2025年10月3日公開の映画『ワン・バトル・アフター・アナザー』(監督:ポール・トーマス・アンダーソン)は、かつて革命家だったボブ(演:レオナルド・ディカプリオ)が、娘ウィラを守るため、軍人ロックジョー(演:ショーン・ペン)との因縁の戦いに挑む壮大なヒューマンドラマです。道場の師・先生(演:ベニチオ・デル・トロ)に助けられ、ボブは移動を続けます。
この記事では、映画『ワン・バトル・アフター・アナザー』で流れた音楽のうち9曲をご紹介します。※この記事はネタバレを含みます
-
映画『ワン・バトル・アフター・アナザー』で流れる9曲をシーンごとに解説!先生の着信音も
続きを見る
『ワン・バトル・アフター・アナザー』で流れた曲とは?
ペルフィディアがロックジョーとホテルで会うシーン
The Shirelles - Soldier Boy
ペルフィディアがロックジョーとホテルで会うシーンで流れた曲は、The Shirellesの『Soldier Boy』です。
ペルフィディアは建物で爆弾設置中にロックジョーに見つかった…軍人のロックジョーは彼女を捕まえるのではなく、23時にホテルに来るよう言いましたね。ペルフィディアは余裕な表情を見せつつ、ホテルでも優位な感じがありました。
そうして男女が楽しむシーンとなり、 全体は甘く懐かしいムードの曲が流れていました。柔らかな光が差すような明るさの中に、ほのかな切なさが混ざるような歌にも思えましたが…コーラスの重なりが優しく、リードの声は真っ直ぐで飾りが少ないのが特徴的でした。
Amazon Music Unlimited
1ヶ月無料
さらに、Amazon Music Unlimitedで「Audible」のオーディオブックがつき1冊、追加費用なしで楽しめるように!!
16年後のボブと娘のウィラを映し出すシーン
Steely Dan - Dirty Work
16年後のボブと娘のウィラを映し出すシーンで流れた曲は、Steely Danの『Dirty Work』です。
ペルフィディアが仲間の情報を売り、失踪…ボブは彼女との子であるウィラを連れて逃げました。そうして16年後の近況描写の際に曲が流れます。
落ち着いた都会派の明るさとほろ苦さを感じさせる曲は軽やかな感じがありましたね。滑らかなヴォーカルにサックスなどの楽器が寄り添うようでした。ボブが煙草を吸いながら保護者面談や道場に向かうのを見守りましょう。
ウィラが学校のダンスパーティーを楽しむシーン
Sheck Wes - Mo Bamba
ウィラが学校のダンスパーティーを楽しむシーンで流れた曲は、Sheck Wesの『Mo Bamba』です。
ウィラは友人に迎えに来てもらい、高校ダンスパーティーへ。照明を落としてフロアで踊る生徒たちがパーティーを楽しんでいるようでしたね。その際にいくつか流れた曲のうちの一つが『Mo Bamba』でした。
荒々しさと熱さをしっかり表すような曲で、低くうねるベースとシンプルなビートと、流れを大切にした男性ヴォーカルの歌が印象的です。時折、叫ぶようなパートやラップ入り、コール&レスポンスを取り入れてるようでした。ジャンプが続くフロアを作り出せそうな曲です。
先生のスマホが鳴るシーン
Survivor - Eye of the Tiger
先生のスマホが鳴るシーンで流れた曲は、Survivorの『Eye of the Tiger』です。
ウィラの道場の先生(セルジオ)のスマホが鳴ると『Eye of the Tiger』の最初に流れる印象的なギターの“ジャッジャッジャッ”という音が響き渡ります。移民問題と向き合う先生は連絡を良く受けていたのが印象的。
『Eye of the Tiger』は映画『ロッキー3』の主題歌として世界的に知られるようになった代表的ロックナンバー。力強く前向きで、闘志を燃やすようなエネルギーを感じさせる曲ですよ。
ティムが秘密結社の集会に向かうシーン
Ella Fitzgerald - Hark! The Herald Angels Sing
ティムが秘密結社の集会に向かうシーンで流れた曲は、Ella Fitzgeraldの『Hark! The Herald Angels Sing』です。
ティムが秘密結社の集会に出るためアリスの家を訪ねます。玄関から隠し通路を経て、重厚な雰囲気の地下空間で秘密結社の集まりがあるとは驚きでした。
ティムが歩いている際に19世紀から歌い継がれてきた伝統的なクリスマス賛美歌が流れます。女性による歌は温かさと優雅さが伝わってくる曲でしたね。厳かでありながらも穏やかで、冬の朝に差し込む光のような静かな明るさがありました。
警察に捕まったボブが先生に助けてもらうシーン
Jackson 5 - Ready or Not Here I Come (Can’t Hide From Love)
警察に捕まったボブが先生に助けてもらうシーンで流れた曲は、Jackson 5の『Ready or Not Here I Come (Can’t Hide From Love)』です。
ボブは逃げる途中に警察に捕まり、先生の仲間によって逃げ出すという逃走劇!先生と共に車で移動する際にかけて音楽が流れました。 『Ready or Not Here I Come (Can’t Hide From Love)』は、1970年に発表された、モータウン・サウンドの代表的なポップソウルナンバーです。
全体の雰囲気は明るく弾むようで、聴くと自然に体が動く軽快さがありますね。メインヴォーカルにコーラスが重なってリズムに厚みを出していて、軽やかなドラムとベース、ピアノが背景を彩っているのが特徴ですね。
エンディング1曲目
Tom Petty & The Heartbreakers - American Girl
エンディング1曲目で流れた曲は、Tom Petty & The Heartbreakersの『American Girl』です。
エンドロールに入ると、1970年代に発表されたトム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズの代表曲が流れます。アメリカン・ロックを象徴するような爽快で開放的な雰囲気が特徴的。
明るく軽快な音と共に、夕暮れ時にハイウェイを走り抜けるようなスピード感と自由な雰囲気がありますね。高く伸びやかな男性ヴォーカルの歌とギターの軽やかなストロークを楽しめます。
エンディング2曲目
Gil Scott-Heron - Revolution Will Not Be Televised
エンディング2曲目で流れた曲は、Gil Scott-Heronの『Revolution Will Not Be Televised』です。
1970年に発表されたアメリカの詩人・ミュージシャンであるギル・スコット=ヘロンの代表作がエンドロール2曲目で流れました。全体の雰囲気は鋭く、静かな怒りを湛えた社会批評のような緊張感がありますね。
映画のテーマを思わせる曲でした。少ない音数で、言葉が音楽の中心に置かれている感じがあり、冷静で強い視線を感じさせるトーンですね。
エンディング3曲目
Ella Fitzgerald - God Rest Ye Merry, Gentlemen
エンディング3曲目で流れた曲は、Ella Fitzgeraldの『God Rest Ye Merry, Gentlemen』です。
16世紀ごろから伝わるイギリスの伝統的なクリスマスキャロルが3曲目に流れました。エラ・フィッツジェラルドの歌唱による温かく洗練された雰囲気が印象的。静かな安心感に包まれつつ、冬の夜に灯るろうそくの光のような穏やかさがありますよね。
柔らかく艶があり、一音一音を大切に届けるように歌われ、荘厳でありながらも優しさが滲むトーンが特徴的です。