2002年7月20日公開 映画『猫の恩返し』。
スタジオジブリの長編アニメーション映画。
原作は、柊あおいの漫画「バロン 猫の男爵」
ジブリ映画にもなった漫画「耳をすませば」の雫が書いた物語という位置付けで、宮崎監督からのオファーを受け、柊先生が書き下ろした漫画。
普通の女子高生ハルが、猫を事故から助けた事で繰り広げられる、ハルと猫と猫の世界のファンタジー。
この記事では、映画『猫の恩返し』のサントラから抜粋した19曲を、シーン別にご紹介します。
※以下ネタバレ有り
『猫の恩返し』で流れる曲とは?
ハルが起きて学校に行くシーン
ハルが起きて学校に行くシーンで流れた曲は、野見祐二の『ハル、起きてるぅ?』です。
母が声を掛けるも寝坊し、遅刻しそうで慌てて学校へ行く、コミック界ではあるあるなシーン。
美しい並木通りを走って行きますが、東京の阿佐ヶ谷・中杉通りや、表参道がモデルとなっているそうです。
ハルを演じているのは女優の池脇千鶴さん。三井のリハウスガールのイメージが強いですが、実力派の女優さんです。
ここでは朝にふさわしい、軽やかなオーケストラが流れます。
ハルが猫を救うシーン
ハルが猫を救うシーンで流れた曲は、野見祐二の『ルーンとの出会い』です。
友人であるひろみ(演/佐藤仁美)と歩いている際、トラックに轢かれそうになった猫を助け、その猫が立ち上がりお礼を言うシーン。
ヌラっと二足で立ち上がり、素敵な声で「ありがとうございます」と紳士的に挨拶。ルーンの声優は俳優の山田孝之さんが演じています!
ここで流れるのは、不思議なシーンにマッチした、神秘的な曲。
ハルが白猫に魚型のクッキーを与えるシーン
ハルが白猫に魚型のクッキーを与えるシーンで流れた曲は、野見祐二の『猫とお話』です。
母である直子(演/岡江久美子)との食事中に昔話をするシーン。小学生のハルが白猫にクッキーをあげる回想が流れます。
このクッキー美味しそうだなぁと思ったら、なんと実在しており、新高円寺駅の近くにある「MYNT」というケーキ屋さんで取り扱っているそうです!
移転し店構えは変わってしまいましたが、おさかなクッキーを食べに一度は行ってみたいなー。
猫が列になり練り歩いているシーン
ハルが白猫に魚型のクッキーを与えるシーンで流れた曲は、野見祐二の『猫王の行列』です。
猫たちが手を前に垂らし、二足歩行で歩いているシーン。SP猫がいるのが可愛い。
猫王(演/丹波哲郎)が、ハルに「ありがとね。じゃーね」と茶目っ気たっぷりにお礼を言います。このキャラクター、ジワジワとハマりそう!
ここでは、笙、篳篥、龍笛などを使用した雅楽(神社で流れる音楽)のような、「和」を感じられるメロディが流れます。
ハルが猫に追いかけられるシーン
ハルが猫に追いかけられるシーンで流れた曲は、野見祐二の『猫王の恩返し』です。
家の前は猫じゃらしだらけ、靴箱にはネズミ…。猫が、自己中以外の何者でもないありがた迷惑な恩返しをするシーン。
学校の先生が普通に「コラ、猫を連れてくるな」って、見たら追いかけられてるのわかるでしょ。笑
逃げるハルを表現した、ちょっとコミカルでテンポの速いオーケストラが流れます。
ハルが「白く太った猫」を探すシーン
ハルが「白く太った猫」を探すシーンで流れた曲は、野見祐二の『十字街にて (ストリート・オルガン)』です。
不思議な声を聞き、白く太った猫を探しに十字路へ行くシーン。この、美しいレンガ通りの十字路のモデルは、横浜市の元町商店街だそう。
ちなみにムーンは『耳をすませば』では「ムーン」と呼ばれていましたね!今作のほうがふてぶてしいですが。笑
ここでは、三拍子の可愛らしいオルガン独奏が流れます。
ハルがムタを追うシーン
ハルがムタを追うシーンで流れた曲は、野見祐二の『ムタを追って』です。
ムタがハルを誘導。町の中を走って行くシーン。
ここは『耳をすませば』の、雫がムーンを追うシーンが反映されていますね。
不思議な町へ到着しますが、『不思議の国のアリス』の世界観さながらの小さめの家たちが美しい!
高いキーのフルート?が軽やかで楽しくなる、リズミカルな曲が流れます。
ハルが猫の事務所に入るシーン
ハルが猫の事務所に入るシーンで流れた曲は、野見祐二の『ようこそ猫の事務所へ』です。
人間様よりもはるかにイケメンな猫、ついにバロン様登場!猫の事務所へ案内してもらうシーン。
声優は『耳をすませば』の時の露口茂さんから、俳優の袴田吉彦さんへバトンタッチ。露口さんのまさに男爵!という声も素敵でしたが、袴田さんの渋いけれど若々しくハリのある声も、ハマってますね。
菅楽器がメインの、ファンタジー感たっぷりのオーケストラが流れます。
ハルが猫王の部下たちに誘拐されるシーン
ハルが猫王の部下たちに誘拐されるシーンで流れた曲は、野見祐二の『後宮への誘拐』です。
バロンとカラスのトト(演/斉藤洋介)、ムタとまったりお茶タイム。しかし、突然猫王の部下たちがハルを連れ去ってしまうシーン。
トトとムタのわちゃわちゃした喧嘩っぷりが、ほっこりします♪ そしてバロンの紅茶ブレンド、飲んでみたい…。
音の強弱が面白く、聴いていて飽きのこないダイナミックなオーケストラが、猫たちがハルを神輿のように担いで逃げるシーンにピッタリです!
目覚めたハルが、ムタと猫の国にいるシーン
目覚めたハルが、ムタと猫の国にいるシーンで流れた曲は、野見祐二の『ここが猫の国?』です。
ハルが猫たちのように小さくなっているシーン。ムタのデカさにはビックリ。笑
猫のお城は高さが様々な塔が立ち、キャットタワーのよう。そして周りの湖の形が肉球!!これはもう、あざとかわいい!!
ここでは、少々不穏な感じのする静かな楽曲が流れます。
ハルとムタが猫王の城へ向かうシーン
ハルとムタが猫王の城へ向かうシーンで流れた曲は、野見祐二の『猫王の城へ』です。
ナトル(演/濱田マリ)が案内をし、お城へ運ばれるシーン。濱田さんの声、ナトリのとぼけた感じにピッタリです!
部下たちが運ぶ椅子に、ムタが猫王なの?と思うほどにずっしりと偉そうに座っているのが、また可愛い♪
ここで流れるのは、音の強弱が魅力的な、緊張感のある楽曲。
ハルが猫になっているシーン
ハルが猫になっているシーンで流れた曲は、野見祐二の『ねこぉー?』です。
連れ去られ、勝手に結婚をさせられそうになるハルが、猫の姿になってしまっているシーン。
ここでは根強いファンのいる「またたびゼリー漬けムタさん」も見られます。彼のぬいぐるみはあるのですが…ゼリー漬けもグッズ化したらいいのに!
ここで流れるのは、ハルの心情と、ゼリー漬けムタを表現した楽曲。チューバでコミカルに演奏されています。
ハルが猫王の歓迎を受けるシーン
ハルが猫王の歓迎を受けるシーンで流れた曲は、野見祐二の『ワルツ「Katzen Blut」』です。
息子の嫁にさせるハルを歓迎するため、猫王がたくさんの猫に余興をさせるシーン。
どれもハルにはハマりませんでしたが、ここでバロン様が登場!ハルとダンスを踊ります。その立ち姿にウットリ。
ダンスミュージックは、少々哀愁のあるオシャレなワルツです。
猫王がバロンとハルを捕まえようとするシーン
猫王がバロンとハルを捕まえようとするシーンで流れた曲は、野見祐二の『私はフンベルト・フォン・ジッキンゲン!』です。
バロンの正体がバレて、猫王に名乗りハルと逃げようとするシーン。ゼリー漬けになっていたムタも無事で、兵隊猫を蹴散らします。
実は「ムタ」という名前は、宮崎監督がレジェンドプロレスラー「グレート・ムタ」から拝借し名付けたそう。この腕っ節の強さとぶっきらぼうなキャラクターのモデルは、武藤選手なのかもしれませんね。笑
ここで流れるのは、バロンにピッタリな、美しく壮大なオーケストラ。
バロンがハルを抱っこし逃げるシーン
バロンがハルを抱っこし逃げるシーンで流れた曲は、野見祐二の『迷路からの逃走』です。
難しい迷路を攻略し、バロンがハルをお姫様抱っこして走るシーン。
下から見るバロン様のご尊顔も尊い…こりゃ惚れてまうやろ!です。そして、猫王は偉そうなのに語尾が「ニャ」なのが可愛い。
ハラハラするこのシーンで流れる曲は、音の強弱で緊迫感が表現された楽曲。
ルーンがユキにプロポーズするシーン
ルーンがユキにプロポーズするシーンで流れた曲は、野見祐二の『ルーンとユキ』です。
ハルが助けた黒猫・ルーンが戻って来て、父である猫王にユキと結婚することを伝えるシーン。
ルーンもバロン同様、堂々としている素敵猫。控えめなハルとお似合い過ぎですし、きゅんとするこのプロポーズシーンは見どころです!
ここで流れるのは、結婚式で流れるような華やかな楽曲。
バロンと猫王が戦うシーン
バロンと猫王が戦うシーンで流れた曲は、野見祐二の『脱出』です。
ムタの正体は「ルナルド・ムーン」。猫の国の魚を食べ尽くし逃げた、伝説の猫である事がわかるシーン〜バロンが剣で猫王と戦うシーン。
猫王はおじいちゃんなのに強いですが、勝負はあっけなく終わり、ちょっとクライマックスとしては物足りなかったです。(バロンとムタの勇姿をもっと観たかった…)
でもここで流れる「脱出」は、ハリウッド映画のクライマックスような緊迫感のある楽曲です。
ハルが元の世界へ戻るシーン
ハルが元の世界へ戻るシーンで流れた曲は、野見祐二の『帰れた、私帰れたんだ!』です。
城から落ちて、真っ逆さまに落ちるハルとムタを、トト率いるカラスたちが助けるシーン。
学校に着いてお別れをしますが、ハルの告白シーンも、お別れのシーンも、なんだかあっさりでこちらも拍子抜け…。
楽曲は「脱出」のように壮大で素晴らしく、それならもうちょっと盛り上げて欲しかったな、という印象のエンディングでした。
エンドロール・主題歌
エンドロール・主題歌は、つじあやのの『風になる』です。
つじあやのは、ウクレレの弾き語りスタイルの、シンガーソングライター。
この曲は今作の主題歌だけではなく、ハウス食品のCMソングとしても人気を博しました。
優しい歌声と、心地よいウクレレの音が心に染み渡ります。応援ソングとして聴いている人も多いですよ♪
サウンドトラック
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