲と合わせてクイルの心境が伺えるワンシーンです。また、「お父さんは光り輝く人だった、きっと迎えに来る」と言うのですが続編に関わってくる言葉なのにも注目ですね。
クイルが廃墟の星でストーンを探すシーン
Redbone - Come And Get Your Love
クイルが廃墟の星でストーンを探すシーンで流れた曲は、Redboneの『Come And Get Your Love』です。
ポップで楽しそうな雰囲気を表す前奏に、「ヘーイ」と掛け合う歌で始まるのが特徴です。聞いている側を盛り上げるようにして歌が続き、独特な楽器を使っていることから一度聴いたら印象に残る人も多いでしょう。
レッドボーンはラテンやケイジャンをテーマにした音楽を作り出したアメリカンのロックバンド。独特な声のボーカル、民族楽器などを用いた曲が個性的であり、ジャズ風の曲も出しているのが特徴です。
クイルが誘拐されてから26年が経過し、色味の無い廃墟の星モラグにてクイルは曲を聞くのですが、音楽が流れると同時に軽やかなステップを踏んで楽しそうにする姿は印象的ですね。小さな獣が寄ってくるのも構わず、蹴飛ばしたりマイク代わりにしたりする姿から、クイルの陽気さが伝わってきます。
そうしてパワーストーンを見つけるまで曲が流れるのですが…この石がインフェニティ・ストーンの一つであることや、宇宙を脅かす可能性を秘めているとはまだ分からないという展開はワクワクしますね。
トレジャーハンターのような軽い気持ちでストーンを手に入れて後は売りさばくだけだと思っていたでしょうが、ストーンにもクイル自身にも大きな秘密が隠されているのはまだ先の話です。
ストーンの奪い合いとなりモラグから脱出するシーン
Raspberries - Go All The Way
ストーンの奪い合いとなりモラグから脱出するシーンで流れた曲は、Raspberriesの『Go All The Way』です。
ギターをかき鳴らすようにして演奏し、勝鬨のような声を上げて歌が入っていきます。流れるような歌声を何人かで重ねるようにして歌っていくのが特徴。
「カモン!」とコールアンドレスポンスを繰り返すことで徐々に盛り上げたり、ギターをかき鳴らす勢いが凄いです。1971年にアメリカでデビューしたバンド「ラズベリーズ」は、『Don't Want to Say Goodbye』がデビュー曲です。
モラグから宇宙船に乗って無事に脱出するクイルが、機内に内蔵していたカセットテープから『Go All The Way』を流します。ロナンの手下に命を狙われつつも帰還したことに安堵するクイルですが、機内に女性がいたことにビックリ。「誰だったかな?」という感じでクイルが名前を聞く姿から、彼が女性に対して誠実ではないということが伝わってきますね。
子供のころに宇宙人にさらわれて過酷な生活を強いられたと思うと仕方がないかなとも思えます。ラヴェジャーズを率いるヨンドゥから通信が入り、クイルが持っていたストーンを探しているとわかりますが…テラ(地球)から拾った際の話や、ヨンドゥがクイルに対してどう思っているのかがポイントですね。
キルン刑務所でクイルのカセットを看守が勝手に聞くシーン
Blue Swede - Hooked On A Feeling
キルン刑務所でクイルのカセットを看守が勝手に聞くシーンで流れた曲は、Blue Swedeの『Hooked On A Feeling』です。
「ブルースェード」は、1972年にスウェーデンで結成されたバンドであり、『ウガ・チャカ(Hooked On a Feeling)』をカバーしたことで有名になりました。
「ウガ・チャカ ウガ ウガ」と繰り返す歌詞とテンポの良いリズムが耳に残り、空に向かって叫ぶように「あ~ああ~ああ~」と歌ってドラムを2打刻むのが特徴的です。
キルン刑務所に収容されることになったクイル、ガモーラ、ロケット、グルート…その際に看守がクイルの持ち物を勝手に使い、カセットテープで『Hooked On A Feeling』を聞いていました。クイルは看守を止めようとしますが気絶させられてしまい、服を脱がされて消毒されつつ囚人服になるのです。
その際にロケットの背中を見やると彼が改造手術などを受けた跡があったり、ガモーラを狙う輩の多さから彼女が付き従うロナンやサノスの凶悪さが伝わってきたりしましたね。収容所ではクイルの身も危ぶまれますが、グルートが大男の鼻に指を刺して持ち上げてロケットが「こいつは俺たちの獲物だ!」と強く言うのがカッコいいですよ!
クイルが看守からカセットテープを奪取するシーン
Rupert Holmes - Escape (The PIna Colada Song)
クイルが看守からカセットテープを奪取するシーンで流れた曲は、Rupert Holmesの『Escape (The PIna Colada Song)』です。
穏やかな曲調でゆったりとした気分にさせられる歌で、ギターが時折アクセントになっているのが特徴。不規則なリズムに語りかけるようにして歌を乗せ、サビでは複数の歌声を重ねることで盛り上がりを演出しています。
「ルパート・ホルムズ」はイギリスのシンガーソングライターの男性であり、1974年にデビュー。柔らかな歌声が特徴です。
看守が勝手にクイルのテープをヘッドホンで聞いていて、それをクイルが奪取するシーンは音楽と共に解放感を感じさせましたね。刑務所を脱出した後、 惑星ノーウェアに向かうのですが刑務所では機械に強いロケットが、所内の重力を切って脱出の道を切り開くのが見どころでした。
小生意気で素直じゃない印象が強い中、クイルたちへ作戦の指示をする様子も含めて頼もしさを感じます。ロケット、グルートのコンビとクイル、ガモーラ、そしてロナンを狙うドラックスも付いてきて何が起きるのかワクワクさせられることでしょう。
宇宙船でノーウェアに行くシーン
David Bowie - Moonage Daydream
宇宙船でノーウェアに行くシーンで流れた曲は、David Bowieの『Moonage Daydream』です。
一つずつしっかりリズムを刻むドラムと、熱意を感じさせる歌で、ギターやシンセサイザーの盛り上げ方も特徴的。ロックを奏でる中で、間奏で少し変わった楽器を取り入れており、カントリー風な雰囲気も表しています。
デヴィッド・ボウイはイングランド出身のシンガーソングライターであり、バンドを結成して歌うことも多かった男性です。ロックで力強い歌を含む曲を多く制作しました。
コレクターと呼ばれるストーンの買い手がいるノーウェア…天界人の頭で作られたという無法地帯ですが、クイルたちが到着した際に『Moonage Daydream』が流れるので新たな展開が予想される感じがします。
ノーウェアでは採掘が盛んでアウトローばかりいるため、賭け試合の盛り上がり方も凄かったですね。酒を飲んで酔っぱらうロケットやドラックスも賭けを楽しむのですが…ケンカをしてしまうのにはハラハラさせられました。
ロケットは好きで獣の身体になったわけではなく、そのことを気にしているのが良く伝わってきます。また、ドラックスは家族の仇を討つために付いてきたのですが、ロナンが姿を現さないことにイラだっていた…各々の心情が伝わってくるワンシーンとなりました。
クイルがガモーラに曲を聞かせるシーン
Elvin Bishop - Fooled Around And Fell In Love
クイルがガモーラに曲を聞かせるシーンで流れた曲は、Elvin Bishopの『Fooled Around And Fell In Love』です。
ドラムとベース、キーボードが静けさを保ちつつ落ち着いた雰囲気を奏で、優しい歌声とギターのソロは曲に引き込むように音を響かせます。
エルヴィン・ビショップは1942年にアメリカで生まれ、バンド結成時にはブルースをメインにしてきたミュージシャン。ソングライターとして頭角を現した彼はヒット曲『Fooled Around and Fell in Love』をリリースしました。
戦士・暗殺者として育て上げられたガモーラは音楽やダンスとは無縁だったようで、クイルが『Fooled Around And Fell In Love』を聞かせた際に関心を抱く姿が印象的。
「メロディーが良い」と言いつつも、クイルと良い雰囲気になるのですが…我に返ってクイルへナイフを突きつける展開に早変わりするのには思わず笑ってしまいました。
サノスはガモーラの故郷を滅ぼし、兵士として育てたとのことで、その恨みはかなり深そう…妹のネビュラも改造を重ねられていたのを考えると姉妹はサノスを恨んでいるだろうと伝わってきます。彼女たちがこの後、どうなるのかも必見でしょう。
ロナンからストーンを奪う作戦を立てるシーン
The Runaways - Cherry Bomb
ロナンからストーンを奪う作戦を立てるシーンで流れた曲は、The Runawaysの『Cherry Bomb』です。
小刻みなドラムと鳴り響くギター、そこに力強い女性シンガーの歌声を重ねることで、賑やかな曲に仕上げているのが特徴です。
曲の終わりでは「チェリー・ボンブ!」と何度も叫ぶようにして終えるのも魅力の一つでしょう。女性だけで構成されたロックバンド「ザ・ランナウェイズ」は、アメリカでデビューを飾り、1970年代の日本でも人気になりました。
クイルたちはロナンと戦うための作戦を立て、準備を整えるシーンでは賑やかな曲で盛り上がる!ロナンをザンダー星に着陸させないため、奇襲をかけてエネルギー砲で一気に攻め入ろうという話を聞くとワクワクさせられました。作戦のために準備を整える中、ロケットが冗談を言うのも良いですね。
そうしてクイルと仲間たちが合流しつつ歩く際にはスローモーションが使われるため、「ヒーローたちがこれからやるぞ!」という気にさせられます。クイルがガモーラに「仲間と一緒に死ねれば本望だろう!」と言ってのけるのもこのシーンの見どころでしょう。
クイルが星を壊そうとするロナンの気を惹くシーン
The Five Stairsteps - O-o-h Child
クイルが星を壊そうとするロナンの気を惹くシーンで流れた曲は、The Five Stairstepsの『O-o-h Child』です。
管楽器の前奏は穏やかなカントリー風の雰囲気を表し、オルガンで徐々に盛り上げていく中、歌が加わっていく曲です。「う~う」と歌うのが特徴。
「ファイヴ・ステアステップス」はアメリカのシカゴ出身で、ソウルを中心としたバンドグループです。兄弟で構成されたバンドは1970年代から活躍をはじめ、「O-o-h Child」は100万枚を超えるヒットとなりました。
パワーストーンを装備したロナンは圧倒的な力を見せつけ、クイルの仲間たちが倒れる中、なんとクイルは『O-o-h Child』を歌い始める!真剣な顔をしつつ、「こっから激しく!」とダンスを披露し初めてロナンにダンス対決だと言い放つのです。ロナンが怒りをあらわにしつつ「何をしてるんだ!?」と問う一連のシーンは真剣なはずなのに笑ってしまいました。
クイルが注意をそらしたことでロケットがエネルギー砲の準備を整え、ストーンを奪うのには目を見張ります。クイルはストーンの力の影響で消滅するかと思われましたが、なぜか無事…これはクイルが地球人と他の者の子供だからと明かされますが、続編でその正体も明らかになるのには要注目ですね。
戦いが終わってクイルが母の贈り物のテープを聞くシーン
Marvin Gaye And Tammi Terrell - Ain't No Mountain High Enough
戦いが終わってクイルが母の贈り物のテープを聞くシーンで流れた曲は、Marvin Gaye And Tammi Terrellの『Ain't No Mountain High Enough』です。
「リッスン~」という歌詞と共に歌が始まり、思わず耳を傾けたくなる曲です。マーヴィン・ゲイとタミー・テレルが交互に歌うため、男女ならではの歌い方や声色の違いを楽しめます。
また、様々な楽器が奏でられる中で、盛り上がりやテンポの良さを感じることでしょう。マーヴィン・ゲイ&タミー・テレルは、ポップやソウルの曲を多く歌い、デュエット曲で有名です。
戦いを終えたクイルは、母親から最期にもらった贈り物と手紙を取り出して『Ain't No Mountain High』を聞きます。今まで聞いていたカセットテープの「Vol.2」版を聞きつつ、「ずっと見守っている」という手紙を見るクイルですが、母親を思い出す表情が印象に残りました。
歌と共にシーンが変わり、ヨンドゥがクイルのことを考えたり、ザンダー星で無事だった人たちが家族と過ごしたりと家族を思うことの良さが伝わってきますね。ヨンドゥに育てられたクイルは、新しい仲間という名の家族と共に旅立ち、続編ではどういった戦いを見せてくれるのかが楽しみになることでしょう。
機内でベビーグルートがこっそりダンスするシーン
Jackson 5 - I Want You Back
機内でベビーグルートがこっそりダンスするシーンで流れた曲は、Jackson 5の『I Want You Back』です。
明るくポップなBGMで始まり、楽し気で高い声を響かせながら歌が入っていく曲です。自由な雰囲気があったり、途中で掛け合いのようなパートがあったりと聞いていてワクワクするでしょう。
「ジャクソン5」はジャクソン兄弟が結成したアメリカのミュージシャングループ。1969年にデビューしてからアイドルとして人気を得ており、くテレビ出演も多く果たしました。
ザンダーからクイルたちが宇宙に旅立ち、機内でグルートが踊る際に曲が流れます。大きな体を失って小枝のようになってしまったベビーグルートですが、ダンスする姿がとってもキュート!小鉢から生えた身体と両腕を軽やかに振って音に乗り、ドラックスに見られているとわかると動きを止めるのです。
元々、グルートは何も考えてなさそうで自由気ままな感じでしたが、ロケットの命令に従ったりクイルの作戦に同意したりと頼もしいと思えるシーンも多かったですね。力強い戦い方を見せたり、暗い場所では光を灯す植物を飛ばしたりと個性豊かなのが見どころです。
筆者の感想
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』は1970年代に流行った歌を、ピータ・クイルが聞いているという設定を大切にしている映画でしたね。亡き母の形見ともいえるカセットテープを大事にしているクイルは、看守にだって逆らうのがクールです。
普段はのらりくらり生きているような感じなので、そうした熱意を感じさせるシーンが印象的でした。彼と共に戦う仲間たちも個性豊かなので、続編や『アベンジャーズ』シリーズと共に見ていくとさらに思い入れが出てくるでしょう。
サウンドトラック
オフィシャル ミックステープ
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