『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』で流れた曲をシーンごとに紹介

とまと

『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』で流れた曲・BGMとは?

https://youtu.be/_lWbwXIu8gw



2002年9月7日公開の映画『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』

ウェス・アンダーソンの記念すべき初アカデミー賞ノミネート作品。グウィネス・パルトロー演じる長女のファッション、映画を彩る70年代名曲の数々…初期のウェス作品の中でも特に伝説的な作品です。

この記事では、『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』で使用されているBGMをご紹介していきます!

 

『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』で流れる曲

冒頭のプロローグ

Hey Jude - The Mutato Muzika Orchestra

The Beatles -

『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』冒頭のプロローグで使われている音楽は、The Beatles(ビートルズ)の『Hey Jude』です。

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オープニングはテネンバウムズ家兄弟の幼少期のシーン。ちゃんとイーライとパゴダも出てくるのが「みんな家族なんだなぁ」という感じで良いですね。全員子役なのに大人になった時とそう変わらない(服もあまり変わらない)のがとっても愛くるしい!…とは言ったものの、映画を見ているうちに、むしろ大人に成りきれなくて子供時代と変わらぬ格好をしているのか、と気付いてしまい、後から見返すとかなり切ないオープニングです。

ビートルズの名曲『Hey Jude』のインストカバー版が使用されています。もともとはElliott Smithにカバーを依頼する予定だったのが間に合わず、急遽The Mutato Muzika Orchestraがインストでカバーしたという経緯らしいです。エリオット・スミスのカバーも聴いてみたかった気もしますが、個人的にはインスト版の陽気なアレンジが切なさを増すのでこれで良かったのかも、と思いました!

 


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オープニングクレジット

Ravel: String Quartet, M. 35: II. Assez vif, très rythmé

Maurice Ravel - String Quartet in F

『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』のオープニングクレジットで使われている音楽は、Maurice Ravel(モーリス・ラヴェル)の『String Quartet in F』(弦楽四重奏曲 ヘ長調)第2楽章です。

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待ってました!メインキャストがようやく姿を現すオープニングクレジット!セリフは一切ないのに誰がどんな大人になったのか一目でわかる楽しいシーンです。まるでこれから舞台が始まるのをわかっているかのように全員が鏡(カメラ)を見て身支度しているのが、チャプター仕立てになっているこの作品とマッチしていて、とてもアンダーソンらしいですね。

弦楽四重奏曲は2台のヴァイオリンとヴィオラ、チェロの4人で演奏されます。それぞれの音色がきわだちながらも複雑に絡み合うのが魅力の編成です。個性豊かな面々が織りなす物語の始まりにぴったりの曲ですね!

 

マーゴとリッチーが久々の再会を果たすシーン

Nico - These Days

『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』の、マーゴとリッチーが久々の再会を果たすシーンで使われている音楽は、Nico(ニコ)の『These Days』です。

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ルーク・ウィルソン演じるテニスプレーヤーの次男リッチーが船旅から帰ってきたところをグウィネス・パルトロー演じる長女(養女)マーゴが迎えにきたシーンで流れていました。バスから降りるシーンさえシンメトリーの構図で撮っちゃう…さすがアンダーソンですね!

1967年に発表されたニコの『These Days』は哀愁漂う名曲です。アコギの素朴な音色とスローモーションで映し出されるマーゴがよりミステリアスで神々しく見えてきます。

ちなみにこの曲、まさかのTikTokで再ブーム真っ最中。アウトラインをなぞるエフェクトに合わせて使うのが人気らしく、ビリー・アイリッシュの投稿は1.5億回以上再生されました!

 

マーゴとイーライが車の中で会話するシーン

The Clash - Police & Thieves (Official Audio)

The Clash - Police & Thieves

『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』の、マーゴとイーライが車の中で会話するシーンで使われている音楽は、The Clash(ザ・クラッシュ)の『Police & Thieves』です。

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脚本・制作も務めたオーウェン・ウィルソン演じるイーライ、大蛇を巻いたり、クローゼットの中からパンツ1丁+サファリ帽で現れたりと、なかなか強烈ですよね!

イーライのカーステレオから流れてくるのはレゲエ×パンクの名曲『Police & Thieves』。ジャマイカの伝説的レゲエシンガーJunior Murvin(ジュニア・マービン)の代表曲を英パンクバンドThe Clah(クラッシュ)がカバーした名盤です。

…イーライの車でクラッシュが流れているというのは、ラストへの伏線なんでしょうか?(のちに出てくるイーライの部屋のシーンでも、ザ・クラッシュが流れています…)アンダーソン監督ならやりそうなブラックジョークです!

 

エセルとヘンリーのキスシーン

Bob Dylan - Wigwam (Official Audio)

Bob Dylan - Wigwam

『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』のエセルとヘンリーのキスシーンで使われている音楽は、Bob Dylan(ボブ・ディラン)の『Bob Dylan - Wigwam』です。

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アンジェリカ・ヒューストンといえば、アダムスファミリーやグリフターズなどエキセントリックで美人な母役が多いですが、『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』では考古学者でしっかり者の母を演じています。(アンダーソン監督の母も考古学者です!)
鉛筆で髪をまとめているのもチャーミングですね!

そんな母エセルがヘンリーの思いに応えるキスシーン…から、父ロイヤルが初めて孫に会いに行くシーンに繋がる時に流れているのがこの『Wigwam』です。この頃のボブディランらしく、どこかほのぼのとしたサウンドに癒されます。

 

 

ロイヤルが家に帰ってきた日の夜のシーン

Emitt Rhodes - Lullabye

『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』、ロイヤルが家に帰ってきた日の夜のシーンで使われている音楽は、Emitt Rhodes(エミット・ローズ)の『Lullabye』です。

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最愛の奥さんを亡くしたばかりのチャス…そんなチャスと父ロイヤルのやりとりには終始胸がキュンとします。味方だったのにBB弾で打たれたなど、ことあるごとに恨み節を呟くチャスですが、親に対して「あの時こうして欲しかった」とかいう感情って誰しも抱えているものですよね…。そんな親子の繊細な問題がよく描かれた作品です。

ロイヤルが家に帰ってきた日の夜、チャスが消灯に回るシーンで流れる『Lullabye』、ララバイは英語で子守唄を意味するので、ぴったりの選曲です!でも実はララバイのスペルはLullabyでラストのeが付きません。「愛する人がgoodbyeと言った時…」という歌詞が出てくるので、byeとかけてるのかなぁと思うと切ないですね。

 

ロイヤルが孫達を街に連れ出すシーン

Paul Simon - Me and Julio Down by the Schoolyard (Official Audio)

Paul Simon - Me and Julio Down by the Schoolyard

『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』、ロイヤルが孫達を街に連れ出すシーンで使われている音楽は、Paul Simon(ポール・サイモン)の『Me and Julio Down by the Schoolyard』です。

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ロイヤルは「男には無謀さを教えないと!」と孫達を街に連れ出します。わざわざ赤信号になってから大通りを渡ったり、万引きを教えたり…ツッコミどころ満載のシーンですが、流石ジーン・ハックマン、チャーミングなロイヤルの魅了全開です!

ポール・サイモンが72年に発表した『Me and Julio Down by the Schoolyard』(邦題 僕とフリオと校庭で)、当時の日本ではものすごい人気曲だったそうです。その証拠に庵野秀明が影響を受けたというホラー漫画の題名は「僕とフリオと校庭で」とそのままの題名ですし、山崎まさよしも題名をもじって「僕と不良と校庭で」という曲を作っています。

ブラジリアンなパーカッションが奏でる陽気なリズムがクセになります。また、ラストの口笛がより一層爽快感を増しますね!

 

長女マーゴの過去をプレイバックするシーン

Ramones - "Judy Is A Punk" - Ramones

Ramones - Judy Is a Punk

『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』の、長女マーゴの過去をプレイバックするシーンで使われている音楽は、Ramones(ラモーンズ)の『Judy Is a Punk』です。

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グウィネス・パルトロー演じる長女(養女)のアイコニックなメイクとファッションは、公開から20年以上経った今でもたびたびファッション雑誌で特集が組まれています。私も観るたびに、フェイクでいいからファーのコートが欲しい!!…と思ってしまいます。(マーゴが着ているのはFENDIのリアルファーコート)

この曲はマーゴの旦那さんが浮気調査を頼み、結果を聞きに来たシーンで流れます。12歳からの喫煙習慣を筆頭に、次々と明るみになる過去のロマンス…世界各地の名所をバックに次々と移り変わるユーモラスなキスシーンの連続はアンダーソン節全開です!
疾走感のある『Judy Is a Punk』と鮮やかな映像のコラボレーションは一度観たら忘れられません。

 

次男リッチーが髭を剃るシーン

Elliott Smith - Needle in the Hay

『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』の、次男リッチーが髭を剃るシーンで使われている音楽は、Elliott Smith(エリオット・スミス)の『Needle in the Hay』です。

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ウェス・アンダーソンの記念すべき初オスカーノミネート作品、『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』。初期のアンダーソン作品ですが、切なくてキュンとするのについつい笑ってしまうブラックユーモアのセンスや、独特の色使いはすでに完成されています。グウィネス・パルトロー演じる長女のファッション、痺れますね…。

次男リッチーが恋にやぶれてトレードマークの長髪と髭を剃るシーンで流れるこの曲…ソフトなギターがリッチーの心情とマッチしていて、その後の展開といい衝撃的でした。タイトルの意味は「干し草の中の針」探すのが難しいものの例えです。何度聞いても切なくて涙が滲んでしまいます。

(ちなみに、リッチー役のルーク・ウィルソンと恋敵イーライ役のオーウェン・ウィルソンは、実の兄弟です!)

 

リッチーがバスで病院から帰ってくるシーン

Nick Drake - Fly

『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』、リッチーがバスで病院から帰ってくるシーンで使われている音楽は、Nick Drake(ニック・ドレイク)の『Fly』です。

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病院からリッチーがバスに乗り一人帰ってくるシーンで流れ出すこの曲。アコースティックギターとヴィオラ、ハープシコードという変わった編成で、それぞれが織りなす絶妙な響きは、テネンバウムズ家を彷彿させます。(ちなみにヴィオラを演奏しているのはThe Velvet UndergroundのJohn Caleだとか!)

リッチーが失意の中リストカットをするシーンではエリオット・スミス、病院から帰ってくる時はニック・ドレイク…夭折の天才と言われる二人の曲をセレクトしているのは意図的なのでしょう。天才少年少女だったテネンバウムズ家の3兄弟、彼らの葛藤や悲しみを私達に伝えてくれる切ない音楽ですね。

 

マーゴとリッチーが互いに恋心を明かすシーン

The Rolling Stones - She Smiled Sweetly

『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』、マーゴとリッチーが互いに恋心を明かすシーンで使われている音楽は、The Rolling Stones(ローリング・ストーンズ)の『She Smiled Sweetly』です。

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養女とはいえ兄弟として育ったマーゴとリッチーが互いに秘めた恋心を打ち明けキスをする…ベタになりそうな展開なのに、絶対そうはならないのがアンダーソンの凄さですね。テントの中でマーゴがチョイスしたストーンズのレコード『Between the Buttons』から流れてくるのがこの曲です。そういえば、後続のウェス作品『ムーンライズ・キングダム』でもテントとポータブルレコードプレーヤーが印象的に使われていましたね!

甘いほほ笑み、と言う邦題がつけられている『She Smiled Sweetly』マーゴの表情はいつも気怠げですがリッチーからみたマーゴはいつも切なく微笑んでいるのです。終始無表情だったマーゴがリッチーの隣で一瞬涙を堪えるのをみるだけで、こちらがもらい泣きしてしまいます…。

 

マーゴがリッチーのテントから出て行くシーン

The Rolling Stones - Ruby Tuesday

『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』、マーゴがリッチーのテントから出て行くシーンで使われている音楽は、The Rolling Stones(ローリング・ストーンズ)の『Ruby Tuesday』です。

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レコードの曲がShe Smiled SweetlyからRuby Tuesdayに移り変わり、「この愛は秘めたままに」と言ってマーゴがテントを出て行くシーン…サビに入るところで同時にNew Chapterに移り変わる。なんて素晴らしい演出なんでしょう!!

ローリング・ストーンズのキース・リチャードが離れていった恋人のことを歌った名曲Ruby Tuesday、彼女はミステリアスで自由奔放、決して繋ぎ止めて置けない…と、まるでマーゴの事を歌っているかのような歌詞です。切なくて真っ直ぐなラブソングはリチャードとマーゴの関係性を象徴するようですね。

 

ホテル屋上でリッチーとロイヤルが会話するシーン

The Velvet Underground - Stephanie Says

『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』ホテル屋上でリッチーとロイヤルが会話するシーンの音楽は、The Velvet Underground(ヴェルヴェット・アンダーグラウンド)の『Stephanie Says』です。

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リッチーが父ロイヤルにマーゴへの想いを打ち明けるシーン。兄弟の中で最も父と相性がよく、素直な気持ちを打ち明けてくれるリッチーには、ロイヤルもついつい親身になってしまうようですね。空からモルデカイが現れる場面で澄んだギターイントロが聞こえてくると、ピュアな尊さにノックダウンされてしまいます!

マーゴとリッチーのシーンではNicoの歌がたびたび用いられていますが、そのNicoが一緒に活動していたことがあるのがThe Velvet Undergroundです。(バナナの絵で有名なデビューアルバムはThe Velvet Underground and Nicoとクレジットされています。)『Stephanie Says』はヴェルヴェット・アンダーグラウンドの楽曲の中では割とマイルドな楽曲で、雰囲気的にはNicoのソロ曲に似ていますし、リッチーの中でマーゴのイメージはこんな感じなのかなと想像してしまいますね。

 

イーライが部屋でドラッグをしようとしているシーン

The Clash - Rock the Casbah (Official Video)

The Clash - Rock the Casbah

『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』、イーライが部屋でドラッグをしようとしているシーンで流れている音楽は、The Clash(クラッシュ)の『Rock the Casbah』です。

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イーライのカーステレオに続き、部屋ではまたしてもクラッシュが流れています。…ということは、やっぱりイーライはクラッシュのファンなんですかね?言われてみれば、元気いっぱいで生命力に溢れるイーライらしい選曲ですね!

『Rock the Casbah』はクラッシュのドラマー、トッパー・ヒードンが作った数少ない曲のひとつです。反戦を願った歌で世界中で大ヒットしましたが、作曲者のヒードンはリリース直後に脱退を余儀なくされました。重度のヘロイン中毒だったそうです…あれ、だからこのシーンでこの曲を使ったのでしょうか?意味深です!

 

マーゴとリッチーが屋上で寄り添うシーン

The Fairest Of The Seasons

Nico -The Fairest Of The Seasons

『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』マーゴとリッチーが屋上で寄り添うシーンで使われている音楽は、Nico(ニコ)の『The Fairest Of The Seasons』です。

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マーゴとリッチーが屋上でタバコを吸うシーン…曇天の下っていうのがまた良いですね。マーゴのこのアイコニックなメイクアップ、実はNicoがモデルだそうで、アンダーソン監督からとても細かい指示があったとグウィネス・パルトローがインタビューで答えていました。ミステリアスで、どこか哀愁漂うNicoとマーゴ…納得です。

『The Fairest of the Season(邦題:美しい季節)』は映画前半の挿入歌『These Days』と同じNicoのソロ曲です。どちらもノスタルジックな名曲です。「私は離れることに決めた、この美しい季節に」という歌詞で締め括られるこの曲とエピローグの映像が涙を誘います。

 

エンディング曲

Everyone (2013 Remaster)

Van Morrison - Everyone

『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』の、エンディング曲として一番最初に流れる音楽は、Van Morrison(ヴァン・モリソン)の『Everyone』です

ヴァン・モリソンのソロ名義では3作目となるアルバム『ムーンダンス』(1970)に収録されたこの曲。フォークやカントリーの要素を取り入れつつ、フルートとクラヴィネットが素朴で軽快なサウンドを作り出しています。

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テネンバウムズ家のその後の様子が描かれた最終章。父ロイヤルのお葬式で作品は締めくくられます。マーゴの旦那さんの隣で、マーゴとリッチーが一つ傘の下でしんみりしている様子や長男家族のジャージ(喪服ver.)、嘘だらけの墓石の言葉が良い後味を残します。家族っていいですね…。

実はこのシーン、アンダーソン監督はビーチボーイズの Sloop John B.を使いたかったらしいのですが、契約ができずヴァン・モリソンの曲に変更したという経緯があります。ビーチボーイズの陽気なサウンドも合いそうですが、個人的にはヴァンモリソンのハスキーな声が父ロイヤルとダブってしまい、うるっときます。

 

筆者の感想

色使いやファッション、インテリア…画面のなか全てがとってもオシャレで、公開から20年以上経ったとは思えない色褪せない名作です。ずっとクスクス笑って見ていられるのに、いつの間にか目に涙が…そんな不思議な魅力があります。どの作品も素晴らしく、甲乙つけがたいウェス作品ですが、私はこれが一番のお気に入りです!

70年代ロック中心のサントラは名曲揃いで、聴きどころ満載です。登場人物ごとにNicoやThe Clashなど隠れテーマ曲があるのにも驚きました。サントラを聴きながら、テネンバウムズ家に思いを馳せましょう!


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サウンドトラック

 

カテゴリー - 挿入歌・サントラ
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洋画大好きライターのとまとです!好きな恋愛映画はLost in translationとJackie Brown。いやいやBleederも捨てがたい…。ちょっぴりビターなストーリーに激弱です。
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