2022年10月28日公開の映画『西部戦線異状なし (原題:Im Westen nichts Neues)』(2022)
第95回アカデミー賞国際長編映画賞(ドイツ)・作品賞を含む6部門にノミネートされ、国際長編映画賞・美術賞・作曲賞を受賞しました。
エーリヒ・マリア・レマルク原作の戦争小説を元にした戦争映画で、同小説は1930年にも映画化され、第3回アカデミー賞作品賞・監督賞受賞をしたことでも知られています。
この記事では、映画『西部戦線異状なし』で流れた音楽2曲をご紹介します。
『西部戦線異状なし』で流れる曲とは?
ホッペ中尉とブリクスドルフ少佐のディナーシーン
Alfredo Catalani - 歌劇『ラ・ワリー』第1幕よりEbben? Ne Andro Lontana
ホッペ中尉とブリクスドルフ少佐のディナーシーンで流れた曲は、Alfredo Catalaniの歌劇『ラ・ワリー』第1幕より『Ebben? Ne Andro Lontana』です。
19世紀イタリアの作曲家アルフレード・カタラーニが1892年に作った歌劇『ラ・ワリー』の第1幕で歌われるアリア「さようなら、ふるさとの家よ」という曲が流れています。この曲はセザール賞4部門を受賞した1981年の仏映画『ディーバ』で使用され、その後『フィラデルフィア』(1993)や『シングルマン』(2009)など多くの映画で印象的に使われるようになりました。
今回使用されたのは、Maria Luigia Borsiによる演奏です。マリア・ルイージャ・ボルシは、1973年イタリア生まれのソプラノ歌手で、伸びのある艶やかな声でオペラ歌手としても精力的に活動しています。2008年には世界最高峰のテノール歌手、アンドレア・ボチェッリと来日公演を行いました。
パウルが農場から卵を盗むシーン
Johann Sebastian Bach - Prélude De Choral «Ich Ruf’ Zu Dir, Herr Jesu Christ», BWV 639
パウルが農場から卵を盗むシーンで流れた曲は、Johann Sebastian Bachの『Prélude De Choral «Ich Ruf’ Zu Dir, Herr Jesu Christ», BWV 639』です。
「音楽の父」バッハが1732年に作ったとされる『コラール前奏曲』より、「われ汝に呼ばわる、主イエス・キリストよ」(BWV639)が使用させています。
コラール前奏曲は、もともと教会の礼拝で讃美歌(コラール)が歌われる直前に演奏されるオルガン曲ですが、今ではピアノのための独立した作品としても演奏されています。ここでは20世紀を代表する世界的ピアニスト、アルフレッド・ブレンデルの演奏(ブゾーニ版)が使われています。
2008年12月のコンサートでの引退を表明したブランデルですが、2009年公開のドキュメンタリー映画『ピアノマニア(Pianomania) 』には引退前の彼の貴重なリハーサル風景が収められています!
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